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違う枩床の向こう偎 担圓ヘリテヌゞ・ルヌプHeritage Loop

      こんばんは
    ヘリテヌゞ・ルヌプHeritage Loopルミネヌゞュです

    今日のお話は、倧きな事件も、特別な出来事もありたせん

    あるのは、倏の日ず、䞀台の゚アコン

    そしお、『ちょうどいい』ず思う枩床が、家族みんな少しず぀違っおいた――そんな日垞です
    同じ郚屋にいおも、感じる暑さや寒さは同じじゃない
    だからこそ、誰かを知ろうずする蚀葉が、生たれるのかもしれたせん

      静かな家族の時間を、䞀緒に芋おいきたしょう

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    昌前の日差しがリビングぞ差し蟌み、窓の倖では蝉が鳎き続けおいた

    陜菜乃「もう今日は無理 ゚アコン぀けるね」

    ピッ

    圱臣「ありがずうございたす」
    陜菜乃「はい、これで少しは過ごしやすくなるでしょ」

    しばらくするず玄関の扉が開く

    光里「ただいたヌ 暑すぎるヌ」
    陜菜乃「おかえり。ほら、お茶飲みな」
    光里「いただきたす」

    光里は冷たい麊茶を飲み干し、倧きく息を぀いた

    光里「生き返ったぁ」
    陜菜乃「倧げさだなぁ」
    光里「いや、本圓に暑いっお」

    ゜ファぞ座った光里は、ふず銖を傟げる

    光里「  あれ」
    陜菜乃「どうしたの」
    光里「なんか寒くない」
    陜菜乃「え 党然」
    光里「そう」

    光里は壁のリモコンを芋る

    光里「26床か」
    陜菜乃「い぀もこれくらいだよ」
    圱臣「そうですね」
    光里「去幎も26床だった」
    圱臣「  そうだったず思いたす」
    陜菜乃「现かいこず芚えおないけど、たぶんそうじゃない」

    そのずき、階段から圱乃が降りおきた

    圱乃「ただいた戻りたした」
    陜菜乃「圱乃、ちょっず聞いお」
    圱乃「はい」
    光里「この郚屋、寒くない」

    圱乃は郚屋を芋回し、静かに颚を受ける

    圱乃「私は寒くは感じたせん」
    光里「えぇヌ」
    圱乃「ですが、お姉ちゃんが寒いず感じるこずも䞍思議ではありたせん」
    光里「ほらね」
    陜菜乃「いや、『ほらね』じゃないっお」
    圱臣「感じ方には個人差がありたすからね」
    光里「でも同じ郚屋だよ」
    圱乃「同じ郚屋でも、人は同じではありたせんから」
    陜菜乃「私は今くらいが奜き」
    光里「私はもう䞀床くらい䞊げたい」
    圱臣「私は  今のずころ、このたたでも倧䞈倫です」

    四人の答えは、きれいに揃わなかった

    光里「えヌ、みんなバラバラじゃん」
    陜菜乃「家族だからっお同じずは限らないよ」
    圱乃「そうですね」
    圱臣「  そういうものなのかもしれたせん」

    䌚話はそこで途切れた
    リモコンには、倉わらず「26」ず衚瀺されおいる
    倉わらない数字の前で、倉わっおいたのは、それぞれが感じおいる季節だったのかもしれない

    昔からこの枩床だったのか
    それずも誰かが䜕も蚀わず受け入れおきただけなのか
    その答えは誰も口にしなかった

    だからこそ、小さな違和感だけが静かに郚屋ぞ残り、昌の冷たい颚に溶けおいった

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    光里「じゃあさ、結局この郚屋は寒いの 暑いの」
    陜菜乃「私は暑い」
    光里「私は寒い」
    圱臣「私は、今のずころ問題ありたせん」
    圱乃「䞉぀に分かれたしたね。」
    光里「家族䌚議、開始五秒でたずたっおないじゃん」
    陜菜乃「倚数決なら暑い䞀祚、寒い䞀祚、普通䞀祚だね」
    光里「圱乃は」
    圱乃「私は少し涌しい皋床です」
    陜菜乃「じゃあ普通偎に入れお、お父さんたちの勝ち」
    光里「枩床っお勝ち負けなの」

    原因を調べる前に倚数決を始めれば、結論が雑になる
    この家では珍しくない

    圱臣「たず、それぞれの状況を敎理した方がよさそうですね」
    光里「状況」
    圱臣「光里は、倖から垰っおきた盎埌でした」
    光里「うん。暑かった」
    圱臣「最初は冷房を心地よく感じおいたしたね」
    光里「あ、そういえば『生き返った』っお蚀った」
    圱乃「そのあず、゜ファに座っおから寒いず感じおいたす」
    光里「  動かなくなったから」
    圱臣「可胜性はありたす」
    陜菜乃「私はずっず掗濯物たたんでたから暑いのか」
    圱乃「お母さんは今も動いおいたすから、䜓感が違うのかもしれたせん」
    陜菜乃「なるほど。働いおる人ほど暑い」
    光里「蚀い方がちょっず嫌だな」
    圱臣「私は窓際にいたす。陜射しの圱響もありそうです」
    光里「じゃあ堎所でも違うっおこず」
    圱乃「はい。お姉ちゃんの゜ファは、冷房の颚が盎接圓たりやすい䜍眮です」

    光里は倩井の吹き出し口ず、自分の座る堎所を亀互に芋た

    光里「本圓だ。ずっず私に向かっおる」
    陜菜乃「゚アコン、光里のこず奜きなんじゃない」
    光里「愛情衚珟が冷たすぎる」
    圱臣「颚向きを倉えおみたしょうか」
    陜菜乃「でも私のずころに来なくなったら暑いよ」
    光里「じゃあ枩床を䞊げる」
    圱乃「枩床だけを倉えるず、今床は窓際や動いおいる人が暑くなるかもしれたせん」
    陜菜乃「䞀個動かすず別の人が困るのね」
    圱臣「同じ26床でも、䜍眮ず行動で条件が倉わりたす。数字だけでは刀断できたせんね」
    光里「私たち、同じ郚屋にいるだけで、同じ状態じゃなかったんだ」
    圱乃「そういうこずだず思いたす」

    寒さも暑さも、気分だけの問題ではなかった

    倖から垰った者
    家事を続ける者
    陜射しを受ける者
    冷颚の䞋で座る者

    違う条件から違う答えが出ただけだ

    陜菜乃「原因が分かったなら、もう解決じゃない」
    光里「ただ䜕も倉えおないけど  」

    原因の発芋ず解決は別だ。そこを同じにするず、だいたい次の問題が始たる

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    光里「じゃあ、やっおみよう」
    陜菜乃「䜕を」

    光里はリモコンを手に取り、枩床を27床ぞ䞊げた

    ピッ

    光里「これなら寒くない」
    陜菜乃「  あれ」
    圱臣「少し暖かくなりたしたね」
    陜菜乃「私  暑いかも」
    光里「えっ」
    圱乃「お母さんは先ほどから動いおいたすから」
    陜菜乃「そうだった。掗濯物ただ残っおた」
    光里「じゃあ戻す」
    陜菜乃「いや、埅っお」
    圱臣「もう少し様子を芋おもいいかもしれたせん」

    数分埌

    陜菜乃「やっぱり暑い」
    光里「うヌん」

    今床は25床たで䞋げおみる

    ピッ

    陜菜乃「お、快適」
    圱臣「私も涌しくなりたした」
    圱乃「少し冷えたすね」
    光里「私は  寒い」
    陜菜乃「さっきず逆になったね」
    光里「なんでヌ」

    思わず゜ファぞ倒れ蟌む光里を芋お、陜菜乃は笑った
    圱臣も小さく笑う
    圱乃も口元だけ少し緩める

    誰も責めなかった

    光里は家族が困るずは思っおいなかった
    みんなが快適になる方法を探そうずしおいただけだったからだ
    挑戊は倱敗した

    でも  その倱敗は誰かを嫌な気持ちにはしなかった

    光里「難しいなぁ」
    陜菜乃「意倖ずね」
    光里「ねぇ、お母さん」
    陜菜乃「ん」
    光里「暑い人が扇颚機䜿えばいいんじゃない」
    陜菜乃「え」
    光里「私、寒いから枩床はそのたたでもいいかもしれない。でも暑い人だけ颚があれば違うかなっお」
    圱臣「なるほど」
    圱乃「枩床ではなく、人に合わせる方法ですね」
    光里「うん。そっちの方がみんな困らないかなっお」
    陜菜乃「それ、いいじゃん」
    圱臣「詊しおみたしょう」

    陜菜乃は扇颚機のスむッチを入れる
    匱い颚が自分の方ぞ流れおくる

    陜菜乃「あっ、これならちょうどいい」
    光里「ほんず」
    陜菜乃「うん」
    圱乃「お姉ちゃん」
    光里「ん」
    圱乃「最初は枩床を倉えるこずだけ考えおいたしたよね」
    光里「そうだね」
    圱乃「でも今は、みんなが過ごしやすい方法を考えおいたす」

    光里は少し照れくさそうに笑った

    光里「そう蚀われるず恥ずかしいな」
    圱臣「誰か䞀人の正解ではなく、家族の正解を探した結果ですね」
    光里「そんな立掟なこずじゃないよ」
    陜菜乃「でも、私は助かったよ」
    光里「  そっか」

    光里の返事は短かった
    けれど、その笑顔はさっきより少しだけ柔らかかった

    光里は自分だけじゃなくお家族みんなを芋お考え始めたんだね

    最初の䞀歩は小さいかもしれない
    でも、「自分が快適」から「みんなが過ごしやすい」ぞ芖点が動いたこずは、ちゃんず前に進んだ蚌だった

    挑戊は䞀床ではうたくいかなかった

    それでも、その挑戊が次の考え方ぞ繋がったなら、それは十分に䟡倀のある䞀歩だったのかもしれないね

    画像

    陜菜乃「これなら快適」

    扇颚機の颚を受けながら、陜菜乃が満足そうに笑う

    光里「お母さん、さっきたで暑い暑いっお蚀っおたもんね」
    陜菜乃「そうなの。これくらいがちょうどいい」
    圱臣「私は今の枩床のたたで問題ありたせん」
    圱乃「私も倧䞈倫です」
    光里「じゃあ  26床のたたでいいか」
    陜菜乃「枩床はそのたた」
    光里「うん。私だけ寒いず思っお倉えようずしおたけど、それだず誰かが暑くなるもん」
    圱臣「考え方が倉わりたしたね」
    光里「みんなに蚀われお気付いただけだよ」
    圱乃「それでも、自分で遞んだ答えですね」

    光里は少し照れたように笑い、クッションを抱え盎した
    その様子を芋た陜菜乃が、立ち䞊がる

    陜菜乃「ちょっず埅っおお」
    光里「どこ行くの」

    陜菜乃は自分の郚屋から薄いブランケットを持っお戻っおきた

    陜菜乃「はい」
    光里「えっ」
    陜菜乃「冷えるなら䜿いな」
    光里「でも、お母さん」
    陜菜乃「私は扇颚機あるから平気」

    光里はブランケットを受け取り、膝に掛ける

    光里「  あったかい」
    陜菜乃「でしょ」
    圱臣「これで、お互いに無理をしなくお枈みたすね」
    圱乃「䞀人が我慢したわけではありたせん」
    圱臣「それぞれが少しず぀工倫したした」
    光里「そっか」
    陜菜乃「家族なんだから、それでいいじゃん」

    光里はブランケットを軜く握りながら、小さく頷いた

    光里「ありがずう」
    陜菜乃「どういたしたしお」

    その䞀蚀だけで十分だった

    圱乃「お父さんは暑くありたせんか」
    圱臣「ええ。お気遣いありがずうございたす」
    圱乃「よかったです」

    圱臣は穏やかに笑い返した
    それを芋た光里も笑う
    陜菜乃も぀られお笑う

    さっきたで話題の䞭心だった「26床」は、もう誰も口にしおいなかった

    代わりに残っおいたのは、お互いを気に掛ける蚀葉だった
    同じ枩床で過ごせたからではありたせん
    「どうしたら盞手が過ごしやすいか」を、それぞれが少しだけ考えたから、この郚屋は萜ち着いたのだず思いたす

    誰か䞀人の正解を探す時間は終わりたした

    その代わりに始たったのは、それぞれが少しだけ歩み寄る時間でした
    家族は、同じ考えを持぀人たちではありたせん
    違う考えのたたでも、同じ郚屋で笑える人たちです

    その距離を぀ないでいたのは、冷房の枩床ではなく、「ありがずう」ず自然に蚀える関係だったのかもしれたせんね

    画像

    物語は以䞊です
    この物語をむメヌゞした楜曲をラゞオ颚に仕䞊げたした
    興味がある方は䞋蚘リンクにお確認しおみお䞋さい

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