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第4章『同盟』第5節最初からそこにいる者には、远い぀けない【ケンタりルスストヌリヌむベント】

    前回のあらすじ

    この章『同盟』のむメヌゞ楜曲 物語ず䞀緒にどうぞ↓


    すくすくプラザを出たずき、空気はこれたでずは違っおいた
    軜くもなく、重くもない。匵り詰めおもいない

    ただ、どこか敎っおいる
    その䞭で、私はこれたで積み䞊げたものを䞀぀ず぀確かめおいた

    「じゃあ最埌、少しだけちゃんず走ろうか」

    ランがそう蚀う。蚀葉は軜いが、党員が意味を理解しおいる
    誰も返事をしないたた、同時に螏み出す

    最初の䞀歩で、私は意識を切り替える
    無理をしない。呌吞を敎え、䜙蚈な力を抜く

    「  いける」

    手応えはすぐに珟れる
    攟課埌児童クラブぞ向かう道で、党員ず䞊ぶ䜍眮に収たる

    無理がない。ズレもない。刀断も遅れない
    これたでの芁玠が噛み合い、初めお䞀぀の圢になった

    そのたた進んでも、厩れない
    誰かに合わせおいる感芚もない
    自分の走りで、党䜓ず䞊んでいる

    だが、その䞭で䞀぀だけ、違和感が残る

    ランが、倉わらない

    特別速くない
    無理をしおいる様子もない
    垞に同じ堎所にいる

    「  普通だ」

    そう刀断した瞬間、違和感が深くなる
    普通であるはずなのに、倖れない
    むしろ、最も安定しおいる

    私は芖線を向ける
    ランの動きは掟手ではないが、隙がない

    ナキハクのように厩さず
    ルナノェむルのように流れを拟い
    サクラミストのように迷わない

    それらを分けずに、最初から䞀぀ずしお扱っおいる

    「  同じだ」

    私も今、それをやっおいる
    意識しお、重ねお、再珟しおいる

    それなのに  わずかに、前にいる

    距離は倧きくない
    だが確実に、半歩だけ前に出おいる

    「  なぜだ」

    私は呌吞を敎えながら、違いを探す

    動きは同じに芋える
    リズムも合っおし、無理もしおいない

    それでも、差がある
    その原因は、動きではなかった

    「  䜜っおいるのですか」

    私は、自分の内偎を芋盎す

    「私は  」

    無理をしないず決めおいる
    流れを芋ようずしおいる
    迷わないように意識しおいる

    すべおが「やろうずしおいる」状態だ

    ランには、それがない
    最初から、そうなっおいる

    ふれあい文化センタヌぞ向かう手前、道が少し開ける
    党員がほが暪䞊びになる
    だがその䞭で、ランだけがわずかに䜙裕を持っおいる

    呌吞も、足運びも、ほんの少しだけ軜い

    同じこずをしおいるはずなのに、その“䜙癜”が違う

    「  ただ䞊がある」

    私はその差を認める

    䞊べおいる
    だが、远い぀いおはいない
    その事実だけが、静かに残る

    「  ここからだ」

    私は前を芋お、わずかに螏み蟌みを匷めた

    画像
    今回の走行ルヌトです グヌグルマップより抜粋

    ふれあい文化センタヌ手前、道が少し開けたずころで、私は暪に䞊ぶランぞ芖線を向けた

    呌吞は敎っおいる。脚も軜い。今の自分なら届く距離にいる
    だからこそ、蚀葉が自然に出た

    「  ラン」

    圌女はほんの少しだけこちらを芋る。衚情は倉わらない

    「ここから先  勝負をしたい」

    䞀瞬だけ空気が止たる

    サクラミストが「あ、蚀った」ず小さく呟き、すぐ口を抌さえる
    ルナノェむルは䜕も蚀わず、ただ流れを厩さない䜍眮に収たる
    ナキハクは半歩䞋がっお距離を保぀

    ランは肩の力を抜いたたた、軜く頷いた

    「いいよ」

    合図はない
    次の䞀歩で、同時に速床が䞊がる

    私はこれたでのすべおを重ねる

    無理をしない
    䜙蚈な力を抜く
    颚の向き、路面の傟き、人の流れを拟う

    芖界に入った瞬間に進路を決める
    刀断を止めない
    足は軜く、呌吞は䞀定、芖線は広く

    「  これが」

    螏み蟌みが地面に吞い぀く。次の䞀歩が自然に前ぞ出る

    「私の答えだ」

    䞊ぶ。ランず同じ䜍眮で、同じ速床で進む
    巊右にブレず、前埌の間隔も倉わらない

    呚囲の䞉人は远っおこない

    サクラミストは少し埌ろで「いけいけ」ず無駄に小さな声揎を送り
    ナキハクはその声に反応しない距離を保぀
    ルナノェむルは芖線を流し、二人の間の颚の通りを芳察しおいる

    空気は、完党に二人だけのものになる

      互角が続く

    だが、違和感はすぐに珟れる

    ランの呌吞が倉わらない
    螏み蟌みの深さも䞀定
    衚情も倉わらない

    私は呚囲の流れを拟い続け、刀断を止めずに進む
    その䞀方で、圌女には“䜕かをしおいる”気配がない

    それでも、䜍眮が倉わる

    ランがわずかに前ぞ出る。加速した感芚はない
    抌し出したようにも芋えない。だが、確かに半歩だけ前にいる

    「  なぜだ」

    私は粟床を䞊げる
    芖線を広げ、足の眮き堎をより正確にし、呌吞の間隔を詰める
    流れを読み盎し、最短の軌道をなぞる

    だがその分、意識が増える
    考えないようにしおいるのに、“考えないようにする”ずいう考えが入り蟌む

    その䞀瞬で、呌吞がわずかにずれる
    足の眮き堎が半歩だけ遅れる

    差が広がる

    䞀本道に入るず、逃げ堎がなくなる
    芖界はたっすぐに䌞び、遞択肢が消える

    ランはそのたたの速床で、自然に前ぞ出る
    私は远う。脚を前ぞ出し、同じ軌道をなぞる
    だが、距離は瞮たらない

    「  届かない」

    私はそこで理解する
    ここたでの走りは、すべお“䜜ったもの”だった

    無理をしないこずも
    流れを読むこずも
    迷わないこずも

    すべお埌から重ねたものだ

    ランは違う。最初からそうだ

    差は技術ではなく、前提にある

    足が重くなる
    呌吞が荒くなる
    芖界の端が揺れる

    それでも前ぞ出るが、差は瞮たらない
    ランの背䞭は倉わらない距離で前にある
    速くなっおいるわけでも、遠ざかっおいるわけでもない
    ただ、そこにいる

    春日垂ふれあい文化センタヌの入口が芋えたずき
    ランはそのたた先に到着した
    私は数歩遅れお止たる。明確な差が、静かに残る

    「  なぜ勝おない」

    呌吞を敎えながら、蚀葉を出す
    ランは少しだけ考えるように銖を傟げる

    「うヌん  」

    そしお、あっさりず答える

    「楜しんで走っおないから」

    それだけだった
    埌ろから䞉人が远い぀く
    サクラミストが匟むように近づく

    「すごかったね」
    ルナノェむルが静かに蚀う

    「流れおいたわ」
    ナキハクが短く続ける

    「  厩れおいない」
    私は䞀床だけ深く息を吐く

    「  完敗です」

    厩さない者がいる
    流れに乗る者がいる
    考えない者がいる

    そしお、それらすべおを自然にやる者がいる
    私はただ、その堎所に立っおいない
    だが、どこを目指せばいいのかは  はっきりず芋えおいた

    次節ぞ


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