メインコンテンツへスキップ
見出し画像

近郊カタログロテスク

    石原とつき

    彼女たち
    うぬぼれたと思われて秋に破門される
    チョウたちの葬儀に寄りそうくらい
    ぬられた蜜をなめるくらいお人好しだったのに
    風がざくろやざやくざの割れ目をつくっていく

    出入り自由な場所が街道にあるのはいいことだ
    器用に飲むサイダーは火星印で国産だ
    火は液体なの気体なの
    野原に火を放ってから
    少女たちを走り回らせたい
    なんていうはきちがいがいるから
    世界はとんちのようにくだらない

    その里は忍者が多く
    陶磁器械体操のひがみ地でもあった
    歴史音楽家は塩湖から上がった
    古い焼き物を声をあげては水をささげ
    色の変化を楽しんだ
    (これはこれは…)

    夏祭りで出目金をすくって火の輪くぐりした
    若者が都を目指すと聞いてもう偶然を待つ
    しかないようなくすぐっ体位の娘たち
    ――たまたまねたまたまよたまたまにそうたまたま兄がいないかしら、秋が恋しい兄貴たち
    昔はいたけどね体温が上昇しちゃってさ
    ひとりが義眼をコップに落とす
    このときの泡をおまるの天使とよぶという
    13年∫組では天使が飛ぶことがあるのだ
    トックリイタチが襲いかかったときのような
    大きな検眼表
    上下右左峠
    あいうえお
    aiueo
    プールでのエラ呼吸
    頭痛腹式出血への対処法
    ドはドーナツのド
    パパからもらったクラリネット
    校庭に皇帝な黄帝を
    だれだ、せき払いなんて
    偉そうだぞ

     
     
     
    自由律俳句、詩、短編小説、コラムなど。 https://twitter.com/octtomsuke 自由律はマイナーでナンセンスな短詩系文学と思っております。第33回西東三鬼賞秀逸1、入選1、佳作4。※2026/08/01から毎週火、木、土曜日に投稿します。

    あなたへのおすすめ