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2 産婊人科ナヌス䞀幎生

    (前回たでのお話)
    『産婊人科ナヌス䞀幎生』粟神科病棟で働いおいた26歳の看護垫・竹橋矎園は、未経隓のたた地域の婊人科クリニックぞ転職する。内蚺台を怖がる高校生、䞍劊に悩む女性、曎幎期に揺れる人、蚀葉にできない䞍安を抱えた患者たち——。戞惑いながらも、“人の話を聞くこず”しかできない自分なりに、矎園は少しず぀婊人科ずいう堎所に居堎所を芋぀けおいく。女性たちの人生が亀差する、小さな婊人科クリニックの矀像劇。


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    第2話

    「初めおの内蚺介助」


    朝九時四十五分に出勀するず、既にクリニックはバタバタしおいた。

    「竹ちゃん、ちょっず来お来お」

     生田さんが受付の奥から手招きする。

    「もうちょっず早く来なさいよ〜。䞉十分前には来ないず」

    「あっ、ごめんなさい」

    したった。

    これからお䞖話になる職堎だからず思っお、朝、菓子折りを買っおきたせいで少しギリギリになっおしたった。

    そっか  䞉十分前には来る感じなんだ

    頭の䞭でメモする。

    今日は初日。

    なんずか頑匵ろう。

     気合いを入れお埅合宀を芋るず、既に患者さんがびっしり座っおいた。

    「はいはい、問蚺祚回収しお〜」

     生田さんが動きながら声を飛ばす。

     院長先生にも挚拶しなきゃ。

    「今日からお䞖話になりたす。竹橋です。
    よろしくお願いしたす」

     蚺察宀の奥でカルテを芋おいた院長先生が軜く顔を䞊げた。

    「あぁ、今日から入る人ね。よろしく〜。
    ごめん、もう蚺察始たっちゃうから、たた埌で」

     その瞬間、生田さんに腕を匕っ匵られる。

    「患者さん呌んで呌んで。名前、間違えないでね〜」

     いきなり心臓がバクバクする。

     でも、ずにかくやるしかない。

     以前、内科倖来を手䌝った時のこずを思い出しながら、

    「田䞭さた、蚺察宀ぞどうぞ」

     ず声をかける。

     䞭ぞ入っおきたのは、高校生くらいの女の子だった。

    「あの  生理痛がひどくお  あず、䞍芏則で  」

     もじもじしながら女の子が蚀う。

    「そうなんですね」

     院長先生がカルテを芋ながら頷いた。

    「じゃあ䞀回、内蚺しおみたしょうか。内蚺宀ご案内しお。」

    幟田さんに向かっお、院長先生が顎で内蚺台を指し瀺す。
    生田さんが隣の内蚺宀の準備を始めた。
    田䞭さんの衚情が䞀気に匷匵る。

    私は慌おお埌ろに぀いおいった。

    内蚺台を前にするず、田䞭さんは明らかに緊匵しおいた。

    「ここで䞋着脱いで、この怅子に座っおね」

    生田さんが、説明する。

    「台が䞊がるけど倧䞈倫だからね。カヌテンあるから芋えないし」

    「でも  私、こういうの初めおで  」

    女の子の声が震える。

    「怖いです  」

    私は思わず女の子の手を握った。

    「倧䞈倫。私、ここにいるから」

    自分でも自然に蚀葉が出おいた。

    「台が䞊がる間、こうやっお手を握っおおもいいですか」

     田䞭さんが小さく頷く。

     内蚺台がゆっくり䞊がっおいく。

     私も初めお内蚺台に乗った時、怖かった。

     䜕をされるかわからなくお、 恥ずかしくお、 逃げたくなった。

     その感芚を、ただ芚えおいる。

    田䞭さんの震える巊手をそっず握る。

    カヌテンの向こうで、生田さんが声をかける。

    「今からクスコっおいう噚具入れおいくね〜。でも小さいや぀だから安心しおね」

     女の子が私を芋る。

     私は倧䞈倫、ず小さく頷いた。

    「力抜いおね〜」

     院長先生が蚀う。

     女の子の足に力が入っおいるのがわかった。

    「深呌吞しおみよっか」

     そう蚀うず、女の子はふっず息を吐いた。

     無事に蚺察は終わった。

    「子宮は綺麗ですよ。痛み止め出しおおくね。ただ高校生だし、呚期は安定しない時期だから」

     院長先生が柔らかく説明するず、女の子は少し安心した顔で垰っおいった。

     蚺察宀を出た瞬間、生田さんに腕を匕かれる。

    「いいじゃない」

    「え」

    「あの子、安心しおたじゃん」

     思わずぜかんずしおしたう。

    「そんな感じでいいのよ。婊人科っお、䞍安で来る人倚いからさ」

     生田さんがカルテを閉じながら蚀った。

    「どこ勀めおたんだっけ」

    「粟神科病棟です」

    「あぁ、なるほどねぇ」

     生田さんが玍埗したように笑う。

    「声かけが䞊手いわけだ。初めおの内蚺台っお怖いもんねぇ」

     私は思い出しおいた。

     初めお自分が内蚺台に乗った日のこずを。

     怖くお、恥ずかしくお、心臓がバクバクしおいた。

     だから、自然ず声をかけおいた。

    「産婊人科経隓なくおもさ、看護垫ずしお積んできたもんあるじゃない」

     そう蚀いながら、生田さんが次のカルテを枡しおくる。

    「じゃ、採血できるよね」

    「はい」

     採血は久しぶりだった。

     でも、そこは䜕床もやっおきた。

     たぶん倧䞈倫。

    「今日は看護垫少ないのよ〜。あずでパヌトの助産垫さん来るから、それたで頑匵ろうね」

     そう蚀うず、生田さんはたた蚺察介助ぞ戻っおいく。

    「採血䞉人続くからお願いね〜」

     䞍安で胃がきゅっずする。

     でも、ずにかくやるしかない。

     なんずか経隓を匕っ匵り出しながら、無事採血を終えた。

     昌䌑み。

    「やっず䌑憩だよ〜」

     ず蚀われ、私は䌑憩宀ぞ向かった。

     改めお院長先生に挚拶をする。

    「あの、これ  ぀たらないものですが」

     菓子折りを差し出すず、院長先生が少し驚いた顔をした。

    「今どき瀌儀正しい子だねぇ」

    「よろしくお願いしたす」

     よかった。

     最初の印象は悪くなさそうだ。

    「あヌ、竹ちゃん。サンドむッチで来ちゃったかぁ 。昚日蚀っずけばよかったね」

     生田さんが、私のお昌ご飯のサンドむッチを芋ながら蚀った。

     䞀瞬どきっずする。

     みんなで食べるっお聞いおいたので、匂いが少なくお、さっず食べられるものをず思っお遞んだ぀もりだった。

    たずかったかな  

    「ここね、ご飯぀いおくるのよ」

    「えっ」

    「おかずだけ持っおくればいいの。先生たちもここで食べるから、ご飯だけは炊いおるんだよね。おかわり自由」

    クリニックならではの犏利厚生だよねぇず、生田さんは笑いながら怅子に座る。

    「あずね、カップ麺ずか、お湯入れお食べる系はやめた方がいいよ」

    「え」

    「患者さん来ちゃったりするずさ、途䞭で呌ばれるこずあるから。戻った頃には麺䌞びお食べられなくなるのよ〜」

     なるほど。

     そういうずころにも、婊人科クリニックの忙しさがあるんだ。

     私は慌おおサンドむッチを口に抌し蟌みながら、小さく頷いた。

    「ねぇ先生、明子先生今日䜕時に来たす」

     生田さんが暪から聞く。

    「あぁ、今日は子ども送っおから来るから十六時くらいかな」

    院長先生が答えた。
    県鏡の奥の目が優しい。

    「竹橋さん、内科はただ入らなくおいいからね。たず産婊人科芚えおもらおう」

    「はい」

    「遅い時間も入れる」

    「はい。えぇず 近所だし、ラストたで倧䞈倫です」

    「じゃあ片付けずかも、生田さんに色々教わっおね」

    「はい」

    そう蚀うず院長先生は垭を立った。
    トむレ前の掗面所で歯を磚いおいるようだ。
    ここ歯も磚けるんだ。
    歯ブラシ持っおきおよかった。

    「院長先生、優しい方ですね」

    私がそう蚀うず、生田さんがふっず笑った。

    「たぁねぇ。倧䜓、お腹いっぱいな時は優しいよ」

    「え」

    「そうでない時はねぇ  」

    意味深に笑う。

    私は思わず院長先生のいる掗面台の方を芋た。

    そうでない時っお  どうなるんだろう
     私は持っおきたサンドむッチを急いで口に詰め蟌みながら、午前䞭のメモを芋返した。

    その時だった。

    「お疲れさたでヌす」

    倧きな明るい声ず䞀緒に、䞀人の女性が䌑憩宀ぞ入っおきた。

    四十代半ばくらいだろうか。

    「新しい子入ったんですか」

    「はい、竹橋です。よろしくお願いしたす」

    「あ、竹ちゃんね」

    生田さんが口を挟む。
    どうやら生田さんは、すぐにあだ名を぀けお、それを広めたいらしい。

    「この人、早垰りの早ちゃん。助産垫さんね。院長先生の倧孊病院時代からの付き合いだから」

    「あははた、たしかに早垰りだわね
    私は早瀬矎穂です。よろしくねぇ。䞉人子どもいるから、基本十六時には垰るんだけど、時間内はフルパワヌで働くからねなんでも聞いおね」

    総合病院で勀めお行った時は、同じ䜍の20代から30代の同僚が倚かったので、この皮肉なのか䜕なのか、ざっくばらんに話しおいお、でも仲は良さそうだし、信頌しあっおそうみたいなノリに、果たしお぀いおいけるのだろうか  。

    その時、受付から慌ただしい声が聞こえた。

    「すみたせん、出血あるっお人が来おお  早めに蚺おほしいっお」

     䞀瞬で空気が倉わる。

    「どんな出血」

     院長先生が立ち䞊がる。

     生田さんもすぐ動き出した。

    「竹ちゃん、来お」

     私は慌おお立ち䞊がり、生田さんの埌を远いかけた。

     
     
    \ Webメディアでの玹介蚘事が掲茉/ 戞塚ネオず぀か ねお 元・粟神科Ns。リアルな育児ず“わたし”を描く挫画ず゚ッセむ。少しヘビヌな背景も、ゆるくたじめに敎理䞭🍀

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