
【アメリカンドック】 統合失調症2級男が書いたショート小説
「総理は先日、日本の税金87兆円をアメリカに投資するという公式文書に調印なされましたね。私はその公式文書を注意深く且つ何度も何度も繰り返しながら読み進めました。すると、87兆円の投資によって利益が生じた際でも、日本の取り分はその利益の僅か10%と明記されておりました。これは余りにも不平等過ぎる取り決めではありませんか? こんな不平等な投資は世界中に存在する数多の資本主義国家の隅々まで徹底的に探しても絶対に1つも見付かりませんよ。何故こんな不平等な投資の公式文書に調印したんですか? 本当に日本とアメリカは対等な同盟国と言えるのでしょうか? こんなにも不平等な投資契約を受け入れてしまう日本は丸でアメリカの植民地みたいじゃないですか? この不平等過ぎる投資は日本国に甚大なる損害をもたらしますよ。総理、あなたは本当に日本という国を愛しているのですか? 総理、あなたはご自身を愛国者だと思われておりますか? それとも売国奴だと思われておりますか? 明確なるご答弁を要求致します」
「赤田さん、あなたは確か50歳を超えておられますよね、それなのに何を中学生みたいな青臭い質問をしているんですか? 日本はアメリカに戦争で負けた国ですよ、そんな日本がアメリカに逆らえる訳がないじゃないですか、日本の首都圏である横田と横須賀と厚木には米軍が駐留していてアメリカは日本の首根っこを抑え込んでいるんです、それが現実なんですよ。その他にも日本にはCIAの工作員がウジャウジャ居て日本の上層部の人間たちは皆んなCIAの手下でもある訳だし、そういう状況下で日本も私もアメリカに逆らえる訳が無いじゃないですか。もしも、日本という国全体がアメリカに逆らったなら確実に3発目、4発目、5発目、6発目の核ミサイルが各主要都市に飛んで来る事になりますし、私個人が逆らったなら、CIAにスキャンダルをでっち上げられて私の政治生命は終わってしまいます。しかし、それだけならまだ良い方ですよ、最悪の場合にはCIAは文字通り、命を奪いに来ます。現に戦後日本ではCIAによって実際に殺された政治家が何人も居るじゃないですか、私には可愛い孫たちが4人も居るので、その孫たち全員が成人するまでは到底死ねません。なので赤田さん、青臭い事は言わないで現実を見て下さい。日本がアメリカに逆らうなんて到底不可能中な不可能な事なんですよ、それでも私を批判すると言うのなら、赤田さんはさっさとタイムマシンでも発明して過去に戻り、アメリカに負ける戦争しか出来なかった大日本帝国日本軍の幹部たちにどうぞ思う存分罵詈雑言を浴びせて来て下さい。そして、最後に答えますが、私は正真正銘の日本の愛国者です。日本の愛国とは徹底的にアメリカに媚びへつらう事なんですよ」
その国会答弁から6日後の午前8時10分過ぎに神戸市のホテルの一室で総理大臣である岸海健三がソファーにもたれ掛かって息絶えているところを秘書の男性が発見する事になった。兵庫県警は発見から僅か20分後には心筋梗塞による病死と公式発表した。勿論、司法解剖が実施される事は決してありませんでした。