
赤い
チューリップが好き。
秋に植えられたひとつの球根が、
冬の寒さを越えて、
春にたった一輪の花を咲かせる。
こんなにも色鮮やかなのに、
その命は、僅か一週間ほど。
桜も儚いけれど、
チューリップはどこか潔い。
だからだろうか。
この美しい瞬間を残したくて、シャッターを押す。
毎年撮っているのに、
見返すたびに、息をのむ。
今年のチューリップは、真っ赤。
見渡すかぎり、赤、赤、赤。
その中で、ふと目にとまった2輪。
さりげなく、でも確かに、
「ここにいるよ」と伝えてくるようだった。
たくさんの中の、ただのひとつ。
ひかっても、ひからなくても、
チューリップはチューリップ。
でもね、
このふたりは、
私のアルバムの中で、
これからもずっと、ひかり続けてくれるんじゃないかなと思う。
