
雨音とチャイとロマンス
朝からよく雨が降っている。
明日の天気予報を調べてみると降水確率90%のめちゃめちゃ雨。
抹茶のチャイを作る。
といっても完成されたパウダーにお湯と温めた牛乳を注ぐだけ。
私の今の身体にカフェインはあまり優しくないので半分だけパウダーを入れる。楽しみが2回に増えた。
今日は誕生日前日。
誕生日に晴れた記憶がない。
前日のセンチメンタル・ジャーニーにまかせてキーボードを叩いてゆく。
だからと言って、誕生日も雨も嫌いなわけではなく
むしろこの季節に咲く紫陽花が特別愛おしく、とても好きな花である。
わたしがまだ大学生だった頃、
同じアルバイト先の同い年の女の子が誕生日に紫陽花の花束をプレゼントしてくれた。
紫陽花の花束をもらうことなんて、後にも先にもあの一度だけな気がする。なんとなく。
控えめでちょっぴり自分に自信がなさそうで、でも独特の可愛らしさがあって彼女のことが大好きだった。
しかし10年以上の月日が流れいつのまにかLINEのアカウントごと消えてしまっていた。なんだかブロックされたりするよりも何十倍も切ない。
もうきっと会えないのかもしれない。
最近読んだ本のセリフに
「でもなんかほんとに大事にしたい物は見せたくなくて書いてなかったりしてて、よくわかんないです」
という一文があった。
わたしはいつも「書きたい」と「書きたくない」の間で揺れている。
大事なナニカがこぼれおちてしまいそうでこわいのだ。
でも日々酸いも甘いも色々な出来事が起こる中でこんな大切な記憶が埋もれてしまってふと忘れたりする自分もいて、そうなってしまっては本末転倒である。

””数年前の四日間だけ一緒にいた2人。
同じ時間を違う理由で大切にしていて、その違いは他者に伝えようとした時に現れて、生活から生まれた創作がまた生活を変えていく。
漫画とドラマと現実が交錯するコメディ作品。””
あえて本編に関してはこれ以上言及しないが、一つ気がついたことがある。
わたしは「あとがき」を読むことが好きなのかもしれない。
小説でも、ノンフィクションのエッセイだったとしても、どうしてもそれはラッピングされた「作品」なのだ。
でもあとがきはそのラッピングの中のその人自身に少しだけ、ほんの少しだけ触れられるような感じがする。
『ロマンス』は恋とか仕事の話である前に「あなたが読んだことのある話」になった。
誰かの人生のちょっとした隙間に自分の書いた物語が挟まっていることが嬉しい。そしてその挟まった物語によって、あなたの人生が少しでも過ごしやすいものになっていることを願うばかりである。
いつか人生のあとがきを書くときに、少しでも自分が好きだと思える「あとがき」が書きたい。