
1リットルの壁
あまーい抹茶が好きだ。
最近、普通のチョコが高くて、抹茶チョコなんて買おう日には「今日誕生日だっけ?」くらい奮発する気持ちになる。でも買う。
ハマったのはつい最近で、数ヶ月前までは
「え?緑?お断りです」
……していた。
抹茶は苦いイメージが先行する上に緑。色味だけで甘党には踏み入れることができない領域展開をしている。…つまり、食わず嫌い。
飲み放題でココア、コーヒー、いつものラインナップ。そこに登場する緑。あったか〜い、つめた〜い。なんでそこに緑?なんとなく押さずにはいられなかった。氷の入ったコップに注がれる緑。わぁ、健康に良さそう。
オレだからそこまで苦いことはないだろう。
飲む。…あーまーい!!!うーまーーい!!!その日は結局5杯飲んで帰宅した。
ズキュウゥン。ひとめぼれの感覚に近いやつだった。
そこでスーパーで出会った抹茶オレ。
最後の1個。
「買って!」って言ってるやつ。棚に残されたそれは、なんというか、もう私を待っていた感じがした。値段を見る。入っている本数に対して、紅茶より高くない?と思いつつカゴへ。だって最後の1個だったから。
さっそく飲もう!と家に帰ってきたら、瞬間湯沸かし器の中に紅茶が1リットル残っていた。
紅茶。リーズナブル。自社のやつですってスーパーが売り出してたらもっと安い。
規定量、ティーバッグに対して150ミリリットル。否、常にお湯は1リットルに対してティーバッグ一袋。いつもこれ。
朝、湯沸かし器で沸かす。ティーバッグ一袋ぽい。仕事へ行って帰ってくる。めちゃくちゃ濃いやつが出来上がってる。素晴らしい。
毎日貴族の気分。1杯あたり100円どころか10円もしない。
紅茶「やぁ。いつものだよ。好きだろ?」
その瞬間、今日の"抹茶オレ計画"は静かに崩れ落ちた。
スーパーへ行く前に「仕事前のごほうび」として仕込んでいたのを、すっかり忘れていた。しかも1リットル。帰宅後の1杯も紅茶。つまり?
お湯が沸かせない。
いや、鍋があるじゃないか。
飲めないことはない。
じゃあ湯沸かし器に残っている紅茶はどうなる?明日になれば味が落ちてしまい、紅茶に失礼だ。じゃあどうするか。
飲むしかないじゃないか。
立ち塞がる紅茶(いつもの)を倒して、抹茶オレ(本命)を味わい尽くそう。
逝って……いや、行ってきます。
