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体重計が採点機だった。

    ある日、ふと思ったんです。

    私、体重計に乗っていたんじゃない。

    採点機の上に乗っていたんだって。

    数字が減っていたら合格。

    増えていたら不合格。

    昨日より軽ければ安心して、

    重ければ落ち込む。

    体重を測っているつもりだったのに、

    いつの間にか、自分の価値を測っていました。

     

    もちろん、体重計そのものにそんな機能はありません。

    体重を測る。

    ただそれだけ。

    それなのに私は、

    表示された数字に勝手に意味をつけていました。

    「増えたからダメ。」

    「減ったからえらい。」

    「今日は合格。」

    「今日は不合格。」

    そんなふうに。

     

    でも、ある時気づいたんです。

    体重計は、ただ重さを教えてくれていただけだった。

    「あなたは価値がありません」

    なんて、一言も言っていない。

    「今日も頑張りが足りませんね」

    なんて、表示されたこともない。

    あるのは数字だけ。

    そこに意味を書き足していたのは、私でした。

     

    不思議ですよね。

    もし友達が昨日より1kg増えたとして、

    「あなたの価値が下がったね。」

    なんて思わない。

    むしろ、

    「そういう日もあるよね。」

    くらいで終わる。

    なのに、自分のことになると急に厳しくなる。

    数字ひとつで、

    一日分の気分まで採点してしまう。

     

    そしてこれは、体重だけの話ではないのかもしれません。

    仕事。

    年齢。

    年収。

    婚活。

    フォロワー数。

    貯金額。

    私たちは気づかないうちに、

    いろんな数字や結果を採点表に変えてしまいます。

     

    うまくいけば合格。

    失敗したら不合格。

    褒められたら価値がある。

    断られたら価値がない。

    そんなふうに。

     

    でも本当は、

    「体重が増えた」

    と、

    「価値がない」

    は別のお話。

     

    「お断りされた」

    と、

    「魅力がない」

    も別のお話。

     

    「うまくいかなかった」

    と、

    「人としてダメ」

    も別のお話。

     

    事実と評価は、いつも同じ顔をして近くに立っています。

    だから、つい混ざってしまう。

    でも、本当は別々のもの。

     


    体重計は、今日もただ重さを測っています。

    採点なんてしていません。




     
     
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