
ヤンヤン誘拐事件 第2話 上出来
ゲオルグは携帯をしまい、キリアンに微笑んだ。
「上手く行ったみたいです」
シルバーン産の高級デスクランプを立てながら、キリアンはブラウザーを起動した。
「結構ニュースになってるね。ちゃんと逃げ方は説明した?」
「はい。アスイで車を替えてから、こっちに向かうように言ってあります。替えの車も宿も用意してます」
「アスイからバハイまでだと、二日くらいか?」
「いえ、交代でぶっ通して運転するように言っていますので、明日の夜にはこちらに着きます」
「いいぞ。間に合いそうだな」
「それにしても急でしたね」
「物好きな奴らは何時もそうだよ。急に我慢できなくなる。我慢できると思って誰にも言わないけど、やっぱりダメになって、頼んで来る」
ニヤニヤしながら、キリアンはメールを打ち始めた。
「…マグロ、無事調達できましたよ…と」
ゲオルグの顔にも嘲笑が広がった。
「手数料、たくさん請求してくださいよ」