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#はじめて切なさを覚えた日

    友音

    「邂逅の記憶」


    ユウにとって、雄はいい友人だった。

    何でも話せる、そんなかけがえのない人だったのかもしれない。

    そして、ある日から雄のことが気になってしょうがなくなった。

    そんな時に限ってか、自分の劣等感が頭を駆け巡る。

    本当は、ただ気になる人のことだけを思い浮かべ、
    ただ、その気持ちに正直になればいい。

    単純な仕組みの中は、カオスの糸が絡まっている。

    まるで解けない数式のようだった。

    (会いにいかなきゃ。
    今までと違う気持ちだから)

    ユウは、駆け出した。

    いつも、お互いの家を行き来していた。

    今はなんだか、もどかしい。

    雄の家の玄関の前、1回呼び鈴を鳴らす。

    雄が出てきた。

    まるで飛びつくかのように、ユウは、雄にしがみついた。

    「あのね・・あのね・・聞いて、雄。
    あの・・・何だっけ、あれ?
    なんて言おうとしてたんだっけ・・」

    ユウは、言いたいことを思い出せなかった。

    「何で?
    何で?
    うそ・・うそ!
    何で思い出せないの・・
    何で!」

    ユウは形のない焦燥感に苛立ちを隠せなかった。

    「えっ?
    君、誰?」

    雄は、ポカンとした顔で、ユウを見ている。

    「何言ってるの雄!
    私は、言いたいことがあって、私達は確か・・
    あれ・・どんな関係だった?」

    ユウは、焦ったまま動揺している。

    「知らないよ。
    帰ってくれないか」

    雄は、クールに言った。

    「うそ・・うそよ!
    こんなの、こんなのありえない」

    ユウは、涙を流しながら叫んだ。

    そして、駆け出した。

    雄は、その背中をじっと見ている。

    「ごめんね。
    ユウ。
    僕は、君とは一緒になれないんだ。
    これは、魔法を使う者の掟だから。
    君の記憶を少し消させてもらったんだ」

    雄は、悔しそうに涙を流す。

    そして、部屋に戻った。

    その部屋には、大きな魔法陣が描かれていた。


     
     
     

    友音

     
     
    イラスト、音楽好きです。 自閉症スペクトラム(ASD)、うつ病です。

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