
Far,together.
「まだ見ぬ場所へ たどり着くために 全“緑”で Far,together.」
2026年5月。レバンガ北海道の最終戦、電光掲示板に映し出された言葉に、私はなぜか涙が出た。
「Far,together.」は今季のレバンガのスローガンだ。もとは「早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければみんなで進め」というアフリカのことわざの後半部分。
その瞬間、私は思った。
ああ、レバンガもM!LKも、この言葉の中にいる、と。
2011年に誕生したレバンガ北海道は、前身チーム消滅の危機を乗り越えて始まったクラブだ。そこから14年。負け越しのシーズンも多かった。それでも、ブースターと共に歩みを止めなかった。
実は私は、2012年頃にも一度レバンガを観に行ったことがある。でも、その時は特に刺さらなかった。2024年、息子がミニバスを始めたことをきっかけに再び観戦したけれど、「楽しかった」で終わった。
変わったのは2025シーズンだった。
最初は、日本代表の富永啓生選手を見てみたい、くらいの気持ちだった。3歳の娘がいるので、まずは配信観戦。すると、広島戦での32点差からの大逆転劇、12連勝と快挙が続いた。
最初は富永選手だけを見ていたのに、気づけば全員を見ていた。泥臭いリバウンドも、ベンチの盛り上がりも、苦しい時間帯の踏ん張りも、全部に心を動かされた。
気づけば私は、“推し選手”ではなく、“チームごと”好きになっていた。
12月、ようやく家族で北海きたえーるへ。95対83で勝利。まさかの夫が「また行きたい」と言った。観客動員は4508人。そこからホーム10連勝を達成した京都戦では、会場は約6300人で満員だった。

熱狂、というより、「みんなで育てている空気」がそこにあった。
レバンガは今季、37勝23敗。クラブ史上最高成績だった。CS進出は逃した。でも、不思議と悔しさだけじゃなかった。「来年はもっと遠くへ行ける」と思えたのだ。
2014年結成のM!LKも、長い時間をかけてここまで来たグループだ。メンバーの卒業や加入を経て、今の5人になった。それでも彼らは何度も「5人なら」と口にする。
M!LKとの出会いも、レバンガに少し似ている。
きっかけは、息子のミニバスのクリスマス会だった。BGMにリクエストされたのが「イイじゃん」と「好きすぎて滅」。私はまったくピンと来なかった。でも、小学生男子たちが「好きすぎて滅」を完璧に踊っていることに衝撃を受けた。
息子に「おかあちゃん、好きすぎて滅を検索して」と言われ、SNSを漁り始めた。そして年越しのCDTVで彼らを見た。
正直、最初は「便利にテレビに使われるアイドルね」と斜めに見ていた。でも歌唱が始まると空気が変わった。
メンバーカラーのジャージ姿で、自分たちの歌詞を替え歌にしながら全力で走り回る。「まじつかれたーー!」と叫ぶメンバーを、他の4人が笑いながら支えている。
完璧なアイドル、ではなかった。
その場を、5人で全力で楽しもうとしている人たちだった。
その後、紅白初出場決定動画を見た。
みんなで手をつないで喜ぶ場面で、あるメンバーがスタッフにも「みんなで掴んだもんやから」と声をかけていた。
その言葉を聞いた瞬間、レバンガの「Far,together.」が頭に浮かんだ。
5人だけじゃない。
チームだけじゃない。
ファンも、スタッフも、ブースターも。
2011年から14年かけて歩んできたレバンガと、2014年から11年かけて進んできたM!LK。
どちらも、一人ではここまで来られなかった。
みんなで進むから、遠くへ行ける。
気づけば私も、ただ見ている側じゃなくなっていた。
レバンガも、M!LKも、まだ完成していない。
だから惹かれる。
まだ遠くへ行こうとしている途中だから、一緒に進みたくなる。
Far,together.
2026年春、私はその言葉を、推しから教わった。