星くずの囁き
「おやすみなさい」
星くずがそっと囁きました
「誰に言ったの?」
星くずのお兄さんが不思議そうに聞きます
「あそこの窓からこっちを見ている坊やに言ったのさ」
「ああ、あの坊やか。毎晩窓からこっちを見上げているね」
お兄さんの星くずも坊やの事を知っていました
「お母さんが病気なんだ」
「早く元気になるように祈ってるんだね」
坊やのお母さんは重い病気で長い間入院しているのです
「僕たちに出来る事はない?」
弟の星くずが尋ねました
「あの子のお母さんを探そう。そして元気を届けるんだ」
星くずの兄弟は坊やのお母さんを探しました
月に尋ねます
「月のおじさん。あの子のお母さんを知らない?」
「あの子のお母さんなら隣町の大きな病院にいるよ」
「ありがとう」
星くずの兄弟は月にお礼を言って隣町へと急ぎます
坊やのお母さんはすぐに見つかりました
お母さんもまた坊やと同じ様に窓から夜空を見上げていたからです
「お母さんの命の火が消えそう」
お母さんの命の火は今にも消えてしまいそうに頼りなく揺れていました
「時間がない。僕がお母さんの命の火になるよ」
「二人で一緒に行こう。そしてお母さんの命の火を灯そう」
こうして星くずの兄弟は二人でお母さんの命の中に入り明るく明るく火を灯しました
何日かして元気になって坊やを抱き上げるお母さんの姿がありました
「良かったね」
お母さんの命の中で星くずの兄弟がそっと囁きました
