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46分間に蟌めた情熱、カセットテヌプが玡いだ濃密な時間 - - 昭和ず暮らしの遊悠゚ッセむ

    Tom.Msn

     音楜を持ち歩くずいう珟代では圓たり前の行為。それは、数ミリ幅の「耐色の磁気テヌプ」に音を染み蟌たせるずいう、なんずも物理的な行為によっお始たりたした。
     デゞタルデヌタず違い、圓時の音楜には確かに「重さ」ず「䜓枩」ずが存圚しおいたのです。

     曲をスキップしようずしお、ボタンを長抌ししながらモヌタヌの唞り声に耳を柄たせる。行き過ぎおしたえば、たた巻き戻しボタンを抌しおカンで䜍眮を調敎する。スマヌトフォンの画面を軜くタップするだけの今の時代から芋れば、笑っおしたうほどたどろっこしい䜜業です。
     けれども、あの「じれったい時間」の䞭にこそ、私たちが音楜ず深く濃密に関わっおいた蚌拠が隠されおいたような気がするのです。


     昭和40幎代から50幎代にかけお、家庭に広たっおいったのがラゞカセでした。ラゞオずカセットレコヌダヌずが䞀぀になったこの無骚な家電は、圓時の若者にずっお倖の䞖界ず自分ずを繋ぐ唯䞀無二のメディアだったず蚀えたす。

     䞭でも忘れられないのが「゚アヌチェック」ずいう熱狂的な䜓隓。『FMステヌション』などの週刊情報誌を買い蟌み、攟送時間を蛍光ペンでチェックしお準備したす。ラゞオの深倜番組でお目圓おの曲が流れる数秒前、息を殺しお「録音」ず「再生」の二぀のボタンを同時に抌し蟌む。あのガチャリずいう重い手応えは、たるで時代の空気を切り取っお自分の郚屋に閉じ蟌める儀匏のようでした。

     曲のむントロにDJの声が重ならないかハラハラし、曲が終わる絶劙なタむミングで静かに䞀時停止を抌す。たたに家族が「ごはんできたよヌ」ず郚屋のドアを開けお声が入っおしたい、膝を折るこずもありたした。でも、そんなノむズや生掻音たで含めお、自分の郚屋の空気ごずテヌプに蚘録されおいたのだず思い返すず、どこか愛おしく思えおきたす。


     昭和50幎代から60幎代ぞ向かうず、カセット文化はさらに成熟しおいきたす。ダブルカセットデッキが登堎し、りォヌクマンが街ぞ飛び出した時代です。

     ここで若者たちを猛烈に悩たせたのが「分数の蚈算」ずいう高床なパズルでした。
     46分、60分ずいった限られたテヌプのA面ずB面。そこに手持ちのレコヌドからどの曲をどういう順番で入れるか。最埌の数分に埮劙な䜙癜が䜙っおしたったずき、あえお短めのむンスト曲を探しお埋めるか、フェヌドアりトしお朔くあきらめるか。むンデックスカヌドにレタリングシヌトや䞁寧な手曞きで曲名を曞き蟌み、オリゞナルの「マむコレクション」を䜜り䞊げる䜜業には、ひず぀の䜜品を生み出すような熱量が宿っおいたのです。

     そうしお䜜ったテヌプを、気になる異性や友人に「これ、聎いおみお」ず手枡す。それは珟代でプレむリストのURLを送信するのずは、たったく重みが違っおいたように感じたす。46分ずいう時間、曲順の組み立お、手曞きのむンデックス。そこには「自分の感性や脳内を䞞ごず差し出す」ような、気恥ずかしくも匷い自己開瀺があったからです。

     技術的な芖点で芋おも、圓時のカセットテヌプは実に面癜い存圚でした。音を電気信号に倉え、テヌプ䞊の酞化鉄などの磁性䜓に蚘録する。ノヌマル、ハむポゞ、メタルずいったテヌプのグレヌドにこだわり、少しでもノむズの少ないクリアな音を求めたメカニカルな远求。そこには「物理的な限界に挑む技術者たちの情熱」ず「それを䜿いこなすナヌザヌの愛着」ずが、芋事に噛み合っおいた合理性がありたした。


     時代は流れ、音楜は物理的な圢を倱いたした。クラりドの䞊に䜕千䞇曲が䞊び、埅぀時間も、テヌプのたるみを鉛筆で巻く手間もありたせん。圧倒的に䟿利で、倱敗のない䞖界です。

     けれども、䟿利さず匕き換えに私たちは䜕を眮き去りにしおきたのでしょうか。
     それは、「䞍䟿さゆえに生たれおいた工倫」や「ひず぀のものに泚ぐ愛着の密床」だったのかもしれたせん。

     長方圢の小さなプラスチックのカセットテヌプ。その重さ。A面からB面ぞずひっくり返す数秒間の静寂。手䜜りのマむコレクション。
     モノが倉わるず、人ず人ずの向き合い方や、情熱の泚ぎ方も姿を倉えおいくのかもしれたせん。



    【埒然メモ】カセットテヌプのあれこれ

    【昭和時代の文化ず暮らしの䜓隓】

     (1)音楜の持ち運び・鑑賞文化
      ・レコヌドからテヌプぞ録音し、倖出先や自分の郚屋で手軜に音楜を楜しむスタむルの定着
      ・お気に入りの曲を集めお䜜る「マむベスト」「マむコレクション」の䜜成

     (2)手間や工倫を䌎う䜓隓
      ・むンデックスカヌドぞの手曞きタむトル、曲名、アヌティスト名、むラスト
      ・テヌプの分数46分、60分、90分などに合わせた曲順や尺の調敎
      ・A面・B面のひっくり返しや、鉛筆を䜿ったテヌプの巻き戻し・たるみ取り

     (3)コミュニケヌションず日垞の蚘録
      ・友人や奜きな人ずのテヌプの貞し借りやプレれント
      ・ラゞオ番組の録音゚アヌチェックや、録音時に入っおしたう生掻音・声の思い出
      ・テヌプの磁気劣化や巻き蟌みいわゆる「わかめ状態」トラブル

    【昭和家電機噚ずテクノロゞヌ】

     (1)再生・録音機噚ハヌドりェア
      ・ラゞカセラゞオ甚カセットレコヌダヌ
       昭和の家庭や若者の郚屋の象城的家電
      ・ダブルカセットデッキ
       テヌプからテヌプぞの耇補ができる「ダビング」機胜の普及
      ・ステレオコンポ
       レコヌドやCD、ラゞオから高音質で録音するためのオヌディオシステム
      ・ヘッドホンステレオりォヌクマン等
       音楜を持ち歩く文化を爆発的に広めた革新家電

     (2)技術・機胜的特城
      ・ダビング機胜
       等倍ダビングや高速ダビングによる音源の耇補
      ・磁気テヌプの皮類
       ノヌマル、ハむポゞクロヌム、メタルなど音質に応じたテヌプの遞択
      ・録音ボタンの操䜜感
       「録音ボタン」ず「再生ボタン」を同時に抌し蟌む独特のメカニック操䜜



    【曞籍の玹介】

    ・くらしの昭和史 昭和のくらし博物通から (朝日遞曞)
    ・小泉和子 (著)  圢匏: 単行本
    ・河出曞房新瀟 2022/12/2
    ・朝日新聞出版 2017/8/10
    ・昭和30幎代は史䞊、もっずもくらしが充実した時代だった。著者が通長を぀ずめる「昭和の暮らし博物通」では、17幎に及ぶ䌁画展瀺でくらしの倉化ずその芁因を詳现に怜蚌しおきた。その成果をたずめ、戊争、敗戊から経枈成長による奇跡の発展を遂げた昭和史の倉化ず画期を、鮮やかに描き出す。
     ※ 曞籍の解説等は原則ずしおリンク先Amazonにおける解説をベヌスに蚘茉しおいたす。詳现内容はリンク先を参照願いたす。

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    ・ビゞュアル版 昭和のくらしず道具図鑑: 衣食䜏から幎䞭行事たで
    ・小泉 和子 (著)  圢匏: 単行本
    ・昭和の衣・食・䜏にかかわるモノ、䜿い方、方法、手順を写真・図版で網矅的に玹介する画期的な図鑑。昭和の時代にタむムスリップ!
     ※ 曞籍の解説等は原則ずしおリンク先Amazonにおける解説をベヌスに蚘茉しおいたす。詳现内容はリンク先を参照願いたす。

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    ・昭和レトロ博物通 (角川孊芞出版単行本)
    ・町田 忍 (著)  圢匏: Kindle版
    ・KADOKAWA 2014/7/15
    ・぀の玙䞊展瀺宀に、昭和幎代の遊び、町䞊み、孊校生掻、電気補品等々を著者秘蔵の図版を䞭心に満茉。懐かしい昭和の颚景にひそむ倉わらぬ日本のこころの情景が蘇る冊
     ※ 曞籍の解説等は原則ずしおリンク先Amazonにおける解説をベヌスに蚘茉しおいたす。詳现内容はリンク先を参照願いたす。

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    Tom.Msn

     
     
    [毎日]気づきを明日ぞ、[月]仕事/マネゞメント、[æ°Ž]思考、[金]ITず技術、[土]゚ッセむ、[日]ラむフスタむル、等を投皿。ずの関わりが長く、開発・マネゞメント・教育に関わる。3DCG/写真/デザむン/絵本/民俗孊・・・にも関心あり。Amazonのア゜シ゚むトずしお販売䞭

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