メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byx4a4n

6月の部屋干しと、故郷への羨望

    櫻井とこ

    生まれ故郷には、梅雨がない。

    故郷の6月といえば
    気持ちいい気温、晴れ間が多い。洗濯物はよく乾き、タオルからお日さまのにおいがした。運動会やお祭りも多く開かれている。

    まさに故郷の6月は、春と夏との間の絶妙な心地よさを感じられるいい季節だった。


    片や。
    20年前に就職で移り住んだこの地には、しっかり梅雨がある。さらに、10年前から花粉症にも悩まされている。

    雨と花粉と黄砂。いずれも物干しの大敵だ。とどめに、もうむし暑い。

    冬の気温一桁の時期や、2月の中頃からゴールデンウイーク、そして6月 梅雨の時期と部屋干しになる。

    さらに悪いことに、我が家が旗竿地にあり室内の日当たりはどこも悪く、サーキュレーターは回すもののなかなか気持ちよく乾かない。

    あのお日さまのにおいは、都合年の1/3もおあずけとなる。さもなくばくしゃみが止まらなくなるのだから、背に腹は代えられない。


    最近、部屋干しに新たな問題が浮上しつつある。娘の成長だ。

    服のサイズが大きくなるのはもちろんのこと、体育や給食などで洗濯物が出てしまう。1帖半しかない物干しスペースはもちろん、まだ使っていない娘の部屋にまで洗濯物が並んでいる。

    今はまだ、並んで寝ているママを豪快に蹴飛ばしながら寝ているおてんば娘。いずれ、自らのプライベートスペースを所望するのだろう。
    そうなる頃には寝室に洗濯物を干すしかなくなるが、娘が「パパと一緒の洗濯は嫌だ」などお決まりのセリフを口にするようになるのか。

    部屋干しスペースと合わせて、頭の痛い問題となりそうだ。


    故郷の広い、物干し場が羨ましい。

    (655字)

    本記事は、三條凛花さん企画「月刊tote 6月×暮らし」応募エッセイです。

    【Profile とことこてー】
    うつ病で人生夏休み中のサラリーマン。
    noteフォロワーを応援する、おうえん詩人。


     
     
     
    道産子物書き| すのう杯2024グランプリ受賞| 第2回灯火杯言葉のチカラ賞受賞| KINDLE書籍「なんのはなしですか どうかしているとしか」寄稿|「なんのはなしです珈ZINE な編」寄稿 プロフィール画はきょうたのさん作、キャッチコピーは本田すのうさん作です。

    あなたへのおすすめ