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神楽坂に、憧れる(創作大賞2025レビュー)

    櫻井とこ

    読み終えたとき、幸せな気持ちになりました。

    🟥

    はじめに

    僕は、元来他の方の作品を評価したり、逆に評価されたりするのが好きではありません。
    例外として、創作大賞のような「前もって明らかな評価を前提とするコンテストに参加する場合」、自分の作品に対する評価は受けます。
    それなりの覚悟を持って創作します。

    ただ、
    人からの評価が怖い。
    その逆も怖い。
    (仕事の報告書は容赦なく赤を入れますが)

    今まで、文学人間でない僕もnoteを始めてから数多く作品に出会いました。
    中には「これは書けない」と鳥肌が立つような作品もありました。
    それでも、せいぜい感想コメントを残す程度に留めていました。

    そんな僕が、「ぜひレビューしたい」と思った作品があります。

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    作品紹介

    今回紹介させていただくのは、オガワヒカリさんの「神楽坂、スカートは紅し」です。

    本作を読むにあたり、注意点があります。
    あらすじにも記載がありますが、以下の点を含むおはなしです。
    ・自傷行為を含む描写があること
    ・精神疾患に関する描写があること
     (フラッシュバックなどに繋がる恐れあり)

    こころに、からだにキズを持つ茉侑まゆが、たまたま訪れた神楽坂で入った喫茶店オーナー 航大こうだいに出逢い、ふたりの物語が始まりますが…

    この先はリンクにて。

    🟥

    作品に惹かれたところ

    僕の好みとして、例えどんなに不幸な物語でも「温かさ」が欲しいのです。

    自傷行為、精神疾患、フラッシュバック。

    こんな描写が数多くなされているのに、この物語は温かいんです。

    茉侑の事情を察する航大。
    店を支える人。
    喫茶店に集まる人々。
    航大の飼い犬。

    みんな、温かい。
    ひとつひとつの描写で、それが表現されています。

    そんな環境で、こころの壊れた茉侑が少しずつこころを取り戻す。

    創作だからこその世界ですが、この温かさが現実にいっぱいあってほしいと願ってやみません。

    なぜか。
    僕自身がうつ病患者であり、妹は双極性障害Ⅱ型を抱えて生きています。
    ここ数年有名人のカミングアウトで、精神疾患がどれほど辛いものかというのが少しずつ世間に浸透しつつあります。しかし、全体で見れば区別、差別さえ残るのが現実です。
    精神疾患にかかると、治りません。
    目の前の現実に向き合い、生きていくしかないのです。

    まさに本作の茉侑なのです。

    いや、茉侑はまだ働けていました。
    それさえも満足に叶わず、夢や希望を持てずに肩身を狭くして生きていくしかない方が大勢いらっしゃる。これが精神疾患患者の現実です。

    補足

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    読了後の想い

    こんな温かさが、もっと広がるといいな。
    こころに傷を持っていても、何らかのハンデを持っていても、こんな温かい世界で生きていけたら。

    夢や希望が、どんな人にも描ける街「神楽坂」があったら。

    ストーリーはあなたの目で確かめて下さい。

    ただひとつ、重ねて言いたいこと。
    僕は、この作品を読んで幸せな気持ちになることができました。

    改めて、このような素敵な作品を世に送り出された、オガワヒカリさんに感謝申し上げます。

    (了)

    #創作大賞2025
    #創作大賞感想


     
     
     
    道産子物書き| すのう杯2024グランプリ受賞| 第2回灯火杯言葉のチカラ賞受賞| KINDLE書籍「なんのはなしですか どうかしているとしか」寄稿|「なんのはなしです珈ZINE な編」寄稿 プロフィール画はきょうたのさん作、キャッチコピーは本田すのうさん作です。

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