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2026.04.09 「沢井製薬 v. スキャンポ」 知財高裁令和7年(行ケ)10059, 10064 ― 特許権存続期間延長登録成立要件における「重複論」の採用と「必要な試験」の機能的把握(ルビプロストン事件)

Fubuki

Summary

本件は、ルビプロストンを有効成分とする本件各医薬品アミティーザ®の各承認(24μg製剤及び12μg製剤)に基づく医薬用途発明に係る特許権存続期間延長登録について、沢井製薬が無効を主張した審決取消訴訟である。主要な争点は、①医薬用途発明における「特許発明の実施」と各承認処分との関係(延長登録要件論における「専ら論・ラベル論」の採否)、及び②「処分を受けるのに必要な試験」の範囲(すなわち「特許発明の実施をすることができなかった期間」の把握)にあった。

知財高裁は、「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」との承認効能・効果には本件発明の用途である「薬物誘発性便秘」が含まれるとして、本件各医薬品の製造販売行為は本件発明の実施行為と少なくとも「重複部分」を有すると判断した。そして延長登録要件の判断においては、侵害論で議論される「専ら論」や「ラベル論」を排斥し、「処分によって禁止が解除された行為」と「特許発明の実施行為」との間に重複部分があれば足りるとの基準を明示した。

また、「薬物誘発性便秘」患者を対象とする臨床試験が実施されていなかったとしても、承認審査において品質・有効性・安全性の確認に供された試験であれば「当該処分を受けるために必要な試験」に当たると判断した。さらに後行する12μg製剤の承認についても、先行する24μg製剤承認時の臨床試験資料が承認審査の前提となっている以上、それら試験も後行承認に必要な試験に該当すると判示した。

本判決は、医薬用途発明と延長登録制度の交錯領域において「実施」概念を「重複論」により整理し、また「処分に必要な試験」を承認審査との機能的関連性から把握した点は、今後の延長登録実務に少なからぬ影響を与えるものと思われる。

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