2026.03.03 「ヴィアトリス製薬 v. 沢井製薬」 大阪地裁令和7年(ワ)10786, 10790 ― 後行延長特許権の効力は先行延長の対象医薬品に及ぶか(ルビプロストン事件)
Summary
本件は、アミティーザ®24μg及び同12μgを製造販売するヴィアトリス製薬(原告)が、同12μgの承認処分に基づく存続期間延長登録によって延長された特許権の効力が同24μgの後発医薬品である沢井製薬(被告)製品の生産等にも及ぶと主張し、その差止め等を求めた事案である。本判決は、特許権の存続期間延長制度において、先後複数承認処分が存在する場合の延長特許権の効力範囲を明確に示した点で重要である。
大阪地方裁判所は、延長特許権の効力は「実質同一」の範囲に広がり重複し得るとしつつも、後行する12μgの承認処分に基づく延長の効力が、先行する24μgの承認処分に基づく延長の対象医薬品にまで及ぶことはないと判示し、既に延長期間が終了した領域に対する効力の再拡張を明確に否定して、原告の請求を棄却した。
本判決は、いわゆるベバシズマブ事件及びオキサリプラチン事件によって形成されてきた「実質同一」論を前提としつつ、その効力の広がりが制度構造によって制約されることを具体的に示した点で、延長特許権の効力に関する判決例の流れに新たな輪郭を与えるものと評価される。
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