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【資産管理会社を作ろう】プロローグ:100年続く規律のシステムと、ソファで寝ていた「始祖」の物語


    プロローグ:2.3億円のレバレッジと熟睡の夜

    こんにちは。15年くらい投資家です.

    今日は、いつも私の頭の中にある少し大きめの「妄想」というか、これから形にしようとしている未来のグランドデザインについて、のんびりとお話しさせてください。
    ただ、せっかくなので、創作大賞にエントリーしようと思い、2、3回分の投稿を一つにまとめたので、とても長くなってしまいました。。。
    note特有の(?)、スマホで5分でサクッと読める、というボリュームではなくなってしまっています。
    時間のあるときにでも、温かいコーヒーでも飲みながら、お付き合いいただければ嬉しく思います。


    まずは、少しだけ私の「足元」にある現実の数字から、お話しを始めさせてくださいね。

    現在の私の運用ポートフォリオは、投資信託を中心に約2.3億円ほどになります。
    でも、この数字の裏側には、約1.7億円の借り入れという、普通に聞いたらちょっとびっくりしてしまうような巨額の負債もぶら下がっているのです。
    総資産と負債が、お互いに大きなエネルギーを持ちながら、私の個人バランスシート(BS)の上でうまいことバランスを保っている、そんな状態かもしれません。

    夜、アメリカの市場が大きく揺れ動いて、スマートフォンの「世界の株価」の画面が真っ赤に染まることがあります。
    そんな光景を横目にしながらも、私は布団に入って毎日ぐっすりと熟睡しているのです。

    なぜ、そんなことができるのか不思議に思われるかもしれませんね。
    私がマーケットという名の戦場で、何度も下落・暴落、そこからの上昇相場を経験し、時に俯瞰してきました。
    その結果、自分なりの相場の四季の勘所を得て、「規律」というものを身に着けることができてきたと思っています。
    それを土台に、生き残るための仕組みを作ってきたのです。だからこそ、夜はぐっすりと熟睡できるのだと思います。
    気づけばそんな投資家人生を、私は15年ほど続けてきました.

    実は、元々私が資産運用を始めたきっかけは、本当に俗っぽくて、ありふれたものでした。
    「目先の手元の数字を増やしたい」、「お金を遊ばせておいてもしょうがない」といったシンプルな理由であったり、「早くFIREして、会社の仕事から解放された」とか。
    本当に、ただそれだけだったのです。

    でも、長年、資産形成を続ける中でぼんやりと感じていたことがありました。
    また、より決定的だったのは、今まで誰とも会話することができなかった、「投資についての、私の考えや投資哲学」をAIと壁打ちし、noteに書いたり、紙に書き留めておいたりしたことだったと思います。
    自分の中に、少しずつ、でもはっきりとした心境の変化が生まれてきました。

    「私が15年かけて経験し、考えてきたこと。また、これから考え、経験していくこと。これらのプロセスが、いつか子供たちが人生の荒波に直面したときの武器になるんじゃないか。これをお守りとして、子供たちに遺してあげたい」

    そう、強く願うようになったのです。

    第1章:「普通の人」の覚醒と、単身赴任の静寂

    世の中の天才起業家や、時代の波を一瞬で捉えたカリスマ投資家が語るような、何十億、何百億円もの華々しいサクセスストーリーがあります。
    しかし、私はそれを、子供たちに教えることはできません。
    それは、その人にはできたけど、私には到底できない、再現性のないことだと思うからです。

    でも、普通のサラリーマンとして組織に属し、ときにやりがいを感じ、ときに理不尽なことに頭を下げながらも、自らを徹底的に律し、財務の仕組みを作って億の単位の資産を築き上げてきた「父の生き様」なら、伝えることができるかもしれない。
    そして、何からしらの教訓になる。そこからは、15年の歴史に裏付けられた「再現性」のタネを見つけ出すことができると思うからです。

    現在、私は東京の部屋で、単身赴任という生活を送っています。
    普通の家庭に比べれば、平日に子供たちと一緒に過ごせる時間は圧倒的に少ないのが現状です。
    夜、その部屋で一人、パソコンの画面に向かっていると、「父親として、寂しい思いをさせてしまっているな」という申し訳ない気持ちが、ずっと胸の奥にあります。

    でも、物事には常に表と裏がありますよね。
    その「ひとりの時間」があるからこそ、私は誰にも邪魔されることなく、一人で深く思考することがができている。
    資産管理会社を設立しようと具体的に動いたり、自分なりの生き方をストイックに追求できたりしている側面もあるのです。
    ちょっと不自由な環境だからこそ、その反作用として強固な仕組みを作り出せるかもしれない。
    人生において、ある程度の犠牲を払っているのだから、なにか得るものを求めよう。
    そう思うと、私はこの現状を、とても前向きに捉えられるようになりました。

    言葉で伝えても、子供たちの心にはなかなか届かないものです。
    だからこそ、私はこれからも、これまでと変わらず、自らの「背中」と、こうしてデジタルに残す「文字」を遺していきたいと考えています。

    もし仮に、私が明日、不慮の事故などで突然この世を去ることになったとしても、子供たちが路頭に迷うことなく、自分の力で人生を切り拓いていけるように。
    父が人生をかけて遺したい「3つのアセット」を、ここに書き留めておきます。

    第2章:父が遺す「3つのアセット」

    1. 「今、ここ」という無形の資産

    まず、大前提として、子供たちに一番に伝えておきたい大切なことがあります。
    父の手元に2.3億円の資産があろうが、将来それが3億円になろうが、あくまで、「それはそれ」です。

    私の人生において本当に価値があるのは、週末に帰省したときに、君たちと一緒に並んで自転車を漕いだり、何気なく近所の図書館まで歩いた散歩道、駅で「いってらっしゃい」と小さく手を振って見送ってくれた、あの瞬間の空気感——つまり、「今、ここにある、君たちと笑っている時間」そのものです。
    そして、君たちが大きくなっても、大人になっても、父は、君たちとの「今、ここ」の時間を大切にすることでしょう。

    単身赴任で時間が限られているからこそ、私はその時間を尊く感じています。
    お金は、人生の目的ではありません。
    このかけがえのない、有限な時間を、理不尽な現実や外部からの不自由、他人の都合から守り抜くための「盾」に過ぎないのです。
    その順序を、絶対に間違えないでほしいと思っています。

    2. 兼業投資家が「自由」を奪還する生き方

    生きていくために、多くの人は会社組織に属し、サラリーマンになります。
    それ自体は社会を支える尊い労働ですし、決して悪いことではありません。
    しかし、安定という居心地のよさと引き換えに、自分の人生の主導権まで組織に丸投げしてしまうのは、この資本主義社会に流されてしまっていることと同じなのではないか、と思うのです。

    父はサラリーマンとして組織の不自由さをそれなりに経験しながらも、個人の資産管理会社を作り、FIREという強力な選択肢を自力で手に入れようとしています。
    「組織に属していても、裏で強固な仕組みさえ作っておけば、いつでも自分の足で立てる」 「不自由な場所に身を置きながらも、精神的には自由を確保する」。そうありたいと思っています。

    そんな父の背中を、私はこれまで君たちに見せ始めていたし、これからもっと見せていきたいと思っています。
    父が普段発する何気ない冗談や言葉には、実を言うと、時々だけど、みんなに伝えたい生存戦略が混ざっています。
    生き方は、会社や社会の慣習に決められるものではなく、自分のポリシーを持ってデザインするものだということを、何となく感じ取ってくれたら嬉しいです。

    3. 「魚」と「魚の釣り方」のセット

    そして最後に、具体的な物理的・知的な資産です。
    よく教育の世界では「子供には魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ」と言われますよね。でも、父はちょっと欲張りに「魚と、釣り方の両方」を遺すことに決めました。
    どちらか片方だけでは、現代の複雑な社会を生き抜くには少し心もとないと思うからです。

    • 魚(具体的な資産): 父の個人資産と、これから設立する資産管理会社。そこに残された具体的な「種銭」のことです. これは、「普段の生活で、数万円、数十万円のお金のせいで自分のやりたいことを我慢しなくてすむようになる」という、生活の安心のための基盤。そして何より、「これがある限り、君たちが人生で一度や二度、大きな挑戦をして派手に失敗したところで、再び立ち上がることができる」という、防波堤としてのセーフティネットです。 「かわいい子には旅をさせろ」と言いますし、私もその意見には大賛成です。でも、親としてはやっぱり、あなたたちには幸せになってほしいし、再起不能になるような致命傷だけは負ってほしくないと願ってしまうものなのです。それとともに、この魚を受け取ったならば、それを自分の代だけで使い果たすのではなく、きちんと「次の世代に遺していく」という美しい思想も、忘れないでほしいと思います。

    • 釣り方(知恵と規律): 魚だけを遺しても、使い方が分からなければ、悪い人に騙されるか、あるいは無駄な浪費によっていつか必ず食い潰してしまいます。だからこそ、私が15年間の資産形成の中で磨き上げた「規律」と、ときにレバレッジをコントロールするための考え方を、このnoteの総集編や、家の書棚にあるいくつかの本という形で遺しておきます。正直、私のやっている方法は一般的な教科書から見れば少しネジが外れたリスクのある方法(劇薬)なので、そのままマネをしてほしいとは思いません。ただ、自分の頭で考えていくヒントが欲しくなったとき、この「父のレシピ」の応用実践編をそっと開いてみてほしいと思うのです。

    • お金の使い方(哲学): 最後に、一番大切かもしれない「お金に対する姿勢」についてです。「死に金」は1円たりとも使うな。けれど、自分の心が豊かになること、未知の体験、大切な人との時間、あるいは社会を良くするための活動といった「生き金」には、惜しみなく使いなさい。日々の自炊や節約は、貧乏くささやケチからしているものではありません. 次の「ここぞという大切な局面」が来たときに、キャッシュをそこにつぎ込むための、戦略的な弾薬補充なのです。「お金は使いどころ」なのです。


    第3章:100年航路の算術――国家のシステムを複利でねじ伏せる

    元々は、「我が子たちにお守りを遺す」という、身近な1世代分の時間軸で考えていた私の脳内設計図でした。
    でも、この「資産管理会社という器」と「15年の規律」をセットにして引き継ぐ仕組みを深く考えていくうちに、私の思いは、少し壮大な領域へと滑り出していきました。

    「なぜ、これをたった1世代(30年)で終わらせる必要があるんだろう?」

    だから私は、自分の代での完結や、自分が生きている間だけのFIREという短い時間軸で考えるのをやめました。
    私が密かに見据え始めたのは、世代を超えて「100年先まで自動で回り続ける、一族の資産家システム」を構築することです。

    ここからは、ちょっと脳内の夢物語のようなグランドデザインを、シミュレーションとして、お示しします。

    「資産を子供や孫に遺しても、どうせ相続税で大半を持っていかれるだけだから意味がないよ」 そんな悲観的な言葉を、巷のマネー雑誌やYoutubeなどでもよく耳にします。
    確かに、現在の日本の相続税は、資産規模が大きくなれば最高で50%前後という猛烈な課税がなされます。
    自分が生涯をかけて築いた資産が、世代交代のたびに半分に削り取られてしまう。
    普通に計算すれば、3代も世代交代を挟めば、いかなる資産も雲散霧消してしまう計算になります。

    一応、現在の日本の法律における相続税の基礎控除額をおさらいしておくと、以下の通りです。

    基礎控除額 = 3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 )

    この控除を超えた分に、重い累進課税がのしかかってくるわけですね。

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    しかし、ここに理想論的な「長期の複利」という強力な計算をしてみると、その景色は一変します。

    分かりやすくするために、あえて極端なシミュレーションをしてみましょう。
    仮に、世代交代のたびに、相続税として資産の「半分(50%)」が国家のシステムによって問答無用で削り取られるとします。
    しかし、遺された家族が、父の伝えた「釣り方のレシピ(規律)」を正確に実行し、残った半分の資産を、世界経済の成長の波に乗せて「年利7〜8%」程度で手堅くインデックス運用し続けたら(あるいは独自のビジネスを立ち上げたら)、一体どうなるでしょうか。

    投資の世界における「72の法則」に従えば、現実的とも言える年利7%の運用ができれば、資産は約10年で「2倍」になります。
    ということは、1世代(約30年)という十分な猶予(時間軸)があれば、その間に資産は、

        2倍 × 2倍 × 2倍 = 8倍

    にまで膨らむことになります。
    つまり、税金という国家のシステムによって元本が半分(0.5倍)になっても、次の世代が引き継いで30年間運用し、8倍に増やしさえすれば、差し引きで元の資産の「4倍」になって、さらにその次の代(私の孫の世代)へバトンをパスできるのです。


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    仮にインフレ率を年2%と仮定したとしても、30年後の資産の実質的な価値は「約221%」になり、資産が目減りするどころか、インフレに勝つことができます。


    この「理(ことわり)」がシステムとして一族の「規律」に組み込まれ、機能する前提さえ作っておけば、税金という国家の最強のシステムすら、複利という人類最大の発明の力でねじ伏せることができる。
    そして、「ある程度の自由を謳歌できる一族を創りたい」。
    これが、100年先を見据える私が、夜の東京の自室で、真面目にエクセルを叩きながら思い描いているグランドデザインです。

    もちろん、これには絶対に破ってはならない、たった一つの重要な条件があります。
    「遺された側が、感情に流されず、きちんと資産を運用し続けられること」です。
    だからこそ、私は、個人の口座という「個人の一代限りの持ち物」で終わらせず、100年続く一族の「本陣(プライベート・バンク)」としての資産管理会社を設立し、長期運用の重要性を、身をもって理解してほしいと考えているのです.

    第4章:チタン印と10年のアンカー

    現在、東京での単身赴任生活を送る私の手元には、一通のメールが届いています。
    送信元は、会社設立をサポートしてくれている専門家の方。 件名には、「定款案の送付」と書かれています.

    添付されたファイルを開くと、そこには、私が夜な夜なAIと壁打ちして練り上げた「100年航路の骨格」(とは言え、表面的には結構普通です(笑))が、プロの手によって厳格な法務用語へと翻訳され、整然と並んでいました。

    その中で、私がこだわった項目があります。
    それは、役員の任期です。
    日本の会社法において、非公開会社であれば取締役の任期は最長10年まで伸長することができます。
    私は迷わず「10年」を選択しました。

    一人オーナー企業(資産管理会社)として、数年ごとに発生する役員変更登記の手間や数万円のコストを省くという、ビジネス上の実利的な合理性は確かにあります。
    しかし、私がこの「10年」という単位にこだわった理由は、そんな目先のコストカットではありません。

    定款という会社の最高根本規則に「10年」という重い文字を刻み込むことで、この法人の骨格とも言える「長期目線」の意味を込めたかったのです。時間を味方につける。この法人の時間軸のアンカーを、明示したつもりです。

    そして、この新しく誕生する「器」に、これまた「長期」を意味づけるため、私はチタン製のハンコを作りました。

    古くからある伝統的な木材のように、歳月によって摩耗し、印影がゆがんでしまうことがない不変性。
    あえて「100年続く」法人に対する思いを象徴するべく、この素材を選んだのです。

    持ってみると、チタンって、思ったよりも重いのですよ(笑)。普段のプラスティックのハンコに慣れていると、びっくりします。
    このずっしりと重いチタン印を朱肉に浸し、定款や登記申請書に力強く刻印するその瞬間に、これまで私の頭の中の「妄想」でしかなかった100年航路は、日本の法律(登記)というシステムを味方に実体化するのだろうと思います。

    また、税理士の方とも相談しつつ、設計図は完成してきました。あとは、トリガーを引くだけです。

    第5章:【2126年からの返信】ソファで寝ていた男は、一族の「始祖」だった

    ここからは、私の妄想のカメラの焦点をさらに未来へと進めて、今から100年後、西暦2126年の世界を生きている私の末裔(ひ孫やその子供たちの世代)の視点から、初代(私)の姿を振り返ってもらいましょう。
    時間と空間を超えた、未来からの手紙のようなものです。

    2026年の初代さんへ、100年後の末裔より

    今、2126年の金融市場は、歴史的な大暴落の最中にある。 ニュースの立体ホログラムは連日「資本主義の完全なる終焉」をセンセーショナルに叫び、パニックに陥った最新鋭のAIトレーダーたちが、パルス的な速度で次々と保有ポジションを投げ売り、市場に濁流を作っている。
    世界中の取引画面は、マイナスを意味する赤色に染まり、阿鼻叫喚の様相を呈している。

    けれど、私たちの本陣である「資産管理会社」の作戦室に集まっている私たちは、誰一人として動じていない。眉ひとつ動かさず、温かいお茶を飲んでいる。

    なぜなら、私たちの手元には、今から100年前に初代が残した一冊の古いデジタルアーカイブ——当時「note」と呼ばれていた黎明期のブログ記事の遺言が、完璧な戦闘マニュアルとして、ストレージに残されているからだ。

    初代さんは、100年後の今のAIの進化や、ホログラムディスプレイ、あるいは私たちが今生きているこの奇妙な世界なんて、きっと具体的には一ミリも想像していなかっただろう。
    でも、初代さんが孤独に遺してくれた、私たちが今も活用しているこの『富の運用システム』の設計図だけは、驚くほど現代の市場でも通用している。

    じいちゃんやばあちゃんから、口伝で聞かされていた、初代さんの生前の姿は、お世辞にも「冷徹でやり手の投資家」には見えなかったらしい。

    「お父さん? 家にいるときは、いっつもヨレよレのTシャツ姿でソファに転がって、だらだらテレビ見てたり、ひとりで庭の土をじーっと眺めているような人だったよ(笑)。何をしてるのかと思ったら、虫がいるんだって言って、落ち葉を集めて腐葉土を作ってるんだって楽しそうにしてた(笑)。子供の時は、この人、大人になって何をしてるんだろうなと思ってたよ」と。

    私たちの親族の集まりのたびに、世代が変わるにつれて若干の脚色も加えられながら、初代さんのエピソードは楽しい笑い話として語り継がれてきた。
    子供たちの前では、本当にただの、どこにでもいるような、ちょっと抜けたところのある父親だった。

    しかし、その家でだらだらしていた(笑)初代さんの「裏の顔」を、私たちは100年後の今、数字の結晶として、強烈に突きつけられている。

    東京の単身赴任先、東京の片隅で一人、孤独にキーボードを叩きながら、1.7億円という当時の一般的な会社員の給料水準や常識からすれば、完全にネジの飛んだレベルの負債(レバレッジ)を平然とコントロールしていた男。
    その狂気とも言える規律を持っていた張本人が、週末にソファで寝転がっていた、あの人だったのだ、と。 このギャップに、私たちは今、強烈なシビれと、ニヤリとした誇らしい笑いを禁じ得ない。

    ただね、初代さん。
    ここで一つ、100年後の現実として、白状しなければならないことがある。
    私たちは今、あなた独自のやり方であった「証券担保ローンによるフルレバレッジ」というような、あの命を削るような劇薬のルールは引き継いでいない。

    現在の私たちは、資産管理会社の法人格で証券担保ローンこそ活用しているものの、ポートフォリオのコアは、世界経済の成長に丸ごと乗る「世界株式のインデックス(投資信託)」と、手慣れた「債券」による、極めて堅実な運用にシフトしている。

    なぜか。
    あなたが100年前に、あの身を焦がすような劇薬(レバレッジ)を使いこなし、「種銭」を私たちのために叩き出してくれたおかげで、私たちは今、大きな不自由もなく、自分の生きたい人生を暮らせるだけの富を、最初から手にすることができているから。

    初代さんがnoteに書いた通り、この100年間、人類の営みと欲望は衰えることなく、世界経済は何度も暴落を挟みながらも右肩上がりに成長し、株式はそれ以上のスピードで上昇し続けた。あなたの予測は、正しかった。

    もちろん、私たちは不労所得だけで怠惰に生きているわけではない。
    一族の誰もが、自分の好きな学問や、ビジネス、芸術といった仕事に誇りを持って普通に働きながら、各人の力でそれぞれの個人資産も増やしている。
    お金のために魂を売る必要がないからこそ、仕事を自由に選べる。

    だからこそ、個人と資産管理会社の両方で増え続けるキャッシュを、私たちはただ数字の桁を大きくするためだけには使わない。
    次の世代へ遺す覚悟を持って、 私たちの子供たち(あなたから見れば、何世代も先の末裔たち)への最高の教育や、彼らの世界を広げるための未知の体験といった「未来への投資」はもちろんのこと、この社会全体をちょっとでも良くするために、初代さんがこの資産管理会社で志した「社会貢献活動」に対しても、私たちはこの富を動かしている。

    あなたが劇薬を使いこなし、一族を守るための「盾」をこれほどまでに大きくしてくれたから、私たちは今、社会に富を還元し、理不尽に泣く人々を救うための、「器」を持つことができている。

    だから今夜、周囲のノイズやマスメディアの恐怖に怯えて、パニック売り(狼狽売り)をしようとする人がいれば、100年前の初代の言葉をそっと伝えたい気持ちになる。

    「目先の数十パーセントの暴落なんて、初代が設計した『100年の時間軸』の前には、ただの誤差、さざ波に過ぎない。むしろ、絶好のバーゲンセールだ。感情を一切挟むな。機械的に規律を全うしよう」

    私たちは、100年前に設計され、その後洗練された一族のインデックス投資をはじめとした資産形成のルールに従って、震えることなく、冷徹に「買い」のトリガーを引く。
    世界経済の成長を、人類の未来を信じること。 それこそが、この100年、私たちの身体を流れ続けている初代さんの血統なのだから。

    ソファでだらだらテレビを見ていた、初代さん。
    あなたが100年前に、東京の片隅で変革した、あの不自由なサラリーマンが資本主義社会の中で生き抜くための仕組みのおかげで、私たちは今、このような生き方ができている。

    あなたの「100年航路」のグランドデザインを描き切った、あの孤独な戦いは、私たちの完全なる勝利として、今この暴落の夜に証明されている。

    ありがとう、初代さん。 私たちはこれからも、あなたの残した「規律」という名の羅針盤を武器に、人類の未来を信じて、淡々と買い、持ち続けていきます。

    2126年5月16日

    終わりに:100年先の未来を買いに行く

    元々は、「手元のお金を遊ばせておいても仕方がないな」とか、「画面の数字が増えたらうれしい、気持ちいい」とか、「60歳まで働くのは長いな」とか、「早くFIREして、仕事のストレスを感じずにラクになりたい」という、極めて俗っぽく、自己満足な目的から始まった私の投資人生でした。

    しかし、子供が生まれ、彼らの小さな手を握り、投資について日々考え、さらに日々の思考をnoteという素晴らしい場所で整理していくうちに、そのぼんやりとした妄想は、多世代運用という明確な形を持ったグランドデザインへと昇華されています。

    私の投資人生は、子供たちの未来を想い、100年先の一族のシステムへと繋がったことで、かつての「目先の数字を追う」という次元とは、全く違う目的地へとたどり着きつつあるように思うのです。

    私がなぜ、あの1.7億円という巨額の借入(レバレッジ)を背負いながら、マーケットの狂気的な濁流に溺れることなく、毎夜熟睡することができたのか。

    それは、私がただの「一代限りの小金持ち」になりたかったからではありません。 単身赴任の夜、東京の部屋で一人キーボードを叩きながら、我が家にいる君たちに「最悪、ここがあるから好きなことをしなさい」と言える強固な防波堤(魚)を作り、同時に、自分の力で人生という名の荒波を渡っていけるだけの羅針盤(釣り方)を、何が何でも遺したかったからです。

    いつか君たちが大きくなって、あるいは君たちの子孫が、人生の激しい潮目に立ち尽くしたとき、 「あぁ、私たちのお父さんは、初代さんは、いつも家でふざけたことばかり言っていたけれど、中々もの凄い仕組みを遺してくれたな。ありがとう」と、ニヤリと笑って、前を向いて自分の人生を歩んでくれたら。

    それこそが、投資家として、何より「父親」としての、私の人生における「完全なる勝利」です。

    だからこそ、目先の市場の数パーセント、数十パーセントの値動きは、私にとってはただの「さざ波」に過ぎません。
    私は今、スマートフォンの画面に映っている数字ではなく、100年先の未来の自由のために、市場に弾薬を投下しているのですから。

    今日も、明日も、週末に帰れば君たちと過ごせる「今、ここ」の有限な時間を限界まで愛おしみ、噛み締めながら、私は東京の部屋で、淡々と自らの本業をこなし、運用の規律を全うしたいと思います。


    次回以降の「資産管理会社を作ろう」シリーズは、実務編を投稿していこうと考えています。
    内容は、どちらかというと、今回のような「思想」ではなく、「記録」となります。多分、そうなる予定です。
    数回、普段の投稿を織り交ぜながら、実務編を開始していこうと思いますので、ご了承ください。


    「資産を増やし、夜には熟睡する。」

    これからも、そんな穏やかな気持ちで相場と向き合っていきたいと思います。

    ※この記事は投資商品を推奨するものではありません。投資をする際には、ご自身の責任のもと、ご判断ください。



     
     
     
    ​40代です。単身赴任中。 投資信託を15年くらいやってます。 自炊、山登りが趣味です。 ​私のやり方をマネしなくてもいいけれど、へえ、と思ってもらえたら。 ​資産を増やし、夜は熟睡する。 そして人生、合理的なわがままを。 ​※Amazonアソシエイトとして収益を得ています。

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