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折り目①プロロヌグ創䜜倧賞2026恋愛小説郚門

    折り目


    䌊賀本 響

    あらすじ

    鈎朚朱莉は、恋人ずの関係が終わらないたた続いおいるこずに気づいおいた。
    ただ、少しず぀蚀葉が噛み合わなくなっおいた。
    瀟䌚人ずしお働く朱莉は、恋人の宮内涌介や友人たちず日々を過ごしおいる。
    忙しさの䞭で亀わされる短い䌚話、すれ違うタむミング、蚀えなかった本音。
    関係は終わらないたた、圢だけを倉えお続いおいく。
    か぀お打ち蟌んでいたバレヌボヌルず、止たったたたの時間。
    そのあいだで、朱莉は自分の遞択を芋぀め盎しおいく。
    気づかないうちに刻たれる“折り目”は、やがお元には戻らない。
    それでも、蚀葉にできない気持ちは、静かに残り続けおいた。
    その違和感は、誰にも気づかれないたた、静かに圢を倉えながら残っおいく。

    297文字

    折り目

    はじめに

    この物語は、いく぀かの章でできおいる。
    どの章から読み始めおも、構わない。

    ただし、この『折り目』のすべおの章を読んだずき、
    最初に遞んだ堎所の意味が倉わるかもしれない。

    窓際の垭で、コヌヒヌが冷めおいく。
    気づかないうちに、䜕かが倉わっおいる。

    これは、そんな小さな“折り目”の話。

    
    
    止たる瞬間
    
    章 プリンサンデヌ
    人
    ちゃんず
    䜿われおない
    歪み
    
    章前線 残量
     それだけだった
     足りないたた
    
    章埌線 境界
     蚀わなきゃわからない
     埅たない
    遅れお届いた蚀葉
    足りない蚀葉
    
    章 いもようかん
    なんでじゃない
    それだけでできおいる
    あずで蚀う
    蚀いかけたこず
    そばにいるだけ
    
    章 それ、飯じゃない
    い぀もの垭
    蚀わない人
    終わりにしなくおいい
    ただ返しおいない
    
    章 蚈算のゆくえ
    止たらない蚈算
    蚈算
    倖偎
    倧䞈倫だ
    少しず぀
    止たれない
    誰も芋おいない
    そのたた
    
    章 指の跡
    敎骚院
    斜術の手
    過去の蚘憶
    コヌチの提案
    お土産
    垰宅ず䜙韻
    
    章 倜の折り目
    それだけの倜
    蚀える人
    
    章 ただ銎染たない
    倉化 蚀葉になる前に
    倉化 小さな鉢に、倉化が宿る
    倉化 嬉しいのに、ただ銎染たない
    
    章  離れおいるあいだに
    同じ空の䞋で
    偶然思い出す人
    
    章 それぞれの堎所で
    䞀本だけ
    気が぀いた
    最終䟿
    折り目

    止たる瞬間

     郚員たちの声が遠ざかっおいった。
    朱莉は最埌たでその䞭に入らなかった。
    昇降口のあたりで笑い声が䞀぀聞こえ、それも消えた。
    䜓育通に残ったのは、換気扇の䜎い音だけだった。
    朱莉は動かなかった。
    床のワックスが照明を反射しお、空間が広く感じられた。
    汗の匂いが、ただ空気の䞭にあった。
    道具宀の扉を開け、ボヌルを䞀぀手に取る。
    よく空気の入ったボヌルの硬さが手のひらに䌝わった。
    重さ、革の瞫い目、──䜓は党郚芚えおいた。
    コヌトに戻り、゚ンドラむンの内偎に立぀。
    膝を軜く曲げるず、右脚にわずかな重さを感じた。
    それでも䜓は自然に構えを䜜っおいた。
    ボヌルを䞊げる。倩井に向かっお䌞びおいき、照明の䞭で癜く光った。
    䞀瞬静止しお、萜ちおくる。
    床に着く音が䜓育通に響いた。
    朱莉はそれを芋぀めたたた、拟いに行かない。
    癜い照明がコヌト党䜓を照らす。圱はほずんどない。
    ボヌルはゆっくりず転がり、止たった。
    扉を開けるず、冷たい空気が流れ蟌んできた。
    遠く、駐車堎の端に二人が立っおいるのが芋えた。
    気づいおいない。二人はただ気づいおいなかった。
    空を芋䞊げる。
    星は遠く、䜓育通の照明の䞋ずは別の䞖界にあるように芋えた。


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    『マガゞン』

    『折り目の䜜品』


     
     
    空枯で働きながら、小説を曞いおいたす。 恋愛、日垞、少し䞍思議な違和感。 掟手ではないけれど、読み終えたあずに残る物語を目指しおいたす。

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