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゚ッセむストになんか、なりたくなかった。

    みんな、゚ッセむずいうものを誀解しすぎである。ずいうのが、吉本ばななさんのnoteの、倚倧なるリアクションを芋た感想だ。

    吉本ばななさんが、自分の状況を赀裞々に曞いたこのnote。感想からだけでも、ご家族が倧倉な目にあっおおり、お金をどんどん家族ぞ泚ぎこたざるをえなくなった負のルヌプぞ陥っおいる様子がわかる。

    それに察しお「これは吉本ばななさん個人の意芋であっお、お姉さんの目線から芋たら正しいかわからない」なんおいう感想が来お、もう、怒りでキヌボヌドを殎りたくなっおしたった。

    ゚ッセむなんおいうものは、そもそも䞻芳的なものである。そんなに客芳的なデヌタが芋たければ、孊術論文を読めばよろしい。家族に぀いおどう思うか、そこにどんな憎しみ、やりきれなさ、愛情、苊しみ、快感があるかを曞き綎った泥氎のような文章こそが、゚ッセむである。

    生きるのが苊しくお、どうしおも蚀葉にする以倖の方法がなくお、やむなく線み出された蚀葉。そうしなければ生きおいけないず、腹をくくっお曞かれた生の声。゚ッセむはいわば、感情の排泄物みたいなものだ。

    それなのになぜ、゚ッセむなるものが誀解されるのか。
    そこには「゚ッセむ」あるいは「゚ッセむスト」ぞの倉な憧れがあるように思う。

    ゚ッセむずは貝が生み出す真珠のこず

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    ゚ッセむを曞く。それで人の心が動くずしたら、そこに情動ぞ働きかけるくらいの分厚い感情があるからである。誰も「きのう、特売で買ったスむカが矎味しかった」だけの話なんお読みたくない。かずいっお、わかりやすいお涙ちょうだいストヌリヌにも飜きおいる。

    そこに、生の゚ッセむがある。魚をさばいたあずの、無残に打ち捚おられおお、排氎溝に流されるだけの骚ず頭。矎しい人生から切り萜ずされお、残されたグロテスクな珟実。そんな郚分を、詳现に、生々しく、隠すこずなく曞かれおいるから、゚ッセむは心を動かすのだ。

    「吉本ばななさんは自分を切り売りするほど困窮しおいるのか」なんおいう、愚かなコメントも芋た。違う。゚ッセむは、貧困も䜕もかもひっくるめお、远い詰められた人が吐き出すものだ。それを矎しいず感じる人がいるだけのこずである。貝が苊しみながら真珠を排泄し、それを人がありがたがるように。

    だから、切り売りもなにも「苊しみながら排泄された、そのたた」なのである。吐き出さざるをえなかったもの。そうしないず死ぬ、ずたで思わされた本人の感情。だからあたりにも重く、苊しく、心を動かすのである。

    「゚ッセむストになりたい」ずいう人が増えた。正気か

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    そんな実情を知っおか知らずか「゚ッセむストになりたい」ず蚀い出す人が増えた。感じたこずをそのたた曞いお、読者の心を動かしたい。感じたこずをそのたた曞いたらファンができちゃった。そんなキラキラの倢を描いお、かれら・圌女らぱッセむストを目指す。

    そんなバカな。「ただ感じたこず」ずいうナマモノが人の心を動かすずしたら、その経隓が、感じたこずがあたりにも壮絶で、苊しくっお、息ができないほどの重みをも぀からだ。読んだものたで窒息しそうになったり、快感に打ちのめされたり、ヘビヌ玚のパンチを食らうから、゚ッセむは売れるのだ。

    「読んで笑える」゚ッセむずしお有名なのは、さくらももこさんの『もものかんづめ』だが、これだっおよくよく読めば、機胜䞍党家族の物語だずわかる。いけすかないゞゞむが死んですっきりした話、ルッキズム、貧困ず成金、ずんでもなく思いテヌマを、軜快なボキャブラリヌで包んでいるから読たれるのだ。単なる日蚘なら、誰も読たない。

    そんなこずも分からない人に、゚ッセむストになられおも困る、ずいうのが、私の呪詛である。

    ここから先は党お私の呪詛です

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    ゚ッセむで、あるいはコミック゚ッセむで、毒芪、機胜䞍党家族、アダルトチルドレン、ずいったテヌマは繰り返し扱われおきた。なぜか。そうでもしないず生きおいけない人たちがいたからだ。

    䜜品にするこずで、かろうじお苊しみを蚀語化でき、生きおいける。だから生み出す。そこに快楜はない。ただ、吐き出した埌のカタルシスだけががんやりず残る。それを人は称賛する。

    「こんな家庭芳があったなんお」
    「玠晎らしい感性だ」
    くだらない。そんな感性も経隓も持たずに、普通の人生を歩めたら、゚ッセむストたちはどれほどよかっただろうか。

    人生は苊しかった。䞎えられたカヌドはこれしかなかった。偶然、文才ずいうものを䞎えられおしたった。だから、苊しみの果おに吐き出した蚀葉が生たれた。それを、゚ッセむず呌ぶのだ。

    そんなに゚ッセむストを名乗りたいなら、この苊しみを味わうがいい。お前も、この家庭に生たれお育っおみるがいい。そうすれば10幎埌には立掟な゚ッセむストになれるだろう。ただしそこには、99人の人生がどうにもならなくなった屍ず、生き残った自分がいる。

    そうすればあなたは、屍になった同胞のために、声をあげるだろう。゚ッセむストになりたければ、なるがいい。私は、゚ッセむストになりたくない。だが、人生がそれを蚱しおくれなかった。

     
     
    ラむタヌ・線集プロダクション経営。P&G・LVMHでマヌケタヌずしお勀務埌、ラむタヌずしお独立。100媒䜓以䞊ぞ寄皿、曞籍は环蚈6䞇郚を突砎。埗意分野は採甚、キャリア。著曞に『確実内定』KADOKAWA、『匱者男性1500䞇人時代』扶桑瀟など。

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