メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byhakoism

【詩的冒険④】鉛の船の詩 目覚め

    港からの帰り道
    まだ眠っている気配は
    路地に淡い影を落とし

    それでも
    いつもの角を曲がると
    街の明るさが
    ゆっくりと
    皮膚の裏側へ戻ってきた

    ふと、潮の匂いがした
    それは
    沈んだ光の
    かすかな残り香だった

    大通りをトラックが走り
    埃混じりの風が
    影の密度を
    ひとつ
    揺らした

    ぼくらの日常が
    また始まる

    その始まりは、いつも
    海の底から
    静かに浮かび上がってくる
    泡のように

    日常の泡が
    はじけるたびに
    世界の輪郭が
    ほんの少しだけ
    書き換えられていく

     
     
    いつもの路 とぼとぼ歩く 仕事帰り 鉛の船に またたどり着く

    あなたへのおすすめ