
第3話 毎日3ポイントを打ち続けた。でも、伸びたのは別の力だった
県外遠征をきっかけに、息子は自分から練習するようになりました。
それまで家でバスケの話をすることはほとんどありませんでしたが、この頃からは家に帰ったら外で練習していることが多くなりました
休日は近くの体育館へ。
練習したのは、ひたすら3ポイントシュートでした。
顧問の先生から言われた「ボールをもらったら、すぐシュートして、それを全部入るようになれ。」という言葉を、息子は素直に受け止めたようです。
フォームを確認しながら何本も打つ。
動画を撮っては一緒に見返し、「もう少し肘をこうしたら」「今のリリースは良かったね」と話す。
あの時間は、親子で同じ目標に向かっていた、かけがえのない時間でした。
ただ、努力はすぐには結果になりませんでした。
試合に出てもプレータイムはわずか。
シュートを打つ場面すらほとんどありません。
「こんなに練習しているのに。」
そんな思いは、息子にも私にもありました。
そこで私は、試合の動画を何度も見返しました。
そして、あることに気づきます。
全然跳んでない。
リバウンドが取れない。
ジャンプの高さが足りない。
ゴール下で体を張れない。
私はインサイドプレーが得意だったこともあり、「ずっとスリーが入らなかったらやばいから、インサイドも教えよう」と考えました。
そこから練習内容を少し変えます。
ジャンプトレーニングを始め、家での自主練でゴール下のポジション取りや体の使い方も少しずつ教えるようになりました。
もちろん、すぐに変わるわけではありません。
ジャンプ力は一日で伸びませんし、リバウンドはセンスだけでは取れません。むしろ息子は不器用な方です。
それでも、少しずつリバウンドに絡みボールに触れる回数が増えていきました。
今振り返ると、この頃の私は一つ勘違いをしていました。
「努力すれば結果は出る。」
もちろん、それは間違いではありません。
でも、本当に大切だったのは、「何を努力するか」でした。
毎日一生懸命練習していても、方向が違えば思うような結果にはつながりません。
逆に、自分に必要なことが分かると、少しずつ景色が変わり始めます。
この頃の息子も、まさにそんな時期でした。
そして、その後に訪れた新しい練習環境が、息子をさらに成長させることになります。
それは、ゲーム形式だけをひたすら繰り返す、不思議な場所でした。
親として学んだこと
子どもが頑張っている姿を見ると、親はつい「もっと頑張れ」と言いたくなります。
でも、振り返ると必要だったのは、努力の量を増やすことではなく、努力の方向を見つけることでした。
親が全部答えを教えることはできません。
それでも、子どものプレーをよく見て、「今、この子に必要なのは何だろう」と一緒に考えることはできます。
あの頃の私は、子どもと一緒に答えを探していたのだと思います。
次回は、顧問の先生に紹介された"町のスポーツ教室"との出会いを書こうと思います。あの場所がなければ、その後の息子はなかったかもしれません。