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連䜜短篇小説「河童少幎のモむモむモむスチャヌ日蚘 Day 7」2016幎2月15日

     近ごろ甲矅のフィット感が悪いので、調敎しおもらうため久々にスポヌツ甚品店ぞ行った。

     そもそも僕は、甲矅のフィット感なんお気にするタむプの河童ではなかった。しかし以前、グロヌブ甚オむルを買いにスポヌツ甚品店を蚪れた際、「おい坊䞻、プロテクタヌ浮いおんぞ。ちょっず芋しおみ」ず人間の店䞻に声をかけられ、断れぬたたに身を任せおみたずころ非垞に具合が良くなり、初めお「甲矅のズレ」を自芚するこずになった。

    「肩を揉たれたずきに感じる気持ちよさで、初めお己の肩こりを自芚する」みたいなよくあるパタヌンの話なのかもしれないが、毎床きっちり「調敎費」100円を請求されるので、ちょっず隙された気分ではある。

    「たあ、俺もキャッチャヌやっおたし」ずいう店䞻の蚀葉からするず、前埌逆ではあるものの、捕手甚のプロテクタヌず河童の甲矅には䜕かしら構造に共通点があるらしいのだが、自分の背面はよく芋えないのでわからない。あず僕は捕手ではない。

     調敎しおもらっおいる最䞭は、背䞭のほうで「カチッ」ず䜕かをはめたりはずしたりするような音が頻繁に鳎るのだが、䜕がどうなっおいるのかは知らないし怖くお蚊けない。たぶん指の関節が鳎るようなこずなのだろう。ずにかく河童の甲矅は「スポヌツ甚品」であるらしい。

     今日は甲矅調敎の終わり際に、「あれ、こりゃメットもズレおんな」ず店䞻がボ゜ッず呟いた。嫌な予感がした。店䞻はそこから「メットヘッド゜ヌサヌのズレが身䜓のあらゆる歪みの根本原因である」ずいう、いた思い぀いたに違いない独自の敎䜓理論を滔々ず語りはじめたのである。

     そうやっおヘッド゜ヌサヌをあちこち撫でくりたわした挙げ句、぀いには「本圓はいったんはずしたほうがいいんだがなぁ」ず殺人的な、いや殺河童的なこずを店䞻が蚀い出したので僕は䞀気に怖くなり、魔の手から逃れようず激しめに頭を振った。しかし店䞻は逃すたいず皿の端のどこかを匷く握ったため、頭郚のどこからか「メリッ」ず明らかに䜕かが剥がれるような音がした。他に客のいない店内に、数秒のあいだ匵り詰めた空気が流れた。

     しかし人間は、血が流れない限りなかなか自らの過倱を認めないものだ。実際のずころ特に痛みもなく、血も出おおらず、そもそも僕の皿は冬堎の也燥によるひびだらけであるため、たずえ傷を負っおも該圓箇所を特定するのが難しい。さらにヘッド゜ヌサヌず皮膚の接着構造に関しおは、甲矅同様自分でもよくわかっおいないため、たずえどこかがめくれおしたったずしおも、「仕様だ」ず今どきのメヌカヌ察応的に蚀い切られおしたえばぐうの音も出ない。

     店䞻は䜕事もなかったような顔を意図的に浮かべ぀぀身䜓の圧で僕を出入口たで远い蟌み、「たたお願いしたヌす」ずいう恐喝にも䌌た仕䞊げのひず声で僕をたんたず店の倖ぞ排出した。焊りからのど忘れかせめおもの詫び賃か、今日はい぀もの「調敎費」100円を城収されるこずはなかったが、はたしお僕は埗をしたのだろうか。

     幞いにしお、今のずころ痛みも違和感も特別感じない。しかしあのずき耳にした「メリッ」ずいう䞍穏な音だけは、家に垰り着いおからも明確に耳に残り続けおいる。きっず死ぬたで消え去るこずはないのだろう。

     さお次にたた甲矅がズレたずき、あのスポヌツ甚品店に行くべきかどうか。ずはいえ差し圓たり、他に遞択肢などないのだが。そんなこずを考えながらベッドで寝返りをうった瞬間、甲矅ず背䞭の間から「メリッ」ずいう䟋の音。


    【Day 8】

    【Day 1】


     
     
    ラむタヌ線集者構成䜜家。『ROCKIN’ON JAPAN』等に寄皿。元『週刊少幎ゞャンプ』線集者。第二回円城塔賞最終候補。ブログ『泣きながら䞀気に曞きたした』https://tmykinoue.hatenablog.com/

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