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Photo bylegal_kudu1925

人にぼやくならのnoteを書いた方うがいい

    6月30日。
    FIFAワールドカップ2026、ブラジル対日本の試合が終わった。

    そして、私にとってのワールドカップは終わった。
    いや、正確に言えば、そこからまた4年間が始まったのかもしれない。

    深夜2時、テレビの前に座ったまま、私はしばらく動けなかった。
    画面の中では、試合終了のホイッスルが鳴り、選手たちがピッチに膝をつき、空を見上げ、ある者は静かに仲間の肩を抱いていた。

    勝負が終わる瞬間には、不思議な静けさがある。
    歓声も、解説の声も、遠くに感じる。
    ただ、人間が何かにすべてを賭けた後の、言葉にならない余韻だけが残る。

    怪我による主力選手3名の欠場や、トーナメントの対戦相手について、あれこれ言うつもりはない。
    勝負が終わったあとで原因を探すことは簡単だ。
    けれど、それは時に、挑戦した者への敬意を失わせる。

    彼らは、人生のかけがえのない時間をこの大会に注いできた。
    日々の練習、遠征、競争、怪我、重圧、選ばれる者の孤独。
    その積み重ねの先に、あの90分があった。

    だから、外野にいる私たちが軽々しく裁けるものではない。

    勝負とは、まるで人生のように残酷である。
    努力した者が必ず報われるわけではない。
    正しい選択をした者が、必ず勝つわけでもない。
    ほんの一瞬の判断、ボールの跳ね方、風向き、相手の足先。
    そうした小さな偶然が、人の運命のように結果を分けてしまう。

    「あのとき、もう一歩寄せていれば」
    「あのパスが通っていれば」
    「あのシュートが決まっていれば」

    試合後には、いくつもの“もしも”が生まれる。
    しかし、“もしも”は過去を変えるためにあるのではない。
    次に進む者だけが、それを未来の材料にできる。

    ワールドカップに出場した国の中で、優勝できるのはたった一国だけである。
    それ以外の国は、どこかで必ず敗れる。
    そう考えれば、勝敗とはあまりにも厳しく、あまりにも単純な線引きにすぎない。

    もちろん、いつの日か日本が優勝トロフィーを掲げる姿を見たい。
    しかし、勝負には実力だけではなく、流れがあり、相性があり、時の運がある。
    それはスポーツに限らない。
    仕事も、経営も、人生も、最後は人間の計算を少しだけ超えた場所で決まることがある。

    だからこそ、私は結果よりも過程を見たい。

    人が何かに挑戦する姿には、結果を超えた美しさがある。
    失敗を恐れず、前に進む姿には、人間の尊厳がある。
    反対に、失敗を恐れて何もしないまま時間だけを過ごしてしまうことほど、静かな敗北はないのかもしれない。

    人生は一度しかない。
    挑戦すれば、傷つく。
    挑戦すれば、敗れることもある。
    けれど、挑戦しなければ、何も失わない代わりに、何も始まらない。
    そして、時間だけは、どんな人間にも平等に過ぎていく。

    今回の大会では、試合とは別に、日本人サポーターの姿も世界の記憶に残った。
    試合後、スタジアムのゴミを拾い、きれいにして帰る姿がSNSで話題になっていた。

    それは、誰かに褒められるための行為ではないのだと思う。
    使わせてもらった場所を整えて帰る。
    次にそこを使う誰かのことを、ほんの少しだけ想像する。
    その小さな行為の中に、日本人のアイデンティティが宿っている。

    強さとは、相手を倒す力だけではない。
    去り際に、何を残すか。
    負けたあとに、どのように振る舞うか。
    そこにも、その国の品格が表れる。

    勝った、負けた。
    強い、弱い。
    ベスト8に届いた、届かなかった。
    そうした言葉だけでは測れないものが、このワールドカップには確かにあった。

    深夜から試合を見続け、気づけば窓の外は白み始めていた。
    朝の空気は少し冷たく、眠気で頭はぼんやりしている。
    今日は一日、寝不足のまま過ごすことになるだろう。

    それでも、不思議と悪い朝ではなかった。

    敗北の中にも、人を前に進ませるものがある。
    終わったはずのワールドカップが、私の中では、静かに次の4年間を始めていた。

    日本代表の選手たち、そしてスタッフの方々へ。
    言葉にすれば月並みになるが、それでもやはり、この一言だけは残しておきたい。

    「楽しみましたか?」


    ありがとうございました。

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    Webデザイン会社・経緯コンサルティング会社を経営しています。長野県安曇野市に移住して仕事の合間に短編小説などを書いています。

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