
「月を目指したカメラと見送りしたレンズ」

この写真は、かつて発行された会報誌の1ページを撮影したものです。写っているのは、人類初の月面着陸を成功させたアポロ11号の発射シーン。
子どもの頃からこのシーンはよく知っていましたし、世界中で最も有名な写真のひとつだと思います。
でも、改めてそのページをよく見ると、下の方に小さくこう書かれていました。
「フィッシュアイ タクマー 17ミリ F4」
ええっ、そうだったの!?
遅ればせながら、そのとき初めてこの歴史的写真が日本のレンズ「タクマー」で撮影されたことを知ったのです。
月に行ったカメラがハッセルブラッドだという話は有名ですが、この世界的に知られる一枚が、タクマーレンズによるものだったとは…。知った瞬間、ものすごく興奮しました。
僕は、アポロ計画を題材にした映画『ライトスタッフ』(1983年)が大好きです。宇宙飛行士たちだけでなく、彼らを支える多くの人々の姿を描いた長編映画です。
そこに描かれているように、こうした偉業のヒーローは決して宇宙飛行士だけではありません。
打ち上げの裏側には、無数のスタッフや技術者、関係者の努力があったからこそ、夢は実現できたのだと思います。
ロケットが打ち上がる瞬間、スタッフ、仲間、観客、多くの人々がひとつの夢を追いかける。その光景を思うたびに、僕は強く感じます。
“月に行ったカメラもあれば、その打ち上げを撮るカメラもある”
皆それぞれに役割があります。何が上で下などありません。そこに関わるすべての人のベクトルが一つになった時、夢が実現するのだと思います。
大きな夢や目標に向かって、仲間と力を合わせて実現していく。そんな仕事が僕は好きです。