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Photo byyui_torizuka

変わる時代に変わらないもの

    それから

    サブスクが自動再生する音楽を聴くともなく聴いていたら、ユーミンこと松任谷由美さんの「青いエアメイル」が流れてきた。
    イントロなしで静かに始まる歌に意識がぐっと掴まれる。

    *

    この曲が入ったアルバム「OLIVE」がリリースされたのが1979年7月20日だそうで、もうすぐ47年、私が生まれるよりも前の曲になる。

    ユーミンさんの歌はもちろん、歌詞やメロディ、アレンジ、演奏、どれをとっても素晴らしい。
    Sunoなどのアプリで誰でもお手軽に音楽が作れる今だからこそ、腕利きのプロが手作業で作った音楽の輝きは、色褪せるどころかむしろ高まっているように思える。

    青いエアメイルが
    ポストに落ちたわ
    雨がしみぬうちに
    急いで取りに行くわ

    傘を頬でおさえ
    待ちきれず開くと
    クセのある文字が
    せつなすぎて歩けない

    青いエアメイル / 松任谷由美

    SNSが当たり前になった今、「エアメールを待ち焦がれる」という経験をしたことがある人がどのくらいいるのかはわからない。
    70年代に比べれば明らかに減っているだろう。
    私自身送ったことももらったこともない。

    ポピュラー音楽にとって、聴く人の「共感」はとても重要な要素だ。
    「歌は世につれ、世は歌につれ」の慣用句があるように、時代を反映するポピュラー音楽の宿命として、時代の移り変わりとともにズレが生じてしまうことはある。

    *

    山下達郎さんや大貫妙子さんなど、往年のシティーポップが今海外でブームになっているのは、言葉というよりサウンドのかっこよさが大きい要素だと思う。

    でも今の自分が「青いエアメイル」を聴いていいなと思えるのは、エアメールを使ったやりとりという具体的なものより、その根っこにある「遠く離れて暮らす誰かを想う気持ち」の方に共感しているからだ、と思える。

    変わっていく時代の中でもずっと変わらないもの。
    「遠く離れて暮らす誰かを想う気持ち」は人間の普遍的な感情だろう。
    文字や言葉がまだない大昔にもおそらくあったし、未来にもあるはず。
    今はまだ生まれてもいない未来の人が、いつかどこかで「青いエアメイル」を聴き、私と同じように共感する可能性はきっと、ある。

    けれどあなたが
    ずっと好きだわ
    時の流れに
    負けないの

    青いエアメイル / 松任谷由美
     
     
     
    40代の2児の父。なんとか書いてます。

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