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Claude Opus 5.5のChatだけで、間取り図からBlender・CAD・Web共有まで通してみた

CADは開いていないのに、画面の向こうでは壁が立ち、家具が置かれ、3LDKの部屋が少しずつ姿を現していった。いつもならCADからCG、最後にWebへと手渡していく仕事が、今回は1枚の間取り図と短い会話だけで前へ進んだ。

約40分という速さにも驚いたが、それ以上に引っかかったのは、開発者向けのCodeを一度も開かなかったことだった。普段使っているClaude Opus 5.5のChatだけで、図面を読み、CADへ変え、Blenderで空間を立ち上げ、最後はWebで共有するところまでつながってしまった。


40分後、図面が部屋になった

内観パース

直前には、同じ3LDKの間取り図をClaude Opus 5.5へ渡し、ChatだけでDXFへ変換する実験をしていた。その流れのまま、今度は「Blender使ってレンダリングして欲しい」と頼んだだけだった。

しばらく画面を眺めていると、約40分後には2種類のDXFと4枚のパースが並び、その後ろにはBlenderデータまでできていた。さらにWeb共有ページも加わり、元の間取り図、CAD図面、3Dモデルをひとつの画面で見比べられる形になった。途中で私がしたのは、何度か生成された画像を確認することくらいだった。

CADもBlenderも、自分では最後まで一度も起動しなかった。

関連記事|きれいな間取り図ほど、CADでは動かない——生成AI画像をDXFへ変える方法

最初の線が、すべてにつながる

Claudeは壁や窓、扉を画像から拾い、元の間取り図へ線を重ねながら、その位置を座標へ置き換えていった。直前にDXF化したときの読み取りが、そのまま次の仕事の土台として使われていく。

同じ座標からDXFを作り、そこからBlenderの壁を立ち上げ、さらにWebで見る3Dモデルへ変えていくため、成果物は別々に描かれているわけではない。壁を1か所直せば、その情報を使って後ろに続くものも作り直せる。完成したファイルばかり見ていたが、実際に一連の仕事をつないでいたのは、その手前に静かに並んだ座標のほうだった。

CADもBlenderも、裏側へ消えた

Blender

DXFでは壁、建具、窓、設備、室名、寸法をレイヤーに分け、JW-CADで扱いやすいR12形式と汎用形式が用意された。BlenderではPythonから壁を高さ2.4mで立ち上げ、床材を分け、家具を置き、いくつかの視点から室内を描いていった。

最後はglTFとthree.jsまでつながり、ブラウザの中で3Dモデルを回しながら確認できる共有ページができあがった。以前ならCADのコマンドを覚え、Blenderの操作を覚え、Web側の仕組みを考えていたところを、今回はChatの窓から眺めているだけだった。

操作を覚える相手だったソフトが、会話の向こうで黙って働く部品に見えた。

図面になっても、数字は疑う

見た目が図面らしく整っても、元画像には縮尺がないため、そこへ書かれた数字まで信じ切るわけにはいかなかった。今回は帖数と画像上の面積から縮尺を推定し、外形約10.62m×8.07m、専有面積約73㎡という値が出てきた。

ただし、この数字をそのまま家具の採寸や工事見積もりへ持ち込めるわけではない。元画像に実寸が1か所入るだけでも結果は大きく変わり、画像の歪みや壁厚の読み方でも数字は動いてしまう。図面らしい線がきれいに並ぶほど、こちらもつい数字まで正しいような気持ちになる。

だからこそ、最後に実寸を確かめる仕事だけは、まだ人の側に残っている。

「高画質で」では、景色は変わらない

出来上がったパースは間取りを確かめるには十分だったが、広告用CGのような実写感には、まだ少し距離が残っていた。最初は単純に解像度を上げればよいのかと思ったが、画面を見ていると原因は別のところにあった。

足りなかったのは、ソファの脚や巾木、ドア枠、カーテン、床の木目といった、普段は意識もしない小さな情報だった。形を整え、質感を足し、光を調整し、そのあとで画質を上げるほうが、粗い模型のまま計算量だけ増やすより景色は大きく変わる。

「高画質で」と頼むより、「ドア枠を足して」と頼むほうが効いた。

Chatで試し、Codeで仕上げる

営業資料の試作や、顧客へ見せる形を探る段階なら、ClaudeのChatだけでもかなり先まで進めることが分かった。一方で高画質パースを何枚も作り、JWWで確認して納品するところまで考えるなら、手元の環境へ移したほうがまだ確実だと思う。

最初はChatで形を探し、仕事として成立しそうならClaude Codeへ渡し、CADやBlender、GPUを使って仕上げていく。その順番なら、最初から重い環境を整えなくても、顧客に見せられるところまでは会話だけで試せる。人が見る場所は入口の読み取りと出口の品質へ寄り、その間の反復だけが少しずつ画面の向こうへ移っていく。

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間取り図1枚から、図面も3DもWebページも生まれた。

少し前ならCADを開き、次にBlenderを開き、最後にWebへ移ることを、私は仕事の順番だと思っていた。今回はその順番が見えないまま、Chatの窓だけを眺めているうちに、いくつもの道具が裏側で仕事を終えていた。

もしかすると変わり始めているのは、道具の性能より、仕事の朝に最初に開く画面のほうなのかもしれない。

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