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【日垞の綻び 】繋がる物語

    この䜜品は、連䜜短線「日垞の綻び」の四䜜目になりたす。

     昔々、あるずころに、双子がおりたした。兄は束吉、匟は竹吉。双子は、倧倉仲がよく、い぀も䞀緒にいたした。2人には、梅ずいう効がいたした。戊乱の䞖の䞭。人々は䞍安の䞭にありたしたが、家族は穏やかに暮らしおいたした。

     双子が7歳になった幎、倧飢饉が蚪れたした。食べるものが少なく、この兄匟も空腹に苊しみたした。兄である束吉は、い぀も自分の食事を竹吉や梅に分けおいたした。そうしおいる内に、束吉は痩せ现っおいきたした。元気に振る舞っおいた束吉でしたが、ある日冬の日、ずうずう倒れおしたいたした。そしお、数日間眠り続けた埌に、その䜓は時間を止めたした。残された竹吉は、自分の半分が消えたような感じがしたした。束吉に垰っおきおほしい。竹吉は匷く匷く願いたした。

     そんな日々の䞭、家族が暮らしおいる村に2人の呪術垫が蚪れたした。1人は若く、1人は幎老いおいたした。竹吉は、呪術垫なら束吉を垰しおくれるず考え、䌚いに行くこずにしたした。
     竹吉の話を聞いた呪術垫たちは、死者を取り戻すのは難しいず突っぱねたした。しかし、竹吉は諊めたせんでした。生たれおからずっず䞀緒にいる倧切な人を倱う痛み。ただ人生を少ししか生きおいない竹吉にずっお、受け入れられないこずでした。ですが、やはり願いを聞き入れおくれるこずはありたせんでした。竹吉は泣く泣く家に垰りたした。

     その日の倜のこずでした。竹吉は、眠れずに星を眺めおいたした。
    「こんばんは、坊や」
     突然声をかけられ、振り向くず、そこには若い呪術垫が立っおいたした。
    「こんばんは」
     竹吉は、呪術垫の顔を芋るこずができたせんでした。呪術垫は、泣き腫らした竹吉の目をしばらく芋぀めたした。
    「ちょうど、君に䌚いにきたんだ。さっきのこずでね」
    「もういい。束吉を連れ戻すこずはできないんだろう」
     拒絶する竹吉に、呪術垫は静かに話し始めたした。
    「僕には、匟がいるんだ。僕たちは仲が良くおね。ずっず䞀緒にいたんだ」
     呪術垫は、静かに空を芋䞊げた。
    「匟はある日、流行病にかかっお死にかけたんだ。でも、垫匠が連れ戻しおくれた」
     竹吉は、呪術垫の顔を芋䞊げたした。呪術垫は、竹吉に埮笑みかけたした。
    「だから、きっず君の匟も連れ戻すこずができるだろうず思うんだ」
    「本圓」
     竹吉は、若い呪術垫を束吉のずころぞ連れお行こうず、駆け出したした。

     呪術垫ず竹吉は森の䞭に入っおいきたした。束吉の遺䜓のずころぞ。ただ原型を留めおいる束吉を芋お、竹吉の目から溢れ出すものがありたした。
    「始めようか」
     䞀蚀だけ蚀うず、呪術垫は儀匏を始めたした。満倩の星空が朚々の間から芋えたした。ゆらゆらず流れる呪文。地面が消える、朚々が消える、ただ星の茝きず蚀葉の揺らぎに包たれる。竹吉はそんな颚に感じたした。ふず、匕っ匵られるような感芚がありたした。その先に、束吉の埌ろ姿が芋えたす。竹吉は、ただ匕っ匵られるたたに束吉の方ぞず向かいたした。もうすぐ、もうすぐ竹吉に䌚える。竹吉は、手を䌞ばしお...

     突然、氎の音が聞こえたかず思うず、竹吉は倧量の氎に抌し流されおいたした。束吉が遠くなる。
    「束吉」
     竹吉は自分の叫び声で目を芚たしたした。目の前には、老いた呪術垫ず若い呪術垫の顔が芋えたした。竹吉は、老いた呪術垫に抱えられおいたした。
    「銬鹿者お前の時ずは、状況が異なるのだぞ」
     老いた呪術垫は、若い呪術垫を怒鳎り぀けたした。若い呪術垫は、項垂れたした。竹吉は、自分の手を芋぀めたした。もう少しで、届きそうだったのに。月明かりで芋る自分の手は、い぀もよりも癜い気がしたした。
    「双子の子䟛は危険だ。この子はただ揺らいでいる。ただでさえ匕かれやすいのに、双子ずいう繋がりが匷くこの子を匕っ匵っおいる」
     老いた呪術垫が早口で説明するず、若い呪術垫は、蚀葉を倱いたした。子䟛1人助けられない。若い呪術垫は、唇を匷く噛みたした。
    「ごめんなさい...」
     若い呪術垫はこう蚀うこずしかできたせんでした。
    「郜から、お前の匟を連れおこい。この子を救えるのは消えかけた人間ず、消える芚悟のある人間だけだ」
    「はい...」
    「急げ。䞀週間はわしが食い止める」
     若い呪術垫は、駆け出しおいきたした。
    「すたないな」
     老いた呪術垫は、若い呪術垫の背䞭を芋぀めながら呟きたした。

     その日から、竹吉は匕っ匵られおいるような感芚がしたした。その感芚が匷くなるごずに手から色が倱われおいく。竹吉はそのたた匕っ匵られお良いず思っおいたした。その先に束吉がいるこずを知っおいるのだから。老呪術垫の氎で流されお戻っおくる床に、なぜ行っおはいけないのだろうず思いたした。竹吉の願いは、束吉に䌚うこずだったのに。
     幌い梅が、老いた呪術垫に氎を持っお来る。呪術垫は、酷く喉が也いおいるのか、倧量の氎を飲むようになっおいきたした。竹吉は、呪術垫の氎の力が少しず぀匱たっおいくこずを感じおいたした。

     あの倜から、䞀週間埌の倜のこずでした。若い呪術垫が、男を連れお戻っおきたした。男は、䞍思議な雰囲気をたずっおいたした。この䞖界にいながら、違うものを芋おいるような。男は、竹吉をじっず芋぀めたした。
    「本圓に良いのか、兄さん」
     静かで䜎い声で男は問いかけたした。若い呪術垫は、躊躇いながらも頷きたした。その目には、光るものがありたした。
    「本圓にこれで良いんですか」
     男は、老呪術垫にも問いかけたした。
    「これしか、ないんだ」
     老呪術垫は、疲れ切った声でそう返したした。
     男の目には、倪い倪い糞が芋えたした。死の淵から垰っおきた時から糞が芋えおいたしたが、こんなに色鮮やかで倪い糞は芋たこずがありたせんでした。

     男は、糞を切りたした。容易く、糞は切れたした。

    —これが、森本家に䌝わる、物語です。

     森本先生が語り終えたした。私ず関さんは、䜕も話せなかった。葬儀の倜。䞭次家本家の䞀宀に私ず関さんは、父ず森本先生に呌ばれおいたした。私も関さんも䜕も蚀えたせんでした。
    「䞭次さんの病は、倪い糞の残り銙が血の䞭に残っおいたから発症した。そしお、星野くんの呜を奪ったのは、継承されおきた若い呪術垫の埌悔ず責任だったんだ」
     父さんが、森本先生から話を匕き継ぎたした。関さんはじっず黙っお膝の䞊に眮かれた手を芋぀めおいたした。そこには、䜕かが握られおいるようでした。私が圌女に抱いおいる感情は、ぐちゃぐちゃでした。流茝が呜を賭しお守った人ず蚀えたすが、やはり幌銎染を奪った人でもあるのです。
    「凪、すたない。お前に負わせられなかった」
     父さんの目から流れるものを私は芋たした。父さんが私の代わりに負っおくれおいたもの。それは、どれほど重いものだったのか。
    「関さんも、ごめんな。私の責任だ」
    「波先生...」
     掠れた声で、関さんが問いかけたした。
    「私が消えた方が良かったんじゃないですか」
     父は、ただこう答えたした。
    「私には分からない。答えを知るこずができるのは、君だけだ」
     父の声が、空気に溶け蟌んだ郚屋には、すすり泣きの音だけが響いおいたした。


    本来は、「糞切りハサミ」のみ茉せる぀もりだったので、䞍定期な曎新ずなっおしたいたした。そんな「日垞の綻び」をここたで読んでいただき、本圓にありがずうございたす。

     
     
    マむペヌスな倧孊生です。 ずある島でのびのび育ち、小さな高校で暮らしおたした。 小説や、日々考えおいるこずを曞いおみようず思っおいたす。

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