メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bytibihime

【連載小説】俺様人生 vol.27「多忙につき」

    ちびひめ

    相変わらず家賃は親頼みの日々を送っていた。

    俺は葬儀の動画編集にも慣れ、バスケも順調に人数が増え、俺もコーチをすることが増えてきた。

    一番小さい子たちのクラスを教える。

    その日はカメラはなし。

    純粋にコーチとして入る。

    担当は六歳児までの低年齢のクラスだ。

    これが意外と大変で、集中力が五分、話を聞いていない、勝手に遊び出す。

    とにかくボールを怖がらないようにするための担当だ。

    遊びと練習を交互にしたり、競争にしたりして、十分の一ずつできればよし。

    十分の一できれば、それを十回繰り返せば一になる。

    しかし、言うことを聞かない。

    幼稚園の先生の苦労がわかる。

    一人一人に話せばわかってくれるのだが、集団なので話にならなくなる。

    一応ドリブルやパスの練習もしているが、特に女の子は怖がってパスを受け取れない。

    今日は新しくソウタくんが入学してきた。

    ソウタくんは年長さん。

    なんと一応ドリブルができる。

    さすが年長さん、聞き分けもいい。

    こういう子が増えると楽なんだけど、今は子どもたちになつかれすぎて、寄ってくる子どもたちをちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返して、楽しいけどとにかく疲れる。

    疲れて帰ってきた俺をアスカの手料理が迎える。

    こんな日々も悪くないなと思う。

    折しもバスケの東くんとの間で、もうけ話になる。

    俺のパソコンスキルを活かして、なにか事業が出てきたりしないかな、という話だ。

    俺のパソコンスキルとなると、ホームページ作成、サーバー作成などだ。

    それで一儲けしようという考えだ。

    俺も、それなら今の仕事に差し支えないし、割りと簡単なことしかしなくていいから、甘い汁だ。

    手始めに、知り合いのアロマテラピーのお店のホームページを手掛ける。

    アスカにもデザインを手伝ってもらって、それは割りとすぐにできた。

    売上は二割を会社に、八割を二人の給料にすることになっている。

    初給料だ。四万円にもなった。

    あとはクチコミで広めてもらう。

    次の物件は割りとすぐに来た。

    アロマテラピーのお客さんの知り合いのバイク屋さんだ。

    こんな感じで繋げて仕事をするようになった。

    もう少しで家賃もクリアできる値段になる。

    俺の胸は想像で高鳴った。

    ご飯を食べながらアスカが言う。

    「その仕事ってほんとに大丈夫なの?あとでお金が必要になりました、とか言っても出すお金はないよ?」

    「大丈夫だよ。俺のスキルさえあればあとは何もいらない会社だから」

    「ふぅん、それならいいけどさ、あたしは嫌だよ、ゴタゴタに巻き込まれるのは」

    「大丈夫、大丈夫」

    元手がない会社だ。利益はあっても損はない。

    いつか、この会社を大きくして、ビルなんか借りたりしちゃったりして。

    くぅ〜、俺って天才。

    俺の妄想は当たらずも遠からず、だ。

    思っていた通り、一定に近い収入が生まれた。

    これで俺もやっとゴールインできそうだ。

    アスカは大喜びする。

    まだアラフォーになる手前で結婚できると知ったからだ。

    アスカに、結婚式、したい?と聞くと、うんうん、したい!と言う。

    結婚式するなら、あと何年か待たないとなぁ、と俺が言うと、アラサーのうちならいいよ!と返事した。

    俺は馬車馬のように働いた。オフィス光の仕事も、バスケの仕事も、東くんとの共同事業も、休むことなく続けた。

    休むことなく続けれたのは、アスカの美味しい料理のおかげもあった。

    アスカがいるから俺はいる。

    そんな一体感を味わった。

    ところが、共同事業の方は特に宣伝してきたわけでもないので、たま切れしてきた。

    広告に載せてもみたが、今は類似企業が多く、仕事がこなくなってきた。

    どうしよう……と頭を抱える俺に、救いの手が差しのべられた。

     
     
     
    うつ病の頑張る頑張り屋さん。 メンタル系記事は体験・経験から。 イラスト・占いいたします。 JADP認定タロット占い師 Amazonアソシエイトに参加しています。 メンバーシップは占いと雑談・雑学など。 グッズ販売⏬⏬ https://redbears.theshop.jp/

    あなたへのおすすめ