見出し画像

13才の鳥 1


character


・橘 風燕たちばな ふうめ

・白鳥 霜矢しらとり そうや


プロローグ 13歳


1回目の13歳は、あっけなかった。
特段変わった出来事もなく、小学校の門の前で終わる。
これから何回、13歳が来るのだろうか。

俺も、幼馴染の橘 風燕も、ただ黙って桜を見ていた。
風燕の横顔は濡れていないけど、口元はぎゅっと引き締められている。

本州に引っ越した俺は、風燕と会うのは久しぶりだ。
何も変わっていない。髪をいじる癖とか、語尾を少し伸ばすところとか。

沈黙を破るように、風燕が、
「いやー、早いねぇ。渡り鳥」

深い紺色の髪をなびかせて、空を仰ぐ。
その姿に、思わず言葉を出しそびれる。
もう一度声を発しようとして、やめた。

再び無言になった俺たちの間を、風が通り抜けていく。

「次の13歳もあるのかなっ」
元気を振り絞った声に、俺も明るく聞こえるように返す。
「さあなっ」

そんなこと、わからない。
俺たちは、ただ、受け入れる。
桜が散るのを誰も止めない。

「ねえ、霜矢。若返りってさぁ、悪いことやと思う?」

俺が口を挟む間もなく、風燕は言葉を繋いだ。
澄んだ声とは裏腹に、その内容は、暗い。

「私はね、いいことだと思う。だって、会えるチャンスがたくさんあるってことやもん。毎回、初めましてかもだけど」

「…ん。だな」

風燕がそっと手元に視線を落とす。
飴色の時計。

「もう、時間かな」

「…ん」

俺は、覚えているかな。風燕のことを。

疑問を振り払って、ただ、背を向けた。



________


どもども〜!

実はこれ、私がメフィスト賞のために書いていたものなのです!


今の私じゃ力不足だと思い、賞に応募するのはやめましたが、埋もれさせるのは勿体無い、、、!
ってことで、このタイミングで出すことにしました✨

13才になるまでに出したかったので

初めて描いた長編小説だったのですが、うーん、そんなに字数ないです・・・w


SF恋愛なのですが、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!

いいなと思ったら応援しよう!

ふうり|休暇中 いつも記事を見てくださってありがとうございます✨ いただいたチップで新しい創作の泡を生み出していきます🫧 よければ応援お願いします📣