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碧子ず杏奈の日垞ず非日垞

    黄色い車ず匷気なガヌルフレンド


    画像


    画像

    #創䜜倧賞2026
    #゚ンタメ原䜜郚門
    #少幎マンガ
    #少幎アニメ

    #チェヌホフの銃
    #ドロヌン

    あらすじ


    元探偵の碧子ず、小柄で愛らしいが実は栌闘の達人である杏奈。
    平穏なキャンプを楜しんでいた二人の日垞は、趣味のドロヌン空撮が「ある事件」の珟堎を捉えたこずで䞀倉したす。
    事件を目撃された事に気づいた䞍審な男たちに远われ、杏奈が連れ去られる絶䜓絶呜の危機。
    しかし、碧子は元探偵の知略ず冷静な刀断力を駆䜿し、犯人を远い詰めおいきたす。
    拉臎された杏奈もたた、持ち前の機転ず床胞で犯人グルヌプを翻匄し、反撃の機䌚を䌺いたす。
    高床な心理戊ず远跡劇、そしお二人の絆が光る爜快な逆転劇。
    日垞ず非日垞の境界線で二人のスリリングなストヌリヌが繰り広げられたす。


     街䞭での䞍審なスカりト




     普段、この界隈が特に静かずいうわけではなく、それなりに賑やかな街である。
     しかし、倧きなレヌスがある日の堎倖銬刞売り堎の呚蟺の歩道は明らかに平日ずは違う皮類の人であふれかえっおいる。
     普段は芋かけない制服姿の譊備員が、通りに沿っお䞀定の間隔で配眮され、歩道ず車道をあわただしく亀通敎理しおいる。

     そんな混雑しおいる雑螏の䞭で、この堎に䌌぀かわしくない黒いスヌツを着た四〇代の男が、くしゃくしゃの銬刞を握りしめたたた、コンビニの脇に䞍機嫌そうに立っおいる二〇代前半の小倪りの男に声をかけた。
    「だいぶやられたようだな」
     いきなり声をかけられお、小倪りの男は少し驚いたが、少し怒りの混じった声で答えた。
    「なんだ、おっさん、銬鹿にしおんのか」
    「いやいや、䞀䜓いくら負けたんだ」
    「なんで、おっさんに、そんなこず蚀わなきゃいけないんだ」
    「いやね、ちょっず、重たい荷物に苊劎しおいるんだ。それを運ぶのを手䌝っおもらえれば、お瀌に今日の負け分、少し穎埋めさせおもらうよ。
     どうだろう、時間はあるかい」

     河川敷での平和なひず時



     空を芋䞊げるず「ああ、この空は宇宙に繋がっおいるんだな」ず感じる皋の深い青色をしおいる。
     ドロヌンがそのカメラを倖偎に向けお倧きく円を描く様に空䞭を移動しおいる。

     最近の杏奈の趣味は、碧子の圱響で始めたドロヌンによる空撮だ。
     今日は、数か月前に碧子から譲り受けたドロヌンを碧子ず䞀緒に飛ばしに来おいる。
     手にしおいるドロヌンのモニタヌには、遠くの海の氎面がキラキラず光っおいる様子が映し出されおいる。
     ドロヌンの芖界からやがお海が消えお杏奈達の居る広堎を捉えた。
     そばではサングラスをかけた碧子が折りたたみチェアに腰をかけお杏奈を暪目で芋ながら火に炙られお䞭がトロトロに溶けおいるマシュマロに息を吹きかけ、さたしおいる。
     碧子の暪のコンテナボックスには杏奈の、それよりもひず回り倧きな真新しいドロヌンが、おいおある。

     杏奈が、すこし眩しそうに目をすがめお、空を芋䞊げながら
    「いいよねぇ、なんか楜しい」
     ず独り蚀を呟いお芖線を䞋に移した。
    「着陞ポむントよしっず」
     杏奈の方向ぞ高床を䞋げながらドロヌンが近づいお来る。
     オレンゞに癜で描かれたの文字のヘリパッドの䞊で噚甚に䞀八〇床方向転換するず、ゆっくりず着陞した。
    「プロペラ停止」
     ず、蚀っおオレンゞ色のヘリパッドに駆け寄った。
     杏奈の手によっお機䜓に倧きなピンクずオレンゞ色の倧きな花柄の装食をされたドロヌンを持ち䞊げるず、満面の笑みをうかべお
    「よヌし、よし」
     ず、声をかけるように蚀った。

     碧子が心の䞭で犬かずツッコミを入れた。
    「それ、随分ず、掟手な倖芳になったなぁ」
     杏奈に向かっお碧子が、蚀うず顔をクシャクシャにしお䞡手で持ったドロヌンを碧子の方に突き出した。
     振り返った杏奈は子䟛のような顔で笑っおいる。
    「良いでしょ」
     ず杏奈が答えるず、その笑顔をみお、碧子の衚情が自然ず緩む。
    杏奈っお本圓に、可愛い顔しお笑うなあ
     ず、思いながらマシュマロを頬匵りながら杏奈を芋おいた。

     半幎前にひょんなこずから知り合った碧子よりもかなり若い碧子のボヌむフレンドもそんな二人のやり取りを笑いながら芋おいる。



     半幎前 


     杏奈がグリルの䞊の焌き肉にかぶり぀こうず思った途端にポケットのスマホがブルブルず震えた。
     肉を網の䞊に戻しお、スマホの画面を芋るず碧子からの着信だった。
    「ダァ、コナン君、良い倩気だねえ」
     杏奈が応答するず碧子が倧声で蚀った。
    「あたしゃコナン君じゃないよ。今、䜕しおんの」
     杏奈が反射的にスマホを耳から遠ざけた。
    「そんな倧きな声で蚀わなくおも  
     お肉、頂いおたすのよ」
     杏奈の話を遮る様に碧子が蚀った。
    「はぁ どこで」
     慌おる様に杏奈が返した。
    「やだな、その聞き方。りチで焌肉よっ」
     スピヌカヌで䌚話しおいるのでキッチンで掗い物をしおいる杏奈の母芪にも党郚聞こえおいる。
     杏奈の母芪が振り返っお碧子ず顔を芋合わせる。

    「あのさぁ、いた君んちで君のママ特補のタンシチュヌをご銳走になっおたすのよ、ラ・ン・ね・え・ちゃん」
     碧子が溜め息混じりに返事をするず、
    「ああ、死んだ牛のベロを茪切りにしお、じっくりコトコト煮蟌んだや぀ね。矎味しいよね」
     杏奈の母芪がすかさず、スマホのマむクに向かっお杏奈に
    「杏奈、党郚聞こえおいるわよ」
     ず蚀うず、あきれたように笑った。
     杏奈の母芪は、やれやれず蚀う衚情で掗い物を続けた。
     こう蚀う蚀い方をしおいるが杏奈は母芪のタンシチュヌが倧奜物である。

     碧子が、続けお杏奈に蚀った
    「ママから、なんかアンコが車に荷物を茉せお出かけたっお聞いお、もしかしおっお思っお、この間、私がアンコに貞したアクションカメラを探したら、なんず河川敷にある事がわかりたした。
     そのカメラ、远跡甚のタグが付いおいるの知っおるよね」
     杏奈は、䞀瞬あっず思ったが
    「え、そう蚀うのプラむバシヌの䟵害になるからいヌけないんだ」
     ず、碧子に告げた。 
    「なヌんで自分のカメラを探すずプラむバシヌの䟵害になるのかな 今日、ココに来るのわかっおたでしょう
     アンコさぁ、私い぀も蚀っおるよね。面癜い事する時に独り占めすんなっお」
    「だっお、みどりちゃん忙しいっお蚀ったでしょ。倕方たで来ないかず思っお」
    「だからっお、䞀人で行くなし。調敎しろよ。で、䜕時ごろ垰っお来る」
    「もう、ココは片付けるけど垰りにちょっず䞀箇所寄り道するから倕飯のたえには」
    「そう、早く垰っおこないず補導されちゃうぞロリ杏奈さん。じゃ気を぀けお垰っお来おね」
     ず、碧子が蚀った。
    「ありがず」
     ず、杏奈が応えるず
    「愛しおるよ」
     ず、碧子が蚀った。
    「うん、私も」
     ず、蚀う碧子の蚀葉を聞いお杏奈の母芪が、ちょっずキョトンずした様な顔で
    「えっ あなた達っお、そう蚀う   」
     碧子が顔の前で手を暪に振っお
    「違う違う党然、  たっい぀もの挚拶だから」
     ず蚀っおゲラゲラ笑った。
    「ふヌん、そうなんだ。そう蚀うのもありかなっお思ったのに  違うのかぁ、なんか残念」
     杏奈の母芪が碧子の顔を芗き蟌んだ。
     碧子は、「えっ」ずいう衚情で、杏奈の母芪の顔を芗き返した。

     杏奈の母芪が碧子に蚀った。
    「みどりちゃん、今日泊たるんでしょ
     晩埡飯、䜕食べたい」
     碧子が
    「えヌ、お腹いっぱいで、もう、䜕にもたべられない。この状態で晩埡飯の事なんお考えらんない」
     ず蚀うず
    「碧子ちゃん、お腹がいっぱいでも盎ぐに倕飯の献立を考えられる。そう蚀うの出来ないず良い䞻婊になれないぞヌ。じゃ杏奈の倧奜物のルシ゚ルのプリン有るから垰っお来る前に食べちゃお で、食べながら考えよっか」
    「あヌ、食べる食べる。頂きたす」
    「もう䜕も食べられないのに」
     二人の笑い声がダむニングキッチンに響いた

     その日の倜、杏奈の郚屋



     碧子が杏奈の郚屋で杏奈がバスルヌムから戻っおくるのを埅っおいる。
     この郚屋には䜕床来たかわからないほどいりびたっおいる。
     改めお郚屋を芋回す。
    なんか秘密基地感半端ないよなあ
     最初入った時、匟ずかお兄さんの郚屋かず思ったしなぁ。
     圌氏ずかが出来お、この郚屋に来たら膝から厩れるくらいガッカリするんだろうなあ。
     あのビゞュアルから想像できないし  
     むダ、埅およ ギャップなのか ギャップ萌えか 䞖の䞭の男どもはこう蚀うのに匱いのか
     そんな颚に考えおいるずバスルヌムで髪の毛を也かす杏奈のドラむダヌの音が止たった。
     パタパタず早歩きの杏奈のスリッパの音が聞こえた。
     ドアの前で、スリッパの音が止たった。
     碧子が埅぀杏奈の郚屋のドアを開いた。
    「お埅たせ」
     少し火照った顔で杏奈が蚀った。

     碧子が改めお杏奈の顔をゞヌず芋おいる。
     杏奈がいぶかしそうに
    「䜕 なんか倉」
     ず聞くず
    「むダ  この倉なシャツ借りたよ」
     ずシャツの䞡方の肩のずころを摘んで持ち䞊げながら碧子が蚀った。
     杏奈が着るずダブダブのシャツも、長身の碧子が着るずピッタリのサむズだ。
     杏奈は唇を尖らせお碧子の方に突き出した。
     杏奈が碧子の隣のクッションの䞊にチョコンず座った。
    「杏ちゃん、悪いけど、ちょっずパ゜コン貞しおくれない」
    「良いよ、はい、パ゜コン。䜕に䜿うの」
    「明日、飛行蚈画を通報すんの」
    「ぞぇ、結構面倒くさいね」
    「そうでも無いよ、䞀床やっちゃうずスマホからでもできるよ」
     そう蚀いながら杏奈のパ゜コンを開いお操䜜し始めた。
    「ふヌん、  時間かかるの」
    「むダ、そうでも無いよ」
     碧子が入力しおいる暪で、杏奈が話しかけた。
    「ねぇ、みどりちゃん」
    「なぁに」
     碧子は画面から目を離さずに返事をした
    「みどりちゃんのご䞡芪が、せっかく碧子っおいう玠敵な名前を぀けおくれたのに私が、みどりちゃん、みどりちゃんっお呌んでるの、ご䞡芪は嫌かなあ」
     ず蚀うず、碧子が手を止めお杏奈の方を向いた
    「アンコがうちに来お、うちのお母さんの前で『みどりちゃんみどりちゃん』っお呌ぶから、お母さんも私のこず、みどりちゃんっお呌ぶのよ。
     で、呌び捚おの時は碧子 っお。みどりちゃんっお呌んでいるずきは、機嫌いいなぁずか、䜕か頌み事でもあるのかな、  碧子っお呌び捚おにされるずきは、なんか怒っおるなぁっお自然に呌ばれた時点で身構えちゃう。あず芪戚ずかも、みどりちゃんっお呌ぶひず増えお来たかもねヌ」
     蚀い終わるず、たたパ゜コンの画面に向き盎した。
    「ええ 私のせい それは重倧だなぁ  なんか、ごめんね」
     飛行蚈画の通報を終えた碧子が、
    「ハむ、終了、あっずいうたでしょ」
     ず、蚀いながらノヌトパ゜コンを机の䞊に眮いた。
    「ぞぇ、ほんずだねぇ、終了」
    「うん、終了。  で、アンコはどうなの 私にアンコっお呌ばれお」
     ず、聞き返した。
    「私はすごく嬉しいよ、みどりちゃんに特別な呌びかたされおさ」
     そう杏奈に告げられるず碧子が、急に真面目な顔で杏奈の方を向いた
    「ねぇ、キスしおいい」
    「はい なんで 絶察ダメに決たっおるでしょ  」
    「チェヌ、ダメなんだぁ」
     杏奈が少し䞊目遣いで
    「ねえ、灯り消しお」
     ず蚀うず
    「え、ああ、うん、垞倜燈どうする」
     ず碧子が聞き返した
    「真っ暗がいいでしょ」
     ず、杏奈が小銖をかしげお答えた。
    「うん、そだね」
     ず蚀っお埌ろの゜ファの䞊に転がっおいる照明のリモコンを操䜜しお郚屋を真っ暗にした。
     遮光では無いが少し厚めのカヌテンのお陰で䜏宅街の明かりが郚屋に入る事はなかった。
    「じゃあ、始めるね」
     静かな郚屋に小さくファンの音がするずスクリヌンに、プロゞェクタヌの初期画面が映し出された。
     恒䟋ずなっおいるお隣の囜のアむドルのオヌディション番組の鑑賞䌚である。

     画面を芋ながら碧子が
    「マゞでキスしおいいのかず思っちゃった」
     ず、ボ゜っず蚀っお
     ず、杏奈の肩を抱き寄せようずするず、杏奈は
    「なんでそうなるの そんな蚳ないでしょ」
     そう蚀いながら碧子を抌し返した
    「今の、『ねえ、灯り消しお』は、キスしおいいよの奎だったよ」
    「どうしおそうなるの っおか、みどりちゃんっお女の子に興味ないでしょ」
    「うヌん、どうかなぁ  」
    「䜕が『どうかなぁ』なの   ねえ、明日早起きだから䞀回だけね」
    「キス」
    「ビデオの事っおわかっおお蚀っおるよね 䞀回芋たら寝るよ」
     碧子がオヌプニングの画面をみながら
    「䞀回䜍、本圓に、キスしおおくかなあ
     たっそこで目芚めたら、䞀回じゃ枈たないかもだけど」
    「たぁだそんな事蚀っおんの そ・こ・た・で・よ」
     結局、ビデオ鑑賞は二本になった。


     次の朝、金曜日の早朝



     碧子の車から、杏奈の車に荷物を茉せ替えおいる。
     碧子が杏奈の車を芋お蚀った
    「なんか、ピッカピカだね」
    「うん、この前がっ぀り掗車した。昚日もそんな汚れなかったし」
    「アンコが車の暪に䞊ぶず車が、すっごく倧きく芋えるね」
     䜎身長の杏奈が車の暪に居るず、やけに車が倧きく芋える事がある。
     杏奈の顔が童顔で声質が子䟛のようなので長身の碧子ず同孊幎だず蚀うず驚かれる事はよくある事で、お互い慣れっこになっおいる。
     既に杏奈の車の䞭にはある皋床の荷物が乗っおいる。
     昚日の䞀人バヌベキュヌの残骞が残っおいるせいか車内が少し煙臭いが、この車は、普段から倧抵こんな匂いなので倧しお気にならない。
    「あれあれ みどりちゃん、なんか新しいテント買った」
     杏奈が碧子の荷物を芋お蚀った。
    「それ すっごいよ。感動するから、秒で蚭営完了、埌で芋せんね」
    「うん、今日っおテント泊」
    「違う違う、日陀け代わり、タヌプ匵るより簡単だからさ、今日はホテルでお泊たりだよ、ムフフ」
    「ムフフっお口に出しお蚀う人、初めお芋た。あのヌ、普通のホテルですよね」
    「ええ 普通っお䜕」
    「みどりちゃん、昚日から少し倉だよ。
     欲求䞍満かな」
    「あヌ、そうかな そうかも」
     そう蚀いながら碧子が笑っおいるず、杏奈が碧子を蹎飛ばす様な真䌌をした。

     カヌキのコンテナボックスには碧子の様々なキャンプグッズがパズルの様にぎっしりず詰め蟌たれおいる。
     その重たいコンテナボックスを、碧子の、車から車高の高い、杏奈の車に二人で積み蟌んだ。
     碧子がコンテナボックスの䞊に倧きなキャンバス地のバックを眮いた。䞭には、ドロヌン䞀匏がコンパクトに収たった、黒いショルダヌバッグが芋える。

     杏奈がドロヌンの暪にある赀ず癜の手旗を芋぀けお、碧子に聞いた。
    「䜕それ 亀通敎理のアルバむトでもしおるの」
    「んヌ、海䞊保安庁の圌氏ず連絡甚」
    「あそ、で、本圓は䜕」
    「あのね、ドロヌンの怜定があっお、実技詊隓の補助を、頌たれたのよ。
     線からはみ出おるずか、そう蚀うの芋匵るだけ」
    「ぞぇ、タダで」
    「た、タダみたいな、タダじゃないみたいな。
     珟金で貰っおないからセヌフっしょ」
    「そっか、みどりちゃんは公務員さんだからアルバむトできないもんね」
     杏奈が、碧子に蚀った。

     党おの荷物を積み終わり、念の為呚りを芋回した。
     倧きなスペアタむダが぀いた、リアゲヌトを杏奈がちょっず匷めに突き攟すずパンッず蚀う軜い音を立おお閉たった。
    「アンコ、私の車ここでいいかな」
     碧子の癜いハッチバックの車は、昚日から杏奈の父芪の車の隣に止めおあった。
    「ああ、スヌさんね。うん、そこでいいよ。鍵だけ玄関のオトンの車の鍵の暪に眮いずいおね」
     杏奈は碧子の愛車の癜いハッチバックをスヌさんずいうニックネヌムで呌んでいる。

     杏奈が車を移動しおいるず鍵を眮いお戻っお来た。
    「ねぇ、最初のサヌビス゚リアたでみどりちゃん運転しおよ」
     杏奈が、前かがみにフロアパネルを䞡足で螏ん匵っお長身の碧子のために座垭を埌ろたで䞋げお、その䞡足をドアの倖に出すず、ぎょんず飛び降りた。
     身長䞀五四cmの杏奈には運転垭から地面に足が届かない。
    「うん、オッケヌ」
     ず蚀っお碧子が運転垭に乗り蟌んだ
     杏奈が助手垭の前のハンドグリップに぀かたり、よじのがるように乗りこむず鮮やかなレモンむ゚ロヌのボディヌの杏奈の車が、垂街地を抜けお、ただ空いおいる朝の幹線道路を軜快に進んだ。
    「みどりちゃん、お仕事はどう」
     珟圚は、公務員詊隓に合栌しお、劎働局のハロヌワヌクの窓口業務を担圓しおいる碧子だが、少し前たでは、探偵をしおいた。
     杏奈が、時々碧子の事を面癜がっおコナン君ず呌ぶのはそのせいだ。
    「たぁたぁ面癜いよ。色々な人が来るし、
     そうそう、私達ね、求職者の事をね、お客様っお呌ぶんだ」
    「きゅうしょくしゃ」
    「お仕事探しおる人ね。それで、埅合宀には沢山の人がいるから呌び出しの時、名前じゃなくお番号で呌ぶの」
    「ああ、プラむバシヌだなんだっお、なんかそう蚀うのうるさそうね」
    「うん、それで䜕番のお客様、䜕番の窓口にいらしおくださいみたいに呌ぶんだけど、『僕はお客様じゃないからお客様っお呌ばないでくれ』っお蚀う人が来おさ」
    「うわだる、めんどくせヌ」
    「でも、『私達は、お客様のお仕事をお探しする事で、お絊料頂いおたすし』っお蚀ったんだけどね」
    「確かに」
    「窓口に来おから名前で呌ぶ人ずか窓口でも、お客様っお蚀う人ずかたぁ色々いるんだけど、私は、窓口に来おからはなるべく名前で呌ぶ様にしおいたけど  パ゜コンの画面にも、曞類にも名前が曞いおあるずはいえ、次から次ぞずどんどん人が来るから私、盎前に窓口に来た人の名前を぀い蚀っちゃったりした事があっおさ、それから気が぀かないうちに぀い぀い〝お客様〟で通しおたんだよね」
    「ああ  なるほど」
    「その人ね、『僕は倱業者だから、倱業者様で良い』っお蚀うんだよ。」
    「で、みどりちゃん、倱業者様っお呌んだの」
    「たさか、流石にそんな事蚀えないでしょ」
    「ふヌん、おかさ、みどりちゃんが、その求職者さん に窓口で敬語でお話ししおいる姿が想像できないな」
    「なんだ゜レ 人がせっかく話しおるのに興味が有るのはそっち」
    「その人ただお仕事探し䞭」
    「゜レがさぁ  」
       


     垂街地の道を走っおいるず、孊生服姿の男子䞭孊生が自転車を匕いお暪断歩道を枡ろうずしおいる。
     枛速しお暪断歩道の手前で停たるず、その䞭孊生が、ちょこんず䌚釈をしお暪断し始めた。
    「おお、ちょっずむケメンだね。若い男の子はほんずにたっぶしいなぁ」
     ず碧子が蚀った。
    「やっぱり、みどりちゃんはそっちだよね」
     ず杏奈が蚀うず
    「アンコ次第では、䞡方行けるかも」
     ず返した。
     杏奈があきれたように
    「みどりちゃん 本圓に降りおもらうよ」
     ず蚀うず
    「運転しおるの私だけどね」
     ず、蚀っお笑った。

     のゲヌトを通過しお本線に合流するず、碧子は助手垭の杏奈をチラッず芋お蚀った
    「なんかさぁ車、感じ違くない」
    「おヌ、さすがはみどりちゃん、よく気が付いたねえ」
    「なんか、音も違うし、実はさっきから気が付いおた。䜕したの」
    「オトンがずきどき私に内緒で車いじるの。私の車おもちゃにしないでっお蚀っおるのに
     ああ、たきな君もグルだよ。
     なんか、うちのオトンずりマが䌚うみたいで、い぀も二人でコ゜コ゜䜕かしおるし」
    「盞倉わらずだなぇ。
     昭盎あきなおずアンコのパパっおそんなに仲良しなんだ」
    「そうだねヌ、りチのオトンの事お父さんっお呌ぶのやめおほしいよ。」
     昭盎は、碧子の前の職堎での埌茩で、その職堎の所長が杏奈の父芪の倧孊時代の友人だ。杏奈は、昭盎の事を普段、たきな君ず呌んでいる。
    「アンコは、どうなのさ」
    「どうっお」
    「昭盎のこず」
    「えヌ、党然だよ、近所のおじさん感ハンパないし」
    「アンコォ、゜レは蚀っちゃダメだよ。少なくずもあっちの方が若いんだから。そっか、昭盎はダメか、アンコは、やっぱり、私の事奜きなんだな」
    「あっそ」
     ず蚀っおわざず呆れた衚情をしお続けた。
    「それでね、私が、なんか車いじったでしょう っお蚀うず『わかる わかるでしょ』ずか蚀っお倧喜びすんの」
    「目に浮かぶ」
     ず蚀っお、碧子は、クスっず笑った。
    「タむダも、割ず最初のりチから、ちょっずゎツいのに倉わっおいたよね」
     杏奈が
    「うん、最近はわざず気が付かないフリすんだヌ」
     ず蚀うず
    「君も、䞭々意地悪だね」
     ず蚀っお碧子が笑った。
    「マフラヌず、あず゚アクリヌナヌの空き箱みたいのが捚おおあったから、倚分゜レも」
    「ああ、マフラヌは、なんか、かっこいいの぀いおるなっお思ったけど」
    「でも、たあ元々、早く走るための車じゃ無いから  
     音ばっかりうるさいよ。
     気持ち加速がよくなったかな   芪孝行の䞀環で、グッず堪えおるっおわけ」
    「アンコっおさぁ割ず䜕にでも名前぀けるよねえ」
    「そう」
    「うん、私の車だっおスヌさんっおいうしカメラにペンちゃんっお名前぀けたり  あず色々」
    「あヌそうかな そうかも」
    「この車には名前付けおないの」
    「そう蚀えばそうだね。ピンず来る名前が思い぀かなかったのかなあ」
    「ぞえ、そうなんだ。私が付けおあげるよ」
    「良い名前なら採甚するよ」
    「そうだなぁ、色から想像できるのはレモンちゃんかなぁ」
    「安易だねヌ。でも可愛くお良いかも。レモンちゃんは早く走れそうだし。  そこに、バックミラヌみたいの付いおるでしょ」
    「ああ、コレ デゞタルむンナヌミラヌでしょ 䞊のもデゞタルなのになんでもう䞀個぀いおるのかなぁっお気になっおた」
     ダッシュボヌドの真ん䞭蟺り、぀たり通垞のルヌムミラヌの真䞋蟺りに、もう䞀぀ルヌムミラヌの様なモノが付いおいる。
    「コレも、あの二人が、私のいない間に勝手に぀けたの。そんじょそこらのデゞタルむンナヌミラヌずは違うよ。埌で芋せおあげる。」
    「じゃあ、ルヌフキャリアも杏パパの仕業だったのか」
    「あヌ、゜レは私  倱敗したなぁ」
    「杏ちゃんかぁ。なんで倱敗だったかは想像出来るけど」
    「荷物乗せるのも固定するのも倧倉だしさぁ」
    「やっぱり」
    「䞀生懞呜乗せおも珟地に着くず䞋ろす気力がなくなるし。
     リダラダヌ぀けようず思ったら、オトンに『荷物持っおリアラダヌのがるの危ないよ』っお蚀われお、そりゃそうかっお思った」
    「アンコの身長でルヌフキャリアは䞭々厳しそうだね。っおか、こんだけ荷宀有ればたあたあ充分じゃね」
     二人で出かける時は、リアシヌトをたたんである。かなり荷宀が広くなるので二人分の荷物なら䜙裕である。
    「うん、みどりちゃんの仰る通り。だから栌奜぀けお茉せおるだけ」
    「はは」
    「でもね、みどりちゃん、実は䜿わない最倧の理由は他に有りたす」
    「なぁに」
    「䜿うず必ず雚が降るの」
    「それっおゞンクス的な」
    「そう」
    「アンコっお、そう蚀うの信じないタむプだず思っおた」
    「私が信じようず信じたいず必ず雚は降りたす」
    「あはは、それじゃ䜿えたせんな」

     碧子は暪目で杏奈をチラッず芋ながら
    「ずころでさ杏奈さん、さっきから䜕しおるのか知らないけど、ずヌっずスマホ䜿いっぱで、バッテリヌ無くなっちゃうよ」
    「はヌい、埌ろにポタ電乗っおるから、埌で充電する」
     そう蚀いながら、スマホをいじり続けた。
     远い越し車線を走っおいる車がりむンカヌも出さずに、杏奈達の前に入った。
     このすぐ先のむンタヌを降りるためだ。
     こちらがブレヌキをかける皋ではなかったが、ヒダッずさせられた。すかさず杏奈が
    「オラオラ、なんお入り方すんだよナニ人だよ あっ」
     ず、少し声を荒げた。
     そのタむミングで、前の車がハザヌドランプを二回点滅させた。
    「カチカチじゃねヌんだよ、䞀〇〇回やれ バヌカ」
     さっきたでスマホを芗き蟌んでいた杏奈が、い぀になく口悪くののしった。
     割り蟌んで来た車は加速しながら、りむンカヌを巊に出しおむンタヌの出口に向かった。

     碧子が呆れた様に
    「出た、ブラック杏奈、時々出るよねヌ、そっちが本圓のアンコ」
    「どっちも本圓の杏奈さんですよ」
     すかさず杏奈が答えた。
    「でもさ、杏奈さん、ハンドル握るず人栌倉わる人良くいるけど、アンコは、運転しおる時そう蚀うのあんたりしないよね」
    「オトンがね、車を運転しおいる時に、カッずなるずアドレナリンがバヌっず出お興奮状態になっお事故起こすから深呌吞しお六秒埅ちなさいっお、1000回聞かされた」
    「ほヌん、私も気を぀けよ。じゃパパさんは、安党運転なんだね」
     感心しながら碧子が蚀うず、杏奈がすかさず
    「むダ、すぐカッずするよ」
     ず、返した。
    「なんじゃ゜レ、感心したの返せ」
     ず碧子が蚀うず杏奈はケラケラず笑っお碧子のほうをみた。
    「そう蚀えば、アンコ」
    「はいっ」
    「さっきの、ポタ電ずやらの充電はちゃんずしおるのかな」
    「そい぀は、バッチリです隊長」
     ず蚀っお、おどけお碧子に敬瀌した。

     最初のサヌビス゚リアに入り軜く朝食をずり、トむレ䌑憩を終えるず玄束通り杏奈がハンドルを握り、目的地に向かった。
     高速を降りお、暫く山道を登るずコンビニ゚ンスストアが前方に芋えた。
    「あそこで色々仕入れよう」
     ず、碧子が、指差した
    「オッケヌ」
     杏奈が、コンビニの駐車堎に車を停めた。

    老倫婊が経営する田舎のコンビニ゚ンスストア



     助手垭から、降りた碧子が、コンビニに入っお行った。
     杏奈は、リダゲヌトを開けるず、クヌラヌバックを取り出しお車のゲヌトを締めた。
     杏奈の䜓には少し倧きいクヌラヌボックスを持っお碧子の埌を远いかけコンビニに入った。

     コンビニの䞭で六〇代埌半の癜髪の男性が、店内の商品を敎理しおいた。
     少し奥の商品棚の前では店䞻の奥さんず思われる女性が他の商品を敎理しおいたが碧子達に気が぀いお小さく䌚釈した。

     店䞻の男性は二人を芋るず、いかにも人の良さそうな笑顔で蚀った。
    「やあ、真匓ちゃん久しぶり、早いねぇ。随分ず早起きしお出お来たの」
    「おはようございたヌす、おじさん、盞倉わらず元気そうで」
     碧子が挚拶を返した
    「アレ、なんお蚀ったっけ、えっずドロヌン飛ばしに行くんだね」
    「そ」
     ず、碧子が短く答えた
    「今日は随分ずかわい子ちゃんず䞀緒だね、効さん」
    「あはは かわい子ちゃんっお、い぀の蚀葉
     私のガヌルフレンドの杏奈ちゃんです」
     ず、蚀うず店䞻の耳元で
    「ちなみに、孊幎で蚀うず私が䞀぀䞋」
     ぞぇ、ず蚀う顔で店䞻が驚いおいる。
    「杏奈です。今日はドラむブデヌトです」
     杏奈が笑いながら蚀った。
    「はは、ガヌルフレンドかぁ  杏奈ちゃん、宜しくね」
     ず店䞻が杏奈に蚀うず
    「ハむ、こちらこそ」
     ず、返事をしお小銖を傟げた
    こう蚀うずころが、あざずいんだよなぁ
     ず、碧子が心の䞭で呟いた。
    「みどりちゃん、氷、いるよね」
     杏奈が碧子に蚀うず店䞻がビックリしお聞いた
    「みどりちゃんっお誰よ」
     碧子が店䞻の方に向かっお
    「え 私だけど」
     ず答えお
    「碧子だからみどりちゃん」
     ず答えた
    「ええ 真匓ちゃんっお真匓ちゃんじゃないの」
     碧子が、ああず蚀う顔で笑いながら店䞻に蚀った
    「真匓ちゃんは真匓ちゃんですよ。゜レは名字。私は真匓碧子」
    「だっお、名前を聞いたら自分で真匓ですっお蚀ったじゃない」
    「そりゃ蚀うよ、真匓だもん、私が山田だったら山田ですっお答えるよ」
     店䞻は玍埗できないぞっず蚀う顔で
    「ええ」
     ず蚀った。
    「おじさん、ひょっずしお私の䞋の名前だず思っお呌んでた」
     店䞻は、うんうんず頷いた
    「䞀幎半も 䜕回もあっおるよね」
     ず蚀うず
    「だっお、おじさんが、真匓ちゃんっお呌んでも普通に返事しおたよね」
    「だっお私、真匓ちゃんだから」
    「むダむダむダ、普通は名字にちゃんは぀けないでしょう」
    「えヌ、なんでぇ  そうなの」
     ず碧子が答えるず
     奥から店䞻の奥さんが、゚プロンの裟を手で払いながら
    「私は知っおたしたよ」
     ず、笑いながら蚀った。店䞻が䞍満そうに
    「なんで教えおくれないのよ」
     ず、蚀うず
    「だっお、あなたが知らないなんお思わないし、あなたが真匓ちゃんっお呌んでいるから私も真匓ちゃんっお呌んでたのよ」
     優しそうな笑顔で、店䞻の肩をポンポンず叩いた。店䞻はただ䞍満そうな顔をしお、碧子の方を芋おから、杏奈の方を芋るず杏奈が小さく
     笑いながら小銖を傟げた。

     䞀通りの食材を買いこんで、重くなったクヌラヌボックスずコンビニ袋を車に積み蟌んだ。
     コンビニの倫婊が、駐車堎たで来お、二人に手を振った。田舎のコンビニならではの颚景だ。
     杏奈がバックミラヌを芗いお
    「なんか、仲良さそうで、良いご倫婊だなぁ」
     ぜ぀りず蚀うず、碧子が
    「だね。あのおじさん昔は、誰でも知っおる様な倧きな䌚瀟の偉い人だったの。で奥さんがこの蟺りの倧地䞻の䞀人嚘でね。遊んでいおも暮らせるけど䜕にもしないずボケちゃうから始めたんだっお。けどこんな田舎じゃヒマ過ぎお䜕もしないのず倧しお倉わらないっおがやいおたよ。」
     そういうず、暪目で杏奈をチラリず芋ながら続けた。
    「さっきの話ね」
    「ん どれ」
    「名前の話、今の職堎でも結構、私のこず真匓ちゃんっお呌ぶ人倚いよ」
    「だろうね」
    「埌茩から『真匓先茩っお蚳アリですか』っお聞かれた事あっお、なんでっお聞いたら『だっお、真匓さんの名札だけ、苗字じゃなくお䞋の名前じゃないですかヌ』っお蚀うの。で、私が、コレが私の苗字だっお蚀ったら『ナニそれ、りケるヌ』ずか蚀っおゲラゲラ笑っおたわ。ひず月以䞊䞀緒に仕事しおたのに信じられる」
    「ぞぇ、で、どんな颚に蚳アリなの」
     ず聞くず、助手垭の碧子が
    「はぁ 怒るよ」
     ず、蚀っお口を尖らせた。
    「冗談だよヌ。でも、名前だず思う人倚そうだね」
    「私は女だから、どっちでも良いけど、お兄ちゃん、女の人ず間違えられお結構䞍䟿みたい。
     あの颚䜓だからね、名前芋お女だず思っおアレが出お来たらびっくりするよ。りチのお父さんは『五茪真匓の真匓です』っお蚀うの鉄板らしいんだけど、『若いや぀に通じないっお』がやいおたよ。」
    「五茪真匓は、むずかしいかもね」
    「あははは、そうだねヌ」
    「お兄さん、元女の子だず思われたりするのかなぁ」
    「流石に゜レはないでしょう
     でも、小さい頃は、名字の事で結構からかわれたり、いじめられたりしたみたいだよ」
    「あのお兄さん どうやっおいじめるの」
    「ああ芋えお、今でも超匱虫だよ。ホラヌずか苊手だしね」
    「むダ、党然想像出来たせん」
    「アニオタだしね」
    「ぞぇそうなの 䞀ミリも感じないけどね、アニオタっおもっずズルッずした感じするけど。っおか、オタっお違くない」
    「たぁ、お仕事䞊ズルッずは出来ないよ」
    「お兄さん、どんなアニメ芋おるの」
    「さぁ、私は党然興味ないし」
    「みどりちゃんは、アニメ芋ないの」
    「芋ないねヌ」
    「お兄さんず䞀緒に芋たりしないの」
    「兄効で䞀緒にアニメ鑑賞 ないない。」
    「そっかぁ、芋ないのか、仲良いのに」
    「仲良いのず趣味は別だし」
    「た、そうだねヌ」
    「アンコはどう アニメに興味ずかある感じ」
    「うヌん、特に嫌いっお事はないよ。コナン君ずかドラえもんずか普通に芋るし」
    「子䟛かな   アンコ、コナン君、奜きだよね。たぁ普通に想像できるけど」
    「゜レっおどう蚀う意味」
     そんな話をしながら車を進めるず、山道の芖界が少し開けた。
    「ねぇ、杏ちゃん、キャンプ堎の前に、䞀ヶ所寄り道しお良い」
    「良いよ、ドロヌン飛ばすんでしょ」
    「うん、ちょっず雲の感じが゚モいから撮りたいな」
    「オッケヌ、行こう行こう」
     杏奈が右手の拳を䞊に䞊げお勢い䜙っお倩井にぶ぀けた。
     杏奈が
    「むタッ」
     ず声を䞊げるずすかさず
    「すっごい音したけど、倧䞈倫   車の倩井」
     杏奈が勢いよく碧子の肩を平手で叩いた。
    「危ないっおアンコ、前芋お」
     ず蚀っお反察の手で、叩かれたずころをさすった。


     公園の駐車堎



     倧きな駐車堎の䞀番奥に車を止めお、䞡偎に朚が䞍芏則に立ち䞊んでいる现い道をちょっず歩くず、広堎があり正面に芋える山肌が、日に照らされおいる。


     杏奈が、碧子から借りたアクションカメラをポケットから出しお、ドロヌンを準備をしおいる碧子の手元を撮圱しおいる。
    「みどりちゃん、なんかカッコいい」
    「でしょ」
     碧子が杏奈にりむンクをした。

     碧子がコントロヌラを操䜜するず、ドロヌンは、ブヌンず蚀う独特のプロペラ音ず共に、あっずいう間に山肌に向かっお離陞した。
    「アンコ、バックの䞭の、黒いケヌスに望遠鏡みたいの入っおるの䜿っおみお」
     杏奈が、キャンバスのバッグを芗き蟌み䞭から黒いケヌスを取り出すず䞭に単県鏡が入っおいた。
    「なんか、スむッチずか付いおお面癜い栌奜しおるねヌ」
    「あヌ、゜レね、ほんずはゎルフスコヌプなんだ」
    「ゎルフスコヌプ」
    「うん、ピンたでの距離ずか枬れるの」
    「ぞぇ、結構芋やすいねヌ」
     ず蚀っおあたりの景色を色々眺めおから碧子の飛ばすドロヌンを捉えた。
    「あんたり、高倍率よりその䜍の倍率の方が良いんだよ、反察の目、閉じちゃダメだよ、䞡目で芋おれば、芋倱わないから」
     慣れた手぀きでドロヌンを操瞊しながら、杏奈に話し掛ける。
    「ふヌん、買ったんだ」
    「むダ、この間、実家に萜ちおたね」
    「ああヌ、゜レ完党にみどりちゃんのパパのだねぇ」
    「盎ぐに電話かかっお来たよ。机の䞊に萜ちおたから拟ったよっお蚀った」
    「机の䞊は、倚分萜ちおたんじゃなくお眮いおあったんだず思うけどね」
    「あ、同じ事蚀っおた」
    「なんお蚀われたの」
    「しょうがないなあ、新しいの買うかっお。なんか嬉しそうだったよ」
    「みどりちゃんに盗られたから」
    「むダ、単に新しいのが欲しいんでしょ」
    「コレ、倜も芋える」
    「たぁ、明るいほうだけど、倜はあんたり芋えないず思うよ。ほずんどの人は倜ゎルフしないでしょ」
    「あはは、そうだね。私、暗闇でもバッチリ芋えるや぀持っおるよ」
    「はぁ なんで」
    「なんでっお蚀われおもなぁ。さっきの車のミラヌあるでしょう、オトンが勝手に぀けたや぀」
    「うん」
    「あれね、真っ暗闇でも昌間みたいに芋えるの」
    「えヌ、そうなんだ」
    「でね、それ繋がりで色々調べおいたら真っ暗闇でも芋える望遠鏡的な奎が動画で玹介されおたの」
    「はぁ  」
    「でね、フリマサむトで、『買ったけど䜿い道が無いので出品したす』っお安く出おたから、買いたした」
    「だからなんで」
    「え 普通欲しいでしょ」
    「むダむダ、杏奈さん、䞀蚀良いですか バカなの 䜿い道が無いからっお蚀っお売っおる物を良く買ったね」
    「䜿い道は、あるよヌ、ほら、今、熊ずか猿ずか猪の被害が有るっお蚀うから、監芖しなきゃ  そう蚀うの芋えるっお動画あったし」
    「ぞヌえヌ、あそこ、熊が出るんだ、聞いたこずないね。アンコにしか芋えない熊の幜霊だね、きっず」
     続けお
    「人が欲しがらない物ほど欲しがるあたり、やっぱりパパさんそっくりだ」
     ず、蚀うず杏奈が
    「みどりちゃんがそう蚀っおたっお蚀っずくよ」
     ず答えた。
    「倧䞈倫、぀いこの間、䌚った時、盎接蚀っおおいたから」
    「みどりちゃんも興味あるでしょ い぀でも貞しおあげるから」
    「いらない」
    「良いから良いから、玠盎じゃ無いなぁ。今日持っお来おるから、倜぀かっおみようよ。ただ私も郚屋の䞭でしか䜿った事ないから」
     その間、杏奈はゎルフスコヌプでドロヌンを芋たり、碧子の手元のモニタヌのドロヌンの映像を芋たり、時々、アクションカメラで碧子を撮圱しおいる。
    「そのカメラ結構気に入っおる感じ」
     碧子が杏奈に貞したアクションカメラをチラリず芋お杏奈に蚀った
    「良いよね、こんなに小さいのに綺麗に撮れるだけじゃなくお色々な機胜があっおすごいなぁ  私も䞀個買おうかなっお思っお」
    「アンコにあげるよ」
    「えっ」
    「新しいの出たから、買おうず思っお。だから、それアンコにあげる」
    「嬉しいんだけどさ、ただコレそんなに叀く無いでしょ」
    「たね、だけど今床出たの、もっず凄いんだよね。アンコがそれ貰っおくれたら、心眮きなく買い替えられる」
    「みどりちゃん、さっき私になんか散々蚀っおたよね『無駄な物買うんじゃねえよ』的な」
    「ああ えぞぞ」
     碧子が誀魔化す様に笑った
    「マゞで貰っお良いの」
    「ここで、やっぱりやめたっお蚀ったら、すごい倉な空気になるよねヌ」
    「みどりちゃんが折角蚀っおくれたし倧事に䜿うね。おっず、远跡甚のタグは返すね、たた居堎所がばれちゃうから」
     そう蚀っお、远跡タグのキヌホルダヌを倖しお碧子に枡そうず思ったが、碧子は、ドロヌンの操瞊䞭だったので取り敢えず自分のポケットにいれた。

     䞊空からの景色は明らかに違う。
     空を流れる雲が時折倪陜を隠し、その雲の間から光が挏れお山肌を照らしおいる。
     アクションカメラで呚りの颚景や碧子を撮りながら
    「この動画ず、みどりちゃんが撮った良い感じの動画䜿っお良い感じのBGMを入れお線集したら良い感じだね」
    「アンコォ、語圙力どした   じゃ、こっち来お」
     ず蚀うず、碧子がドロヌンをふたりの堎所たで近づけホバリングさせお杏奈ず自分が䞊んだ映像を䞊空から撮圱した。杏奈は、ドロヌンのカメラに向かっお無邪気に手を振った。
     身長差があるので、歳の離れた姉効ずか、教垫ず生埒の様な絵面である。
    「私も、い぀か始めようかな ドロヌン」
     ず、杏奈が蚀うず、
    「うん、いいね、䞀緒にやろ、私が行ったスクヌル玹介しおあげるよ」
     ず答えた。

     碧子は、そのたた、ドロヌンを着陞させお、バッテリヌを亀換しながら杏奈に蚀った。
    「ね、もう䞀本良い なんか雲が切れお来た」
     杏奈は、どうぞどうぞ、ずいう感じで、碧子の方に手のひらを差し出した。
     䞊空からは雲が切れお、遠くの山々がくっきりず芋える。
     少し雲があった先ほどずは、違う衚情を芋せおいる。

     しばらくするず、碧子の手元のドロヌンのコントロヌラからピヌピヌず蚀う電子音が鳎った。
     コントロヌラのモニタヌをチラリず芋お碧子が蚀った
    「やべ、バッテリヌが終わりだ」
     するず、杏奈が暪から芗き蟌んで蚀った
    「えっ 倧䞈倫 萜ちちゃうの」
    「倧䞈倫だよ、戻っおくるから」
    「どゆこず」
    「バッテリヌが無くなりそうになるず勝手に戻っおくるから」
     そう蚀っおいる間にドロヌンは、自動的に方向を転換しお、碧子達がいる堎所に向かっお戻っお来た。
     離陞地点の䞊空たで来るず、たた、正面を向き盎しお、先ほど離陞した地点にピタリず着陞した。

     杏奈は感心しながら
    「ぞぇ、バヌビヌれロワン、君はお利口さんなんだねえ」
     碧子のドロヌンに話しかける様に呟いた。
     碧子が銖をかしげながら䞍思議そうに
    「えっ ビヌバヌなに」
     ず聞き返したが、笑っおそれには答えず
    「よく出来おるね、凄いね」
     ず答えた。
    「今、もっず凄いの出おるよ。こんなもんじゃ無いよ」
     碧子が杏奈に答えたが、杏奈にずっおはコレでも十分凄いず思えた。


     目的地のキャンプ堎



     目的地のキャンプ堎に着いたのは、午前䞀〇時頃だった。
     今晩は、ホテル泊なので、蚭営は最小限だ。
     タヌプの代わりのワンタッチテントを開き、颚で飛ばない様に、ペグダりンするず、さらに重石の代わりに荷物をテントの䞭に入れた。
    「ねぇ、みどりちゃん、焚き火する ガスで良い」
     荷物を入れお、テントから銖を出しお杏奈が碧子に聞いた
    「どうする」
    「いや、私が゜レ聞いおるの」
    「晩埡飯によりけりだね、  食材䜕買ったっけ」
    「ナマモノは、肉ずか野菜だけ、埌は、お米、スパム、パスタ、調味料、カレヌルヌのもず、おでん、あずはお菓子、バヌムクヌヘンも有りたヌす」
    「おでん」
    「そう、おでん、パックになっおおそのたた、お湯に入れお枩めれば食べられる」
    「他は良いけど、なんで今、おでん」
    「あっためなくおも、冷たいたたでもいけるよ、調理枈みだし」
    「むダ、そうじゃなくお、季節感無いなっお。
     コンビニで買ったの」
    「りチにあった防灜甚の保存食だけど、ロヌリングなんちゃらで、消費しなきゃっお思っお持っお来た」
    「え なんお」
    「だから、持っおきたおでんは食べちゃっお、新しいのを買う的な」
    「うヌん、蚀いたい事はわかった。
     取り敢えず、焚き火しお、バヌベキュヌしお、お腹の具合で、晩埡飯考えよう、おでんはパスね。ホテルのそばのどっかで食べるのもありっお事で」 

     テントの䞭でごそごそしおいる杏奈に碧子が声を掛けた。
    「アンコ、ちゃんず日焌け止め塗りなよヌ
     さっき焌けなかった そんな無防備なかっこでお日様の䞋に出ちゃダメだよヌ」
     テントの倖から碧子が、杏奈に声をかけるず䞭から杏奈が答えた。
    「いた、塗っおるずころ」
    「芗いおいい」
    「別に脱いでるわけじゃ無いから良いよ」
    「じゃ、いいや」
    「なんでだよ」
    「あず、そこに有る私のパヌカヌカットだから䞊に矜織っおね。おかさあ、アンコ、なんでそんな栌奜しお来た」
    「みどりちゃんも人のこず蚀えないよ、なんでスカヌト」
    「えっ い぀ものゞヌンズじゃ暑いから。チノパンずか䌌合わないんだよね私」
    「普段芋ないけど、みどりちゃん足が綺麗だからそう蚀うスカヌト䌌合うよ」
     ず蚀うず笑いながら
    「うん、知っおる」
     ず碧子が答えた。
    「みどりちゃん、せっかく背が高いし矎人さんなんだからさあ、い぀もゞヌンズじゃなくお、もっずオシャレした方がいいよ」
    「なんだなんだぁ さっきから 本圓は私のこず奜きなんじゃないか」
    「違うよ。さっきのカメラの、お・れ・い」
    「なんじゃそりゃ」
     テントの䞭から碧子の少し倧きめのパヌカヌを矜織った杏奈が出お来た。
     袖も長くパヌカヌの䞈が杏奈の膝䞊䞀五センチ䜍たで有るのでデニムのショヌトパンツがすっかり隠れおしたう。
     その姿を芋お碧子が思わず蚀った。
    「なんか、アンコちょっず゚ロい。写真撮っお良い」
     杏奈は、聞こえおいたが、わざず無芖をした。そしおパヌカヌのフヌドをかぶりながら、
    「枩泉の準備しお来たよね」
     ず聞いた。キャンプ堎の近くの枩泉が、楜しみの䞀぀でもある。
     碧子は、指で䞞を䜜っお、杏奈にサむンを出した。

     組み立お匏の小さな焚き火台を組み立おながら杏奈に
    「アンコ、コンテナボックスの端っこに、溶接甚の゚プロンが二枚有るから取っお来およ」
     ず蚀っおテントの方を指差した
    「こんな所で䜕を溶接するの」
    「違うよ、そんなかっこで焚き火しお、私の倧事なアンコの可愛いアンペがダケドでもしたら倧倉でしょ」
    「そんな䜿い方するんだ、いい考えだね」
     杏奈が、テントの方に歩きながら
    「心配しおくれるのは嬉しいけど、なんか蚀い方がキモいんだよなぁ」
     ず蚀うず、それを聞いた碧子が杏奈にいった。
    「アンコ、ワザず聞こえる様に蚀わないでくれる」
     杏奈は、䞀瞬振り返り、あかんべヌをするず、小走りにテントに走った。
    ああ蚀う所がロリ可愛いんだよなぁ  
     ず思いながら碧子はテントに走る杏奈を目で远い、右手の人差し指ず芪指で、ピストルを䜜り、杏奈を狙う真䌌をしお、「バンッ」ず口ずさんだ。

     片づけはおいしいコヌヒヌの埌で



     昌ごはんを食べ終わり、暫くおしゃべりをした。
     日が少し傟き始めた頃、パヌコレヌタヌで入れたコヌヒヌを飲みながら碧子が蚀った。
    「ねぇ、面倒くさいから、先に片付けちゃっおから枩泉に入っお、そのたたホテルに車眮いおから、地元の居酒屋で晩埡飯っおどう」
    「䞀〇〇点です先茩」
    「アンコず知らない居酒屋に行くず、幎確されるから、楜しみだな」
    「どゆこず」
    「アンコに幎霢確認しおびっくりしおる店員さんを芋お、腹抱えお笑いたいの」
    「なんじゃ゜レ 倉なみどりちゃん」
     コヌヒヌを飲み終わるず、手際よく荷物を片付け始めた。碧子が、手際良く日陀兌荷物眮き堎のテントを片付けた。
     たるで折り畳み傘の様に簡単に畳めおしたう。「ぞぇ、お片付けも、䞀瞬だね」
    「た、寒い時のお泊たりずか無理だけど、こんな日の昌寝には䞁床良いね、そうだ、今床どっかで二人でお昌寝しよっ 䜕もしないから」
    「みどりちゃん、なんで、わざわざ『䜕もしないから』っお蚀ったの」
     䞀通り、片付けを枈たせお、サむトの呚りに、ゎミなどが萜ちおいないか確認した。
    「私、粟算枈たせお来るから、車持っお来お」
     杏奈が、碧子に告げるず、管理宀に走った。
     管理宀から戻っお来た杏奈に碧子が蚀った。
    「杏ちゃん、枩泉行く前、日没前に、䞀本良いかなぁ」
    「党然良いよ、急ぐ必芁ないし」
     こう蚀う時の杏奈は、本気で蚀っおいる
     別に碧子に気を䜿っおいるわけではない。
     碧子もそれはわかっおいるが、だからこそ、杏奈に気を䜿わなければず思っおいる。

     倕暮れの駐車堎非日垞に続く螊り堎)



     今朝寄った倧きな駐車堎に来るず今朝はなかった黒いセダンが停たっおいる。
     杏奈が蚝しそうに
    「なんか、車停たっおいるねぇ」
     ず蚀うず、碧子が、うんうんず頷きながら、その車の暪をゆっくりず通過した
     品川ナンバヌだ。
     杏奈が
    「人、乗っおないなぁ、トむレかな」
     ず蚀っお、車を芗いた。
     車の感じから、若い人の持ち物ではなさそうだ。
    「トむレには、人がいない感じだねえ、なんか゚ッチな感じの奎かなぁ」
     ず、杏奈が蚀うず
    「ええぇ そうかぁ  そうでもないよ」
     ず、答えた。
     セダンの暪を通り過ぎお今朝ず、同じ堎所に、車を停めた。

     明日、昇るために、倪陜が西の空に沈んで行く。
     そのオレンゞ色の光を远いかけお、
     今倜、満点の星を映し出すために、反察の山陰から、矀青色のスクリヌンがせり䞊がっおくる。
     オレンゞから矀青色、壮倧で矎しいグラデヌションを芋るこずが出来るのは、このわずかな時間だけだ。
    「よっしゃ、日が沈む前にちゃっちゃず飛ばしお居酒屋だ」
     碧子が、杏奈の車のリアドアを開けお、荷物を䞋ろすず準備を始めた。
    「あんたりあせらないでね。  それにしおも綺麗だねヌ」
     杏奈が、空を芋䞊げながら぀ぶやいた。

     ドロヌンの機䜓ずコントロヌラを持っお、朝ず同じ様に、现い道を抜けお広堎に向かった。
     朚々の間の道は、朝よりもだいぶ暗かったが、広堎は、ただ十分に明るい
     碧子が型通りの安党確認をしお、ドロヌンを離陞させた。
     しばらく、倕日に染たった呚りの山の様子を撮圱したあずドロヌンを広堎の奥の森の䞊に進たせた。
     碧子が、モニタヌを芋お
    「ん」
     ず声を発した
     前方に䜕か人圱の様な物を芋぀けた。
     杏奈に
    「なんか、人が居る」
     ず蚀うず
    「なになに やっぱり゚ッチなや぀」
     ず蚀いながら碧子の手元のモニタヌを芗き蟌んだ
     碧子が、少し高床を䞊げおから、人圱の方に進んだ。
     ゞンバルを操䜜しお、カメラを少し䞋に向けるず、
    「うヌん、゚ッチでは無いなあ、どちらかず蚀うずなんか  」
     ず蚀っお、ズヌムのダむダルを操䜜しお、人物にズヌムむンした。
     暪から、モニタヌを芗き蟌んだ杏奈が息をのんだ
    「みどりちゃん、なんか埋めおるよ、あれっお人だったりしお」
     モニタヌには、䞉人の男が䜕やら䜜業をしおいる姿が映っおいる。
     その時、プロペラ音に気が぀いた男達が、ドロヌンを芋䞊げる姿がモニタヌに映った
     䞀人、堎違いなスヌツの男が居る。

     碧子は、咄嗟にドロヌンを反転させお、自分のいる方に向かっお、飛行させた。
     ドロヌンが、もう少しで碧子の䞊空に到達しそうになった時に䞉人の男が慌おた様子で森の䞭から飛び出しお来た。
     森の端から広堎を走っおここたで䞀五〇前埌。
     碧子が反射的に四〇秒くらいかかるず考えたが、あながち倖れおはいない。
    「アンコ、逃げるよ すぐ行くから車を出す準備しお」
    「うん、すぐ来およ」
    「倧䞈倫、心配しないで」
     杏奈が、車に走った、
     碧子は、䞀瞬、ドロヌンをハンドキャッチをしようず思ったが、今焊っお䞇が䞀にも倱敗したら元も子もない。幞い足元は、雑草や砂も無く、ランディングパッドが無くおも、問題なく着陞させそうだ。
    「こう蚀う時こそ萜ち着いお」
     碧子が自分に蚀い聞かせる様に぀ぶやいお、足元にドロヌンを着陞させた
    「よし、ナむスランディング」
     ず蚀うず、玠早くドロヌンを抱えお、杏奈を远いかけた。
     杏奈は、車を駐車堎の出口の方に向けお、助手垭のドアを開けた。
     ミラヌを芋ながら碧子が来るのを埅った
     倚分、䞉〇秒もかかっお居ないが、杏奈にはずおも長い時間に感じた
     碧子が、现い道から、ドロヌンを抱えお飛び出しお来る姿がミラヌにう぀る。
     運転垭の窓から、乗り出しお倧きな声で叫んだ
    「早く、みどりちゃん」

     二人の逃走



     碧子が、助手垭に乗っお、ドアを閉めるず、杏奈が、飛び出す様に車を出した。
     ただ、男達の姿は芋えない。
    「杏ちゃん、萜ち着いお、や぀ら、車たで結構距離があったから少し時間かかるよ」
    「なんか、ドキドキするね」
    「うん、でも萜ち着いお運転するんだよ、事故起こしたら倧倉だから」
    「みどりちゃん、䜕しおるの」
    「うん、取り敢えず、マむクロ 抜いおおく」
    「どうする 譊察に行く」
     碧子は、マむクロを抜いたドロヌンを畳んでから、窮屈そうに䜓を捻っお埌ろの荷宀の黒いショルダヌバッグにしたい、念のため、コンテナボックスに入れおから前を向き盎しお、杏奈に答えた。
    「うヌん、譊察に行っお、なんかを埋めおる人が居たしたっお蚀う」
     杏奈が、䞀瞬考えおから
    「そうだねヌ、なんか、『なんだコむツらめんどくせヌな』っお思われお、なかなか動いお貰えない  あヌ、想像するだけでムカ぀いおきた」
    「取り敢えず、䞀床家に垰っお倧きい画面で確認しおからの方が良いね」
    「アンコ、私、ホテルキャンセルするね」
    「ああ、そうだねヌ」

     远う者達黒いセダンの車内



     車は、かなりのスピヌドで、街灯の少ない山道を䞋っおいる。遠くに、杏奈達が乗っおいる車が芋える。远い぀けない距離ではない。
     杏奈達の車は、少し薄暗い山道でもかなり目立぀鮮やかな黄色で、远跡する偎が圧倒的に有利だ。
     すこしスピヌドを萜ずしながら
    「他に車が居ないから、倚分アレだな」
     ず、蚀った。
     同乗者の男は二人共二〇代  倚分、前半だ。
     䞀人は痩せ型、もう䞀人は小倪り
     運転しおいるスヌツ男の蚀葉には返事をしないで、俯いおいる。
     痩せ型の男は心なしか、少し震えおいる様だ、たるで、溺れお助けられたばかりの様な真っ青な唇をしおいる。
    「なんだ 泣いおんのか」
     スヌツの四〇代の男が、埌郚座垭に向かっお声を掛けた。
    「別に泣いお無い  」
     痩せた方の男が、力無く答えた。
     運転しおいる男が、倧きくフヌッずため息぀いおから、バックミラヌに映った二人の顔を芋お蚀った。
    「タバコは」
    「むダ、持っおない」
    「じゃなくお、タバコは吞うのか」
    「いいや」
    「二人ずもか」
    「俺も吞わない」
     もう䞀人の小倪りの男が答えるず
     スヌツの男が
    「そうか、俺も吞わない」
     ず、答えた。
     そしお、たた、倧きなため息を぀いお、杏奈達の車から、離れない様に远いかけた。


     远われる二人の車内



     杏奈の車が䞀車線䞀方通行の山道の䞋りを走行しおいる。
     ずころどころ、橋が有るが、登りの道路ず䞋りの道路は数メヌトル離れおおり、䞋は厖になっおいお高さは数十メヌトルある。
     助手垭の碧子が、サむドミラヌを、盛んに気にしおいる。
     杏奈が心配そうに
    「远っお来おるよね」
     ず聞くず、
     碧子が
    「倚分ね」
     ず答えた。碧子は、い぀も远跡をする偎だったので、玠人に远跡されおも、すぐに気が付く、
    「倚分、こっちが気が぀いたっお思ったら䞀気に詰めお来るよ」
    「アレだよね、サスペンス系のドラマずかだず、埌ろからガンガンぶ぀けられるや぀だよね。」
     ず、蚀いながら、マゞでやられたら勝ち目がないなあず心の䞭で思った。
     碧子は、どうしたら、振り切れるか䞀所懞呜に考えおいる。
     杏奈が
    「この子、熊ず䞀緒でさぁ、䞋りは苊手なんだよねぇ」
     ず、蚀った。
    熊っお、䞋りが苊手なんだ、っおか、こんな時に良くそんな蚀い方するなぁず碧子は感心した。
    「みどりちゃん、コレっお事件に巻き蟌たれおる感じだよね」
    「倚分、そうだね。なんでちょっず嬉しい感じ出しおるの」
    「そんな事無いよ。手に汗握るっお感じ」
    「だから、その蚀い方」
     車高が高い杏奈の車は、カヌブの手前でかなりスピヌドを萜ずしお曲がらないずならない。
     䞋手をしたら暪転するのでは無いかず思うほど車が、倖偎に倧きく揺れる。そしおその揺り返しも、䞍快感ず䞍安感を煜るのだ。

     碧子は、黒いセダンが、そろそろスピヌドを䞊げお間合いを詰めお来るのを感じ取った。
     倧きく緩やかなカヌブを曲がっお前方を芋るず、道の暪に膝より少し高いくらいの段差が有り、その先に䞁床杏奈の車が隠れるくらいの看板があった。
     碧子が、振り返るず、黒いセダンはカヌブをただ曲がっお居ないので向こうからも、こちらが芋えない。


     隠れる二人


    「杏ちゃん、あの段差登っお、看板の圱に隠れられる」
    「うん しっかり掎たっお」
     ず、叫ぶず杏奈は、段差の盎前で、急枛速しお車線の右ギリギリに寄った。
     碧子が、前のグリップハンドルをしっかりず掎んだ。
     車が急枛速した反動でシヌトベルトがロックしが効いお、車䜓がガクガクず揺れた。
     段差ずの角床をなるべく盎角に近くずるように、右いっぱいに車を寄せおから段差の盎前で匷くブレヌキを螏んでタむダが止たるず同時に玠早く、シフトレバヌをニュヌトラルにしお、トランスファヌレバヌで四駆から䞋に抌し぀けるように操䜜しお四四駆、ロヌレンゞに切り替えた。
     ほが同時にシフトレバヌをドラむブに入れおアクセルを螏み蟌んだ。
     幞い盎角の段差では無かったので、盎接タむダが、段差を捉えお、バンパヌが圓たる事はなかった。
     車がロケットの打ち䞊げの様に空に向かっお飛び䞊がった。
     フロントグラスの芖界は、空しか芋えなくなった。
     助手垭の碧子が
    「ホり」
     ず、奇声を䞊げた次の瞬間、ゞャンプした車の埌茪が地面から離れ、四぀のタむダが摩擊から解攟された。
     車が着地しお倧きくバりンドするず荷宀の荷物がガラガラず音を立おお、厩れた。
     グリップハンドルから手を離し、シヌトベルトに握り替えた碧子が叫んだ
    「アンコ、あそこの看板の裏 電気消しお」
     杏奈が車を看板の裏に入れお、咄嗟に゚ンゞンを切った。
     ギリギリのタむミングで黒いセダンのヘッドラむトが、カヌブを曲がっお、杏奈達の暪を通り過ぎ完党に芖界から消えた。

     杏奈が呌吞を敎えお再び゚ンゞンをかけた。
    「杏ちゃん、今のすごかったねヌ。
     やるねヌ。なんか、すごいかっこよかったよ。」
    「うん」
    「惚れたキスしお良い」
    「みどりちゃん」
    「ん」
    「それ、定期的に蚀わないず死んじゃうお病気かな」
    「うん、この間、健康蚺断で蚀われたわ」
    「そ、お倧事にね」
    「さお、どうするかなぁ、やっぱ譊察かなぁ」
     少し考えお、碧子が蚀うず
    「アレ、やっぱり埋めおたの人だよね」
     杏奈はハンドルをギュッず握り盎しお、碧子に聞き返した。
    「たぁ、間違い無いね。じゃなきゃ、あんなに党力で、森の䞭を走ったり、車で远っかけお来たりしないず思うよ」
    「戻っお、掘り起こしお確認する」
     この子、マゞで蚀っおるのかなあ ず思いながら
    「ちょっずそれはパスしたいな」
     ず答えた。
    「みどりちゃんが、あい぀だったらさぁ」
    「うん」
    「みどりちゃんがあい぀だったら、この先どうする」
    「たぁ、普通に䞋で埅ち䌏せしお埅っおるね。私たちが、この距離を山の䞊たで逆走したり、バックしお戻るのは、どう考えおも珟実的じゃないし」
    「た、そうだね。でも、い぀たで経っおも、降りおこなかったら」
    「その、珟実的じゃ無いこずやったかもっお心配になるかな」
    「そしたら」
    「うヌん、やっぱ戻る 向こうが途䞭からバックしお来る事も有るかな たぁ、無いな  」
    「私達のこず、远い越したっお゜ロ゜ロ気付く頃だよね。  それで、今はただ埅ち䌏せの段階。だけど、暫くしたら䞍安になっお来る。ココは我慢くらべだね」
    「杏ちゃん  倧䞈倫 萜ち着いおる」
    「さっきたで、ドキドキしおたけど、なんか急にワクワクしお来た。」

     黒いセダンの䞭远跡者の焊燥




     運転しおいる男が、少しむラむラした口調で蚀った。
    「おい、芋圓たらないぞ。  どこに行ったんだ」
    「さぁ」
     痩せた方の男が、小さく答えた。
    「さあじゃないだろ」
    「スコップが」
     痩せた男が、急に声を荒げお叫んだ。
    「ああ」
     スヌツの男が声を荒げお聞き返すず
    「スコップ、取りに行かないず、足が぀く」
    「たぁ、暫くは倧䞈倫だろう、先ずはあの黄色い車だ。  あヌ、きっずどこかに隠れお居たのを気が付かないで、远い抜いたんだ、䞀䜓、い぀、どこに隠れたんだ」
     ず、蚀うず激しくハンドルをバンッず叩いた。
    「たぁ、いい、どうせここを降りお来るしかないから䞋で埅ち䌏せしよう」
    「スコップを」
     痩せた方の男がたた小さな声で蚀った。
     スヌツの男がむラ぀いた口調で怒鳎った。
    「スコップ、スコップうるさいんだよ。䞀人で歩いおいけばいいだろう」
     ず、吐き捚おるように蚀った埌に、蚀い盎した。
    「ちゃんず、埌で回収するから、心配するな。悪かったな、倧きい声を出しお」
     痩せた方の男は䜕も答えず窓の倖を芋おいた。
     暫く進むず車が数台停められる駐車スペヌスが有る小さなコンビニ゚ンスストアがあった。
     黒いセダンの男達はい぀でも出られる様に車を道路ず平行に停められる堎所を遞んで道路の進行方向に向けお車を停めた。
     あかりが芋えない様に念の為゚ンゞンを止めた。



     杏奈の車



     ヒルディセントコントロヌルのスむッチを操䜜しお車を慎重に段差からおろした埌に二〇〇メヌトル皋先の駐車スペヌスの手前で埐行した。
     杏奈が運転垭のドアガラスに頬をくっ぀ける様にしお巊偎の駐車スペヌスの䞭を芗きこんだ。
     車は䞀台も止たっおいない。
    「流石にここは通過したみたいだね」
     倖を確かめお、杏奈が蚀った。
     駐車スペヌス車を停めおゎルフスコヌプで反察偎の車線を芋た。
     杏奈の䜍眮からは登り車線を芋枡せる。
     䞊りには登坂車線が有るので二車線だ。
    「゜ロ゜ロ、むラむラしおる頃かなあ」
     杏奈が蚀うず、碧子が゜レに応える様に蚀った
    「埅ち䌏せしお埅っおるか、痺れを切らせお登っお来るか」
    「ずころでみどりちゃん、流石に喉也いたね、埌ろのクヌラヌバッグから、氎取っおよ」
    「ああ、そうだねえ、うわ、荷物が、バラバラになっおる」
    「すごい音がしおたからねえ、ドロヌンずか倧䞈倫だった」
    「うん、倧䞈倫、バッグに入っおるから、なんずか無傷」
    「それは、䜕より。  ずころでさ、アむツら戻っお死䜓 堎所倉えお蚌拠隠滅しようずしないかな」
    「うヌん、ないずは蚀えないけど、今は、私達の始末が優先じゃない」
    「えヌ 始末されちゃうの 私達」
     ず蚀うず、碧子の方を振り向いお蚀った。
    「ずころでみどりちゃん お腹枛っおない 倧䞈倫」
    「ああ、そう蚀えば、少しお腹すいたね」
    「お菓子なら有るけど食べる
     バヌムクヌヘンずか、あず、からいのも有るよ」
    「うヌん、じゃ、バヌムクヌヘン貰おうかな」
    「きっず、あっちは、喉カラカラのお腹ぺこぺこだね」
     そう蚀うず、二人で笑った。
     杏奈がゎルフスコヌプを芗きながら
    「みどりちゃん、グロヌブボックス開けおみお」
     ず、蚀った
     碧子が蚀われるたたにグロヌブボックスを開けるず、さっき、杏奈が蚀っおいた、『暗闇でもバッチリ芋える』ず蚀う件のナむトスコヌプが出お来た。
    「コレかあ、ガチの奎じゃん。もっずおもちゃっぜいのかず思った」
     筒状の単県鏡だが、いかにもず蚀う倖芳で、ゎルフスコヌプより二回り䜍長いものだ。
     軍事甚を民間甚にアレンゞした物の様だ。
     杏奈が、ゎルフスコヌプから䞀床目をはなしお
    「ここは、真っ暗じゃないからコレで十分だけど」
     ず蚀っお、ゎルフスコヌプを、ちょっず持ち䞊げ
    「詊しにあっち芋お芋お」
     ず蚀っお、駐車堎の反察偎にある厖の向こうの山肌を指差した。
     杏奈はたた、ゎルフスコヌプで反察車線を芋匵る。
     すっかり日が萜ちお、真っ暗で肉県では党く䜕も芋えない。
     碧子は、その単県鏡の䞊の電源スむッチを抌しお、芗き蟌み山肌を芋た。
     思わず
    「うヌわっダバッ、思っおたより党然凄いわ。
     昌間じゃん、コレはちょっず凄すぎだね、びっくりだよヌ」
    「ぞぇ、そうなんだ、私はお家の䞭しか芋た事無いから」
     ず蚀いながら、ゎルフスコヌプで反察車線に泚意しおいた。
    「なんか、ごめんねヌ、私の方が先に芋ちゃっお」
    「倧䞈倫倧䞈倫、私なんかちゃんず動画で芋おたすから」
     杏奈がわざず拗ねた様に碧子に蚀った。


     コンビニの駐車堎 闇の䞭の苛立ち



     黒いセダンを運転しおいたスヌツの男が蚀った。
    「なんか、喉が枇いたな、オむ、そっちの、コレで飲み物ず䜕か食べるものを買っお来おくれ。
     あ、倉な気起こそうず思うなよ、逃げようったっお党郚わかっおるし、俺をどうにかしたずころで、組織が攟っちゃいないからな」
     小倪りの男が、ちょっず䞍満そうに頷きながら䞀䞇円札を受け取った。
     暫くするず、男が、倧きなポップコヌンの袋ず、ペットボトルのコヌラを䞉本買っお来た。
    「オむオむ、映画でも芳るのかよ」
     ず、独り蚀を呟くず、人遞を誀った、自分を責めた。
    「クッ゜、い぀たで埅たせるんだ」
     男の頭の䞭はすでにパニック状態だ。
    このたた、い぀たでここで埅っお居れば良いんだ   ひょっずしたら、車を乗り捚おお、他の車に乗っお、気が付かないうちに、通り過ぎたのか ゜レずも、バックや逆走で䞊迄戻る可胜性だっおれロじゃない。本圓にれロじゃないか ほがれロだろ
     頭の䞭で自問自答しおいる。
    そうか、脇道からどこかに抜けたかも知れない
     ず、思い、カヌナビの地図を拡倧したり、瞮小しお芋るが、パッず芋には、芋぀からない。
     既に冷静さを倱っおいるので、カヌナビの地図に乗っおいない道がある事を想像したり、芋逃しが無いか、同じ所をむラむラず䜕床も䜕床も芋お居る。
     だが、䜕床芋おも少なくずもさっき芋倱った堎所からここたでの間に抜け道らしきものは芋぀からない。
     指先が少し震えおいる。
     そんな男を芋お、若い男二人の䞍安はさらに増した。
     男は、ずうずう痺れを切らせお叫んだ。
    「ずにかく戻る、どうなるかわからないけど戻る、その時にスコップも回収するぞ」
     ず、蚀うず、コンビニの駐車堎を出た。
     少し、段差の぀いたコンビニの駐車堎を、勢いよく降りたため、フロントから、ガリッず蚀う音がしたが、男はチッず舌打ちをしおそのたた車道にでお登り車線に入り、道を登り始めた。


     杏奈達の車 远跡からの回避



     䞋り車線の途䞭の駐車スペヌスで、杏奈ず碧子は亀代で、こちらに向かっお来る車や反察車線の車をゎルフスコヌプで泚意深く監芖しおいる。
     今は、碧子が監芖しおいる。
    「あヌ、アレかも」
     碧子が蚀った。
    「来た」
     杏奈が碧子に聞いた
    「うん、倚分そうかな 埅っおもうちょいでナンバヌが読める。  うん、品川ナンバヌだね、間違いないアレだ」
     ゜レを聞いお、杏奈が゚ンゞンをかけお、ゆっくりず、駐車堎を出た。
     車高が高く、鮮やかな黄色のボディヌで車高の高い杏奈の車は、向こうからもすぐに確認できる筈だ。
     数秒埌、二台の車が、すれ違った、すれ違いざたに、黒いセダンの男ず、杏奈の目が合った。
     男が、急ブレヌキをかけお、車を停めお窓から埌ろを振り返った。
     杏奈が窓を開けお、手のひらを倧きく䞊に䞊げた。
    「ク゜ッ、女だった。絶察に远い぀いおやる」
     男は再び、走り出した。
     碧子が、杏奈に蚀った。
    「ダツら、䞀旊䞊たで登っお、タヌンするでしょ、ここたで戻っお来るのに埀埩䞀五分や二〇分はかかるよねヌ。
     その間にこっちも進んでるわけだから最䜎でも合蚈するず䞉〇分は離れるね」
    「うん、高速に乗る 䞋の道、走った方がいいかなぁ」
    「たぁ、どっちもどっちかなぁ、コレばかりはわからないから、取り敢えず高速に乗ろう」
    「䞀床、䞋り方向に逃げようか」
     ず蚀う杏奈の提案に数秒考えおから
    「うヌん、キリがないから取り敢えず、今は盎接戻る事を考えよう」
    「うん、わかった  ねぇ、みどりちゃん、どっかに連絡しおおいた方が良いかなぁ」
    「今の状況、説明するの倧倉だし、倉に心配させおダキモキさせるのもアレだから、ずにかく垰ろう」
    「そっか、そうかも」
     碧子の提案に杏奈も玍埗した。


     䞀瞬の油断



     高速道路を走る杏奈の車、二人ずも色々ず考えおいるせいかすっかりず無口になっお車内にぱンゞン音、颚切り音、タむダのロヌドノむズが芏則的に響くだけだった。
     碧子が杏奈を芋るず、流石に疲れた様子だった。
     碧子が口を開いた
    「杏ちゃん、疲れたんじゃない 私、運転倉わるよ」
    「うん、ありがずう、じゃあ、次のサヌビス゚リアでお願いしようかな」
     暫く走るず、トむレず自動販売機だけの小さなサヌビス゚リアがあった。
    「取り敢えず、䞀回䌑憩しよう、だいぶ離れおる筈だから少し䜍䌑んでも倧䞈倫でしょ」
     碧子は、ちょっず心配が頭の䞭をかすめたが、この高速を远っお来おるずも限らないし、䟋え远いかけお来おいるずしおも杏奈の蚀うずおり、かなり匕き離しおいる筈だからず思い、杏奈の提案に同意した。
     ずは蚀うものの、杏奈の車は目立぀ので、なるべく目立たない堎所に車を停めるように杏奈に蚀った。
     杏奈も碧子も、䜓のあちこちがこっおいた。杏奈が車を降りお、巊手の人差し指ず䞭指を右手で掎んで、倧きく䞊にあげお䌞びをした。
     碧子も、ほずんどずっず同じ姿勢で車に乗っおいたので軜いストレッチをしお䌞ばした。
     碧子が、自動販売機で猶入りのココアを買っお持っお来た。
     杏奈のためにプルトップを開けお、差し出した。
    「ありがずう、なんか珍しいの買っお来たね」
     碧子は自分の猶のフタを開けながら
    「なんか、甘いの欲しくなった」
     杏奈が無蚀で頷いた。
     二人は、ガヌドレヌルに腰を掛けた。
     杏奈が、ココアを䞀口飲んでから碧子に蚀った、
    「ひょっずしたら、諊めおもう远いかけおこないかも」
     碧子は、銖を暪に振った
    「むダ、゜レは無いなぁ、っお蚀うか、車芋られおるし、探されるかも。きっず必死だよ。
     今の時代、探す方法はいくらでも有るし、アむツがどんなダツだかわからない以䞊油断は出来ないよ、バックにどんな組織が぀いおるかもわからないし」
    「あんたり脅かさないで、でも、どう考えおもそうだよね、みどりちゃんだったら、どうやっお探す」
    「うヌん、たず車だよね、どうしたっお目立぀し、かっこいいルヌフキャリアも付いおるしね。あずドロヌン、探す手掛かりにはなるね、  あっ、昚日出した飛行蚈画  奎らが気が぀いたらアレでバレるなぁ 私だったら、その線ですぐ远い詰める。
     それずさっきすれ違った時に、女っおばれたね、男か女かわかるだけで、だいぶ絞り蟌める」
    「さっき、安心しお、あの駐車堎から出ちゃったけど、向こうが芋えなくなっおから出れば良かった」
     杏奈が少し埌悔したように答えるず、碧子が杏奈の肩に手をかけながら慰めるように
    「たぁ、そうだねヌ、あの時、ちょっずしたったっお思ったけど、たぁ仕方ないよ」
     ず蚀った。
    「ごめんなさい」
    「ううん、だけど、ちょっず挑発しおたね」
     杏奈が、黒いセダンずすれ違う時、向こうから芋える様に窓から手を高く䞊げたのを思い出した。
    「重ねおごめんなさい」
    「心配すんなっお、なんずかなるからさ。ね、トむレは倧䞈倫」
    「あっ、ごめん、さっき先に行っちゃった。埅っおるからみどりちゃん、行っおきお」
    「オッケヌ、じゃちょっず行っお来るから、戻っお来たらすぐ出発しよう。あたし、運転するから、車こっちに持っお来おおいお」
    「うん、わかった」
     ず蚀っお、杏奈が車に向かった。


     ピンチ 



     远っお来た黒いセダンがサヌビス゚リアに入っお来た。
     ここたで詰めお来るには、制限速床をかなり超えお来たに違いない。
     杏奈達を探しお、前のサヌビス゚リアにも入った。
     平日で空いおいるため、駐車スペヌスを通過するだけで、目立぀杏奈の車がいるかどうかは盎ぐに分かる。
     スヌツの男が、杏奈の車を芋぀けお
    「ビンゎだよ」
     ず呟いお、杏奈の車の方に進めた。

     杏奈は、運転垭の前に取り付けた自分のスマホを倖しお、ポケットに入れるず車を移動しお、助手垭に移るために䟋の劂くシヌトを䞀番埌ろたで䞋げお運転垭から飛び降りた。
     黒いセダンが杏奈の暪に停たるず、埌ろのドアが開いお、小倪りの男がいきなり杏奈の腕を掎んで、車に抌し蟌んだ。

     ちょうど戻っお来た碧子がそれを芋るや、杏奈の名前を叫びながら、男達の車に向かっお党速で走った。
     しかし、残念な事に、車ずの距離があったため、远い぀くこずはできなかった。
     ほずんどず蚀っお良いほど抵抗をしない杏奈に少し違和感を芚えながら
    オむオむ、アンコ、䜕しおんだよ
     ず心の䞭で問いかけた。なぜか䞀瞬、昚日の杏奈の母芪の顔が脳裏をよぎった。
     そしお、自分が過信し油断しすぎた事を埌悔した。
     窓越しに、小倪りの男の向こうで杏奈が碧子に向かっお、䞀瞬サむンを出しおいた様な気がした。
     杏奈を乗せた車は、乱暎にドア閉めおタむダを鳎らしながら発進し、猛スピヌドで、サヌビス゚リアを埌にした。



     远われる者から远う者ぞ



     碧子も急いで杏奈の車に乗り蟌み、黒いセダンを远った。
    「䞀䜓䜕を考えおるんだよ杏奈さんは」
     独り蚀を蚀いながら、黒いセダンを远ったが、ドンドン離されおいく。

     所詮は排気量䞀五〇〇で、その䞊、空気抵抗が倧きい杏奈の車は、父芪が少々手を加えたくらいでは、倧排気量のセダンに远い぀くはずも無かった。
     远い越し車線を猛スピヌドで走る黒いセダンは、あっず蚀うたに、碧子の芖界から消えた。
     碧子は、取り敢えず、次のむンタヌで降りる事にした。
     黒いセダンがどこに行ったか、党く芋圓も付かない。
     ガ゜リンスタンドを芋぀けたので、念のため絊油しお隣のファミレスの駐車堎に車を停めた

     匷気なガヌルフレンド



     運転垭のスヌツの男が、前を向いたたた、杏奈に話しかけた。
    「お嬢ちゃん、なんで自分がさらわれたか分かっおるよね」
    「えっず、可愛いからですか」
    「䜙裕だね、ふざけおいるず、あんたり自分のためにならないよ」
    「じゃあ、私が日本有数の資産家の嚘だからずか」
    「そうなのか」
    「ごめんなさい残念ながら、違いたす」
    「たぁ、いい、ずにかく今は隒ぐんじゃない、オマ゚も痛い目になんかあいたくないだろう」
    「怖いなぁ隒がないけどお話しするくらいは良いですよね 退屈だし。  あのヌ、この状態では、逃げられないので、そろそろ手を離しお貰えたすか 觊っおいたいお気持ちはわかるんですけど」
    「おい、離しおやれ」
     男が蚀うず、若い男二人がびっくりした様に杏奈から手をはなした。
    「それから、スマホを持っおいたら取り䞊げおこっちに枡せ」
     小倪りの男が、杏奈のスマホを探そうずするず
     杏奈が蚀った
    「あヌ、倧䞈倫です。自分で出したすから。
     ちょっず埅っお䞋さいね」
     ず蚀うず、パヌカヌのポケットからスマホを取り出しお助手垭のバックシヌトを滑らせお、男に枡した。
    「オマ゚が車にスマホを眮いおこなくお良かったよ。今の若い人は、自分の家の電話番号も芚えないらしいからな。これからオマ゚の友達に連絡しなきゃならないからな」
    「そうなんですか 私は、行き぀けの歯医者の番号だっお芚えおたすよ」
     杏奈は、パヌカヌの裟を盎しながら続けた。
    「あヌよかった、折角こんな広い高玚車、滅倚に乗る事ないし、ゆったり乗りたしょう。
     あの、普通ドラマずかだず、このあず私があっずいう間に埌ろの二人を制圧しお、埌ろからおじさたの銖締めお、それで、おじさたが気を倱っお、アクセルをギュヌず螏んで  」
    「ほんずうに、良くたぁ喋るな、オマ゚、そんなに匷いのか」
    「私ですか 匷いですよ。こう芋えお、びっくりするくらい匷いんです。小さい頃から歊道をたしなんでいるので」
    「ほぅ、じゃ、詊しおみるか」
     こんな小柄で華奢なお嬢ちゃんに、䜕が出来るもんかず思ったのか、男は薄ら笑いを浮かべた。
    「今は、やめおおきたす、さっきも蚀いたしたけど、こんな高玚車、滅倚に乗れないから、暫くおじさた達ずドラむブ楜しむこずにしたす。」
    「その、おじさたっお蚀うのやめおくれないか」
    「なんおお呌びすれば」
    「鈎朚でも高橋でも適圓に呌んでくれ」
    「では、高橋さんで  あヌ、でも今のは『スズキでもホンダでも適圓に呌んでくれ』の方が良かったですね」
     䞀瞬間が空いお、たた杏奈が口を開いた
    「あれ なんか滑っちゃいたしたか」
     誰も返事をする事なく、暫く車内に沈黙が続いた
     我慢しきれなくなったのか、杏奈がたた、口を開いた
    「なんか、こうしお黙っおいおも぀たらないですよね こちらのお兄さんは孊生さんですか」
    「  」
    「暗いですよ。犯眪者なら犯眪者らしく堂々ずしなきゃ」
     ず、杏奈が蚀うず、痩せた方の男が、犯眪者ずいう蚀葉に䞀瞬ビクッずしお、杏奈の方を、キッず睚み぀けた。
    「人、殺しお埋めちゃったんですよね」
     ず蚀っお顔を芗き蟌むず
    「べ、べ぀に殺しお  」
     ず震えながら答えるず、前から
    「おい、䜙蚈な事喋るなよ お嬢ちゃんも、黙っおろっお蚀っただろ」
     むラむラしお男が声を荒げた
    「あら、怖い、じゃあじゃあ、しりずりずか、どうですか」
     ず、杏奈が蚀うず
    「おい、゜むツ黙らせろ」
     ず、曎にむラ぀いた口調で二人の男に蚀った。
     いちど、高速道路を降りお、タヌンするず同じ高速道路を䞋り方面の入り口から高速道路に入りなおした。
     高速道路をしばらく走るず黒いセダンは四人を乗せお、さっき入ったばかりのむンタヌを、降りた。
     そしお䞋っおきたばかりの山道を戻っおどんどんず登っおゆく。
     今日、䜕回も芋た颚景だ。
     さっき、杏奈達のクルマが隠れおいた看板を反察車線に芋ながら、さらにドンドン登っお行く。
    「私の事も、穎掘っお埋めちゃうんですか 」
     ず、杏奈が蚀うず、若い男達二人が顔を芋合わせた。

     運転垭から、スヌツの男が蚀った。
    「君が、ちゃんず私の蚀う事を聞いおくれれば、殺したりしないから、本圓に少し黙っおおくれ、頌むよ」
     男の口調が、少し倉わった、さっきたでの乱暎な口調の方がむしろ䞍自然さを感じた。
     車の䞭に、暫く沈黙が続いた。
     そしお、䞀床倧きなため息を぀いお蚀った。
    「お嬢ちゃん、さっき車を運転しおた嚘だね」
    「私、お話しおもいいんですか」
     杏奈が男に聞いた。
    「ああ、悪かったよ、ちょっず、色々考えお、むラむラしおたんだ。乱暎な話し方しお悪かったね」
    「そう、私が運転しおたした」
    「そんな、堅苊しい話し方しなくお、普通に話しおくれれば良いよ、い぀もそんな話し方か」
    「い぀もではないですけど、倖では倧䜓こんな感じです。」
    「たぁ、良い、奜きにしおくれ。君は高校生か それずも無免蚱」
    「ええっず、高橋さん私の幎霢、きっず勘違いしおるず思いたすよ」
    「そうだな、そうか、普通に免蚱取れる歳か、倧孊生か䜕かか」
    「たぁ、ご想像にお任せ」
    「隣に座っおたのも女の子だったけど、友達 それずもお姉さんか」
    「さぁ、どっちでしよ   高橋さん、私からも聞いおいいですか」
    「たぁ、  なんだ」
    「この䞉人っおどう蚀うご関係ですか」
    「どう蚀う関係でもない、今朝䌚ったばかりだ」
    「うヌん、、それは、ちょっず分かったかも」
    「なるほどな」
    「えっ」
    「いや、君は、私が思っおいたよりは、歳が䞊っお蚀うか倧人のようだったな」
    「私、可愛いから、その蟺わかりにくいんです」
     ず蚀っお笑った。

     若い痩せた方の男の方を向いお聞いた。
    「こちらのお兄さんはお名前を䌺っおも」
     男は黙っお答えなかった。
    「ああ、もう立掟な犯眪者になったわけですし、䞋の名前だけで良いですよ。
     停名でも良いですけど、ルフィだのゞョゞョだのっお蚀うのは無しにしお䞋さいね」
     痩せた方の男が、小さく答えた。
    「じゃあ、さ、咲倪で  」
    「えっ 本名」
    「むダ」
    「あはは、良いですね、゜レ嫌いじゃないです」
    「そちらは」
     小倪りの方の男を向いお聞いた
     男が、䞀床倩井を向いおから
    「俺はふずしだ」
     ず蚀うず、杏奈がすかさず
    「ああ、そちらは本名ですね」
     ず蚀うず小倪りの男が
    「ち、違う」
    「えヌ、なんで ふずしっお感じなのに。
     たっ、私を埋めるたでの短い間だけど宜しくお願いしたすね、咲倪君ずふずし君、あっ、あず高橋さんもね」
     ちょっず間が空いおから男が蚀った。
    「お嬢ちゃんの名前は」
    「私は杏奈です」
    「そうか  杏奈さん、どう蚀う぀もりでそんな蚀い方をしおいるのか知らないが本来、私は奜んで人を傷぀ける様な人間じゃないんだ、
     君を埋めなくお良い様に協力しおくれないか どうやら、私は君をだいぶ芋くびっおいた様だ
     なんおいうのか、芋かけはふわっずしおいるし、
     声はアレだ、アニメ声っお蚀うのか おっずりしおいる様だが、こんな状況でもしっかりず萜ち着いおいる、肝が据わっおいるっおいうか  君ずこんな颚にしか出䌚えなかったのは残念でしょうがない。
     ゜レに匕き換え、そっちの二人はずんでもないポンコツだった。」
     それを聞いた杏奈が
    「耒めお頂いおありがずうございたす」
     ず蚀い、䞡偎に座る男を亀互に芋お
    「それにしおも、ポンコツっお蚀葉、久しぶりに聞くけど、改めお聞くずなんだか可愛い響きですよね」
     話をしおいるうちに、車は䞀軒の別荘の駐車堎に車を停めた。
     この蟺りはバブル期に出来た別荘地で今では、ほずんど朜ち果おた様な建物が立ち䞊んでいる。


     さびれた別荘地高橋の隠れ家



     この䞀軒だけ、少しだけ手入れをした跡が有る。
     建物の前の駐車堎は、車が二䞉台停たるスペヌスがある。
     その駐車堎の真ん䞭に、男は無造䜜に車を停めるず゚ンゞンを切っお運転垭を降りた。

     運転垭の埌ろのドアを開けお、小倪りの男に向かっお蚀った。
    「その元気なお嬢ちゃんを連れお来おくれ。乱暎しないで䞁寧にな」
     そしお杏奈の方を向いお、さっきよりも曎に静かな口調で蚀った。
    「杏奈さん、申し蚳ないけど、この蟺りには、誰も居ない。だから君がいくら倧声で隒いでも誰も居ないし、この先が行き止たりなんでね  誰も通りやしない。
     無駄に暎れおも疲れるだけだから芳念しおくれるかな
     君は、この二人よりはずっず賢い。きっず理解しおもらえるっお思っおいるよ」
    「私も、流石に少し疲れたから、ちゃんず高橋さんの蚀うずおりにおずなしくしたすね」
     男が先頭、そしお杏奈、埌ろに二人の若い男が続き、暗い別荘の建物に向かう。
     ポケットをごそごそ探しお鍵を出すず、ドアに付いおいるいく぀かの鍵を回しお玄関のドアを開けた。
     振り向いお、壁の䞊のブレヌカヌを䞊げた。
    「この蟺りは、さびれ始めおから空き巣が倚くお、もっずセキュリティを厳重にしおいたんだけどね、今じゃ空き巣狙いも寄り付かないよ。
     たぁ、電車もバスもない、こんな所、今時誰も来ない。たぁ、車があれば、来られないこずもないので、芋回りず䌑息も兌ねお、数週間に䞀床皋床は利甚しおいる」
     そう蚀っお、四畳半皋床の玄関ホヌルを進みガラス付きの扉を開くず、広いリビングダむニングキッチンになっおいる。
     郚屋の明かりを぀けるず、正面に床からほが倩井近くあるガラス匵りの匕き戞になっおいる。
     カヌテンは、タッセルで䞡端に寄せおある。
     ガラスの倖の金属補のシャッタヌが芖界を遮っおいるので、倖の様子はわからない。
    「取り敢えず、その蟺に適圓に座っおくれ」
     ず、男が蚀った。
     䞀人掛けの゜ファに杏奈、䞉人掛けの゜ファの䞡端に、若い男二人が腰を掛けた。
     もう䞀぀䞀人掛けの゜ファが、テヌブルを挟んで杏奈の正面にあるが、男はそこには座らずに、ダむニングテヌブルの䞋から、怅子をひず぀匕き出し、ガラスを背にしお、若い男二人の正面に移動しお腰を掛けた。

     杏奈の家



     昭盎が杏奈の家のむンタホンのボタンを連打しおいる。
     杏奈の母芪が、むンタホンの応答ボタンを抌すずカメラに昭盎の顔が映っおいる。
     杏奈の母芪がむンタヌホンに
    「ちょっず埅っおね」
     ず答えるず、リビングでテレビを芋おいる杏奈の父芪に声をかけた
    「お父さん、ガミ君だけど」
    「今、出るよ」
     ず蚀っお、玄関のドアを開けた
    「あ、お父さん今晩は」
    「ガミ君、どうした そんなに慌おお」
     ず蚀うず
    「むダ、党然慌おおたせん、慌おおないんですけどね」
    「たぁ、いい、ずにかく䞊がっお」
     ず父芪が蚀うず
    「碧子先茩の車の鍵を貞しお䞋さい、あ、碧子先茩には蚀っおありたす。党然オッケヌだよっお蚀っおくれお」
    「碧子ちゃんが良いっおいうなら良いんじゃない。鍵ならそこにあるよガミ君の車はどうしたの」
    「えっず、友達に貞しちゃったんですけど、その、えっず急に車がいる事になっお  あ僕が」
    「ガミ君、君、なんか倉だよ なんか、あったのか」
    「むダむダむダほんっず倧䞈倫、䜕も有りたせん」
    「取り敢えず、䞀回䞊がっお萜ち着いたらどうだ」
    「むダ、すぐ出かけないず  」
    「そうか、それじゃくれぐれも気を぀けおな」
    「はい」
     キッチンでお茶の甚意をしようずしおいた杏奈の母芪が蚀った。
    「あら ガミ君は」
    「むダ、碧子ちゃんの車貞しおくれっお」
    「そう、それで垰っちゃったの」
    「うん、なんか倉だったんだよなぁ」
    「そうなの 私はガミ君が倉な時ず倉じゃない時の区別が぀かないけど」
    「碧子ちゃん、党然オッケヌだよなんお蚀う蚀い方するかなぁ」
    「杏奈より䞀぀若いのよ、みどりちゃん。その䜍蚀うんじゃない」
    「なんか気になるんだよなあ」

     小䞀時間前ファミレスの駐車堎の碧子



     助手垭を、ちらっず芋るず、シヌトずセンタヌコン゜ヌルの間に、今朝、杏奈に譲ったアクションカメラが挟たっおいる。
     きっず、乗ったり降りたりしおいるうちに、杏奈のポケットから萜ちたのだろう。
     カメラをシヌトの間から拟い䞊げるず、远跡タグが付いおいない事に気が付いた。
     ハッずしお急いで、スマホを出しお、远跡タグのありかを探すず、远跡タグは高速道路を戻っお走行しおいるのが分かった。

     杏奈はカメラからタグを倖しおポケットに入れおいた。
     杏奈を乗せた黒いセダンは、今、碧子が降りたむンタヌで䞀床降りお戻ったに違いない。
    どうするかなぁ、流石に誰かに連絡した方がいいよなあ、アンコのパパやママには蚀えないし
     やっぱり昭盎しかいないかぁ

     碧子が昭盎に電話で連絡するず、ワンコヌルで昭盎が返答する。
    「碧子先茩、久しぶりですね、お疲れ様っす」
    「ああ、少々お疲れだ、昭盎、オマ゚、今どこだ」
    「碧子先茩が匱音吐くなんお珍しいですね。えっず、新川厎駅のそばを歩いおいるずころです。これから垰宅です」
    「ちょうど良いずころに居るな。呑んでるか」
    「むダ、今仕事おわったばかりで、明日早いんで、このたた垰ろうかず」
    「いたから、アンコ、いや、杏奈の家にいっおくれ、私の車が眮いおあるからそれに乗っお、青嶺垂の金坂むンタヌたですぐ来おくれ。鍵はアンコの家に預けおある。」
    「そりゃ無理っす、明日仕事なんですよ、結構矎味しい話らしくお、所長もノリノリで」
    「あのおっさんには私が謝る。アンコがさらわれた。」
     あのおっさんずは、杏奈が以前勀めおいた探偵事務所のオヌナヌだ。

     先ほどたでず違っお䞀気に緊匵した声で昭盎が碧子に聞いた。
    「なんで、どうしたんですか」
    「埌で、説明するから、よく聞いおくれ、いいか、この話は、アンコの父芪ず母芪には絶察蚀うな、今蚀ったずころで、心配する以倖どうにもならない。」
    「わかりたした。杏奈さん、䜕凊にいるかわかっおるんすか」
    「今はわからないけど、もうすぐ分かるず思う」
    「了解です、で、どうすればいいですか」
    「アンコの居堎所が分かったら、連絡する、取り敢えず、車取っおきたら、むンタヌ䞋りお石の塚公園の駐車堎で埅機しおくれ堎所は分かるか」
     石の塚公園はさっき、碧子ず杏奈が高橋たちを目撃した堎所だ。
    「電車の䞭でググるので、倚分倧䞈倫っす。碧子先茩は、今、どうしおるんすか」
    「今、アンコの居堎所さがしおる。くれぐれも、アンコの䞡芪に悟られるんじゃないぞ、あず、のカヌドは入れっぱなしだからそれを䜿っおくれ。それず、必芁な時はこっちから連絡するから、絶察にそっちから連絡するなよ」
    「了解っす、碧子先茩、気を぀けお」
    「ああ、昭盎もな」
     昭盎は、倧急ぎで杏奈の家を目指した。

     昭盎に連絡を終えるず碧子は、远跡タグを頌りに、杏奈の所に行く事を決めた。
     運転垭前のホルダヌに自分のスマホをセットするず急いでファミレスの駐車堎を出お、高速の入り口に向かった。
     時々、スマホで杏奈の䜍眮を確認する。
     暫くするず、杏奈が乗っおいる車が先ほど䞋りたばかりの山道を再び登っおいるのが確認できた。
     䞀か八か、昭盎に埅機を指瀺した堎所は、あながち倖れおいなかった事に安堵した。
     杏奈の行方を远うず、昭盎を埅機させた駐車堎を通り過ぎお、さらに山の䞭ぞ入っお行く。

     別荘でのささやかなパヌティヌ杏奈がいる高橋の別荘


    「流石に、腹が枛ったな、むンスタントだが、そこの棚にあるから䜕か食べるずするか。」
     すかさず、杏奈が蚀った
    「私を始末する前に、先ずは腹ごしらえですね」
     男䞉人が杏奈の方を芋たが、誰も䜕も蚀わない。
     杏奈は、倧きな目をさらに倧きく芋開いお、残念そうに、䞡方の手のひらを倩井に向ける様に返した。
     キッチンの暪の棚には、カップラヌメンなどのむンスタント食品や日持ちする様な保存食の類が、キチンず敎頓しお䞊べられおいた。
     マゞックで倧きく、賞味期限が曞かれおいる物もある。
    「えっずなんだ、咲倪だっけ」
     咲倪がえっ、ず蚀う顔で高橋の方を芋た
    「  そこのダカンでお湯を沞かしおくれラヌメンずか焌きそばみたいな物ばかりだが」
     高橋は、蚘憶力がいい様だ、
     そしお、ニックネヌムも定着した様だ。
    「前はプロパンだったが、面倒臭いので、電気にしたよ、昔流行ったオヌル電化っお奎だ、党然䟿利じゃ無いな。
     颚呂なんお、シャワヌの枩氎が出るたで䞀晩かかるし」
     咲倪が立ち䞊がり、キッチンに行き、氎道のコックを捻った。

     咲倪が、あっず声をあげお蚀った
    「コレ、黄色い氎で、無理だ」
     ず蚀うず、高橋が答えた
    「ああ、䜿っおないからサビが出るんだ、暫く出しっぱなしにすれば倧䞈倫だ」
    「高橋さん、そこに氎のペットボトル積んであるじゃないですか」
     杏奈が氎のペットボトルが入った段ボヌルが積んでいるのを芋぀けお指差した
    「ああ、それか、それはダメだ、ずっくに賞味期限が切れおる」
    「それでは物知りの杏奈さんが皆さんに、良いこずを教えたしょう。氎のペットボトルに曞いおある賞味期限っお、い぀たで内容量を保蚌するかっお蚀う事を曞いおあるだけなので、氎の品質に぀いおじゃあ無いんです。
     だから、目で芋お、色がおかしかったり、異物が無ければ党然倧䞈倫なんです」
     咲倪が、ペットボトルの氎を少しダカンに入れお、すすいだ埌に、氎を入れ、のコンロのスむッチを戞惑いながら操䜜した。
     高橋が杏奈に蚀った
    「君はなかなか物知りだな、じゃあ、その氎を沞かしお取り敢えず、腹を満たそう。杏奈さん、君は䜕を食べる」
    「私は、遠慮しおおきたす。田舎のおばあちゃんに、倜にカップ麺食べちゃダメっお蚀われおいるんです」
    「たあ、奜きにしおくれ」
    「で、これから私をどうするんですか」
    「申し蚳ないが、たず食事をさせおもらえないか」
    「そうですか、それではごゆっくり
     私は、そうだ、このフルヌツの猶詰頂いお良いですか、ちょっず、氎分補絊したいし」
     杏奈の目の高さからギリギリ芋える䜍眮に、フルヌツの猶詰があった。
     手を䌞ばしお、その猶詰を取ろうずしたが、どうも届かない。ふず芋回すず、プラスチック補の螏み台があったので、その螏み台を棚の䞋たで、持っおくるず、猶詰を手に取った。
     ちょうど目の高さに、コンビニの䜿い捚おのスプヌンが目に入ったので、高橋に䞀蚀
    「コレ、䜿いたすね」
     ず声をかけた

     高橋は、チラリず芋ただけで返事をしなかった。
     杏奈は、猶詰ずスプヌンを持っお゜ファに座り、テヌブルに猶詰ずスプヌンを眮いた。
     テヌブルの䞊に、ホコリが溜たっおいる様子もなく、高橋が床々ここを蚪れおいる事がうかがえた。
     高橋が、杏奈をチラリず芋るず
    「なんだ、食べないのか」
     ず、声をかけた。
    「ただ、お湯が沞いおいないので、皆さんが食べ始めるたで埅ちたすよ。手はお膝でね」
     お湯が沞き、ダカンからボコボコず蚀う沞隰する音がした。

     高橋が、郚屋の入り口を振り返っお
    「ん」
     ず声を䞊げた。
     入り口は、ガラスをはめ蟌んだドアで、玄関ホヌルが芋通せる。
     そしお、玄関のドアの䞡偎には、幅が䞀〇皋のドアの高さたで有る灯り取り甚のガラスがはめ蟌んで有る。その隙間から少しだけ倖の様子うかがえる様になっおいる。高橋が暫くそちらを芋぀めるが、そずは真っ暗闇だ。
    「どうしたんですか」
     ず、杏奈が聞くず
    「むダ、なんか車の音がしたような気がした」
    「そうですか 私には䜕も聞こえたせんでしたね」
    「そうだな、こんな所に来る車は、あたり芋かけた事はない。少し離れたずころのバむパスから、颚の具合で音が聞こえる事がある」
     䞉人が、それぞれカップ麺を食べ終わり、杏奈も、フルヌツの猶詰を食べ終わった。


     食埌の䞍自然な団らん



     四人が、䜎いテヌブルを囲む様に座っおいる。
     高橋は䞀人、高い怅子に座っお、䞉人を芋回した。
     高橋が、座り盎しお、䞀呌吞しおから䜕か話し始めようずした、
     するず杏奈が遮る様に
    「誰を、なんで殺したんですか」
     䞋から睚み぀ける様にしお杏奈が高橋に蚀った。
     さっきたでずは党く違う匷い口調で、しかし、それは決しおヒステリックではなく、毅然ずしおいた、

     びっくりしおいたのは咲倪ずふずしだった。
     高橋は、さほど驚く様子もなく、やっぱり、この子は、こう蚀う嚘なんだなず思った。
    「杏奈さん、私は誰も殺しお居ない。君が、むダ、君らが信じようず信じたいず、断じお殺しお居ない」
    「それじゃあ、䜕をしようず思っお私をここに぀れおきたんですか」
     杏奈が、蚀うず男は続けた
    「私はね、忘れたいんだよ」
    「どう蚀う意味ですか」
     高橋はそのたた続けた
    「君が今日芋たこずを、忘れおくれれば、私は、君にも、君のお姉さんにも、䞀切危害を加える぀もりは無いし、今埌、探すこずもしない。
     少々の条件は出すが、これは、玄束する。もちろん、タダでずは蚀わない。」
     さっきたで、碧子の事を友達ず蚀っおいたのに今は、姉ず思われおる。
     その事には敢えお觊れなかった。
    「買収しお、殺人を芋なかった事にしろず蚀うんですか」
     杏奈は、たた少し匷い口調になった。
    「杏奈さん、さっきから蚀っおいるように、私は、誰も殺しおいない。
     今曎、その話をここで説明しようずは思っおいない。それに、もし私が誰かを殺しおいおも、今の君には関係ないだろう。」
    「私が断ったら」
     杏奈が睚み぀けるように、高橋に蚀った。
    「そうだったな、さっきたで君が、断るなんお事を考えおいなかった。
     だが、幞い、私は、少々のお金でいう事を聞いおくれるお友達が二人も出来た」
     そう蚀うず、高橋は二人の若い男を手のひらで䞀人づ぀瀺した。

     男達の顔は、既に芳念しおいる。
    「この二人は、残念な事に君ほど賢くはないようだ
     しかし、今のこの状況で、私か君のどちらに付けば自分の埗になるかぐらいは刀断できるず思うよ。
     もう、立掟な犯眪者だからね。君のお姉さんだっお、すぐに芋぀かるだろう」
     高橋はチラッず時蚈を芋るず続けた
    「さお、説明は取り敢えず、この蟺にしお、君のお姉さんが、君からの連絡をダキモキしながら埅っおいるんじゃないか
     早く安心させおあげるず良い」
     ず蚀っお、杏奈から取り䞊げたスマホをポケットから取り出すず、テヌブルを滑らせお杏奈に枡し、立ち䞊がった。
     杏奈が、スマホで、碧子を呌び出すず、すぐに碧子が応答した。
     碧子が電話を取ったのを確認するずすかさず
    「タノキンにさらわれた」
     ず、碧子に䌝えた
     碧子は䞉人っお事か  盞倉わらずわかりにくいぞず思いながら杏奈の安吊を聞いた。
    「倧䞈倫なの」
     ず碧子が声をかけるず
    「うん、今のずころね。レモンちゃんの声が聞こえお安心したよ」
     ず答えた。


     元探偵の亀枉術



     杏奈の暪に来た高橋が杏奈からスマホを、取り䞊げた。
    「もしもし、楜しいお話し䞭、申し蚳無いけど、代わったよ。」
    「あんた、誰 杏奈に䜕かあったら、䜕凊たでも远いかけお絶察に埌悔させるからね。芚悟しお」
    「安心しお欲しい、君の倧事な効さんをどうこうしようずは思っおいない、ただし、君が私の、ささやかなお願いを聞いおくれた堎合の話だ」
    「アン  杏奈に指䞀本觊れたら承知しない」
    「申し蚳ない、先に謝っおおこう、さっき、、若い二人が杏奈さんを車に乗せお、少しの間腕を掎たせお貰った、だがその埌は杏奈さんに倱瀌のない様にした぀もりだ勘匁しおやっおほしい
     さお、゜ロ゜ロ本題に入っおも良いかな」
    「あなたの、芁求は、倧䜓わかっおいる぀もりだけど、䞀応聞くわ」
    「君たちが、姉効揃っお賢いので助かるよ
     私が欲しいのは、君が持っおいるドロヌンの映像デヌタだ、それを枡しお欲しい、たさかずは思うがコピヌなど取っおいないだろうな」
    「そんな物、ずっおいないわ」
    「君達が今回の事を口倖しないで、すっかり忘れおくれる事を玄束しおくれれば、私も杏奈さんを無事にお返しする事を玄束しよう。
     今埌、䞀切、君達を探す様なこずもしない
     もちろん、タダずは蚀わない、それなりの金額を甚意しよう。
     今日の事を黙っおいる事が君の䞍郜合になる事は無いだろう。
     君達の、奜奇心や正矩感を私が金で買おうず蚀っおいるんだ、そんなに悪い話では無いだろう」
     碧子は、わざず少し間を開けおから、高橋に問いかける様に蚀った。
    「確かにそうね、でも、あなたが逆に私たちからゆすられたりする事は考えおいないの」
     高橋はすかさず
    「君達がわざわざ危険を犯しおそんなバカな事をしない事は、杏奈さんず短い時間過ごしおわかっおいる。
     ここに居る私の二人のお友達以倖にも、私には仲間がいる事をお䌝えしおおこう」
     少しでも、碧子よりも自分が有利であるずいう印象を䞎えようず話を進めた。
    「わかったわ、どうやら、私たちに勝ち目はなさそうね。それで、コレからどうすれば良いの」
    「君には、映像デヌタを持っおここたで杏奈さんを迎えに来おもらおう」
    「そうしたいんだけど残念ながら、車のトラブルで、ココから動けないの、今私は埡圱むンタヌのそばのファミリヌレストランの駐車堎にいるんだけど、杏奈ず䞀緒にここたで来お欲しいわ。ファミレスはむンタヌ降りおすぐ巊偎に芋える。䞀軒しかないからすぐわかるわ。
     お店は二四時間やっおいるので、コヌヒヌでも飲みながら、埅っおいるわ」
    「なるほど  しかしだな、もしそちらに行っお譊察に埅ち䌏せでもされるず元も子もない」
    「わかったわ、そんな良い方法が有るなんお思い぀かなかった。」
    「それはどうかな では、こうしよう。
     もう少しの間、君の効さんをこの堎所で人質ずしお預からせおもらうよ、そしお、私䞀人で、君を迎えに行く。
     撮圱デヌタをきちんず受け取ったら、君をここに連れおくる。そしお、お二人を、近くの駅たで、お送りする。
     悪いが、そこからは、自分で垰っおくれ。もちろん、口止め料は、玄束通りお枡しする。
     そこで党おは終わりだ私は玄束を守る男だ。」
    「でも、それでは、デヌタを枡した埌の、私ず杏奈の安党が担保されないわ」
    「確かにそうだな、しかし、先ほど、杏奈さんにも蚀った事だが、私はわざわざ人を傷぀けようずは思わない。
     もう、これ以䞊トラブルは増やしたくないんだ。それを信じおもらえれば、事を進めたいのだが、劂䜕だろう」
    「䜕も他に良い方法を思い぀かないから、どうやら、そうするしかなさそうね。でも杏奈の安党を玄束しお、絶察に」
     碧子は高橋が、碧子が描いたストヌリヌ通りの返事をしおきたこずに安堵した。
    「わかった、ここに居る、僕の若いお友達には、キチンず䌝えおおこう」
     そう蚀うず、杏奈に向かっお蚀った
    「杏奈さん、コレから君のお姉さんを迎えに私が䞀人で行く事になったが、この二人ずお利口にお留守番しおもらえるかな
     この二人には、私から、君には䞀切手を觊れないようにキチンず蚀い聞かせるから
     そこの二人
     良いな もし、杏奈さんに指䞀本でも觊れたら、圌女のお姉さんが、地獄の底たで远いかけお、埌悔させおやるず蚀っおいる」
     党お、電話を通しお、碧子に聞こえおいる。
     碧子は
    䜕、勝手に脚色しおるんだ 地獄の底たでなんお蚀っおない
     ず思った。
    「そこの二人、わかったか」
     ず高橋が念を抌すず、ふずしが、
    「わかった」
     ず答えた、高橋は咲倪にも念を抌した。
    「そっちもいいな」
     ず蚀うず面倒くさそうに頷いた。
     そしお、碧子に蚀った
    「お聞きの様に、話がたずたった
     念の為君の連絡先を聞いおおこう
     わかっおいるず思うが、譊察なんかに連絡したら、どうなるかは想像できるだろう」
     ゜レを聞いお、碧子ず杏奈が同時に思った
    むダむダ、これからじゃん。
     ここで譊察に連絡しちゃったら今たでの苊劎が氎の泡だよヌ

     碧子は電話に向かっお、短く
    「ええ」
     ず答えた。
     杏奈は、高橋に碧子の連絡先を聞かれお、埌々面倒な事になるのは嫌だなず思った
    「高橋さん、高橋さんのスマホ貞しお」
     ず蚀うず手を出しお高橋を促した
     高橋がスマホを杏奈に枡した
     画面を開いお、パスワヌド入力の画面が開くず、画面を高橋に向けた
    「パスワヌド、入れおください」
     ず蚀うず、高橋が、無蚀で杏奈が手に持っおいるスマホの画面の䞊を぀たんで、ひっくりかえし杏奈の方に向けた
     顔認蚌で、ロックが解陀されおいる。
     杏奈が、高橋のスマホを操䜜し、アプリをダりンロヌドしおいる。
     ず蚀う、秘匿性の高い通話゜フトで、犯眪に䜿われる事が倚く瀟䌚を隒がせおいる問題のアプリだ
     そしお、別のを開いお、碧子のアカりントを探しお操䜜をし、碧子ず通話䞭の杏奈のスマホを取り䞊げるず、碧子に蚀った
    「みどりちゃん、いた、リンク送ったから、電話切っおクリックしお」
     するず、高橋のスマホに
     ミドリ さん から着信がありたした
     高橋が、画面をタップするず、
    「もしもし」
     ず蚀う、碧子の声が聞こえた。
    「聞こえる、よし今埌はコレで連絡を取ろう」
     ず蚀っお終話ボタンをタップした。
    「では、ちょっず行っお来るが、そこの二人、もう䞀床蚀っおおくが、杏奈さんに察しお倉な気を起こすんじゃ無い。
     私に恥をかかせお、損になる事はあっおも、埗になる事は無いから、そこは肝に銘じおくれ」
     若い二人は顔を芋合わせたが、高橋に向かっお無蚀の返事をした
     高橋は、そのたた、その郚屋を出お玄関に向かい出お行った。


    䞀〇分皋前碧子が運転する杏奈の車



     街灯が䞀切ない、暗い山道を登っおいく。
     碧子のスマホずカヌナビの地図を芋比べるず、杏奈の居堎所たで、あずわずかだ。
    あず少し頑匵れ。ゞムニヌシ゚ラが必ず助けに行く
     心の䞭で碧子が呟いた
     前方に坂道の頂きが芋えおきた。
     坂の頂䞊を越えるず、道はわずかに䞋っおいる。
     あたりは、雑草たみれで、今に厩れそうな建物ず䞍動産屋の看板がそこらじゅうに立っおいる、人々に芋捚おられた別荘地だ。
     ダッシュボヌドのホルダヌに付いたスマホが杏奈の堎所は、ココから少し䞋がった堎所の別荘の䞀軒である事を瀺しおいる。
     碧子は坂の頂䞊のちょっずした広堎に車を停めた。
     そしお、荷宀に有る、少し厚めのシヌトず逊生テヌプで、ヘッドラむトの光を遮った。
     念の為、車の埌ろのナンバヌ灯や、テヌルランプも、有り合わせの物で塞ぎ、光が挏れないようにしお、なるべく音を立おないように車に乗り蟌み、ドアを閉めた。
     ヘッドラむトの光を遮られた別荘地は、真っ暗闇で、肉県では、目の前にある暹朚さえ芋えない。
     杏奈の父芪が぀けたず蚀う、デゞタルむンナヌミラヌのモニタヌを芋るず、肉県ずは党く違う真昌の様な颚景が映っおいる。
    なんじゃコレ どう蚀う事を考えおいる人がこう蚀うの぀ける気になるんだ 䞀䜓、杏パパは、アンコに䜕になっお欲しいんだろう
     そう思いながら、車を慎重に進めた。幞いな事に、シフトレバヌをドラむブに入れるだけで、車は前進するので、゚ンゞンを吹かす必芁がない。
    なるほどね、目芖倖走行だ
     ず思いながら、ダッシュボヌドの䞊のモニタヌ画面で路面を確認しながら、進み、杏奈が居る別荘の前をそのたた通過した。
     モニタヌには、クッキリず高橋の車が映っおいる。
     そこから、䞀〇〇メヌトル皋先のこの先行き止たりず曞かれた看板の先に慎重に車を停めお、゚ンゞンキヌを切った。
     杏奈自慢のナむトスコヌプで、高橋の別荘の方を芗く。
     たるで昌間の様な颚景が、ナむトスコヌプに映っおいる。
     高橋の黒いセダンも止たっおいる。
     ナむトスコヌプの性胜に感心しながらのぞいおいるず、車の䞭のスマホが着信を告げおいる。
     慌おおドアを開けおスマホを芋るず杏奈からの電話だ
     碧子が、着信ボタンをタップするずいきなり電話の向こうから杏奈の声がした
    「タノキンにさらわれた」
    「倧䞈倫なの」
       


     高橋の別荘の倖、玄関を碧子がないずスコヌプで監芖しおいる。
     高橋が玄関の倖に出おきた。
     高橋の衚情たで手に取るようにわかる。
     高橋の車が、道を出お坂の向こう偎にテヌルランプが消えたのを確認するず、遮光のためにヘッドラむトに貌ったシヌトやテヌルランプ呚りの遮蔜物を剥がすず、ルヌフキャリアに乗せお、シヌトを止めおいたテヌプを䜿っお簡単に止めた。
     車の、荷宀をガサガサず持るず、杏奈のもちものず思われる垃補でベルト状の取っ手が぀いた小ぶりな小物入れがあった。
     碧子が、䞭を芋るず、ハンマヌ、テントのポヌルを固定するための、ガむロヌプず数本のペグが入っおいた。
     取り敢えず、盞手がどの様な人間かも䞍明だし、最小限の歊噚ずしお䜕かの圹に立぀かもしれないず思い、すぐ持ち出せる様に助手垭に眮いた。
     そしお、車に乗り蟌むず、カヌナビの䞋のホルダヌからスマホを取り倖し、ポケットに入れおから゚ンゞンをかけお、高橋の別荘の駐車堎に移動した

     元探偵ず無邪気な盞棒の反撃 



     高橋が衚に出お、倖で倧排気量の図倪い゚ンゞンの音がした
     咲倪が、䞀床、杏奈をみおからふずしに向かっお蚀った。
    「おい、高橋がああ蚀っおいたけど、この女、どうする」
     杏奈は、この二人が話をするずころを初めお芋た。
    「むダ、アむツが蚀った通り、なんの埗にもなんねヌだろ。
     俺は、圌女がいるんだ、こんな女に興味はない。お前がすきにすれば良い」
     杏奈はふずしに圌女が有る事に驚きながら
    なんの埗にもなんねヌっおなんだよ、䜕様だよ、蚀っちゃなんだけど、こちずら新品だぞ
     ず思っおいた、するず咲倪がそれに答えた
    「むダ、俺、貧乳っお絶察にダメなんだ、そそらない」
     ず蚀っお、杏奈を芋た
    おいおい、なんだず 痛め぀けるならこっちが先だな
     ず心の䞭で呟いた
     ふずしが䞀蚀
    「わかる」
     ず答えた
    わかるじゃねヌだろ、どっちも蚱さん
     ず思いながら、冷たい笑顔で、にこやかに二人に話しかけた
     心の䞭は、今の数秒の䌚話を聞いお、怒りが蟌み䞊げおきおいる。
    「なんか楜しそうなお話ですね、ずころで二人はお友達ですか」
     ず話しかけた
     二人がそれに答える前に、゚ンゞンの音がしお、玄関の䞡偎のガラスから
     ヘッドラむトの光が差し蟌んだ
     碧子は遠慮せずに倧きな音を立おお車のドアを閉めた

     䞉人が、玄関の方を向いた。
    「こんばんわ、ナヌバヌフヌドでヌす
     ピザのお届けですよヌ
     ピザか冷めちゃいたすよヌ
     誰も居たせんか
     入りたすよ」
    「あっ、おたちかねのピザが届きたしたね。」
     ず杏奈が蚀っお立ち䞊がった
    「おい 勝手に動くな、ふずし、ちょっず芋おこい」
     咲倪がそう蚀っお、立ち䞊がり、キッチンの方に移動した。
     ふずしが、
    なんでお前が偉そうに呜什するんだ
     ず思いながらも玄関のほうに向かった。
     高橋が、鍵を閉めずに出かけたため、玄関ドアには鍵が掛かっおいない。
     碧子が、ドアを開けお、足元を芋お、䞀床躊躇したが、履いおいたスニヌカヌを脱いだ。
     こんな時、土足で入っおいけばいいのは、理屈ではわかっおいるが、碧子的に抵抗があった。
     玄関ホヌルからリビングに入っお来た

     ドアの暪には、ふずしが立っおいる。
     碧子が、杏奈に向かっお
    「来ちゃった」
     ず、おどける様に蚀った。
     杏奈が
    「お姉ちゃん、怖かったよう」
     ず答える。
    「むダむダ、私が䞀孊幎䞋ですけど」
     ず、返した。
    「みどりちゃん、孊幎なんお、瀟䌚人になったら忘れなきゃ」
     ず蚀っお笑っお続けた
    「玹介したす、こちら、花咲く倪郎の咲倪くん
     そしお、そちらがふずしくん
     あっ、コヌドネヌムです」
     二人は呆気に取られおいる。

     キッチンの前には、マグネットで、貌り付けた䜕本かの刃物があった。
     ハッずした様に咲倪が、咄嗟にキッチンの前にある䞀本の果物ナむフを取っお杏奈の埌ろに回り蟌んだ。

     ふずしが碧子に蚀った
    「なんだ、オマ゚䜕凊から来た」
     ず叫ぶず同時に咲倪が巊手で杏奈の銖を抱えお右手でナむフを突き぀け
    「おい、倉な真䌌するな、この女がどうなっおも  」
     そこたで蚀った時、杏奈が、腰を䜎くかがめお䞀瞬で咲倪の埌ろに回り蟌み、咲倪の手のナむフを叩き萜ずすず、咲倪の巊手を捻り䞊げお、床に制圧した。
    「咲倪くん、私さっき車の䞭で蚀いたしたよね 私はびっくりするほど匷いっお」
     咲倪は、䞊半身を前にたおされ、顔をぶざたに床に抌し付けられおぎくりずも動けない。

     碧子が
    「この女がどうなっおも   䜕」
     ず、咲倪に聞いた。
    「みどりちゃん、私、どうなっおも良くないよ」
     杏奈が咲倪を抑えながら碧子に答えた。
     咲倪は、息が出来ず答えるこずも出来ない。

     ふずしが、
    「ク゜っ」
     ず叫んで、碧子に飛びかかろうずした。
     碧子が、手に持っおいた小物入れを、投げるずハンマヌやペグが入った垃袋が、ガチャガチャず音をたおおふずしの足元を襲った。
     次の瞬間、碧子のハむキックが、埌頭郚を盎撃した。
     軜い脳震盪を起こしたふずしは、そのたた、䞡膝を床に萜ずすずそのたた、前に倒れ蟌んだ。
     碧子が叫んだ
    「っおか、ペワッ 匱すぎる」
     床に、咲倪を抌さえ぀けおいる杏奈が碧子に蚀った。
    「みどりちゃん、この腕、折っおも良いよね」
    「むダ、それはダメでしょ、過剰防衛」
    「だっお、ナむフ出したよ、ナむフだよヌ 正圓防衛でしょ」
    「むダ、でも今から折ったら、ダメだよ。もう抵抗出来ないんだから」
     ず蚀いながら、小物入れのファスナヌを開けおガむロヌプを出しおいる。
    「じゃあ、肩を倖すのは 埌で入れるから」
    「アンコ、それやったこずあるの」
    「うん、間違っお力入れすぎお倖れちゃった事あるよ」
     咲倪が
    「や、  やめろ」
     ず絞り出す様に蚀った。
     碧子がふずしを瞛り䞊げながら
    「゜レちゃんず元に戻したの」
     ず杏奈に聞いた
    「私じゃないけどね」
    「じゃあ、やめなよ、咲倪くん、だいぶ痛がっおるし、もう抵抗出来ないよ
     そこたでやるのっお杏ちゃんらしくないなぁ」
    「だっお、コむツ、さっき貧乳っお蚀ったよ私のこず」
     ず碧子に蚀うず碧子が答えた
    「アンコも、人の事コむツずか蚀うんだねぇ  でも、貧乳じゃん」
     ず碧子が、蚀うず杏奈が咲倪を思いっきり締め䞊げお碧子をキッず睚み぀けた。
    自分だっお人に自慢できる様な物持っおないじゃん
     咲倪の悲鳎が、静かな倜の別荘地に響いた。
    「私は奜きだけどなぁアンコの貧乳」
    「みどりちゃん」
     碧子が、杏奈の方を芋お笑った。
    「ずころで、みどりちゃん なんでそこで亀甲瞛りしおるの」
     碧子が、テント甚のガむロヌプで、床に、力なく座り蟌んでいるふずしの䜓を亀甲瞛りで瞛り䞊げおいる。
     杏奈が、聞くず、碧子が、䞀床顔を䞊げお杏奈の方を芋お、この珟堎には䌌぀かわしくない笑顔で
    「゚ヘヘ、あのさ、䞭孊の時、家のそばのレンタルビデオ屋が朰れお、犏袋があっお、䞀぀売れ残っおたの。
     で、なんずなく眺めおいたんだけど、そこのおじさんが、あっ別に顔芋知りずかじゃ無いけどね、私に、『本圓はダメなんだけど、もう、この店閉めお、おじさんいなくなるから  』っお蚀っお  」
     ず、話し始めるず
     杏奈が、呆れたように
    「あっもう、良いです。聞かなくお倧䞈倫だから」
     ず、碧子に蚀った。
    「いや、ちょっず埅っおよ、ただ䜕も蚀っお無いでしょ 生身の人間に䞀回やっおみたかったんだよねえ」
    「女子䞭孊生が、知らないおじさんから゚ロビデオ買う話が、そんなに面癜いず思わないから、けっ・こ・・う・です
       、ねぇ、戻るかわかんないけど、䞀回、肩倖しおみお良いよねぇ、この刃物男の」
    「たた、蚀っおる。やめなよアンコ、もうグッタリしおるよヌ。その蟺に転がしおおきなよ」
     ず蚀うず、咲倪が、冷たい床に、顔の巊を抌さえ぀けられながら、ギリギリ、わかる声で蚀った
    「痛くしおも良いから、倖すのはやめおくれ  」
     碧子が、ピク぀ず反応した。
    「ぞぇ、痛いのは良いんだヌ。こんなずころで、逞材に䌚えたねえ」
     ず杏奈に向かっお嬉しそうに蚀うず
    「ダダ、キモっ みどりちゃんに、お枡ししたす」
     碧子が嬉しそうに
    「マゞで   良いの」
     杏奈がふずしを瞛り䞊げおいる碧子を目を现めお芋ながら聞いた
    「みどりちゃん、ひょっずしお緎習ずかした」
     碧子は、䞀瞬考えるふりをしお
    「ちょっずだよ、ちょっずだけ」
     ず答えた。

     埌ろ手に瞛られた咲倪ず、亀甲瞛りのふずしが、フロヌリングの床に杏奈が枡したクッションを䜿っおいわゆる䜓育座りで座っおいる。

     碧子ず杏奈は゜ファに座っおいる。
     碧子が䞀息぀くず杏奈に聞いた
    「アンコ、なんか食べた」
    「うん、フルヌツの猶詰」
    「アンコは、お腹空いおないの」
    「ちょっず、すいおるかも」
    「あのスヌツの人、戻っお来るのに時間かかるよね」
    「ああ、高橋さん」
    「あの人、高橋っお蚀うんだ」
    「コヌドネヌムね」
    「ほヌん、そうなんだ  なんか食べるものあるかなあ」
     杏奈がキッチンの暪を指さしお
    「そこに、カップ麺ずか、猶詰ずか有るけど」
     ず蚀うず碧子が、゜ファから立っおキッチンの暪の棚の䞋の開き戞を開いた。
    「パックご飯ず、なんかちょっず高そうなレトルトカレヌがあるねヌ。食べよっか」
     杏奈が
    「良いねぇ」
     ず、答えた。
    「アンコ、䞀人分食べられる」
    「党然倧䞈倫」
    「オッケヌ」
     ず、蚀うず碧子が、パックご飯ず、レトルトカレヌを、棚から取っお、床に座っおいる二人を芋お、二人に聞いた
    「えヌっず、咲倪君 ず、ふずし君 だっけ  君達も食べる」
     二人は、少しだけ暪に銖を降っお芁らないず蚀う意思を䌝えた。
    「その恰奜じゃ食べる気にならないよね」
     ず、蚀いながら碧子は、自分ず杏奈の分のパックご飯ずレトルトカレヌを棚から取った。
    「ああ、パックご飯はそこの電子レンゞでいけそうだね。
     お湯沞かしおレトルトカレヌあっためようか」
     ず、キッチンを振り返った
    「電気の奎かぁ  お湯沞かすのに時間がかかりそうだね。私、車から鍋ずか持っお来るよ」
     ず、蚀うず、郚屋から出お、杏奈の車からコンテナボックスの䞊に、コンビニで買った食材のあたりなどを乗せおリビングたで運んだ。
    「アンコ、なんか雚、降っおきた」
    「そうなの 予報は晎れだよね」
    「うん、降氎確率〇パヌセント」
    「匷くならないず良いね」
    「もう、匷くなっおるよ」
    「そっか、明日晎れるず良いねえ」
    「うん」
     遠くで雷鳎がするのが聞こえた。
     碧子が、コンテナボックスから、倧きなアルミ補の鍋ずカセットコンロを取り出しお
     テヌブルの䞊にカセットコンロを乗せお、その䞊に倧きなアルミ鍋を乗せた。
     杏奈が碧子にペットボトル入りの氎を箱から取り出しお碧子に差し出した。
     碧子が、杏奈に
    「レトルトあっためるだけだから、氎道の氎で良いよ」
     ず蚀うず、杏奈が
    「茶色い氎しか出ないよ」
     ず答えた。
    「そ たあ沢山あるから䜿っおあげるか」
     そういうず、ペットボトルを受け取り、鍋に入ったレトルトカレヌの䞊から氎を入れた。

     杏奈はパック入りのご飯を電子レンゞに入れお、セットした。
     しばらくするず、レンゞからピピピピず蚀う電子音がした。
    「ピピピピっお音なのに、なんで今でもレンチンっお蚀うんだろうね」
    「今の、若い子っお、電子レンゞが、昔、チヌンっお音しおたの知らないんだっお」
     ず、碧子が蚀うず、杏奈が振り返っお
    「えっレンゞっお昔チヌンっお音だったの 今初めお知った」
    「今、なんでいただにレンチンっお蚀うんだろうっおアンコが蚀ったじゃん」
     カレヌが枩たるず、倧きめのシェラカップにパックご飯ずレトルトカレヌを入れた。
     杏奈が、レトルトカレヌを取り出した、アルミ鍋のお湯を、キッチンのシンクに捚おるず、ボコヌンず蚀う倧きな音が郚屋に響いた。
     空になった鍋に、パックのおでんを開けた
     それを芋お、碧子が
    「お湯を捚おないで袋ごず枩めればよかったのに」
     ず蚀うず、杏奈が
    「袋からじゃ食べにくいよ、このカップ掗うの面倒だし」
    「なるほど、確かに」
     ず碧子がこたえた。

     雚が䞀局激しくなった。
     ガラスの倖の金属補のシャッタヌに雚粒が叩き぀けられる音が静かな郚屋に響いた。
    「アンコさん」
     カレヌを食べながら、碧子が蚀った
    「なぁに」
    「ちょっず聞きたいんだけど、なんで、この二人に抵抗しないで、車に乗せられおんの」
    「けだしぃ、芋た瞬間、この二人がすごく匱そうなの分かったから」
    「ひさびさに、アンコの『けだし』聞いたね、どう蚀う意味か知らないけど。
     自分のほうが絶察に匷いっお思った」
    「そう、その二人を芋お私が負けそうな感じする」
     碧子が、床に座っおいる二人をみお、
    「たあ、しないけど、だけど、だったらその堎で抌さえ぀けちゃえば良かったのに」
    「だっお『面癜い事する時に独り占めすんな』っおみどりちゃんに蚀われおたし」
     碧子が驚いたように叫んだ
    「ええ 私のせい あの時サむン出しおたけど、自分の方が匷いから倧䞈倫っお意味だった」
     ず碧子が蚀うず杏奈が答えた
    「ああ、アレ 远跡タグの䞞い圢。みどりちゃんならわかっおくれるっお思っお」
    「ああ、やっぱりそうだよね、そうだず思った」
    むダ、無理、今はじめおわかったから
     碧子が心の䞭でツッコミを入れる
     杏奈は碧子を芋䞊げお満足そうに笑っおいる。
    「でも、もうやめおね」
     ず碧子が、杏奈に蚀った
    「みどりちゃんがそう蚀うなら、もうしない様に努力するね」
    「杏ちゃん、努力矩務じゃ無いよ、もう、絶察にしないでね」
     杏奈は、返事をしないで、芖線を倩井に向けた。


     ポンコツなりの告癜



     それから床の二人の方を向いお話しかけた
    「あなたたちが、あそこに埋めおいたのは誰ですか
     高橋ず䞀緒に、殺したんですか」
    「違う、殺しおいない、そい぀も違うよ」
     咲倪が、ふずしの方を顎で指しお蚀った。
     杏奈は䞀瞬ふずしを芋お、たた咲倪の方を芋るず
    「じゃあ、あれは誰」
     ず、聞いた。
     咲倪が銖を暪に振りながら
    「わからない、本圓に知らない」
     碧子が、それを聞いお二人に蚀った
    「ただ時間があるから、詳しく聞こうか」
       昚日の昌過ぎ 堎倖銬刞売り堎の倖 ふずしの回想

     ふずしが、財垃の䞭を芋お、
    「ク゜ッ」
     ず、蚀いながら激しく地面を蹎っおいる
     そこに、高橋が近寄っおきた
    「だいぶやられたようだな」
    「なんだ、おっさん、銬鹿にしおんのか」
    「いやいや、䞀䜓いくら負けたんだ」
    「なんで、おっさんに、そんなこず蚀わなきゃいけないんだ」
    「ちょっず、重たい荷物に苊劎しおいるんだ、それをちょっず運ぶのを手䌝っおもらえれば、そのお瀌に、今日の負け分、少し穎埋めさせおもらうよ、どうだろう、時間はあるかい」
    「たぁ、時間はあるよ、で、いくら出す」
     高橋が、スヌツの内ポケットから珟金をだしお、数え始めた
    「いた、取り敢えず䞀〇䞇円枡そう、仕事が終わったらもう、二〇䞇円枡す」
    「党郚で䞉〇䞇だず 怪しいなあ」
    「いや、ちょっず急いでいるだけだ、ただ、私䞀人ではできないので、お願いしたい。それで今日の負け分の䞀郚でも埋められないか」
    「た、たあ、良いだろう。手䌝っおやるよ」
    「そうか、それは、ありがたい。もう䞀人ぐらい、必芁なのでちょっず埅っおいおくれないか」
     五分もしないうちに、高橋が咲倪を連れお、ふずしの所に戻っおきた。
     䞉人は、近くの駐車堎に歩き車に乗り蟌んだ。


     元の別荘の䞭


    「闇バむトっお、だけじゃなくお、盎接スカりトするんだぁ。ロヌテク版だね」
     ず杏奈が蚀った。
    「だいたいさあ、私も街䞭で『モデルやりたせんか』ずか蚀われるけど、怪しいから盞手にしたこず無いね」
     ず、碧子ず話した。
     杏奈が二人の男に蚀った
    「良くそんな話に乗りたしたね」
    「  金を擊ったばかりで少し気が立っおいお  金が欲しかった  刀断力も鈍っおいた」
     ず、ふずしが答えた。
     碧子が呆れたように蚀った
    「二察䞀なんだからダバいっお思ったら逃げれば良かったのに」
     杏奈が続いお
    「䞀〇䞇円だけ持っお逃げちゃえばよかったのに」
     ずいうず、碧子があきれ顔で、杏奈を芗き蟌んだ。

     するず、ふずしが
    「領収曞を曞くのに必芁だから、っお蚀っお、免蚱蚌を取り䞊げられた。その埌、スマホを貞しおくれっお蚀っお取り䞊げられお、䞡方ずも駅のロッカヌに入れられた。あず、バックに組織が居るっお」
    「ああ、なるほど、たぁ仕方なかったっお蚀うか自業自埗っお蚀うか、兞型的な闇バむトの図ですね。ニュヌスずかで盛んに蚀っおるのに、匕っかかる人っおいるんだねぇ」
     杏奈が蚀うず、次に碧子が二人に蚀った。
    「あのさあ、随分コスパ悪いよねえ、䞉〇䞇円で犯眪に手を染めお、党囜に顔ずか名前が知れ枡っお、䞀生を棒に振るっお。
     普通のアルバむトでも毎日やらなくたっお二ヶ月もあれば十分に手に入る金額だよ。
     犯眪に手を染めるず、どんどん犯眪に察するハヌドルが䞋がっお抜け出せなくなるっお蚀うから、二人ずも、今、埌悔しおるなら二床ずこんなバカな話に乗らないこずね」
     碧子が蚀い終わるず杏奈が話し始めた。
    「そうそう。䞋手したら、お金も貰えずに、仕事が終わったら、始末されお、䞀緒に埋められちゃうコトだっおありたすよ。呜、倧事にね  ですよ」
     床の二人は、黙っおいた
    「さお、みどりちゃん、これからどうしようか」
     杏奈が碧子に聞いた
     碧子がちらっず時蚈をみた。
    「高橋、ただ、向こうのむンタヌにも぀いおいないから、結構時間かかるよ」
    「うん、ずころでみどりちゃん、ルヌはずもかく、ご飯は半分こでよかったねぇ」
    「そうだねえ、お腹䞀杯だね」
     杏奈が鍋を芋぀めお蚀った
    「ねぇ、おでん  どうする もう、お腹いっぱいで食べられないよ」
     おでんは、すでに鍋の䞭でグツグツず音を立おながら煮えおいる。
     二人で無蚀で鍋を芋぀めおいる。
     倖は盞倉わらず激しい雚が降り続いおいる。

     杏奈が、床の二人をチラッず芋お、碧子に蚀った
    「ねぇ、みどりちゃん、ガチョりクラブ、今、二人になっちゃったよね」
    「ああ、そうね。どうしたの急に」
    「熱湯颚呂ずかあったよね、あれ火傷ずかしないのかなあ」
    「流石に、火傷する皋熱かったらダバむから挔技力じゃない」
       
    「そうかぁ、そうだよねヌ」
       
    「アンコ 今、なんか倉な事考えおる」
    「おでんの奎」
    「ガチョりクラブの」
    「うん、  ねぇ  おでん、いい感じダペ。
     ふずし君、おでんのタネ、䜕が奜きですか アヌンっおしおあげる。」
     ふずしが銖を暪に振った
    「芁らない、お腹は空いおない  」 
    「みどりちゃんに、遞ばせおあげる。さお、ふずしくんは、ハンペンずコンニャクどっちが奜きでしょう」
    「やめずきなよアンコさん、ふずし君、ビビっおるよ。  倧䜓、そんなの傷害眪になるっお」
    「なんで、亀甲瞛りマスタヌのみどりちゃんにそんな颚に蚀われるのかなあ   さっき、ふずし君、みどりちゃんのキック受けながら、がっ぀りパンツ芋おたよ」
    「じゃ、コンニャクで」
     碧子が、無衚情に答えた。



     元探偵の蚈算されたトラップ



     碧子が、時蚈を芋お
    「倧䜓あず䞀〇分かな」
     ず蚀っお杏奈を芋おから、床に座っおいる二人を芋た。
     そしお続けお蚀った
    「さお、お二人さん、これからオヌディションを始めたす。
     良い そろそろ、圌がファミレスの駐車堎に私が居ないので、この電話に、電話しおくるはず
     そうしたら、こう蚀いなさい。
    『女がノコノコやっおきたので、捕たえお、今は二人ずも颚呂堎に閉じ蟌めお、出られないようにした』っお  わかった うたくできるでしょ」
     ず蚀っお、碧子が、手のひらでふずしに向かっお、どうぞ ず蚀う仕草をした。
    「女が、女がノコノコ来た、女がノコノコ来たから  」
    「え、わざず ねえ、わざず䞋手にやっおるの」
    「ち、違う」
    「はい、咲倪君」
     ず蚀われるず、小さな声で
    「女がノコノコやっおきたので、捕たえお、  」
    「なんで、女捕たえお、閉じ蟌めおるのに自分がそんなオドオドするの   ハむ、もう䞀回 すぐ電話かかっおくるよ」
     ず、碧子が、咲倪を睚んだ
    「女がノコノコやっおきたので、捕たえお、  」
    「アンコ、咲倪君、やっぱ、肩を脱臌しないず䞊手くできないみたい」
    「ちょっず埅お、埅っおくれ」
     咲倪が、蚀った
     碧子が
    「棒読みもアりトね」
     ず蚀うず、咲倪が芳念したように深呌吞しお、蚀った
    「女がノコノコ来たから  」
     杏奈が、碧子を芋た。
     碧子は、杏奈が
    『たぁ、このくらいで仕方ないね』
     ず蚀いたいのがすぐに分かったので頷いた。
     そしお、咲倪のほうを向いお
    「いい 私は優しいんだけど、ここに䞀人、挔技に厳しい人が居たす。だから、うたくやっおね、ふわふわした倖芳にみんな惑わされるけど、芋た目はぶりっ子、䞭身はサむコだから、うちの杏奈さん。
     たあ、この数十分で、感づいたずは思うけどね」
     ず蚀うず、杏奈が
    「そんな、コナン君みたいに蚀われるず照れちゃうなぁ」
     ず、答えた
    「耒めおないぞ」
     ず碧子が答えた。
     咲倪は、ゎクリず唟を飲み蟌んで頷いた。

     ほが䞀〇分埌に、碧子の電話がの着信を知らせた。
     杏奈が、碧子のスマホの応答の操䜜をしお、スマホを、咲倪の耳に圓お、目で出るように合図した
     碧子が出たず思った高橋が、少し声を荒げた口調で話し始めた
    「お姉さん、あなたは、䞀䜓どこに居るんだ、どこにも芋圓たらないが」
     するず咲倪が
    「俺です」
     ず答えた。
    「なんで、君がその電話に出おる」
     びっくりしたように高橋が聞いおきた
     咲倪が
    「女がノコノコやっおきたので、捕たえお、今は二人ずも颚呂堎に閉じ蟌めお、出られないようにしたんで、戻っお来お䞋さい」
     ず、答えた。
     高橋が
    「なんで、そこの堎所が分かった」
     ず聞いおきた。
    「あ、いや、それは聞いおたせん。すぐに颚呂堎にぶち蟌んだので」
     ず答えた。
    「たぁ、いい、埌で聞く。  ずにかく、すぐ戻る。その蟺りに酒があるから、飲んで居おも構わない。䜆し、酒を飲んで倉な気を起こすようなら、最初から飲むな、お互いの為にならないからな」
     高橋は、返事も聞かずに、やや動転した様子で電話を切った。
     碧子が
    「䞊出来、䞊出来。咲倪君、やればできるじゃん、良くできたした」
     ず蚀っお、芪指を立おお咲倪に差し出した。
    「あっ、いかん」
     碧子が蚀った
    「昭盎に連絡しなきゃ」
    「たきな君に知らせたの」
    「うん、スマホ貞しお」
     杏奈が、碧子のスマホを枡そうずした、ちょうど、おでんの鍋の䞊で、碧子の手ずぶ぀かり、ただ十分に熱いおでんの鍋の底に沈んだ。
     咄嗟に箞で拟おうずしたが、ツルツルず滑っおたったく手に負えないかった。
    「ああ」
     ず碧子が、萜胆の声を䞊げたが
    「今のは、仕方ないっちゃ仕方ないか」
     ず蚀っお、鍋の䞭のスマホを芋おいた。
    「みどりちゃん、ごめんなさい」
    「今のは、私も倱敗だった。やけどしおない アンコのスマホ貞しおくれる」
     ず蚀われ、杏奈が自分のスマホを取り出したが、バッテリヌをすでに䜿い切っおいた。
    「みどりちゃん、ごめん、バッテリヌ切れおる」
     碧子ず杏奈が、床に座っおいる二人を䞀瞬芋た埌に顔を芋合わせお、二人同時に呟いた
    「駅のロッカヌかぁ  」
     杏奈が、ハッず気づいた様に
    「車からポタ電持っお来お充電すれば良いんだ」
     ず蚀っお、立ちあがろうずした。
     碧子が、杏奈を制しお
    「明日の朝でいいよ、倖、暗いし、なんか、ものすごい雚だから、ポタ電さ、濡れお壊れちゃっおもいけないから」
    「そっか、たきな君どうする」
    「ああ、アむツはもう、その蟺に居るはずだから明日、明るくなっおから充電しお連絡しよう。
     心配するからアンコのパパずママには蚀わない様にいっおあるよ」
    「うん、ありがずうね」
    「ね、アンコ䞉〇分䜍だけど、ちょっず寝おおこうか」
    「そだね」
     ず、杏奈が答えるず、碧子が床に座っおいる二人に蚀った
    「ねぇ 今、心の䞭でチャヌンスずか思ったかも知れないけど、熱いおでんの出汁を喉の䞭に流し蟌たれたく無かったら、倉な考えを起こさないでね。ピクリずでも動いたのが分かったら、こちらの杏奈さんが、ただじゃ蚱さないから」
    「みどりちゃヌん、なんで私」

     愚者の垰還



     暗い山道を黒いセダンが登っお行く。
     フロントグラスを雚が激しく叩き぀ける。
     ワむパヌを、䞀番匷くしおも、芖界が悪い
     䜕床もこの道を䞀人で埀埩しお、疲劎が高橋を襲っおいるが、気分が高揚しおいるおかげで、眠気に襲われなかったのは幞いだった。
    あの女、䞀䜓、どうやっおあの堎所に蟿り着いたんだ
     そう考えながら、既に昭盎が到着しおいる駐車堎の暪を通過しお、さらに现い道を、別荘地に向かっお進んだ。
    たあ、どうやっお蟿り着いたか知らないが、やっずあのポンコツ二人が、圹に立ったな
     そう思う間に、別荘の前に蟿り着いた。
     駐車堎の杏奈の鮮やかな黄色い車も激しく雚に打たれおいる。
     芋捚おられた別荘地ずは蚀え、道路はそれなりに舗装されおいるが、駐車堎は、このひどい雚ですっかりぬかるんで居る。

     高橋は、杏奈の車の埌ろを通り、なるべく玄関に近い堎所に車を持っお行こうず思ったが、運悪く、ちょうど杏奈の車の埌ろあたりで、タむダをぬかるみに取られお、進めなくなっおしたった。
     チッず舌打ちをしお、バックしようずしたが、タむダは、泥をかきあげお状況をさらに悪くするだけで、前にも埌ろにも進めなくなっおしたった、玄関迄の短い距離ずは蚀え、この雚の䞭、しかも、ぬかるみを歩いお行かなければないず思うず憂鬱な気持ちになった。
     高橋は、諊めお、車のドアを開けた。


     別荘の郚屋の䞭



     ゜ファで、寄り添っお寝おいる二人
     杏奈が、駐車堎の方からの音を聞いお、目を芚たす。
    「みどりちゃん、なんか倖で音がしおるよ」
    「おっさん、お出たしかな」
    「うん、そうだね」
     玄関のドアが開く音がしお、玄関ホヌルを歩く足音が聞こえた。
     ゜ファに座ったたた碧子ず杏奈が振り返るず
     リビングのドアのガラス越しに高橋の姿が映った。
     碧子ず杏奈が、゜ファから立ち䞊がりドアの方を、向いた。

     ドアを開けお雚に濡れた、高橋が入っお来た。
     䜕がどうなったか、わからないが、ずにかく若い二人の男が、瞛られお、床に座っおいる。
     そしお、碧子ず杏奈は、少なくずも颚呂堎に閉じ蟌められおは居ないず蚀うこずを理解した。
    「どう蚀う事だ、䞀䜓オマ゚は  」
     杏奈が、碧子の方を芋お、アゎをクむッず高橋に向け、『蚀っおやっお』ず蚀う様な仕草をした。
     碧子が、高橋の方に進んで、正面たで歩いた。
    『真匓碧子、元探偵さ』
     高橋が、呆気に取られ、䞀瞬沈黙が流れた

     碧子が、杏奈の方を向いお、
    「ほらヌ、アンコ、だから語呂が悪いから、嫌だっお蚀ったんだよ。この埮劙な感じ、責任ずっおよ」
     ず蚀うず、杏奈が
    「ごめん、ごめん、やっぱ『元』っお蚀うのがダメだったのかなぁ」
     碧子は完党に高橋に背を向けお杏奈ず話しおいる。
     高橋が隙を芋お碧子に飛びかかろうずした。
    「アッ、危ない」
     ず杏奈が叫んだその瞬間
     碧子の回し蹎りが、炞裂しお高橋がよろけお、壁際のサむドボヌドにぶ぀かっお、床に転がった。
    「あヌあ、だから危ないっお蚀ったのに」
     ず杏奈がいうず碧子が、振り返っお
    「はい 誰に」
     ず聞いた。
    「えっ 高橋さん、だっお、䞭孊の時の塟の先生に䌌おるんだもん」

     高橋は、既に戊意を倱っお、抵抗はせず、碧子の手で、瞛られ若い男達の暪に座らされた。
     高橋は、男達には䜕も蚀わなかった。
    「君が、どうやっおこの堎所に蟿り着いたのか、残念だが、今でも想像が぀かないよ。
     杏奈さん、君のお姉さんは頌りになるね」
    「うん、お姉ちゃん、正矩の味方だから」
     ず、杏奈が答えるず
     碧子が
    「だから、私の方が、䞀孊幎䞋だから」
     ず、蚀った
     高橋が、碧子ず杏奈を亀互に芋お芋比べた。



     にわか犯眪者の告癜


    「ドアを開けおこの状況を芋た瞬間、なんか、勝おるわけがないっお悟ったよ。
     埌ろから襲いかかったのは、䞀か八かではなく、自分ぞのケゞメだ」
     高橋が、芳念したように蚀った。
    「それで、これから蚀うのは、䞀か八かの話だが、䞀぀提案を聞いおくれないか」
    「聞くっお蚀うのは、話を聞くだけっお事」
     碧子が、高橋に聞いた
    「たずは、そこからだな、そこの、キッチンの棚の䞋の開きを芋おくれ。」
    「ああ、高玚レトルトカレヌは頂きたした。」
    「そうじゃない、底板が倖れるから、その䞋を芋お欲しい」
     碧子が、蚀われるたたに、棚の䞋の底板を倖すず、垃袋に、倧量の珟金が入っおいた。
     かなりの重さだが、碧子が、それを持ち䞊げお蚀った
    「うわ、よくドラマずかで芋る奎だ、本物 実物を芋るのは初めおだなあ、アンコちょっずこれ芋お。」
     杏奈が、碧子の偎たで駆け寄っおその袋の䞭を芗いた。
    「うわ、あるずころにはこんなにあるんだ」
    「君たちが、正矩の味方だず蚀うのは良く分かった、だが、たずえ正矩の味方でも少しぐらい欲はあるだろう。
     矎味しいものを食べたり、欲しいものを買ったり  
     そのお金は、私にずっおむしろこの堎から無くなっお欲しい䜍の物だ、そこで提案だが、この二人ず、君たち二人、぀たり四人でそれを山分けしお、今回の事をすっかり忘れおくれないか」
     杏奈が遮るように蚀った
    「それ、受け入れるっお思っお話しおたすか」
    「たっ受け入れられないだろうな。さっき蚀っただろ、䞀か八かの話だっお。
     そこの二人ずは違っお、君がお金ず匕き換えに、自身の良心を手攟すような人間には芋えない。
     自分で蚀うのもなんだが、私は人を芋る目がある。」
     杏奈が
    「それはありがずうございたす」
     ず蚀った。

     碧子が聞いた
    「バックの組織っお蚀うのが、私たちを消しに来る」
    「安心しおくれ、カッコ぀けただけだ。そんな物は無い」
     駐車堎の方で、倧きく「ズン」ず蚀う衝撃音がするず、少し別荘が揺れた。
     䞀瞬なんだろうず思ったがすぐに気を取り盎した。

     高橋が、完党に、芳念したず感じた杏奈が聞いた
    「高橋さん、さっき私に、自分は誰も殺しおないっお仰っおたしたね じゃ、アレは誰で、誰が殺したんですか」
    「その話を聞いお貰えるずは思わなかった、せっかくだから、君たちが、信じようず信じたいず、話そう。  圌女を殺したのは、私では無い、そこの二人でも無い」
     そこたで話すず、杏奈が蚀った
    「女の人なんですね」
    「そうだ、誰に殺されたわけでも無い、死んでいたんだ」

     高橋の回想



     午前䞭、高橋が、ひず仕事を終えお、歩いおいる。
     朝䞀番で、顧客ず打ち合わせを終えお、午埌の仕事の為に自身の事務所に戻ろうずしおいた。
     普段通らない道だったが、駐車堎ぞのショヌトカットだったので、繁華街の路地を歩いた。
     䞀人の女が、高橋に近寄っお来た。
     女が、カタコトの日本語で話しかけお来た。
    「お兄さん、私、お金が少し必芁、お兄さんにサヌビスする、どうですか」
     女は、男奜きする兞型的な東掋系矎人で、掟手では無いが、小綺麗で、高橋の興味を惹くには十分だった。
    「むダ、私はこれから垰らないずならないので」
     ず蚀っお䞀床は断った
    「お願い、お兄さん、お兄さん助けおくれないず、私、悲しい」
     高橋は、人助けを自分ぞの蚀い蚳ずしお圌女の申し入れを受けるこずにした。
     路地を抜けた駐車堎に車を停めおいたので、高速に乗っお、郊倖のモヌテルに行く提案をしお、合意を埗た。
     い぀もは、通過するむンタヌだが、そこを降りるずモヌテル街がある事は知っおいた。
     二〇分皋床車を走らせお、目的地のそばのむンタヌを降りた。

     郚屋に入るず、女が、高橋に先にシャワヌを济びる様に促した。
     蚀われるたたに、高橋がシャワヌを济びお、郚屋に戻るず、女は、着衣のたた、ベッドに仰向けに倒れおいた。
     䞡目を芋開いたたた、倩井を芋぀める様にしお動かなくなっおいた。
     高橋に医孊の知識は無い、しかし女は明らかに、呌吞をしおいない。
     郚屋は完党に密宀であり、倖からの䟵入者がいない事は明癜であった。
     高橋の車は、郚屋に盎結した駐車堎にあった。


     別荘の郚屋



     話を聞いおいた杏奈が蚀った
    「倧䜓、話の内容は分かりたした、その話が仮に本圓ずしおも、死䜓遺棄の眪は有りたすよ。
     それに、高橋さんが手を䞋したのでなければ、盎ぐに譊察に連絡すれば良かったのでは無かったんですか」
    「怖かったんだよ  自分が犯人にされる事も含めお。頭の䞭が䞀瞬で真っ癜になっお、党郚物事を悪い方に考えお  」
     高橋が声を詰たらせた。
     その姿を芋お杏奈が
    「その屈蚗が高く付いた様ですね」
     ず蚀った。
     高橋は、わずかに頭を䞊げお
    「ふっ、君は随分ず難しい蚀い回しをするね。確かに君の蚀う通りかも知れない。  その挙げ句悪い遞択肢を遞んでしたったようだ。」
     ず、答えた。
    「その様ですね   でも、私達に、どうする事も出来ないので、残念だけど、譊察に連絡する以倖の遞択肢は無いですよ」
     碧子が続けお
    「結局、䜕䞀぀いい思いも出来ずに、こんな事になっちゃっお  たぁ、お気の毒ずいうか  
     ああ、別に皮肉を蚀っおいるわけじゃないけど」
     ず、付け加えた。

     高橋は、若い二人の方を向いた。
    「君たちが、どう蚀う人間かは、党く知らないが、巻き蟌んで、その、申し蚳なかったな」
     その蚀葉を聞いお杏奈が若い二人に蚀った。
    「そこにパンが無ければ泥棒をしなかったっお蚀うのは蚀い蚳にならないですよ。」
     ず、二人に向かっお蚀った。
     碧子が感心したように、杏奈に聞いた
    「それ、誰の蚀葉」
     杏奈が笑いながら答えた
    「なんで 、心に響いた 私が今思い぀いた蚀葉だよ」
     高橋がふっず笑った。
    「君は、本圓に聡明だな。萜ち着いお考えるず、あのたた、逃げ切っおも、そのあずロクな人生は送れなかったろう。  今はキチンず裁きを受けた方良いんだろうっお思っおいる。
     嘘っぜく聞こえるず思うが、本圓にそう思っおいる。
     所で、話は違うが、この金、受け取っお貰えないか」
    「本圓に違う話ですね、さっき聞いた気もしなくないけど。このお金もきっず蚳ありですよね
     いた、ご自分で、ちゃんず裁きを受けるっおおっしゃいたしたよ」
    「杏奈さん、君の方が私よりずっず若いのに、君に説埗されるず、すっず腑に萜ちる。」
     杏奈が、急に碧子の方を向いた、
    「みどりちゃん、車二台に分乗しお、譊察に出頭するの」
    「流石にそれは有り埗ないでしょ」
    「だよねぇ」
    「譊察に連絡しお、お迎えかな あ、昭盎にも連絡しなきゃ  取り敢えず明るくなっおからね」

     土曜日の朝



     そろそろ、朝がやっお来た。
     杏奈ず碧子が、ガラスを開けお、倖の金属補のシャッタヌを開けた。
     シャッタヌの倖はりッドデッキだ。
     雚がすっかり䞊がり、快晎の空は真っ青だ。
    「ヘェ、こんなになっおいるんだ。こんな事じゃなきゃちょっず良い感じだったのに。」
     ず蚀っお、杏奈がテラスの先の手すりの䞋を芗いた。

     テラスの先二䞉先は、厖になっおいお、䞉〇皋䞋に川が流れおいる。
     昚日の雚のせいで、増氎しおいるが、普段はきっず綺麗な氎が流れおいる川だろう。
    「みどりちゃん、スマホ充電するからポタ電持っおくるね。」
     ず杏奈が碧子に蚀っお玄関の方に向かった
    「䞀人で持おる」
    「倧䞈倫だよ、小さいや぀だから」
     杏奈が、玄関のドアを開けお「あっ」ず声をあげお
    「昚日の音の正䜓は、これかぁ  みどりちゃん、倧倉な事になっおるよ、来お」
     ず、碧子を呌んだ。

     碧子が、杏奈に呌ばれお玄関ドアから芋た倖の颚景は、想像を絶する物だった。
     昚日の雚で、駐車堎に土砂が流れ蟌み、道路は完党に塞がれお、高橋の車の埌茪も完党に泥に埋たっおいる。
     たずえ、車の䞋の泥をどけおも、そこに新たな泥が流れ蟌むだけで、解決にはならない。

     杏奈が、半ば絶望したように碧子に蚀った。
    「これじゃ、分乗すら出来ないね。
     たぁ良いや、いずれにしおも、譊察ず、たきな君に連絡ね」
     杏奈が、䜕気なく、ルヌフキャリアの䞊を芋お、碧子に蚀った
    「アレ、みどりちゃん」
    「アヌ、シヌトね、雚でびしょびしょになっちゃったね、ごめんね、埌でちゃんず拭いお也かすよ」
    「ううん、倧䞈倫だよ、ほっおおけばこの倩気だしすぐ也いちゃうよ」
     碧子が
    「なに」
     ず聞いたが、杏奈は答えなかった。

     杏奈が、車の荷宀からポヌタブル電源を持っお、郚屋に戻り、
     自分のスマホを、充電しようずしおいたが、たた、車に戻っお、䜕か車内をゎ゜ゎ゜ず探しおいたが、諊めお戻っお来た。

     碧子が、その様子を芋お声を掛けた
    「アンコ、どした」
    「いや、倧した事じゃ無いよ、スマホ充電するケヌブル忘れた。みどりちゃん持っおるでしょ」
     碧子が、昚晩、コンテナボックスず䞀緒に持っお来た荷物を探しお、䞀本のケヌブルを杏奈に差し出した
    「ハむ、これ」
     杏奈が、碧子のケヌブルを芋お、銖を傟げお蚀った
    「これじゃダメだよヌみどりちゃん、私のはラむトニングだから」
     ず蚀うず、碧子は
    「むダ、知らないけど、別にアンコさんのために甚意したケヌブルじゃないから」
    「ドロヌンで䜿うや぀ずかないの」
     ず、杏奈が聞くず、碧子が
    「だよ。ラむトニングは無いねえ、」
     碧子ず杏奈が、瞛られお床に座っおいる䞉人の顔を振り返るず、䞉人が、暪に銖を振っおいる。
     杏奈が呟いた
    「絶䜓絶呜っお皋じゃあないけど絶䜓絶呜だね」
    「流石に、アンコの車でもおじさんの車は乗り越えられないしね」
     ず、碧子が蚀った。
    「おじさん、ここからどっか、最寄りのえヌず、なんでも良いんだけど誰かの居るずころたで歩ける」
     碧子が高橋に聞くず、少し考えながら高橋が答えた
    「昔は、マむクロバスが通っおいたが、今はないよ。䞀気に寂れた堎所だからね、歩いおどこか行けるくらいなら、こんなに寂れなかったよ。」
    「昭盎がいる所たで山坂あるから䞉四時間かかるかな わからないけど」
     それを聞いお、杏奈が蚀った
    「案䞀倩気も良いし、五人で、ハむキングする。
     案二男性䞉人を瞛ったたた攟眮しお、私ずみどりちゃんず二人で、たきな君の所たで行く。」
     聞いおいた男たちが肩を萜ずした。
     杏奈が蚀い終わるず、碧子が腕組みしお倩井を芋぀めお蚀った
    「少なくずも案䞀は华䞋、二番も避けられるなら避けたいかな」
     碧子が、閃いた様に杏奈に蚀った、
    「おじさんのスマホ、あるじゃん」
     杏奈が、高橋に蚀った。
    「高橋さん、スマホ貞しお䞋さい」
     瞛られおいる高橋が、杏奈に蚀った。
    「右偎のポケットに入っおいる」
     杏奈が、高橋のポケットからスマホを取り出しお碧子に芋せた。
    「なんか、バキバキに画面が割れおる。電源は入っおるみたいだけど、党然操䜜出来ないよ」
    「あヌ、アンコ、觊んないで、指、怪我しちゃうよ」
    「あヌ、あの時か、みどりちゃんの回し蹎りで転んだ時  みどりちゃんのキック、凄いね」
    「違うよ、おじさんがあのサむドボヌドにぶ぀かったんだよ。」
     杏奈がため息混じりに
    「みどりちゃん、なんか疲れたねえ」
     ず蚀っお、ダむニングから怅子を二぀持っお、テラスに向かっお䞊べた。
     碧子ず杏奈が呆けお、窓の倖のテラスから倖をながめおいる。
    「なんか、良い倩気だねえ、のどかな颚景。向こう偎っお川たで降りられるんだねヌ」
    「なに呑気な事蚀っおるのアンコ、この埌どうする」
     ず、半ば呆れた様に碧子が蚀った。
     するず杏奈が
    「おっ」
     ず声をあげた。
    「どした」
     ず碧子が蚀うず
     杏奈が、川の察岞の䞊の方を指差した。
    「みどりちゃんの倧奜物」
     碧子が、杏奈の指さす方向を芋お
    「むダヌ今はお腹いっぱい」
     ず蚀うず
     杏奈が蚀った
    「違う違う、あそこ道がある」
    「道が有っおも川枡れないじゃん」
    「違うっお、よく芋お」
     碧子が、目を凝らすず、察岞の川から䞀〇二〇䞊に道があり、右手にある立朚の圱から出お来た䞉人の少幎が向かっお巊の方向に向かっお䞊んで歩いおいる。
    「確かに若い男の子の制服姿は倧奜物だ」
     䞉人はボヌむスカりトの制服を着おいる。
    「おヌい」
     碧子ず杏奈が必死に察岞に向かっお、倧声で叫んだが、䞀行には党く届いおいる様子もない。
    「なんか、バケツみたいな物、無いかな」
     杏奈が探しおいるず、高橋が
    「確か、颚呂堎に合った」
     ず、杏奈に声を掛けた。
     杏奈が走っお济宀に行くず、济宀の前の掗面所に小さなポリバケツが有った。
     念の為、济宀を芋たが、どうやらこれしか無い。
     ポリバケツを持っお、再びテラスに走り、碧子ず、ぺこぺこのポリバケツを叩きながら声をあげたが、殆ど音が出ないので党く届く様子が無い。
    「みどりちゃん、反察偎の朚の陰にはいっちゃたらアりトだよ」
     ボヌむスカりトの䞉人の進行方向には立朚があり、圌らが芋えお居るうちになんずかこちらに気づいお欲しいず思った。
     ちょうど真正面あたりに川を芋䞋ろせる様な䌑憩所があり、運良くその䞉人は、ベンチに座っお、䌑憩を始めた。
     それを芋た、碧子ず杏奈が、声が枯れそうになるたで声を䞊げるが、やはり届かない。しかも、䞉人はテヌブルを挟んで、ちょうどこちらから九〇床の方向を芋お居るので、こちらには気づいお貰えない。
    「やっぱり、無理か  向こうたでどのくらいあるんだろう」
     ず碧子が蚀うず、杏奈が、手を埌ろに組んで碧子に蚀った
    「知っおいたすか
     人の目の高さから芋える氎平線たでの距離は玄四なんですよ。」
     ず蚀っお、碧子を振り返っお埮笑んだ
     碧子が
    「人の目の高さでも無いし、氎平線でも無いから参考にならないねぇ
     倧䜓、䞉〇〇から四〇〇くらいかな
     䞉〇〇ずするずボツアナのテボゎが走れば䞉〇秒ちょっずだね」
    「みどりちゃん、ドロヌンでトランシヌバヌ運べない コンテナボックスに黄色いの入っおたよ」
    「やった事ないし倚分無理。バッテリヌも、もう少ないし」
    「そっか、ドロヌンにメモ付けお運ぶのは」
    「良いね、゜レ、なんか曞く物」
    「盎接曞いたら」
    「そうしよう」
     二人でバタバタず筆蚘甚具を探すが芋぀からない。
    「みどりちゃん、なんかあっちの子達、出発の準備しおるっぜい」
     䞉人が䞭腰で荷物を片付けお居る様に芋えた。
    「こう蚀う時っお、ギリギリで『あったヌ』っおなるはずなんだけど」
     碧子が、独り蚀を蚀った。

     杏奈が
    「ずにかく、こっちに気づいお貰うのが優先だよ」
     ず、蚀うず碧子が
    「そうだね」
     ず、蚀っおドロヌンを飛ばす準備を始めた。
    「目の前でホバリングさせお、こっちに人が居るの知らせよう」
    「ね、バッテリヌ無くなるず戻っお来ちゃうんでしょ、気づいお貰う前に戻っおこない」
     杏奈が蚀うず、
    「あ、そっか、良く気づいたね」
     ず、蚀うず、碧子がコントロヌラを操䜜した
    「これで、倧䞈倫、戻っおこない」
    「萜ちちゃう」
    「うヌん、着陞するんだけど、この状況だず、実質萜ちちゃうね」
    「ごめんね」
    「アンコが謝るこずないよ」
     碧子が、ハンドリリヌスでドロヌンを離陞させるず、暪颚を受けお少し機䜓を傟けながら、それでもドロヌンは䞀盎線に䞉人を目指しお行った。
     杏奈が、小走りに、コンテナボックスに行き、手旗を取り出した。
    「みどりちゃん、こっちに泚意向けお」
     杏奈は、テラスのはじにあった雚に濡れた小さなベンチを
     ガラス窓の暪の黒い壁の前に移動しお、その䞊に乗った。


     察岞のボヌむスカりト



     軜食をずっおいた䞀行が、テヌブルの䞊を片付け終わり、荷物を
     オリヌブ色のリュックにしたっおいる。
     ブヌンず蚀うずドロヌンのプロペラ音に気づいたリヌダヌで䞀番幎䞊の田䞭が蚀った
    「なんか、ハチずかいない 刺されない様に泚意しお」
     ず、二人に指瀺を出しおあたりを芋回した。
     するず、最幎少の五反田が、川の䞊空でホバリングしおいるドロヌンを芋぀けた
    「田䞭さん、ドロヌン、ホラあそこです」
     ず蚀っお指差した。
     指差した方向を芋るず、前方五ほどの䞊空で碧子のドロヌンがホバリングしおいるのが芋えた。
     田䞭が
    「なんだ、ドロヌンか、どこで操䜜しおいるんだ」
     ず、蚀うず䞉人で、来た道や進行方向をキョロキョロするが、操瞊者が芋぀からない。
     するず、幎霢が真ん䞭の東尟が察岞に目を凝らしお杏奈を芋぀けた。
    「アレじゃね」

     テラスの碧子ず杏奈



     碧子のドロヌンが遠くで、時々背景の颚景に溶けお芋づらい。
     コントロヌラのモニタヌは、ドロヌンの映像を写しおいる。ドロヌンのカメラがボヌむスカりトの少幎が、ドロヌンに向かっお指を指す姿を捉えた途端に、その姿がモニタヌの䞊に消えお行った。
    「あヌ、ダメだバッテリヌ切れ」
     ドロヌンがゆっくりず降䞋しお、川の立朚の向こうに消えた。
     碧子は、ドロヌンを諊めお、ゎルフスコヌプで察岞を芋おいる。

     察岞のボヌむスカりト


     碧子のドロヌンを芋お
    「あヌ、萜ちた」
     ず、誰かが蚀った。
     最幎少の五反田が、察岞を指差しお、田䞭ず、東尟に蚀った
    「なんか、女の子が、手旗振っおたすよ」
     田䞭ず東尟か、察岞を芋るず、杏奈が、癜ず赀の手旗を氎平から真䞊の亀互に振っおいる。
     手旗の起信の合図だ
     田䞭が
    「おヌ、なんか、短いスカヌトでヒラヒラしおるよ。
     良いねヌ五幎生ぐらいかなぁ」
     ず蚀った。
     東尟が
    「僕らの制服みお手旗の緎習したいっお思ったんじゃないですか」
     ず蚀った。

     田䞭が、五反田に蚀った
    「サンタ、お前も緎習になるから、盞手しおあげなよ。お前が䞀番背が高くお芋やすいよ。」
     五反田が、自分の錻を指で指しお
    『僕ですか』ず蚀う無蚀のメッセヌゞを送るず、田䞭が、うんうんず頷いた。
    「分かりたした」
     オリヌブグリヌンのリュックから手旗を取り出した。
    「お前さぁ、カッコ぀けお早く打぀なよ。盞手は小孊生だぞ、読めないかもしれないし、もし、読めお向こうから同じスピヌドで返されたらお前、絶察読めないじゃん」
     ず、田䞭が蚀うず
    「ハむ」
     ず、返事をしお応信の合図を送った。

     杏奈は五反田が手旗で応信合図をしおいるのを芋お蚀った
    「気づいお貰えたよ。手旗の子だけ半ズボンだね。倧きいから、䞀番幎䞊っお感じ」
    「肉県で芋えるんだ、目ぇ良いね」
     ず、碧子が蚀うず
    「目は良いよ、出来れば老埌は遠くの緑を芋お生掻したいなあ」
     ず杏奈が答えた。

     碧子がゎルフスコヌプを芗きながら
    「『我、遭難䞭、救助芁請す』だね」
     ず杏奈に蚀うず、杏奈が答えた。
    「長いなあ、『タ・ス・ケ・テ』ず」
     杏奈が、五反田に向かっお送信した
     碧子が
    「良いなあ、あたしもドロヌンみたいに飛べたら今すぐあっち行っお、あの膝小僧を間近で芋たいよ」
    「あっち行ったら譊察に連絡ずっおから膝小僧芳察しおよ」
     五反田が田䞭に蚀った
    「なんか、助けおっお蚀っおたすよ」
     田䞭が五反田に答えた
    「そりゃ、モヌルスの醍醐味が『』なら手旗の、醍醐味は『タスケテ』だよ。『お兄ちゃんがすぐ助けおあげるよ』っお送れ」
     それを聞いた東尟が田䞭に蚀った
    「田䞭さん、゜レマゞでやばいですっお、やめた方が良いっお。取り敢えず、『状況送れ』じゃないですか」
     田䞭が
    「なんで、小孊生にそんな難しい蚀葉䜿うんだよ。
     サドかよ。もっず優しく蚀え サンタ、『どうしたの』っお送れ」
     五反田は
    「ハむ」
     ず、返事しお
    子䟛盞手に蚀葉遞ぶのむずいなあ
     ず、思った。

     杏奈が碧子に蚀った
    「どうしたのっお聞かれた」
     碧子が少し考えお
    「土砂が流入しお亀通遮断されたので移動䞍胜になった  かな」
     ずいうず、杏奈が、あきれながら碧子に答えた。
    「みどりちゃん、䜕で、さっきから、そう蚀うややこしいのばっかりなの『カ・゚・レ・マ・セ・ン』っず」
    子䟛盞手に蚀葉遞ぶのむずいなあ
     ず、杏奈が思った。

     碧子からの手旗をみた五反田が
    「うわっ早い」
     ずのけぞった。
     田䞭がすかさず
    「だから、カッコ぀けんなっお蚀っただろヌ
    『垰れたせん』だっおさヌ
     取り敢えず『了解』送れ」
     田䞭に蚀われお、五反田が了解の合図を送った。

     田䞭が、感心しお
    「それにしおもあの子の手旗䞊手いなぁ、凄くキレむだよ
     可憐っお蚀うか、キレむな手旗はキレむな心の持ち䞻しか出来ないんだよヌ」
     ず蚀った。
     五反田が田䞭の独り蚀を無芖しお聞いた
    「田䞭さん、どうしたす むタズラじゃないですか」
    「お前、なんのために、あんな可愛い子がむタズラでそんな事するんだ」
     するず、暪から東尟が蚀った
    「むタズラでドロヌン萜ずすずは思えないし、なんか、暪に倧人がいるからたんざらむタズラでも無いかもですよ」
    「ガッシが正しい サンタぁ、本圓かどうか聞け」
     ず田䞭が、五反田に蚀った
    「なんお送れば良いですか」
    「そんくらい、自分で考えろよヌ」
     五反田が䞀瞬、宙を芋た
    「『マ・ゞ・デ』っず」
    「君、バカなの」
     ず、田䞭が五反田に蚀った
     五反田は
    「分かりやすいかず思っお」
     ず、返事した。
    「みどりちゃん、本圓かどうか聞かれたよ」
    「たあ、疑う気持ちもわかるね」
    「取り敢えず、返事するか、『マ・ゞ・ペ』っず」
     そのメッセヌゞを読んで、田䞭が五反田に蚀った。
    「ほヌら、お前が倉な聞き方するからだぞ。」
    「田䞭さん、携垯の番号聞くのどうですか」
     ず、東尟が蚀った
    「ガッシ、それ最初に蚀っおよ」
    「今、思い぀いたんですっお」
     田䞭が、五反田に指瀺を出した
    「サンタ『お兄ちゃんに携垯の番号教えお』っお送れ」
     それを聞いた五反田が
    「田䞭さん、長いし、それがアりトっお蚀うの僕でも分かりたす
    『ケ・む・タ・む・バ・ン・ゎ・り・キ・ボ・ン・ヌ』」
     田䞭が
    「それだっお十分アりトだろ、キボンヌっおなんだよ俺でも぀かわないよ。小孊生にわかるわけ無いだろ」
     ず、五反田に蚀った。するずすかさず五反田が
    「いや、僕に効が居たら、絶察番号教えるなっお蚀うず思いたすよ」
     ず、田䞭に返した。
    「サンタお前、効がいるのに隠しおたの」
    「効が居なくお良かったっお思っおいるずころです。」
     ず、五反田が答えた。
    「こうなるよねヌ。みどりちゃん、携垯の番号聞いお来たよ」
     杏奈が碧子に䌝えた。
    「そうなるよねヌ。きっず、『タスケテ』っお蚀う時点で、ふざけおるのかなっお疑われおるから、よく考えないず」
     杏奈が䞡手のの手旗をおろしお碧子の方を振り返っお蚀った
    「うヌん、たぁ壊れたっお蚀うよりバッテリヌ切れの方がうけいれられそうだね。実際、壊れおるのず、バッテリヌ切れおるのあるし」
    「アンコ、駅のロッカヌに入れたっお蚀うのは」
     杏奈があきれたように
    「みどりちゃん、今、ややこしい事蚀わないで。『デ・ン・チ・キ・レ・タ』っず」
     口に出しながら、察岞の少幎たちに信号を送った。


     碧子はゎルフスコヌプを芗いお
    「やっぱ、あの䞀番背の高い子にしずくかなあ」
     ず呟いた
    「この状況で、なんの話かな みどりちゃん」
    「っおかさ、杏ちゃん、なんで手旗出来るの」
    「海䞊自衛隊の圌氏ず連絡甚」
     ず、杏奈が答えた。
    「そっちは、自衛隊かぁ」
     田䞭が、杏奈からのメッセヌゞを受け取った
    「バッテリヌ切れか  仕方ないな、いや 本圓かなぁ。
     う――ヌん、ここは本圓の方にかける」
    「かけるっおなんですか」
     ず、五反田が聞き返した
    「よし、五幎生の、ミニスカ女子ず友達になる」
     田䞭のその蚀葉を聞いお東尟がボ゜ッず蚀った
    「でた、田䞭さんの病気、なんか『海賊王に俺はなる」みたいになっおるし」
     その埌、杏奈が道路が土砂に埋たっお動けない事、犯眪者が別荘に䞉人いお、捉えおいる事、などを䌝えた。
    「田䞭さん、どうしたすか 結構嘘っぜい話ですよね」
     田䞭の代わりに東尟が答えた
    「ギリ、どっちかわからないな」
     田䞭が、目を閉じお䞀瞬考えお蚀った
    「うん、たぁ、でも本圓ならアレだぞ」
     五反田が田䞭に聞いた
    「アレっおなんですか」
    「アレはアレだよ」
     ず、田䞭が答えた
    「た、アレだろう」
     ず、東尟が蚀った
     田䞭が
    「取り敢えず譊察に、連絡しおくれっお蚀っおるから連絡しよう」
     ず蚀うず東尟が
    「䞀応、念の為、保険掛けお䌝え方考えないず、むタズラだった時、片棒担いだ共犯者になりたすよ」
    「ミニスカ五幎生ず共犯者っおのは、それはそれでアリだなぁ」
     ず田䞭が蚀うず
    「俺らは、無しですから、なっサンタ」
     ず蚀っお五反田に同意を求めた。
     五反田が激しくうんうんず頷いた。
    「ガッシ、連絡する内容は、お前に任せるから連絡しおくれ」
    「田䞭さんも䞀緒に考えたしょうよ」ず蚀っお、二人が
     案を出し合った。
     ベンチを立っお、突然、暪の階段から、川の方ぞ降りようずしおいる五反田を芋お東尟が声を掛けた
    「サンタ、どこに行くの 河原で遊んでる暇ないぞ」
    「すぐ戻りたヌす」
     ず蚀っお、五反田が、早足で階段を降りた。

     䞉人は、途䞭で、譊察ず合流する事になった。
     ただ、状況もよく分からないし、特に普段ず倉わらない様子で歩いおいる。

     二番目を歩く五反田が二人に蚀った
    「犯眪者っお䜕の犯眪ですかね」
     䞀番埌ろを歩く東尟が答えた
    「さぁ 女の子ず隣の女の人ず二人で、どうやっお捕たえたんだかその蟺が疑わしいよな。よっぜど匱い奎ずか」
     五反田が、振り返る
    「そうですよね 泥棒ずかかなあ
     今、結構匷盗事件ずか倚いですよねヌ」
    「サンタ、ちゃんず前向かないず転ぶぞ。
     今の匷盗は、わざわざこんな所たで来ないだろうな。今は、街䞭に䜏む金持ちのお幎寄りの家ずか、日䞭に宝石店を襲う奎ずかだから。  たぁ、別荘に空き巣狙いに入った幎寄りのコ゜ドロが返り蚎ちにあったずか。ペボペボの幎寄りならなんずかなるかもな」
     ず東尟が蚀った。
    「ああ、闇バむトですよねヌそれ。幎寄り䞉人のコ゜ドロずか  なんかアレですね」
     ず、五反田が蚀うず、東尟は、無衚情で
    「アレだな」
     ず、䞀蚀答えた

     五反田が、先頭を歩く田䞭に話しかけた
    「田䞭さんはどう思いたすか」
    「俺か そうだなぁ、ああ蚀う子は、倧事に育おなきゃダメなんだ」
     ず田䞭が話し始めた
    「䜕の話しおるんですか」
     田䞭は五反田の質問には答えず続けた
    「倧事にっお蚀うのは぀たり、自分の思う通りに成長するように、ちゃんず芋守るっお事だよ」
    「田䞭さん、それ犯眪ですよ」
    「ナニ蚀っおんだよ、今んずこお互い様だからセヌフだろ」
    「どう蚀う颚にお互い様なんですか」
    「悪い虫が付かないようにちゃんず芋守っお  」
    「殆どストヌカヌですよね。田䞭さんが䞀番の悪い虫だず思うなあ、それ捕たりたせんか」
     埌ろを歩く東尟は、無衚情で聞いおいる。
     田䞭が続ける。
    「五幎生だから、䞀䞀歳だろ」
    「五幎生は、もう決たりなんですね」
    「俺が今䞀五歳だから高䞉の時向こうは䞭二だろ」
    「その蟺になるず、゜ロ゜ロ田䞭さんが捕たっおも仕方ないですよね」
    「小孊校卒業しお䞀幎も経぀ず少女が女ぞ倉わっおいくんだよ。その瞬間を間近で芋守れるんだ。
     ロマンだねぇ、
     倧䜓、四぀違いぐらいっおちょうど良いんだよ、うちの芪もそうだからね。俺がハタチで倧孊二幎の時に、高校䞀幎生、もう、この頃になるず生意気蚀っお、俺に意芋ずかしおくるんだよ
     オむオむ、可愛い顔しお、䜕で俺にそんな生意気な事蚀うんだよヌずか、俺がね、圌女の頭コツンしながら蚀うわけよ。」
     五反田が、呆れお田䞭に聞いた。
    「そもそも田䞭さんのお母さんがいく぀の時お父さんず出䌚ったんですか」
    「䜕がどういう颚にそもそもなんだよ、なんでいたりチの芪の話が出おくんだよ」
     東尟が、埌ろから五反田の肩を叩いた
    「サンタ、ほっおおけ」
     五反田が東尟の方を振り返った
    「僕、別の人ず勘違いしおるのかも知れないけど、誰かが田䞭さんのこず、有名校の䞭等郚の生埒䌚長だっお」
    「それは、ほんずだぞ、田䞭さんは、成瞟も良いし、孊校でも真面目で評刀が良いんだ」
    「そうなんですか そんな颚に芋えたせんよ」
    「サンタ、人間っおのは真の自分を隠しお必芁以䞊に抑圧しちゃいけないんだよ。気が぀かないうちに、隠しおる裏の郚分が自分の䞭で匷力に膚匵する。その結果がアレだ。お前も気を぀けろ」
     五反田は、よく分からないなあ、ず蚀う顔で田䞭の埌を歩いた。


     曖昧な正矩



     高橋の別荘に䞀人の刑事が、制服姿の譊官を、二人連れおやっおきた。
     先頭を歩く刑事が、道路の土砂の前を歩いおいる。
    「ひどいなあ、取り敢えず、土砂厩れはほんずかぁ」
     ず独り蚀を蚀いながら、土砂をよけお高橋の別荘の駐車堎に入っおいく、振り返っお、埌ろの譊官に蚀った
    「ぬかるんでるからさあ、転ばないでねヌ。
     確かに誰か来おるね、車が止たっおるし、攟眮車じゃなさそうだね」
     ず、蚀った。
     倧声で、別荘のドアに向かっお、叫んだ
    「誰か居たすか」
     䞭から、碧子ず、杏奈が珟れた。
    「あれ」
     っず蚀っお刑事が振り返り埌ろの譊官に聞いた
    「ねぇ、女の人っお聞いおた」
    「むダ、聞いお無いですけど」
    「そう」
     ず蚀っお碧子達の方を向いた。
    「なんかね、男の子から電話が合っお、別荘に犯眪者が居るっお聞いおきたんだけど、あなた達」
    「ハむ、そうです」
    「青峰眲の山口ず蚀う者だけど。ちなみに眲内では山さんずは呌ばれお無いから。その、犯眪者っお蚀うのは䞭にいるの」
    「ええ、あの刑事さんっお普通二人で来るんじゃ無いんですか、盞棒的な  」
    「そう、その通り、あなたの蚀う通りなんだけど、もう䞀人の奎がりンコ行っお垰っおこないし、子䟛のむタズラかも知れないからっお取り敢えず䞉人で行こうっお。それでいた来たんだけど、その犯眪者の方々にお䌚い出来る」
     ず蚀っおいるず、埌ろから若い刑事らしき男が小走りに、寄っおきた。
    「山口さん、なんで先に行っちゃうんですか」
    「お前、手、掗った」
    「掗いたしたよ」
    「こい぀ね、今話しおた奎、りンコ行っおた小杉君」
    「りンコ関係ないでしょ。青峰眲の小杉です。」
    「小杉君、䞭に犯眪者さん達がいるみたいだから入れおもらおう」
     ず蚀っお、碧子達の方を向いお蚀った
    「今、『アレ 刑事っお、ちゃん付けで呌ぶんじゃ無いの』っお思ったでしょ」
    「別に」
     ず、碧子が冷たく答えた。

     山口は、ぬかるみを気にしながら歩いおいたが、すでに泥たみれでなんの圹にも立っおいなかった。
     歩きながら、山口が、小杉に聞いた
    「小杉君、独りで運転しおきたの」
    「山口さんが先に行っちゃうから仕方ないでしょ」
    「君さぁ、オヌトマ限定でしょ」
    「違いたすよ」
     小杉がむラッずしお答えた
    「俺さぁ、オヌトマ限定なんだよね」
     ず山口が蚀うず、小杉が
    「ナニ若ぶっおるんですか、山口さんの時代にそんな物ある蚳ないでしょ」
     二人の䌚話を聞きながら杏奈が、碧子に蚀った
    「みどりちゃん、この二人倧䞈倫かなぁ」
    「さぁ」
     腰のあたりで䞡手の手のひらを䞊に向け、答えた。
     刑事二人ず、制服の譊官二人が、碧子達二人より先に郚屋に入った。

     山口が床の䞉人を芋お蚀った
    「䜕をしたんだか、これから聞くけど、なんか斬新な瞛られ方しおる人が䞀人いるね」
     ず蚀っお、碧子ず杏奈の方を芋た。
     杏奈は激しく手を暪に振っお
    「違いたすよ、私じゃ無いですよ」
     ず蚀うず、碧子が、半歩足を開いお、腰に手を圓おお満面の笑顔で立っおいる。
    「みどりちゃん なんで少し『えっぞん』みたいな感じなの」
     ず、杏奈が聞いた。

     ふずしの亀甲瞛りも、高橋ず咲倪の埌ろ手も解かれた。


    「なるほどね、で、ここのお金はこの話にどう絡んで来るの」
     垃袋の䞭の珟金の束を芋ながら
     山口が、高橋に聞いた
    「今回はこの金は関係ないです。刑事さん、虫のいい話ですけど、このお金、凊分しおもらえたせんか」
    「それは虫のいい話だねえ、別の話が絡んでるのかな」
    「刑事さんが貰っおくれおも良いし、そうだ、どっかに寄付しお䞋さい、なんかホラ斜蚭的な」
    「そんなんできる蚳無いよ、そっちの方はよく分からないけど、隠しおるっお事はかなりの蚳ありっお事だろ そこの若い奎は、悪埳刑事だから盞談しおみれば」
     ず、蚀っお小杉の方をみた。
     小杉が怒っお
    「なに、蚀っおるんですか、冗談でも蚀わないでください」
    「君は、冗談が通じなくお぀たんない男だねヌ」
    「どっかから、かっぱらっお来たっお蚀う金なら、うちだけず、そうじゃ無い奎はわかんねヌんだよね。
     小杉君さぁ、ニ課の歊田っおいるじゃん」
    「山口さんの同期の」
    「そ、俺さあアむツ嫌いなんだよねヌ。アむツに手柄やりたく無いから、お前、その金貰っおくんない」
    「ナニ、無茶苊茶蚀っおるんですか、無理に決たっおるでしょ」
    「山口さん」
     ず蚀っお、杏奈が話に割っお入った。
    「はい なんでしょう」
     ず、山口が振り返った。
    「これっお、自銖になるんですよね」
     山口が、考えお
    「うヌん、どうかなぁ、あなた達が、通報しお来た蚳だし」
    「いいえ、私達通報なんおしおいないですよ。
     高橋さんの代わりに連絡したっお蚀うか、連絡を
     男の子達におねがいしただけですから」
     ず、杏奈が蚀った。

     山口が
    「たぁね、自銖の方が量刑は軜くなるかも知れないけど。あっ、これは裁刀所が決める事だから今のは、䟋え話ね。でも、あなた達、拘束しおたでしょ 倉な話、暎行で蚎えられたりするず、たぁたぁ面倒くさい話になりたすよ。」
     うんうん、ず聞きながら杏奈が答えた
    「あれは、同意の䞊で、みどりちゃん、あっこの子が、お願いしお、瞛る緎習させお貰ったんですよ。で、それを芋おいた他の二人が、自分達も瞛っお欲しいっお  そうですよね ふずし君」
     ふずしが、䞀瞬『えっ』ず蚀う顔をしたが、高橋が目の合図で促したので
    「そうです」
     ず、答えた。
    「他の二人も、そんな感じで良いの」
     その話を高橋ず咲倪が聞いお、頷いた。
     それを芋た山口が
    「じゃ皆さん、たたたた、そう蚀う趣味だったず蚀う事で䞀応、珟堎の裁量っお奎もあるので、そう蚀う颚に報告したすけどね。キチンず話を合わせおおいお䞋さいよ。話がバラバラだったりするず、こっちが、ずばっちり受けちゃうんでね」
     ず、山口が蚀い終わるず、杏奈が
    「あの、私は違いたすよ、念の為」
     ず蚀った。
     その堎に居た党員が、杏奈の方を向いた。

     今たでの経緯を、簡単に話すのに四〇分䜍かかった。
     誘拐の件も、杏奈があたり抵抗をしなかった件もあり、誘拐されたずいう䞻匵をしない限り、立蚌が難しいずいう話で、杏奈も、䞉人を犯眪人に仕立おたいず思っおいるわけではないし、生産性のないこずに自分たちの時間を割くのが嫌だずいう気持ちの方が勝っお、特に申し立おをする事はしなかった。
     高橋たちの再出発の障害になるものをなるべく少なくしようずいう気持ちが無意識に働き、埌は叞法に任せるこずにした。

     その間に応揎のパトカヌず土砂をどけるための重機が到着した。
     しばらくするず、高橋の車の土砂が陀かれお、杏奈の車も出られる様になった。

     数人の刑事が匕き続き別荘に残り
     高橋ず咲倪、ふずしずずもに、公園の駐車堎に向かう事になった。

     山口が、碧子ず杏奈に蚀った
    「申し蚳無いけど、もう少し付き合っおもらえるかなあ
     石の塚公園に䞀緒に行っお欲しいんだけど」
     ず蚀うず、
    「良いですよ、どうせ私達もいかないずならないので」
     ず、蚀うず
     荷物を敎理しお、杏奈の運転で、公園の駐車堎に向かった。


     救揎者の埅぀公園



     駐車堎に着くず、碧子の癜いハッチバックが止たっおいた。
     その隣りに、杏奈が車を止める。

     碧子が、杏奈の車から碧子が降りお、車を芗くず、䞭で昭盎が寝おいる。
     碧子が車のガラスを叩くず昭盎が飛び起きお
     ドアを開けお昭盎が降りおくる。
    「杏奈さん、無事だったんですね。碧子先茩も」
    「おはよう。無事だったんですねじゃ無いよ。お前、ココに䜕時頃に着いた」
     碧子が聞いた
    「倧䜓昚日の倜の䞀〇時半䜍かなぁ」
    「なんだただ、その頃なら私のスマホ、生きおたのに。昭盎、お前、『いた着きたした』くらい蚀えないのか」
     ず蚀うず、昭盎が慌おお蚀った
    「ちょっず埅っお䞋さいよヌ、『そっちから絶察連絡するな』っお蚀ったの碧子先茩ですよ」
     暪で杏奈が笑っおいる。
    「そんな事蚀ったかなぁ」
    「やめお䞋さいよ、絶察蚀いたしたよ」
     杏奈が暪から
    「みどりちゃん、たきな君が可哀想よ」
     ず蚀っお、昭盎に蚀った
    「たきな君、心配しおずんで来おくれたんですよね 心匷かったですよ。みどりちゃん、こんな颚に蚀っおいるけどちゃんず感謝しおるから蚱しおあげお䞋さいね」
     するず、碧子が、昭盎に蚀った。
    「たあ、その、わざわざココたで悪かったな。
     じゃあそのうち高玚しゃぶしゃぶでもご銳走するから、それで勘匁しおくれ」
    「碧子先茩ず二人っきりで」
    「むダ、アンコも䞀緒だ」
    「そうなんですか」
    「䜕で私ず二人で行きたがる 私に気でもあるのか」
     碧子ず杏奈が事件を目撃した時の事を、珟堎で二〇分䜍説明した。
     山口が、碧子達に蚀った
    「川厎のや぀、自分では殺しおないっお蚀っおたね。  たぁ、調べたら分かるから」
     ず蚀うず、杏奈が
    「川厎   誰ですか」
     ず聞くず、山口が
    「えっ、川厎  あのおじさんの名前」
     ず蚀った。
    「そうか、カワサキもあったかぁ」
     杏奈が䞀人で倧笑いしおいるが、碧子ず山口には、䜕がそんなに面癜いか分からずにキョトンずしおいた。

     碧子が山口に
    「マリコが調べれば、川厎が殺したかどうかは、わかっちゃうっおコトですね」
     ず蚀った。
     山口が、碧子の暪顔をチラリず芋お
    「あの人は京郜府譊の人だから出番が無いね」
     碧子が
    「そか」
     ず蚀っお笑った。
    「なんか、アむツに䞍利な蚌拠ずか䜜っお、殺人犯にしちゃう感じですか」
     碧子が皮肉っぜく蚀った
     杏奈が、それを聞いお
    「みどりちゃん」
     っず蚀っお睚んだ

     山口が、やれやれず蚀う顔で、答えた
    「ぶっちゃけ、うちも、れロずは蚀わないけど、神奈川さんみたいに、組織的に珟圹でやっおないし、そもそも、オレは、そうたでしお、手柄あげたいタむプじゃ無いんだよなあ、
     もうしばらくしたら、匕退しお、東京蟺りの探偵事務所に雇っお貰っお、いずれ独立する的なラむフプランがあるんだよ。
     蟞めるたではクリヌンにやっおいく぀もりだよ。
     よくドラマに出おくるだろ 刑事やめお探偵になるっお蚀うのアレ、かっこいいよね」
     するず杏奈がすかさず
    「アレ 刑事さん、みどりちゃん、あ、その子っお元探偵なんですよ」
     ず蚀った。

     山口が驚いた様に
    「ヘェ、そうなんだ、元っおこずは、今䜕やっおんの
     あヌ、ずか」
     碧子が笑いながら答えた
    「っお蚀うのが、オフィスレディっお蚀う事なら、正解
     今は、ハロヌワヌクの窓口。山口さんが譊察蟞めたら前の事務所の所長玹介したすよ。アレ 個人的に就職先を玹介したらクビかなぁ」
     ず蚀っお笑った。

     山口が
    「じゃ、その時はお願いに行くから」
     ず、蚀っお、片手を䞊げるず、高橋川厎たちが居る森の䞭ぞ向かった。
     碧子ず杏奈は事情聎取の為、譊察眲に行く事になった。
     山口が残り、小杉の先導で、その埌に杏奈が碧子を乗せた車、そしお昭盎が運転する碧子の車の順番で譊察眲に向かった。

     譊察眲に着いお碧子ず杏奈が事情聎取を受けた。
     別荘で話したこずも、公園で話したこずも、結局党おもう䞀床話すこずになった。

     小杉ず碧子ず杏奈の䞉人が譊察眲の建物から出おくるず、高橋、咲倪、ふずしを連れおパトカヌで譊察眲に戻っお来た山口が、制服の譊官に䞉人を匕き枡しおいるずころだった。

     それを芋た碧子が倧きな声で、䞉人に向かっお叫んだ
    「おヌい、もう悪いこずするなよ、埌、貧乳に貧乳っおいうのもやめずいた方が良いぞ」
     隣にいた、杏奈が碧子に回し蹎りした。
     碧子が、小さく
    「むテッ」
     ず蚀っお、子䟛の頭を撫ぜるように杏奈の頭を撫ぜた。
     杏奈は、ほっぺたを膚らたせお、䞍満そうに碧子を芋䞊げた。
     䞀瞬、咲倪ずふずしが碧子に䌚釈した様に芋えた。



     若き恩人たちずの再䌚



     碧子ず杏奈が、車のクヌラヌボックスから飲み物を取ろうず、車を、開けおいるず山口が、二人の、ずころぞ歩いお来た。
    「色々お疲れ様、倧倉だったねヌご苊劎様」
    「ああ、えっず山口さんお疲れ様」
    「これから垰るんじゃ倧倉だね  」
     山口の話を聞きながら、ふず芖線を移した
     ボヌむスカりトの制服を着た少幎䞉人ず昭盎が、楜しそうにパトカヌを芗いお、話しおいる。

     昭盎達の近くに居た譊官が四人に、声を掛けおこちらを指さすず、ボヌむスカりトの䞉人が駆け寄っお来た。
     山口が、䞉人に目を向けお、どうぞず蚀う仕草をしお 杏奈に、声を掛けた
    「ちょっず、君の車、芗いおいい」
     杏奈が
    「どうぞ、鍵が空いおるから、䞭もどうぞ」
     ず、蚀っお䞉人の方に向かった。

     少幎䞉人が碧子ず杏奈の前に、綺麗に敎列するず、右手の䞉本の指をキチンず揃えおこめかみに圓おお、敬瀌の姿勢をずった。

     杏奈が
    「オッ、なんかかっこいいねぇ」
     ず蚀っお、䞉人ず同じ様に敬瀌をした。
     杏奈は、こう蚀う時に、おちゃらけお、厩した敬瀌をする様な事はしない。敬意を蟌めおかかずをキチンず揃えた。
     碧子は、杏奈のそういうずころが奜きだった。
     そしお碧子も、杏奈に習っお敬瀌した。
     杏奈ず碧子が、腕を䞋ろすず、リヌダヌの田䞭が
    「なおれ」
     ず、指瀺を出し、䞉人も腕をおろした。
     䞉人が、それぞれ自分の名前を䌝えた。
    「田䞭です」
    「東尟です」
    「五反田です」
     田䞭は、杏奈を芋お、ちょっず顔が曇った。
     杏奈ず碧子もそれに応じる様に自己玹介した
    「私は杏奈です」
    「私は碧子」
     田䞭が、五反田に向かっお蚀った
    「サンタ、アレ」
     ず蚀うず、五反田が、オリヌブ色のリュックからタオルの包みを出しお、䞭から碧子のドロヌンを取り出しお差し出した。
     碧子が
    「あヌ、私のドロヌン。拟っおくれたの」
     五反田が
    「ハむ、川原にありたした」
     ず答えた
    「ありがずう、もう、戻っお来ないっお思っおた。  そか、ちゃんず着陞できたんだ。」
     ず、碧子が蚀うず、
    「みどりちゃんよかったね、」
     ず、碧子に蚀った埌、五反田に蚀った。
    「君は、手旗打っおた子 すごくわかりやすかったよ。」
     ず杏奈が蚀った。
    「いえ、お姉さんの  」
    「杏奈で良いですよ」
    「ハむ、杏奈さんの手旗もわかりやすかったです。あ、田䞭さんがすごく耒めおたした。すごく綺麗だっお」
    「田䞭君 どうもありがずう」
     杏奈が田䞭にお瀌を蚀うず田䞭は
    「あっむダ」
     ず無愛想に答えた。

     杏奈が、五反田に聞いた
    「えっず、五反田君 君はサンタ君っお蚀うの」
    「いえ、あだ名です。䞀二月二四日生たれなんです。」
     杏奈が笑顔で
    「なるほど、良いね゜レ」
     ず蚀った。
     それを聞いた碧子が感心しながら
    「ふヌん、なかなかセンスの良いネヌミング。サンちゃんか」
     杏奈が、䞉人に向かっお蚀った。
    「君たちのお陰で、本圓に助かりたした。ありがずう。」
     東尟が
    「初めのうち、むタズラじゃ無いかっお思っおたんですけど、本圓だったんですね。圹にたおお、良かったです。」
     ず碧子達に蚀った埌、田䞭の方を向いお
    「ね、田䞭さん」
     ず蚀う、田䞭が
    「あ、うん」
     ず蚀うず、五反田を埌ろに匕っ匵っおいき小声でで囁いた。
    「䜕だよ、これ新手の詐欺か」
     五反田が
    「新手もク゜も無いですよ。自分が勝手に詐欺られただけじゃ無いですか。  僕は、䞡方ずも、党然行けたすよ」
     ず、答えた
    「そりゃお前はな」
     ず蚀うず
    「俺、ちょっず、トむレ借りお来たす」
     ず蚀っお、譊察眲の建物に向かった。

     杏奈が田䞭の埌ろ姿を芋お
    「田䞭君、なんか疲れおいるみたい。倉な事に巻き蟌んじゃったから怒っちゃったかなぁ」
     ず蚀うず
     五反田ちょっずニダ぀きながら杏奈に
    「倧䞈倫だず思いたすよ。別に怒っおいる蚳では無いです。」
     東尟が続けお蚀った
    「ちょっず、病気なんです。」
     杏奈がびっくりしおる聞き返した
    「えっ、倧䞈倫なの 悪い病気」
     杏奈が心配そうな顔で、田䞭の背䞭を芋送った。
    「悪いか、悪く無いかで蚀うずかなり悪いですね、䞍治の病なんで」
     ず東尟が、田䞭を芋ながら無衚情に答えた

     杏奈が
    「そんな颚に芋えないのに  」
     ず、蚀うず
    「死にゃしないので、気にしないで䞋さい」
     ず東尟が答えた。

     その暪で五反田が碧子に耳打ちしおいる。
     碧子が、話を聞き終わっお倧笑いしおいるず、杏奈が䞍思議そうな顔で
    「なに」
     ず聞いた、碧子が、杏奈の肩を抱いお
    「むダ、アンコが少幎の倢をひず぀朰したっお事」
     五反田が、それを聞いお
    「じゃ、぀ぶしあんですね」
     ず蚀うず、碧子が、五反田の肩を手のひらで叩きながら
    「あははは、サンちゃん、君、面癜いなぁ、䞊手い事蚀うねヌ」
     ず蚀っお倧喜びしおいる。
     杏奈は蚳が分からずキョトンずするだけだった。

     䞀床、建物に入っお行った山口が、小杉ず共に碧子達のずころに戻っお来た。
     ボヌむスカりトの䞉人も、山口ず小杉に挚拶をした。

     山口が碧子ず杏奈に蚀った
    「お疲れ様、コレ、小杉がお借りしたマむクロ。コピヌする時、ちょっず芋せおもらったけど、すごく綺麗だねヌ。俺も教えお貰おうかな。
     じゃ、たた、連絡するこずがあるかもしれないので、よろしく。お疲れ様」
    「安党運転で気を぀けお垰っお䞋さい。
     今日はゆっくり䌑んでくださいね」
     ず小杉が蚀った。
    「さお、無事解決しそうだし、我々も、戻っお鰻重の出前でも取るか。さっきの珟堎の連䞭にも䌝えおくれ、今日は俺のおごりだから」
     山口が、小杉に蚀うず碧子ず杏奈に
    「君たちも、どっかで矎味しい物でも豪勢に食べるず良いよ。」
     ず蚀っおりむンクしお、建物地に戻った。
    「山口さん、鰻重っお、マゞで蚀っおたすか 頭ずか倧䞈倫ですか」
     山口の埌ろを远いかけながら、小杉が聞いおいる。
    「刑事っお、そんなに絊料良いのかなあ」
     ず、碧子が杏奈に聞いた。
    「さぁ、分からないけど。私達も、どこかで晩埡飯食べお垰りたしょ」
     碧子が、昭盎に蚀った。
    「昭盎、私はアンコの車で䞀緒に垰るから、悪いけど、その䞉人を、近くの駅たで送っおあげおくれない お前、戻っお来るたで、アンコの家で埅っおるから。その埌ちゃんず送っおやるよ」
     ず蚀っお、少幎達に
    「君たち、本圓にありがずうすごく助かったよ
     今床、ちゃんずお瀌するからね」
     五反田が
    「いいえ、お瀌なんお。」
     ず蚀っお手を暪に振った。
     碧子ず、杏奈が車を出すず。
     䞉人は、たた敬瀌の姿勢で、二人を芋送った。
     バックミラヌでその姿を芋ながら、碧子ず杏奈が窓から手を振った。
     䞉人も敬瀌の姿勢を解いお手を振った。


     昭盎ず䞉人の少幎



     昭盎ず、䞉人が、碧子の車で駅に向かっおいる。

     昭盎が、䞉人の少幎に
    「なんだ、ほが、お隣りじゃない。䞀緒に垰ろうよ。どっか途䞭のファミレスで、晩埡飯ご銳走するから」
     ず蚀うず、
    「むダ、お隣っお蚀っおも、こっちは政什指定郜垂だし、神奈䞭が通っおるっおだけで芪近感持たれおもなあ、垂長も、友達ヅラするなっお怒っおるよ。」
     ず東尟が蚀った。
    「あ、そう蚀うの感じ悪いよ」
     ず昭盎が答えた
    「電車のほうが早いんで電車で垰りたす。匁圓買っお電車で食べるんで」
     ず、田䞭がいった。
    「そんな事蚀わずに、これも、䜕かの瞁だしさあ僕ず䞀緒に垰ろうよ、そうだ䞀人䞀人自宅たで送るから。」
    「いや、ぶっちゃけ、おっさんず四人っおき぀いよな」
     ず、田䞭
    「君、口が悪いなあ」
     昭盎が䞍満そうに田䞭に答えた
    「倧䜓、芪切ごかしに、人の家の堎所ずか、知られたくないですよね田䞭さん」
     ず、東尟
    「君は性栌が悪いな」
     昭盎はなんでそんなに拒吊されるのか、䞍満に思いながら答えた
    「だから、電車の䞭で匁圓を食べる話をしたのか」
     ず、五反田
    「君は勘が悪いな」
     ず昭盎が五反田に぀ぶやいた。

     駅に着くず、䞉人は、昭盎に深々ず頭を䞋げたあずに、車が芋えなくなるたで手を振っお芋送った。


     杏奈ず碧子の垰路 正矩ず倫理のロゞック


    「アンコ、運転倧䞈倫」
    「うん、倧䞈倫」
    「むダヌ、なんかただ、本圓にあった話なのか、倢芋おる感じ」
     碧子が蚀うず杏奈が返事をした。
    「そうだねヌ、珟実味がない話だよね
     ずころで、あの背が高い子が拟っおくれたドロヌン、倧䞈倫だった」
    「うん、倚分。着陞の時に、ぶ぀かったんだず思うけど、プロペラが䞀枚欠けおただけ。
     スペアあるし、簡単に替えられる。
     埌は傷も、汚れも無いから、倚分倧䞈倫」
    「よかったねヌ」
    「あの子、えっずサンちゃん。やっぱ、ちょっず良いよね。タむプだわヌ」
    「みどりちゃん的にはでしょ」
    「えヌ、アンコはそう思わなかった」
    「だっお、䞭孊生ずかだよ」
    「だから䜕」
     杏奈が、呆れお、碧子の方をチラリず芋た、
    「でも、䞉人ずもちゃんずしおたし可愛かったね。」
     助手垭で暗芖スコヌプを眺めながら、碧子が蚀った。
    「コレ、すごいね、凄く圹に立った」
    「私も、こんなにすぐに圹に立぀ずは思っおなかったよ」
    「グロヌブボックスに入れおおけば良い」
     ず蚀いながら、碧子が助手垭のグロヌブボックスを、開けた。
    「はぁ ナニこれ」
     ず碧子が声を䞊げた。
    「みどりちゃん どうしたの」
     杏奈が、心配そうに、碧子に声を掛けた。
    「アンコ、前を芋ながら萜ち着いお聞いお」
    「うん、分かった」
     杏奈が返事をした。
    「ここに、昚日は無かったはずの、かなりの珟金が有りたす」
     えっ ず蚀う顔で、杏奈が碧子の方を向いた
    「だから、前を向いお」
     ず、碧子が蚀った。
    「ごめんなさい、で、かなりっおどの䜍」
     ず杏奈が碧子に聞くず杏奈が、
    「うヌん、䞀〇〇䞇円は有りたせん。  でも」
    「でも」
    「数十䞇円有りたす。でもさぁ、アンコ、蚀っお良いかな」
    「ナニ」
    「なんか、あの珟金の束を芋た埌だず、倧した金額に芋えないよ。」
    「あ、それ、蚀っちゃダメな奎だから、早くリセットしおね。」
    「うん。」

     杏奈の回想



     山口が杏奈に蚀った蚀葉を思い出した
    「ちょっず、君の車、芗いおいい」

     碧子の回想


    「さお、無事解決しそうだし、我々も、戻っお鰻重の出前でも取るか。さっきの珟堎の連䞭にも䌝えおくれ、今日は俺のおごりだから」

     碧子ず杏奈の回想


       いずれ独立する的なラむフプランがあるんだよ。蟞めるたではクリヌンにやっおいく぀もりだよ。
    「君たちも、どっかで矎味しい物でも豪勢に食べるず良いよ。」
       
    「アむツ、  やったね、どの口が『蟞めるたではクリヌンにやっおいく぀もりだよ』なんお蚀えるんだ 党く」
     ず、碧子が蚀うず、杏奈が頷いお蚀った。
    「コレ、䜕気に共犯にされおる感じ」
    「あヌ、そう蚀う事か  」
    「返しに行く」
    「うヌん」
     碧子が䞀瞬䞊を向いお蚀った。
    「杏奈さん、ちょっず想像しおみお䞋さい。」
    「ハむ」
    「お金を持っお山口さんの所ぞ、行きたすぅ、それで、お金を返したすぅ、さお、その時山口さんはなんず蚀うでしょう ハむ、どうぞ」
    「うヌん、『いや 䜕かの間違いじゃ無い 俺は知らないよ。劖粟さんかな』っお、こんな感じかな」
     碧子が、杏奈の方を向いお蚀った
    「たぁ、劖粟さんが出お来るか、分からないけど、取り敢えず、ずがけるよね」
    「ずがけおも始たらなくない ほが明癜だし。   でも、譊察に届けおも、事情説明する蚳にも行かないし」
     碧子が、苊々しく
    「卑怯だなぁ、なんか、自分だけ眪悪感感じるの嫌だからっお、鰻重を奢っおカッコ぀けるためだけに巻き蟌みやがっおヌ」
     ず蚀っお、唇を噛んだ。

     しばらく、車内に沈黙が続いた。
     杏奈の脳裏に高橋の蚀ったあの蚀葉が蘇った
    『君たちが、正矩の味方だず蚀うのは良く分かった、だが、たずえ正矩の味方でも少しぐらい欲はあるだろう。』
     杏奈が口を開いた
    「このお金䜿ったりするず、あの川厎ずか蚀う人に負けた気がするよね」
     するず、碧子が
    「あの人に、返す」
    「どうやっお それに、あの人は山口さん以䞊にずがけるよ」
     ず杏奈が答えるず、碧子が
    「そか」
     ず、答えた埌に
    「どっかに寄付する」
     ず蚀った。

     杏奈が
    「うヌん、愛は地球を救うかどうかわかんない奎」
     ず聞くず
    「それは、スロットの軍資金に消えるだけだね」
     ず、碧子が蚀った。
    「そうだよね」
     ず杏奈が頷いた。
    「あのさアンコ䞀぀の提案ずしお聞いお欲しいんだけど」
    「うん」
    「珟金山分けっお蚀うのはいかにもアレだから、䜿っちゃうっおのはどう ドン匕きした」
    「別に、匕かないよ。その䜍考えるのは普通だず思うよ、倫理芳ずかそう蚀う面倒な事を暪に眮いおおけば、䞞く収たるし、それに、たずえ正矩の味方でも少しぐらい欲はあるからね」
    「  じゃあ䞉方䞀䞡損的な」
     ず碧子が蚀うず、杏奈が銖を傟げお
    「それ、合っおるのかなあ ちょっず違くない」
    「よく分からない」
     ず、碧子が、笑っお答えた
    「党郚食べちゃう」
     ず、杏奈が聞くず、碧子は、倧量のお札を、運転しおいる杏奈の目の前に差し出しお
    「こんなに食べられる」
     ず聞いた。
    「えヌ、そんなにあるの」
    「うん、もっず少ないず思った」
    「そだね、鰻重䞀〇人前䜍を、想像しおたから」
    「新しいドロヌン欲しいんだけど、」
    「高いの」
    「コレだけあれば䜙裕。アンコ䜕か欲しいものあるでしょ」
    「パ゜コンのモニタヌを新しくしたいかな」
     ず、杏奈が蚀うず
    「結構するダツ」
     ず碧子が聞く
    「ピンキリだけど、私が欲しいのは、せいぜい䞉䞇円ちょっず」
     碧子が
    「バランス悪いなあ、もっず欲しいもの無いの」
     ず聞くず
    「あるよ、私に欲しいもの聞いたら、そんなんじゃ党然足りないよ」
    「そりゃそうだった」
     ず碧子が蚀っお二人で笑った
    「みどりちゃん、䞀぀お願いがあるんだけど。」
    「うん、なぁに」
    「代わりに、みどりちゃんのそのドロヌン、私に譲っおくれない」
    「良いけど、アンコ、それなら䞀緒に新しいの買おうよ、䜙裕で買えるし、新しいダツ性胜もすごく良いよ」
    「どうしおも、゜レが良いの。なんか、私たちのピンチを、救っおくれたヒヌロヌみたいな感じ」
    「アンコが、それで良いっお蚀うなら」
    「ほんず みどりちゃんが倧切にしおたから、私も倧事に䜿うよ」
    「そか、アンコがそんなに蚀うなら」
    「返せっお蚀っおも、絶察に返さないよ」
     ず杏奈が蚀うず
    「私はね、アンコ、䞀床、人に譲ったモノを、埌から返せっお蚀うようなケチな女じゃ無いんですよ。  それでも、それじゃ、だいぶ䜙りそうだね。ああ、あの少幎隊に少し還元しよう。」
     それを聞いた杏奈が、昚日のタノキン、少幎隊にしおおけばよかったず思ったが、口に出すのはやめおおいた。
    「個人的だず、絶察に受け取らないず思うし、珟金っお蚳には行かないだろうから、感謝状がわりに、圌らの隊だか団だかに䜕か寄付しよう。アンコも、もっず䜕か考えようよ」
     ず、蚀うず、すかさず
    「それより、たず、みどりちゃんのスマホが先だよ」
     ず、杏奈が蚀った。
    「あヌ、本圓だ、優先順䜍䞀番だった」
     ず蚀っお、顔を芋合わせた。

      数日埌、河川敷日垞の再始動



     碧子、杏奈、杏奈の䞡芪が、快晎の空の䞋、バヌベキュヌの準備をしおいる。

     碧子が杏奈に
    「ボヌむスカりトの隊に、事情を話しおタヌプず携垯甚の折りたたみの匏の小さな焚き火台を五個ず぀持っお行ったんだけど『りチの隊は、小さいので』っお蚀っお二セットしか受け取っお貰えなかったよ。それで、匕き取り先の隊を、探しおもらっお、埌二぀ず぀行先が決たったんだけど」
    「だけど」
    「ワンセット䜙ったんで、さっき杏パパに枡しお立おおもらいたした。あそこに立っおいるダツです」
     ず蚀っお、腕を䌞ばしお杏奈の父芪の偎に立っおいるタヌプを指した。
     杏奈が
    「どうも芋た事ないのがあるなヌっお思った」
     ず蚀っお、玍埗した。

     そこに、田䞭、東尟、五反田を乗せた、昭盎の車がやっお来た。
     四人が車から、荷物を䞋ろしお運んでくる。
     その様子を芋お、杏奈が碧子に耳打ちした
    「なんか、あの䞉人、たきな君に懐いおいるみたいに芋えるね」
     するず、碧子が
    「そうかなぁ、私には、昭盎があの䞉人に仲良くしおもらっおいるようにしか芋えないよ」
     それを聞いお杏奈が、昭盎に叫んだ。
    「たきな君、お友達が出来お良かったね」
     それに応えるように昭盎が笑顔で手を振った、
    みどりちゃんの蚀う通りみたい
     ず杏奈は思った。

     杏奈の父芪が、昭盎達四人をみ぀けお、バヌベキュヌの準備の手を止めお、近寄った。
    「やあ、ガミくん、お疲れ様」
     ず蚀っお、䞭孊生䞉人組を向いお蚀った
    「君達のお陰で杏奈ず碧子ちゃんが、無事に戻れたみたいで、本圓にありがずう。あの二人も凄く感謝しおいるよ」
     するず、田䞭が
    「いいえ、たたたた通りかかっお、譊察を呌んだだけで、僕たちは䜕もしおいないです。」
     杏奈の父芪が
    「なるほど、杏奈から聞いた通り、本圓にしっかりしおいるんだね。杏奈が蚀っおいたよ、たたたた通りかかったのが、君達じゃなくお他の人だったら、どうにもならなかったっお。今日は、沢山食べおね。」
    「今日は、呌んで頂いおありがずうございたす」
     ず東尟が蚀っお、䞉人は、頭を䞋げた。


     昭盎ず䞭孊生䞉人組が、バヌベキュヌスペヌスの䞀角に四人で集たっお話をしおいる。
    「やっぱりクラスの矎少女をナむフで滅倚刺しにする劄想ずかするの」
     昭盎にそう聞かれお東尟が
    「ああ、䞭二がみんな䞭二病だず思わないでね。そう蚀うステレオタむプっおよく無いよね」
     暪で聞いおいた五反田が
    「東尟さん、ステレオタむプっおなんですか」
     ず、聞いた。
    「固定芳念みたいな感じかな」
     ピンず来ない五反田が
    「簡単に蚀うず」
     ず、聞き返した。

     田䞭が
    「぀たり、センタヌ分けロングのセヌラヌ服女子が、みんなからかい䞊手ずは限らないっお事」
     東尟が頷くず五反田が、
    「なるほど」
     ず蚀っお玍埗した。

     少し離れたずころから、四人を芋おいた碧子が叫んだ。
    「昭盎 䜕で、そこでコ゜コ゜男四人で話しおるんだ 気持ち悪いぞ」
     ず碧子が蚀うず、五反田が立っお
    「僕が行きたすね」
     ず蚀っお、碧子ず杏奈のずころにはしった。

     田䞭が
    「たぁ、アむツしか無いな」
     ず、蚀った。

     東尟が
    「おじさん、あの倧きい方のお姉さんに呌び捚おにされおんの」
     それを聞いお、昭盎が蚀った。
    「ガッシ君、二぀気になるこずがあるけど、そっち先に聞いお良い」
     東尟が『ん』ず蚀う顔で、昭盎の方を向いた。
    「たず、䞀぀目、䜕で、碧子先茩は、お姉さんで、僕の事はおじさんなの」
     ず蚀うず、東尟が、びっくりしたように
    「あのお姉さん、おじさんより幎䞊なの」
    「あっちが先茩だからねえ、僕の方が幎䞋だよ」
     それを聞いおいた田䞭が
    「マゞか  」
     ず蚀っお、碧子ず杏奈、五反田の方を芋た。

     東尟が
    「女の人は、䜕歳だろうず、お姉さんっお呌んでおけば、䞖の䞭スムヌズに行くっお芚えおおいた方が良いよ倧人ならね」
    「じゃあ、僕はお兄さんじゃない」
     ず、昭盎が蚀うず
     東尟が
    「それは無理でしょ」
     ず蚀っお、田䞭の方を向いた
     田䞭が
    「うん、無理だな」
     ず、蚀っお昭盎を芋た。

     昭盎が、東尟を芋お
    「もう䞀぀あるんだけど、君は、他の人に察しお、すごく瀌儀正しいんだけど、䜕で僕だけタメ口なの」
     東尟が、遠くを芋ながら
    「うヌん、それは  䜕でなんだろうなあ」
     ず、意味深に蚀った。

     昭盎が
    「えヌ」
     ず叫んだ。

     東尟が
    「䜕で、あのお姉さんに呌び捚おにされおるかわかったけど、おじさん、ガミ君ずか、たきな君っお呌ばれおるけど、本圓はなんお蚀う名前なの」
    「ああ、申し遅れたした。僕はむノガミ昭盎です」
     ず、蚀うず、田䞭が聞いた
    「むノガミっおどういう字を曞くんですか」
     昭盎が
    「井戞の井、カタカナのノ、うえしたの䞊でむノガミです」
     ず定型文になっおいる自己玹介をした。田䞭が
    「ああ、それで、たきな君っお呌ばれおるんだ」
     東尟が
    「なるほどね」
     ず蚀った

     昭盎が
    「䜕がなるほどなの 党然意味が分からないんだけど」
     ず蚀うず、東尟が
    「おじさん、ググるっお蚀葉聞いたこずある」
     ず、蚀った。


     五反田が、碧子に蚀った
    「碧子さんっお、杏奈さんから、みどりちゃんっお呌ばれおいるんですね。僕も碧子さんの事みどりさんっお呌んでも良いですか」
    「うん、苊しゅうないよ。なんなら、ちゃん付けでもいいよ」
     杏奈が、五反田に聞いた
    「サンタ君、田䞭君、元気になったね、さっきから誰かずラむンばっかしおるけど。」
     五反田が、碧子ず杏奈に
    「田䞭さんの孊校っお、小䞭高䞀貫じゃ無いですか」
     ず蚀うず、碧子が
    「そうなの」
     ず、聞き返した。
    「ハむ、でも初等郚っお校庭が狭いので、運動䌚は、䞭等郚のグラりンド䜿うらしいんですよ。」
     するず碧子が、遮る様に蚀った
    「サンちゃん、もう、党郚分かったから、そこたでで良いよ。田䞭君の性癖も、ちょっずアレだな」
    それ、みどりちゃんが蚀う
     ず、杏奈は心の䞭で呟いた。
    「あっハむ、でもひず぀だけ蚀わせお䞋さい。今床は四幎生です。アレ   今床はっお蚀う蚀い方違いたすか みどりさん」
    「たぁ、䜕が蚀いたいかは、分かるから倧䞈倫」
    「サンタ君、私には、䜕が蚀いたいか分からないよ」
     ず杏奈が蚀うず五反田が
    「たっ、そうですよね」
     ず蚀っお笑った。
     碧子も、同調するように
    「たっ、そうだね」
     ず蚀っお笑った。
    「倧䜓、䜕で二人で私の䞊でお話しおるの」
     杏奈を真ん䞭に挟んで、杏奈の頭䞊で話しおいる二人を芋䞊げおほっぺたを膚らたした。

    「川厎っお、小さいけど、投資䌚瀟やっおお、結構儲かっおいたみたいだよ。
     脱皎っお蚀っおも、それ皋じゃないんだっお。たあ、そっちはいずれにしおも懲圹だろうなっお蚀っおいたよ。ああ、それで、颚の噂で聞いたんだけど、あの若い二人の匁護士費甚も出しおるらしい」
     ず碧子が蚀った
    「ふヌん、良い悪人だったんだね。」
     ず、杏奈が返した。
    「良い悪人っお蚀うのがいるかどうか分からないけど、たぁちょっずは可哀想な感じだったねヌ。  ただ、はっきりしたこずがわかった蚳じゃ無いけど、あの埋められた女、元留孊生の䞍法滞圚者で、男をホテルに誘っお、男がシャワヌ济びおる間に、金品を盗むっお、あのあたりじゃ゜コ゜コ有名だったらしいよ。」
     ず、碧子が蚀った。
    「そんな、ベタな手口に、いただに匕っかかる男がいるんだねえ」
     ず杏奈が蚀った。

     碧子が
    「た、いるんだよ。でね、薬物䞭毒らしくお、たぁ、それが原因の心臓麻痺じゃないかっお蚀われおる。  高橋は、䜕も良い思いしないで、気の毒ではある、」
    「さすがはみどりちゃんの情報網だね
     そうそう、埋められちゃったその女の人、アレ さっきからこんな話、サンタ君の前でしお倧䞈倫なダツかなぁ」
     ず蚀っお、杏奈が碧子を芋た。
    「この間の奎ですよね、魔理沙ず霊倢の解説的なの芋たした」
     ず、五反田が蚀った。

     碧子が杏奈に
    「今曎、䜕を遠慮するの 今時の䞭孊生は、アンコより擊れおるから倧䞈倫だよ。倧䜓この幎代の男の子は、゚ッチな事考えおる時以倖は、倧抵スケベな事しか考えおないんだから。」
     ず、蚀った。

     五反田が、
    「ネット時代の恩恵っおや぀ですか」
     ず蚀うずすかさず碧子が
    「うヌん、蚀うほど恩恵か それに関しおは害しかなさそうだね」
     ず蚀っお笑った。
    「た、いっか、埋められた女の子、むンスタの写真、芋ぃ぀けちゃった。」
     ず蚀っお、杏奈が、スマホを取り出した。
     杏奈の䞡偎から、二人が芗き蟌む。

     碧子が䞀目芋お
    「うわ、こりゃ矎人だ、川厎じゃ無くおもフラフラっおしちゃうね、ナンなら私も行けるね」
     杏奈が蚀うず
    「みどりちゃん、サンタ君の前で䜕蚀っおるの」
     ず、碧子を、睚んだ
    「ああ、こりゃたたらんですね。えっず、アリ寄りのアリっおいう奎。みどりさんっお䞡方いける感じですか」
     ず、五反田が蚀った。

     杏奈が、眉間にシワを寄せお、五反田を芋た
    「サンタ君、キミ去幎たで、小孊生だよね 留幎ずかした」
    「珟圹です。」
     ず、五反田が答えた。
    「た、䞡方いけるっちゃ䞡方いけるね、アンコにもアプロヌチ䞭だし」
    「みどりちゃん、この倧倉お䞊品な話ただ続く」
     ず杏奈が蚀った。
    「留孊生かあ、  突然ですけど䞉人ずかっおどんな感じなんですかね」
     ず、五反田が碧子に聞いお、空を芋䞊げた。

     碧子が
    「うヌん  サンちゃんっおそういうの興味あるの」
     ず蚀っお、碧子も空を芋䞊げおいる、

     杏奈がたたらず、
    「䜕が䞉人なの」
     ず、声をあげた。

     するず碧子ず、五反田が同時に杏奈の顔を振り返っお、杏奈を芋ながら
    「うヌん  」
     ず口を揃えお蚀った。

     杏奈に悪寒が走った。
    うん、コむツら頭おかしいず、思いながら。
    「二人ずも、なんか、そっくり あなた達、生き別れの姉ず匟っお事ない」
     ず蚀った。
    「アンコ、アンコらしくない、ハヌドな蚭定出しお来たね」
     ず、碧子が嬉しそうに蚀うず、それに応えるように五反田が
    「そう蚀うのも、たぎりたすね」
     ず碧子の方をみた。

     杏奈が
    「サンタ君、みどりちゃんの事、のし付けおサンタ君に譲るね」
     ず蚀いながら、碧子を䞡手で五反田の方に抌した。

     碧子が
    「サンちゃん、アンコにフラれた。私の事、貰っおくれる」
     ず蚀っお五反田に抱き぀いた。
    「ハむ、喜んで」
     笑いながら五反田が答えた。

    「いくら、みどりちゃんでも私は躊躇なく通報するからね」
     ず、蚀い残しお杏奈が昭盎達のずころに走っお行った。
    「たきな君、私、あのド倉態おねショタカップル無理」
     ず蚀っお昭盎ず田䞭、東尟の所に走った。

     東尟が
    「サンタは本圓に幎䞊奜きだな」
     ず蚀った。

     昭盎は
    「碧子先茩は、本圓に若い男の子奜きだな」
     ず、蚀った。

     スマホをいじりながら、田䞭がボ゜ッず呟いた
    「俺は無理だから」
     碧子のスマホも、新しくなり、新しいドロヌンも手に入れた。杏奈は、パ゜コン甚のモニタヌずカメラのレンズを手に入れた。
     それでも、かなりの金額が残ったが、䞀箇所に䞀床に寄附するず目立ちそうな気がしお、あちこちで、少しず぀、寄付や募金をした。

     碧子ず杏奈が買い物に出かけおいる。
    「ねぇ、䟋のお金っおあずいくら」
     杏奈が聞くず、碧子が宙を芋぀めおちょっず考えおから答えた
    「そうだなぁ、二〇〇〇円匱っおずこ」
    「ふうん結構枛ったけど倧倉だったねヌ。
       あそこで宝くじ売っおるよ
     なんか、テレビでよく、収益金は瀟䌚に圹だおおいる的な流れおるよ」
    「うヌん、宝くじねぇ」
     杏奈が、碧子の手を匕っ匵っお宝くじ売り堎に向かいながら碧子の顔を芋䞊げお蚀った
    「そうしよ『圓たらなければどうず蚀うこずはない』っお良く蚀うじゃん」
    「蚀うほど良く蚀うか」
     杏奈に手を匕かれながら、碧子が答えた。

       数週間埌 杏奈の郚屋 碧子ず杏奈

     六等分に切った、リンゎを皿に乗せお、碧子が埅っおいる自分の郚屋に杏奈がに入っおゆく。
     リンゎは、芯だけが取り陀かれお、皮は剥いおいない。
     それがい぀もの杏奈流だ
     䞭では碧子が、䜎いテヌブルの前に座っおいる。
     自分の机でノヌトパ゜コンを芗き蟌む杏奈
     手には先日買った宝くじ
    「アンコ、別にそれ芋なくお良いじゃん」
    「たぁ、そりゃ、そうだけど、圓たっおいない事の確認だよ」
     しばらくするず、杏奈が碧子の方を芋぀めお、神劙な顔で蚀った
    「ねぇみどりちゃん、良くさぁ、宝くじが圓たったばかりにトラブルになるっお話あるでしょ 私たちは倧䞈倫だよね」
     碧子がえヌっず蚀う顔をした埌に苊い顔をしお杏奈を芋る
    「なに 脅かさないで、いくら圓たった」
    「ゞャヌン、千円圓たりたした」
     むタズラっぜく杏奈が蚀うず
     ほっずした顔で碧子が蚀った
    「杏ちゃんにあげるから、ガチャガチャしおおいで」
     杏奈がパ゜コンを閉じお、リンゎの皿を持っお、碧子の隣にチョコンず座った。
    「アンコ  」
     ず蚀っお碧子が杏奈を芋぀めた
     杏奈が、碧子の方を向いた。
     座高差があるので、杏奈が少し芋䞊げるように芋぀め合った、
     先に目を閉じたのは杏奈だ。
     碧子も目を閉じお杏奈の顔にゆっくりず近づいた。

     ず、碧子の唇に、皮を剥いおいないリンゎが觊れた。
     碧子が、目を開けるず、倧笑いしながら杏奈が蚀った。
    「サンタ君にみどりちゃん譲っちゃたからなぁ。
     私はね、みどりちゃん、䞀床人に譲ったモノを、埌から返せっお蚀うようなケチな女じゃ無いんですよ。」
    「なんか、どっかで聞いたね゜レ」
     ず、蚀うず、杏奈が持っおいるりんごにかぶり぀いた。

     䜕事もなかった様に、碧子ず杏奈の日垞が流れお行く、碧子ず、杏奈を取り囲むそれぞれも、たた、それぞれの日垞に身を任せお、それぞれの時間が流れおいく。

     ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ヌ

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