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『最悪の選択肢』

    あらすじ

    わたしには誰にも言えない秘密がある。人に言っても信じてもらえない、奇跡の能力。ささやかながらも、わたしを幸せにしてくれる力。
    『選択をやり直せる』、たったそれだけでも、人生はこんなに豊かになる。
     これさえあれば、わたしは何にも迷わない。
     これさえあれば、わたしは間違わない。
    これさえあれば、わたしは失敗しない。
    これさえあれば……。


    「人生とは選択の連続である」これは誰の名言だったか。ソクラテスかプラトンか。いや、もしかしたらこんな名言は誰も残していないかもしれない。ただ、たしかに、人生とは選択で成り立っていると言えるだろう。朝ごはんはパンにするのか、それともご飯にするのか。ズボンにするか、スカートにするか。こんな些細なことから、大学入試や、就職試験、持ち家か賃貸か、マイホームは一軒家かマンションか。一生に関わる一大決心を要するものまで、ありとあらゆることをわたし達は常に選択している。
    「あっちを選んでおけばよかった」と後悔することも多々あるだろう。でも果たして、選ばなかった道は、幸福へと続くものだったのだろうか?最悪だと思った選択の、その反対は、必ずしも最良とは限らないのかもしれない。

    1

     向かいに座るリサは、もう二分以上メニューとにらめっこしている。ランチのAセットにするかBセットにするか。まるでこの選択次第で自分の運命が決まると思っているのではないか、と勘繰ってしまうほど真剣にどっちにするか悩んでいるのだ。
    「リサは昔から優柔不断だからな」
    Aセットにする、と早々に決めたわたしは、そんなリサを見て思った。小学校以来の幼馴染であり、親友であるリサは、いつも何かを決める時に、慎重になり過ぎてかなりの時間をかける。「石橋を叩いて渡る」と言うことわざがぴったりな性格だ。何なら「石橋を叩き過ぎて渡れなくなる」というレベルと言ってもいいかもしれない。
     ただ、わたしにはリサの気持ちが痛い程よく分かる。なんせ自分もついこないだまで、リサと同じく優柔不断で、何を決めるのにも時間を掛け過ぎていたから。親や友人達に「いい加減に決めなよ」と呆れられることも、しょっちゅうあった。
    そう、一ヶ月前までは。

     きっかけは今日と同じようなシチュエーションだった。あの日もリサと一緒に、街で見かけた洋食屋さんに入ったのだ。わたし達は二人とも、優柔不断で、メニューを決めるのにも苦労する癖に、新しいお店を開拓するのが趣味で、洋食屋に定食屋、カフェ、パン屋さんと二人で色んな店を見つけては入っていた。その日も散々悩んだ挙句、わたしはAセット、リサはBセットを選んだ。ところが、運ばれてきた料理を見て、わたしは一瞬で後悔した。明らかにBセットの方がおいしそうだったのだ。
    Aセットはエビフライとクリームコロッケ、Bセットはハンバーグだったのだが、Aセットのエビフライもコロッケも衣がびちゃびちゃ。味はそれほど悪くはなかったが「衣はサクサクであればあるほど至高である」を信条にしているわたしとしては、ギリギリ及第点というところだ。これだけなら問題はなかった。「この店は衣がちょっとね。フライ系はやめといた方がいいかも」という程度のことだが、そんなわたしのAセットとは対照的に、Bセットは相当「当たり」だったようなのだ。一口目を食べた瞬間、リサは身振り手振りを交えて「美味しい!」と笑顔になり、それからも美味しいを連呼。「今までで一番おいしいハンバーグかも」と最高の褒め言葉で評価した。
     リサとわたしの味の好みはよく似ている。わたしが美味しいと思うものは、リサも美味しいと言うし、わたしがあまりおいしくないと思うものは、リサも「いまいちだね」と言う。相手と自分の好みが同じだと知っているからこそ、遠慮なく「おいしい」「まずい」と言えるのかもしれない。「まずい!」と言って、もし相手がそれを美味しいと思っていたら、かなり気まずいが、リサとわたしの間ではその心配は不要だ。
     そんなリサが「今までで一番おいしい」と評価している。どれほど美味しいのだろう。なぜわたしはAセットにしてしまったんだ。今日は絶対にBセットにすべきだった。後悔の念が頭の中を駆け巡った。今から思えばかなり下らない後悔だ。
    「いいなぁ、わたしもBセットにしたらよかった」そう言いながら、ハンバーグの味を想像し、店の天井を見上げた瞬間、視界がぐるりと回った。「あれ?貧血?」体が浮き上がるような感覚に戸惑った。「ヤバい、気持ち悪い」眩暈が早く治まるように、わたしはぐっと目を瞑った。しばらくすると浮遊感は治まり始めた。「よかった、大したことなくて…」ゆっくりと目を開けると、目の前のリサが不思議なことを言った。
    「ねぇ、沙織はもう決めた?」
     何を決めるのだろう?と思いながら、わたしはおかしなことに気が付いた。ついさっきまで、リサの前に置いてあった食べ終わった後の鉄板がなくなっている。いつの間に下げられたのだろう。いや、リサの前だけじゃない。わたしの前の鉄板もなくなっている。テーブルの上には水の入ったグラスが二つ置かれているだけだ。しかもわたしは手にメニューまで持っている。どういうことだ?わけが分からない。
    「ふふふ、どうやら今日はわたしの方が決めるのは早かったみたいね。決めたわ、わたしBセットにする。ハンバーグ、おいしそうだもんね」
     まるで今から注文するかのようにリサはそう言った。
    「何言ってるの?もう食べたでしょ?」わたしは当然の疑問を口にしたが、リサは怪訝な表情を浮かべ「はぁ?もう冗談はいいから、早く決めてよね。沙織もBセットにする?ハンバーグ美味しそうだよ」と返してきた。
     何かがおかしい。そう言えば、さっきAセットを食べたはずなのに、お腹が空いている。ふと思いついたことがあり、壁に掛けられた時計を見てみると、アナログ時計の針は十二時十分を指していた。変だ。ついさっき、二人ともランチセットを食べ終わり、味の感想を話し合っていた時にはもう一時を回っていたはずだ。総合的に考えてみると、これはもう「時間が巻き戻っている」としか思えなかった。わたしの頭はおかしくなってしまったのだろうか。あまりにBセットにしとけばよかった、という後悔が強いから、注文の場面をこれほどリアルに妄想してしまっているのだろうか。
     いや、目の前に広がる光景はどう考えても現実のものだ。
     そうするとやっぱり時間が戻っているのだろうか。
     考えても埒が明かない、と思ったわたしは「わたしもBセットにするよ」とリサに告げ、それから店員さんに声を掛けた。店員さんが注文を取りにくるまでに、リサは「そう?じゃあやっぱりわたしはAセットにしようかな」と優柔不断の性格を思い切り発揮したが、「いや、二人ともBセットでいいじゃない。ここの揚げ物は衣がびちゃびちゃみたいだからさ」とネタバレしてBセットを勧めた。リサはなんで知ってるの?と不思議そうな顔をしていたが、わたしだって、この状況が飲み込めていないのだ。なんとなくまずいような気がして、「さ、さっきトイレに行く時にエビフライ見ちゃったんだよね!」と誤魔化してしまった。リサは「そう?」と言い、結局Bセットのハンバーグランチを注文した。
     運ばれてきたBセットは、ついさっきリサが食べて感動していたあのハンバーグランチそのものだった。一口食べただけでリサがあれほどまで「美味しい」を連呼していた理由が分かった。どう考えてもAセットよりもBセットの方が「当たり」だ。
     二人とも今まで食べた中で一番おいしいと思えるハンバーグを食べ終わり、感動を共有してレストランを後にした。何がなんだかよく分からないまま、もう一度注文をやり直して、感動的なハンバーグを食べ、平和に店を出る。わたしの食い意地は、とうとう時を巻き戻すレベルまで達してしまったのだろうか。この時はそれくらいにしか考えていなかった。

     2

     結論から言うと、このレストランでの出来事は、わたしの妄想でもリサが仕掛けた壮大なドッキリでもなかった。わたしは「選択をやり直す」という能力に目覚めたのだ。
    リサと別れ、自宅に戻る途中で水を買おうとコンビニに寄ったのだが、いつも買っているメーカーの物がちょうど売り切れていて、A社のものか、B社のものか。わたしは一分ほど悩んでB社のミネラルウォーターを買い、コンビニを出た。こんなくだらないことにまで一分も悩んでしまう自分が嫌になる。と思ったのもつかの間、またいつもの癖で「やっぱりA社の方がよかったかも…」と思い始めると同時に、レストランと同じような浮遊感に襲われ目を瞑った。「これってもしかして……」と思いながら、浮遊感が治まると同時に目を開けると、案の定、わたしは再びコンビニのドリンクのショーケースの前に立っていた。
     もう一度、A社とB社の水を見比べる。当然、今回はA社の方を購入した。レストランにコンビニ。二回も起こると、当然これが妄想ではないと確信できた。それからは実験を重ねた。
     大雑把に言うと、この力は、「選択をやり直す能力」と呼べるのだが、実際は細かいルールが多かった。まず一つ。選択は二分の一に限られる。三つ以上の選択肢がある場面では、能力は発動できなかった。簡単に言えばこれで「じゃんけんに負けなくなる」という使い方は出来ないことが分かった。ただ二分の一の選択はわたしの内面で判断されるようだ。例えばケーキを買いに行くとする。ショーケースには六種類のケーキがあったとしても、わたしが「ショートケーキかチーズケーキ、どちらにしようか」と悩んだら、それは二分の一の選択場面として扱われるのだ。
     そしてもう一つ。能力を発動した場合、その選択の場面にはもう二度と戻れなくなる。つまり、AセットかBセットで悩んでAセットを選ぶ。この後に能力を発動し、今度はBセットを選んだとして、やっぱりAにしたい、と再び思っても、能力は発動されない、という具合だ。
     最後のルールが、戻れる選択肢は最新のものに限られる、ということ。これも実例をあげてみよう。
     ある日、朝食をパンにするかご飯にするか悩むとする。結果、パンを選び、能力を使わないまま、今度はお昼ご飯にラーメンか牛丼、どちらにするか悩んだとしたら、そのあとに朝食の場面には戻れなくなるのだ。わたしなりに考えたのだが、もし直近の選択場面以外にも戻れてしまったら、その後に起こる選択場面も消滅してしまう、つまり結果として一度の能力発揮で二つ以上の選択をやり直すことになるからではないだろうか?
     もともと意味不明な能力なので、当然それが正解かは分からないけど。

     まとめるとわたしの能力は直近の二分の一の選択を一度だけ選びなおせる力と言えるだろう。
     素晴らしい能力ではあるが、完璧な能力ではない。例えばカジノに行き、赤か黒かを選ぶだけのルーレットならお金を稼ぐことも出来るだろうけど、正直、この力を使って大金をゲットできるアイデアはそれくらいしか思い浮かばなかった。
     それよりも「今日の昼ごはんはラーメンか、牛丼か、どっちにしようかな」を両方試せるだけで、わたしとしてはかなり満足度が高い。というかこれくらいの能力がちょうどいいのかもしれない。ルールなしで無制限に選びなおし放題となると、どう考えても自分は堕落していく気しかしなかったからだ。

     能力の検証を終えたわたしは、惜しみなくこの力を使うようになった。能力を使うことのリスクのようなものは感じられず、一日のうち何度でも使うことも出来た。ただし、もちろん二分の一の選択をした場合だけだ。
     ちょっと卑怯な使い方も実践するようになった。例えば見たい映画があったとする。「わたしは今日、この映画を見るべきか、見ないべきか」と二択で考えてから映画を見る。その後、選択場面に戻り、今度は見ない選択をする。こうすれば実質、映画を無料で見られることに気付いたのだ。見るべきか、見ないべきか、真剣に考えなければ戻ることは出来ないが、慣れると簡単な作業だった。なんせわたしはもともと、かなりの優柔不断なのだ。

     というわけで、人生をほんの少し豊かにする能力、それがわたしに芽生えた力だ。二分の一の選択肢限定ではあるが、最良の選択が出来るというのは、かなりありがたい。あんなに優柔不断だったわたしが、選択に悩むことがなくなったのだ。人から見たらくだらない力の使い方かもしれないが、おかげさまでわたしの人生の幸福度は限りなく上昇した。能力様様だ。

     3

    「最近なんだか調子よさそうだね……」
     ランチを食べ終え、コーヒーで一服していると、リサにそう言われた。ちなみにAセットは美味しかったので、力は使っていない。きっとAセットが最良のはずだ。
    それにしても、「最近調子がよさそう」か。それもそのはず。力のおかげでわたしはかなり調子がいい。なんせ選択に悩まずに済むのだ。この能力に目覚めてから、つくづく、人生は選択の連続だと思い知らされた。わたしたちの生活には、選択が溢れている。想像してみてほしい。日々の暮らしの中で、二分の一の選択にぶつかったときに、ノータイムで、どちらか一方を選べる。些細なことだけど、それだけでもかなり精神的なストレスの軽減になる。失敗を恐れず、挑戦する気持ちが育まれる。その結果、何もかも調子がよくなる。大学の授業だって楽しめちゃう。この調子だと、今期のわたしの成績はかなりよくなるんじゃないだろうか。精神的な余裕は体にまで影響を及ぼすようだ。なんせお肌の調子まで、ばっちりなのだ。
    「コツはね。悩まないことだよ、リサ」
     能力のことはリサにはもちろん、誰にも言っていない。理解してもらえないだろうし、何よりも人に知られると、面倒くさいことになるのは分かり切っているからだ。
    「いいなぁ。そう言えば最近、なんでも即決してるもんね。最近の沙織はかっこいいよ。あ、ごめん、今までかっこよくなかったってわけじゃないよ」
     リサは何気ない一言でも、相手を下げる内容があったと思ったら、すぐに謝る。本当に気遣いの塊のような子だが、様子が少しおかしく見えた。
    「なんかあった?元気なさそうに見えるけど……」
    「実はさ、彼氏に浮気されてるかもしれないんだよね……」
     リサには付き合って一年になる彼氏がいた。同じ大学、同じ学部の山中君。わたしも何度か一緒に遊んだこともある。リサによると、最近妙にそっけない態度が続いているうえに、以前は一緒にいる時にはスマホをテーブルの上に置いていたのに、最近は肌身離さず持ち歩いているらしい。トイレやお風呂にも持って行く。まるでリサに見られたくないものを隠しているように。浮気している男の怪しい行動大全という本があれば、一ページ目に書かれていそうな、「いかにも」な変化。
    そして決定打もまた、スマホだ。昨夜、リサの部屋で一緒に過ごしていると、彼のスマホが鳴った。彼は当然、リサに画面を見られないように、スマホを持っていたのだが、うっかり落としてしまったらしい。ラグの上に落ちたスマホはマーフィーの法則に従い、仰向けだった。その画面には「昨日は楽しかったね、内緒のデート」というハートの絵文字付きのメッセージが残されていた。
    山中君は真面目そうに見えたし、女慣れしているタイプではなさそうだったのに、よりによって浮気か。状況を聞いていると、山中君は、限りなく黒に思えた。
    「そりゃ確実に浮気だわ……絶対別れるべきだよ」
    わたしは当たり前の話をリサにした。アドバイスとすら呼べない、気の利かないセリフだった。
    「そうだよね……沙織ならやっぱりスパッと振るよね…………」
    わたしならどうするだろうか。考えてみた。力に目覚める前のわたしなら、例え浮気が確定的だったとしても、すぐには別れられなかったと思う。別れるのか、許すのか、答えを出せずに悩みに悩んで、答えを先延ばしにしていただろう。でも今なら。きっとあっさり別れを選ぶだろうな。選択に時間をかけるなんて、人生の無駄な時間だ。
    「リサの気持ちも分かるよ。初めての彼氏で、あんなに好きだったんだから。でもやっぱり浮気はダメだよ。一度許したらクセになるかもしれないし、きっとそのまま付き合っていても、わだかまりは絶対残ると思う。楽しいデートの最中にも「もしかして、また浮気してるんじゃ?」ってふと気になったりしてね。親友のわたしとしては、リサには笑って過ごしていてほしいからさ」
    「そうだよね……うん。決めた、私、別れる。ありがとう、愚痴聞いてくれて」
    リサはそう言って笑った。どう見ても無理して笑っている表情だったが、リサが最良の選択肢を選んでくれてわたしはほっとした。
    大好きな彼氏に別れを告げる。想像するだけで胸が痛くなった。わたしならきっぱり別れるとさっきは思ったが、今のわたしならきっと「彼と付き合うか付き合わないか」の選択の場面に戻り、付き合わない選択を選びたくなるだろうな。最新の選択肢ではないからそれは無理だとしても、能力も持たないリサは、山中君のことを過去として、自分の力で乗り越えなきゃならないのだ。
    「頑張れ、リサ」
    わたしは心の中でリサにエールを送った。

    4

    結局、リサは山中君と別れたようだ。それでよかったとわたしも安心した。間違った選択をしなかったリサを誇らしく思ったものだ。ただ少し気になることがあった。
    「山中君から復縁したいって連絡が来たんだけど、どうしたらいいかな?」
    「そんなの無視無視。裏切ったのは山中君なんだから、そんな虫のいいこと言われたって答える必要なんてないわよ」
    「今のバイト先の店長、かなり厳しいんだけど、バイト変えた方がいいかな?」
    「たかがバイトなんだから、深く考えなくていいのよ。責任なんてないんだから、嫌なら辞めるでいいと思うよ」
     そう、リサはことあるごとにわたしに選択を委ねるようになったのだ。もともと優柔不断だったリサは、彼氏の浮気によって、自分の判断に自信が持てなくなったようだった。
     最初は失恋のショックが大きいんだろうな、と思って丁寧に答えていたが、それにしてもなんでも聞いてくるリサが、正直に言うと煩わしく思えてきた。

    「今日の学食はAセットかBセット、どっちにしたらいいかな?」
    「山中君から話があるって。行かないほうがいいかな?」
    「午後からの講義が休講になったんだけど、帰ってゆっくりするか、買い物に行くか、どっちがいいかな?」
    「明日の服装なんだけど、スカートかパンツ、どっちがいいかな?」

     どう考えても他人に選んでもらうような内容でなくても、わたしに聞くようになっていた。これはどこかおかしいんじゃないか、と思い、「たまには自分で考えて決めた方がいいよ」とやんわり伝えると、突然泣き出しながら「ごめんね、いつもいつも沙織に聞いちゃって。ウザかったよね」と、今にも死にそうな表情で謝られるので、ついわたしも「いや、ごめん、わたしこそ言い過ぎた」と謝り返してしまう。
     そうするとしばらくの間は、選択を委ねられることもなくなるのだが、メニューの二択なんかで、ひょんなことから「どっちがいいと思う?」と聞かれると、また何から何までわたしに委ねるようになる。こんなことの繰り返しだった。いつの間にか、リサは自分の意見をほとんど口にしなくなっていた。

     リサはきっと何かしら心の病を抱えていたんだと思う。
    「山中君が浮気したのだって、私に魅力がなかったからだ。私なんてもういなくなっちゃった方がいいんだよね」
     こんな弱気なセリフも、しょっちゅう吐くようになっていた。そのたびにわたしは、リサを慰めるために、彼女の部屋に行き、一晩中、泣き言に付き合ったりした。正直、わたしもかなり疲れてきていた。そんな風に感じてしまうことに、自己嫌悪してしまう。
    なんでもわたしに決めさせる。そのくせわたしが「リサ、ちょっと疲れてるみたいだからさ、一回病院行ってみない?わたしもついていくからさ」と医師にしっかり診断してもらおうと提案すると、それに対しては頑として首を縦に振らないのだ。
    「沙織は私のこと、そんな風に見てるの?頭のおかしいやつだって。そうかもしれないね。ごめんね、迷惑かけてばかりで。もうほっといてくれていいから」
     こんな調子だ。いったいわたしはどうすればいいのだろう。二分の一の選択をやり直す能力も、こんな時にはまったく役に立たなかった。

    5

    ある夜のことだった。その日はなぜかバイト先が忙しく、わたしはくたくたになって帰宅した。大学の講義のレポート提出期限も迫っていて、精神的にも疲れていたんだと思う。
    「今日はもう、お風呂も入らずぐっすり眠ろう。明日は午前中、大学がない日だから、午後までは徹底的にぐうたら過ごしてやる」
    そう決めて、軽く化粧を落とすと、ベッドに潜り込んだ。心地よい眠気がわたしを襲い、うとうとしかけた時に、スマホの通知音が鳴った。メッセージの送信主はリサだ。
    メッセージを読むか読むまいか、逡巡したのち、結局わたしはそのメッセージを開いた。
    「もう無理…疲れちゃった。死にたい」
    わたしは「まずい」と思い、飛び起きた。つもりだったが、体が重たくて思うように動かない。なんせ数秒前までもう就寝寸前だったのだから。いや、これも単なるいいわけだ。わたしは心底、疲れていた。バイト先での肉体的な疲労より、レポートの期限に迫られる焦りより、リサの相手をすることに疲れ切っていたのだ。
    正直に、今日は疲れてるから明日話を聞く、と返事するか、それともメッセージは見なかったことにして、無視して眠ってしまうか。悩んだ末に、わたしはスマホを枕元に置き、目を瞑った。返したところで、きっとまた同じ話になる。それでもきっと返すべきなのは分かっていた。でも――今日は無理だった。
    また明日、大学でじっくり泣き言を聞いてやろう。そんなことを考えていると、わたしはいつの間にか深い眠りに落ちていた。

    ぼそぼそと誰かが話す声が聞えた。「うるさいなぁ。もう少し眠らせてよ」そう思ったが、一度、意識してしまうと、その話し声が気になって、もう眠り続けることは出来なかった。
    苛立ちながら目を開ける。声の主はテレビのニュースを伝える女性アナウンサーだった。
    「しまった、タイマー切るのを忘れてた」
    わたしは毎日の習慣である朝七時にテレビをオンにするタイマーを切らずに寝てしまっていたのだ。「今日はとことんまで、ぐうたらするはずだったのに……」と悔やんだが、起きてしまったので仕方ない。熱いシャワーを浴びて、それから珈琲を飲もう、とベッドから体を起こした。そうだ、リサにも返事を返さなきゃ。そう思いながらぼんやりと、テレビの画面を見ながら歩き出した時だった。
    「続いてのニュースです。本日未明、都内のアパートの一室で、若い女性の遺体が発見されました。亡くなっていたのは大学生の小川理沙さん、二十一歳です。警察は事件と自殺の両面から調べています」
    一瞬何を言っているのか理解できなかった。遺体?誰が?気が付けば、わたしはテレビの前にいた。画面の中には、見慣れたアパートの外観と、見慣れないブルーシートが掛けられた外廊下。頭の中はぐちゃぐちゃで、とりとめない考えがぐるぐると回っているが、わたしの目は、耳は、しっかりと情報を捉えている。テロップにははっきりと「小川理沙(21)」と表示されていた。
    足元が崩れ落ちた気がした。立っていられるのが不思議な感覚だ。手が震える。寒くないのに、ガタガタと。
    「わたしのせいだ……」
    昨日、リサはたしかにわたしにSOSを出していた。わたしはそれを見なかったことにしたのだ。今までも死ななかったんだから、どうせ今回も、と高を括って。
    どれくらい経っただろうか。いつの間にかわたしは声を上げて泣いていた。両手で頭を抱えて、泣き叫んでいた。そんな自分の泣き声も、どこか遠くから響いているようだった。わたしは、なぜ連絡を返さなかったのだろう。自分の疲れと、親友の心からの悩み。どちらが重いものか、天秤に掛けるまでもない問題なのに。わたしは、肝心なところで最悪の選択をしてしまったのだ。
    その時、体を電流が駆け巡った。
    そうだ、わたしはあの時、選択を間違えたのだ。連絡を返すべきか、返さないべきか。あのあと、何か二分の一を選択した?いや、していない。わたしはあのあと、すぐに眠ったのだから。
    「やり直せる……」
    そう、わたしには能力がある。「直近の二分の一の選択を、一度だけ選びなおせる」。
    わたしは目を閉じて、昨日の選択をやり直す決意をした。最悪の選択を、最良の選択に変えるために。

    6

    目をそっと開けてみる。わたしはベッドの中で横になっていた。よし、成功だ。狙い通りの場面に戻ることができた。それにしても……眠たい…………。そうだ、そもそもわたしは、疲れて眠たかったから、メッセージを無視することに決めたのだ。しかし、そんなことは言っていられない。右手にあるスマホの画面を見てみると、例のメッセージが開かれていた。
    「早まっちゃダメ!すぐに行くから待ってて!」
    わたしはそう返信すると、ベッドから起き上がり、部屋の電気を点けた。本当は飛び起きたかったのだが、あまりにも眠気がひどく、のっそのっそとしか動けなかった。珈琲でも飲んで、目を覚ますのがいいのだろうけど、わたしは一刻も早く、リサの元に向かいたかった。メッセージは返した。でも、直接話を聞かなければダメだと確信していた。寝巻の上から、ダウンジャケットを着る。下は部屋着にしているスウェットに履き替えた。さすがにパジャマのままで外に出るのは憚られたからだ。着替えが終わる頃には、眠気もすっかりどこかへ行ってくれた。
    「よし、あとはリサの家まで急ぐだけだ」
    リサのアパートまでは自転車で二十分もかからない。
    わたしは玄関を出て、自転車をこぎながら、ここ数か月のことを思い出していた。前触れもなく、突然降ってわいた選択をやり直す能力。これはきっと、この時のために与えられた力だったんだ、と確信した。大切な親友の命を救うため。わたしにとって、この先の人生でも絶対に更新されない最悪の選択をやり直すため。
    リサに会ったら、今度こそしっかり病院に通うよう説得しよう。もう、わたしは逃げない。きっとリサも根気よく説明したら分かってくれるはずだ。いつだってわたしたちは、その時々で、ベストな選択を出来るようになっているはずだ。

    いつか、今夜のことも、二人で笑って話せるようになるといいな。

    そんな風に考えていると、あっという間にリサのアパートに到着した。乱雑に自転車を駐輪場に放り出した。鍵なんて掛けてられない。それよりもリサに会わなきゃ。
    階段を登り、二階の廊下に降り立った。リサの部屋は、この外廊下の突き当りの二〇八号室だ。廊下を歩く間に息を整える。すー。はー。
    落ち着け、わたし。最悪はもう回避できたんだ。もし、今夜リサを説得できなくても、粘り強く付き合っていけばいい。今夜はとにかく、リサと一緒に過ごそう。

    「ピンポーン」

    呼び鈴を鳴らす。深夜に響く呼び鈴の音は、想像以上に大きく感じ、一瞬ドキっとした。近所の人の迷惑にならなければいいが……。

    返事はない。もう一度、呼び鈴を鳴らそうとは思えなかった。さすがにあの音量をもう一度、この時間に鳴らすのは、申し訳ない。代わりに玄関をノックしてみたが、それでも無反応だった。
    「お願い、開いてて……」
    心の中で祈りながら、ドアノブに手を掛けて、下に捻りながらドアを引いてみる。ガチャ、という音と共に、ドアが開いた。よし、鍵はかかってない。
    「リサ?わたし、サオリ。メッセージ見た?心配で飛んできちゃった」
    近所迷惑にならないよう、小声でリサに話しかけながら、わたしは三和土で靴を脱いだ。三和土には見慣れたリサのスニーカーが綺麗に並べられている。
    おかしい…リサはどこにいるのだろう。なんで返事をしないんだろう。
    リサの家はワンKで玄関から三メートルほどの廊下がある。廊下の右手には、冷蔵庫とその奥にこじんまりとしたキッチン。左手には扉があり、開けるとそこは洗面所だ。洗面台を正面に見て、右手側がトイレ、左手側が浴室になっている。セパレートが何よりも優先で、この物件を選んだ、とリサは言っていた。優柔不断なリサにしては珍しく、絶対に譲れない選択だったということだ。
    わたしは焦る気持ちを落ち着けながら、廊下を進んだ。
    廊下の奥には中扉があり、その向こうがリビングになっている。中扉は明り取りになっていて、リビングに電気が点いていないのが分かった。普通に考えたら、リサはリビングにいるはず。それなのに電気が点いていない。
    「リサ?」
    わたしは再び小声でささやくように呼びかけながら、中扉を開いた。
    いつもリサはこの部屋でご飯を食べ、この部屋で眠る。でも、ひと目見て、この部屋にリサはいないことが分かった。綺麗に整頓された部屋に人がいないことは、誰が見ても明らかだった。
    どうなっているのだろう。リサは間違いなく、この部屋にいるはずなのに。何時間か前に見たテレビのニュースを思い出す。ニュース映像では間違いなく、このアパートが映し出されていた。それなのになぜ、リサは家にいないのか。
    「リサ?どこにいるの?」
    わたしはスマホを使い、リサに電話を掛けてみたが、リサのスマホは部屋のテーブルに置きっぱなしになっていて、「ブー、ブー」と振動していただけだった。まるで持ち主はここにはいませんよ、と言っているようにただ震えているだけのスマホ。
    その時、わたしの耳に何かの音が聞こえてきた。ザーザーと水が流れるような音だ。
    「シャワー?」
     なぜ今まで気付かなかったのだろう。耳をすませるまでもなく、出しっぱなしのシャワーのような音がしている。
     わたしは再び廊下に出て、右手にある扉を開いた。もちろん洗面所も電気は点いていないが、扉を開くと水の流れる音が一層大きくなった。その音の出どころは、やはり左手にある浴室であることも明らかだった。
    「シャワーを浴びてて気付かなかったのね」
     わたしはある可能性については、無意識に除外していたのだと思う。普通はシャワーを浴びる時に、風呂場の電気は点けるものなのだ。
    「リサ」
     声をかけながら浴室の扉をノックしてみるが、返事はない。わたしは浴室の電気を点けたあと、おそるおそる、すりガラスになっている浴室の扉に手をかけた。折れ戸の扉がゆっくりと開く。浴室の中の様子が隙間から見え、その視界がだんだんと大きくなっていく。
     浴室の奥にあるバスタブ。その手前に倒れ込むようによりかかっている人影が見えた。

    「リサ!」

     気が付けばわたしは叫んでいた。どう見ても異常な状態。一気に扉を開けて、浴室へと駆け込んだ。バスタブの前に座っていたのは、やっぱりリサだった。
    「リサ!リサ!しっかりして!」
     リサはバスタブの縁によりかかり、左手だけをバスタブの中に伸ばしていた。シャワーはバスタブに向けて、お湯を流し続けている。そのお湯はリサの伸ばした左手にあたると、赤く染まり、排水溝へと流れていく。
    「なんで?どうして?」
     頭の中に?マークが飛び交っていた。おかしい。わたしは確かに選択をやり直したはずなのに。親友を救うために、未来を選び直したはずなのに。
     そうか。わたしが来ても、間に合わなかったんだ。いくらやり直しても、間に合わない運命だったんだ――。

    「ごとん」

     その時、背後から何かが落ちるような音がした。

     7

     心臓が止まるかと思った。わたしはおそるおそる振り返り、音の出どころを確認した。
     さっきは閉じていたはずのトイレの扉が開いている。先ほどの音は扉の開く音だったのか?誰が開けたのか、これはすぐにわかった。トイレの中に人が立っていたからだ。トイレは電気が点いていなかったが、浴室の電気に照らされて、顔もはっきりと判別できた。
    「山中君……」
     件の浮気男、山中がそこに立っていた。何をしているんだろう?リサと山中君はもうとっくに別れているはずだし、復縁だってリサは断り続けていたはずだ。それなのになんでリサの家にこの男はいるんだろう。
    「チッ」
     山中君は露骨に面倒くさいことに巻き込まれた、という態度で舌打ちをしてみせた。こんなに粗暴な男だったろうか?昔はもう少しなよなよしていた印象だった気がする。それに、目が充血していて、何というか、異常な雰囲気に感じられた。
    「バレないように隠れてたんだけどな。まさか消臭剤を落としてしまうなんて、俺もついてねーな」
     山中君の足元には、たしかに消臭剤が転がっていた。状況から考えると、この男はわたしにバレないようにトイレに隠れていたが、暗いトイレの中で消臭剤に気付かず、手か何かが当ててしまい、落としてしまったのだろう。問題はなぜ、この男はトイレの中でわたしに見つからないように隠れていたのか、ということだ。どう考えてもまともな理由でないのは、状況から明らかだった。
    「何してるの?なんでリサの家にいるの?」
     わたしの声は震えていたと思う。元カノの家のトイレに隠れている理由が、楽しいものではないということは分かりっている。
     彼はニヤニヤと気持ちの悪い薄ら笑いを浮かべていた。
     そしてわたしは気付いてしまったのだ。山中のTシャツについた「シミ」に。
     最初は模様かと思ったが、山中の来ているTシャツの、下半分にたくさんの赤黒いシミが付いていたのだ。

    「続いてのニュースです。本日未明、都内のアパートの一室で、若い女性の遺体が発見されました。亡くなっていたのは大学生の小川理沙さん、二十一歳です。警察は事件と自殺の両面から調べています」

     頭の中にやり直す前に見たニュースを告げるアナウンサーの声が鳴り響いた。
    「警察(・・)は(・)事件(・・)と(・)自殺(・・)の(・)両面(・・)から(・・)調べて(・・・)います(・・・)」


    「まさか!あなたがやったの?」
    「ピンポーン!リサがさ、どうしても俺とはやり直せないって言って聞かないからさ。これはもう、殺すしかないってな」
     山中の言葉は確実に日本語だが、どこか知らない国の言語のように、耳には入るが意味がまったく理解出来なかった。復縁出来なかったから殺す?この男はいったい何を言っているのだろう。
    「まぁ、どうせバレると思っていたけどな。ちょっとでも時間稼ぎできるように、自殺にみせかけたってわけだが、まさか高木が勝手に入ってくるとは思わなかったぜ」
    リサは自殺じゃなかった。だからわたしがやり直しても、間に合わなかったのだ。わたしがどれほど選び直したとしても、リサの選択自体が変えられるわけではない。
    「でもさ、ここに高木がいるっていうのも、俺には運命的にも思えるぜ。ちょうどよかった、お前もぶっ殺したかったんだよ!」
    そう言うと山中は声を上げて笑い出した。
    「お前が全部、悪いんだろ?俺と別れるように仕向けたり、復縁させなかったり。リサはいつも言っていたぜ。沙織がダメだって言ってる、ってな」
    わたしのアドバイスがこの惨状につながっている?そんな……。

    「ちょっと待ってよ!そんなにリサのことが好きならなんでそもそも浮気なんてしたのよ!自分の浮気を棚に上げて八つ当たりして、最低じゃない!」
    「してねぇよ!」
    山中はわたしの声を遮るように声を荒げて言い返してきた。
    「俺は……浮気なんてしてない。するはずがない。こんなにリサのことが好きなんだぞ……」
    「でも……リサは浮気のメッセージを見たって」
    「付き合って初めてのリサの誕生日をサプライズで祝いたかったんだよ。それで女友達にどんなプレゼントがいいか、相談に乗ってもらってただけだ。絶対にバレないように、スマホを肌身離さず持ち歩いていたせいで、まさか浮気を疑われるなんて思ってもいなかったぜ」
    「それならそうリサに説明したらよかったじゃない……」
    「何度も説明したさ!その度に、でも沙織がそんなの聞く耳持つなって言ってるから、だと。なぁ、お前いったい何様なんだ?なんでお前にリサの行動の決定権があるんだ?」

    そんなつもりはなかった。わたしはその時、最良だと思える選択を提示していただけ。こうしろ、と命じたつもりもないし、最終的に決めたのはリサ本人だ。ただ、改めて振り返ってみると、能力を手に入れてからのわたしは、選択に時間を取られること自体が悪だと決めつけて、深く考えずに答えを出していた。山中君は浮気をしていると決めつけて、別れることが、最良の選択だと思っていたし、復縁も弁解も応じる必要はない、と何度もリサに釘を刺していた。そうか、わたしはリサの相談に乗っているつもりで、彼女の選択肢を奪っていたのか。
    「というわけで、お前もさよならだ」
    そう言ったかと思うと、山中はわたしに向かって走って来た。彼の右手に何かギラリと光るものが握られていると気づいたのは、その時だった。



    どこに戻ろう。どこからやり直せばいいのかな?
    親友からの連絡を無視したら、親友が死ぬ。無視せず、助けに来たら、わたしも死ぬ。
    そうか、わたしは勘違いしていたんだ。最悪だと思った選択の、その反対は必ずしも最良とは限らないのだ。最悪の選択の反対もまた、最悪の可能性だってあるのだ。

    もう一度、やり直さなきゃ。次はどうすればいい?
    まず、リサの家に来るまでに警察に電話して……。
    あれ?どの選択がやり直せるの?二分の一を探さなきゃ。二分の一を…………。



    「続いてのニュースです。本日未明、都内のアパートの一室で、若い二人の女性の遺体が発見されました。亡くなっていたのは大学生の小川理沙さん、高木沙織さん、ともに二十一歳です。警察は事件と見て捜査しています」


     
     
    ザ・マシューズのボーカル“マシュー”による思うことを思うままに書き綴ります!! 小説も書いています。

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