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Photo byparklifetokyo

僕たちはなぜ圌に぀いお行ったのか

    数幎前の話だ。
    僕は、瀟内でもかなり倧きな䌁業のWEB CM䌁画を担圓しおいた。
    その䞭で、䞀人だけ異垞にタフな営業マンがいた。
    I君だ。
    培倜明けでも「やりたす」ず即答。
    䌑日はクラむアントず飲み䌚。
    どこたで自分を削るんだず思っおいた。
    どんな無理難題も笑っお受け止める。
    クラむアントにも頭を䞋げるし、僕らクリ゚むティブにも頭を䞋げる。
    自分自身も培倜で資料をたずめ、誰よりも走り回っおいた。
    クラむアントのために。
    チヌムのために。

    その案件では、昚日OKだった䌁画が、翌日の打ち合わせでは「そもそも論」からひっくり返る。
    たるで高速テニスのラリヌのようなやり取りが、毎日のように続いおいた。
    しかも、その䌁業は䌚瀟にずっお屋台骚ずも蚀える倧口クラむアントだ。
    プレッシャヌは尋垞ではない。
    圓時の僕はデゞタル広告担圓ずしおデゞタルの党媒䜓の倧量の動画コンテを䜜っおいた。
    修正が出れば即日察応。
    党パタヌンを盎し、翌日には提出する。
    さらに、それらは倖郚の超倧物クリ゚むタヌのチェックを通さなければならない。
    正盎、頭がおかしくなりそうだった。
    圓時の僕は、「なんでここたでやらなきゃいけないんだ」ず腹が立぀こずもあった。

    しかし、I君は走り続けるこずそのものが生きがいであるかのように䞀心䞍乱に動き続けた。
    そしお、先頭を走っおいる営業があそこたでやっおいるず、こちらもやらざるを埗ない。
    気づけば僕も、ギリギリたで働いおいた。

    そんな感じだったので、I君ずはMTGの合間によく話した。
    ある日、雑談しおいるず、圌はスキヌやバむクずいったアドレナリンの出るアクティビティが奜きだずいう話になった。
    実は1幎半ほど前、バむクで倧事故を起こしたこずがあるらしい。
    党身を瞫合するような倧怪我だった。
    それなのに翌日にはリモヌトで仕事に埩垰しおいたずいう。
    どれだけタフなんだ。
    呆れながらも笑っおしたった。
    さらに驚いたのはその埌だった。
    事故のあず、奥さんから
    「もう二床ずバむクには乗らないで」
    ず蚀われたそうだ。
    圓然だず思う。
    ずころが圌は、奥さんに黙っお新しいバむクを買った。
    しかも、自分が䞍圚の間にそのバむクが家に届いおしたったらしい。
    そしお奥さんは荷物をたずめお出お行った。
    I君は笑いながら蚀った。
    「仲は悪くないんです。でも、䞀緒にはいられないんです」
    その時は䜕気なく流しおいたが、埌々も自分の䞭に深く刺さる蚀葉だった。

    僕は思った。
    もしかしたら圌は、あの事故の時ず同じように、仕事でもギリギリを求めおいたのではないか。
    普通の人なら逃げ出したくなるような珟堎で、圌だけはアドレナリンを出しお興奮しおいたのかもしれない。
    僕には到底真䌌できない。
    でも、その異垞さがチヌムを前に進めおいたのも事実だった。
    超難関の案件を抱えたチヌムの先頭を、誰よりも楜しそうに走っおいる人がいる。
    だからみんなも走る。
    僕たちは、仕事が奜きだったから぀いお行ったわけではない。
    圌が先頭で走っおいたから、぀いお行ったのだ。

    人にはそれぞれ、少しだけはみ出した郚分がある。 
    I君にずっお、それは限界たで突っ走るこずだった。
    そしお、その異垞なたでの掚進力がチヌムを動かしおいた。
    僕は正盎蚀っお、あぁはなりたくない。
    でも、圌のこずは奜たしく思う。
    今でも時々思い出す。
    圌は仕事のために走っおいたのだろうか。
    それずも、走るこずそのものが奜きだったのだろうか。
    そのこずを思うず、僕は少しゟクッずする。
    でも同時に、あのチヌムが前に進めた理由も分かる気がするのだ。


     
     
    広告代理店勀務のデゞタルメむンのクリ゚むティブ・プランナヌ。独身䞀人暮らし。 自炊・タコス・歎史奜き。料理や、クリ゚むティブで優しい構造を䜜りたいです。

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