
東京に響く母の声「タクシー止まってー!!」
今年の5月に祖父のお墓参りで家族と東京へ行った。その際、私は東京で家族にイライラしてしまったのだ。
新幹線が東京駅に到着し、次に山手線に乗って高輪ゲートウェイ駅まで行った。祖父のお墓は、高輪ゲートウェイ駅から近いところにある。
品川駅と高輪ゲートウェイ駅は非常に近く、新しく駅を作る必要はなかったのでは?と考えていたが、祖父のお墓に1番近い駅であるため、今回初めて存在価値を感じた。
しばらく高輪ゲートウェイ駅周辺を歩き回った後、停車していたタクシーに乗り、祖父のお墓があるお寺まで行った。家族には足の悪い祖母もいたため、タクシーを利用したのだ。そして、お墓参りを済ませ、駅に戻ろうとしたとき、タクシーがなかなか捕まらないことに、イライラしたのだ。現代では、タクシーを手配するアプリを入れ、タクシーを簡単にすぐ呼ぶことができる。だが、我が家の人間は誰1人アプリを入れていない。理由は機械に疎いのと、カード情報の入力に懐疑的だからだ。
スマホのタクシーアプリや宅配アプリ、ホテルの予約などは前払いで、カード情報を入力しなければならない。私の親は、カード情報の入力を怖がる。情報漏洩を恐れているのだ。なので、車道の脇にある歩道からタクシーが通るたびに、手を挙げ、『タクシー止まってー!!』と大きな声を出す。
この大都会東京で
東京は最先端の街である。みんなアプリでタクシーを呼び、スムーズに移動しているというのに。恥ずかしい。
『あの人時代遅れな人だな』とか、『地方ご出身の方かしら』とか思われ、馬鹿にされるのではないかとイライラしてしまった。
東京の人はみんなSuicaで自動改札を颯爽と通っていく。私たちは紙の切符。「いいなぁ、東京は進んでいて。」なんて考えていたが、よく考えると東京はほとんど地方から出てきた人たちの集まりで、誰も他人のことなど見ていない。興味関心もないのだ。なのに自分は「地方から来た奴」と思われたくなかった。
地方から東京に移った人は、みんな数か月で東京の色に染まる。おしゃれをしたり、髪の毛を染めたり、高い服を買ったり。みんな地方から来た人と思われたくないから、無理してでも高いものを買うのかもしれない。そんな私も、東京の空気に飲み込まれていたのかもしれない。