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芋出し画像

20幎前の絵はがき

    若かりし日の出䌚い

    「ひずり旅、寂しくなったらハガキを出しおもいいですか」

    1997幎9月、ドむツ・ベルリンのナヌスホステルのロビヌで、ビヌルのロング猶ずパンずいう激安倕食でお腹を満たしおいた時のこずだった。

    私より5぀くらい幎䞊だずいう長髪の圌は、芋た目こそ熟緎の旅人感があり぀぀も、旅の経隓を自慢気に話すでもなく、控えめにポツリポツリず自分の旅に぀いお語る様子が心地良くお、ビヌルを飲みながら少しの間、情報亀換をしたのだった。

    正盎、圌ず䜕の話をしたかあたり思い出せないくらい、圓時のナヌスホステルでは日垞的に芋られた光景だ。
    数幎勀めた建築事務所を蟞めお数ヶ月間ペヌロッパ攟浪旅をしようずしおいるこず、䞀囜目のドむツでは䞭叀自転車を買っお列車に自転車を乗せお移動しおいる、ずいうような話をしたくらいしか蚘憶がない。

    英語が党くダメだずいう圌は、この先寒くなっおいく䞀方のペヌロッパを旅するこずに少し心现そうで、9月末には日本に垰るずいう私に、ハガキを出しおもいいかず尋ね、䜏所情報を亀換したのだった。

    携垯電話も今ほど普及しおいないこの頃は、人ずの出䌚いで亀換する情報ずいえば、自宅䜏所ず自宅電話番号しかなかったのだから隔䞖の感がある。

    1時間ほどの䌚話の最䞭、倖から花火のような音がしお、廊䞋の窓からベルリンの空に数分間だけ䞊がった花火を䞀緒に芋たような蚘憶があるが、あれは本圓に圌だっただろうか。

    手曞きスケッチの絵はがき

    それからドむツをひずりで2週間ほど巡り、日本に垰囜しお、倧孊の授業ずいう日垞の䞭で旅の蚘憶が薄れおきた頃、ポストに1通のハガキが届いた。

    ドむツはハむデルベルクのカヌル・テオドヌル橋を描いた手曞きスケッチの絵はがきだ。

    差出人は苗字しか知らないベルリンで出䌚ったあの青幎。

    今旅しおいる堎所の様子や、日に日に寒くなっおきたこずが簡朔に綎られおいたが、ずにかく驚いたのはそのスケッチの粟巧さ
    絵心の党くない私から芋るず感動の䞊手さで、母ず䞀緒に感心しながらそのハガキを眺めた。

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    たさか手曞きスケッチのハガキが来るずは
    思いもよらず、しかも䞊手くお驚愕

    その埌も時折、圌からのハガキが届いた。

    手曞きスケッチに毎回感心させられ、ハガキに䜕気なく曞かれおいた「今は〇〇ずいう街の広堎のベンチでこのハガキを曞いおいたす」ずいう䞀蚀が、旅の過ごし方ずしお栌奜良く思えお、私の旅ぞの憧れを刺激した。

    忙しく芳光しない旅、に憧れたのは今思えば圌の圱響もあるのかもしれない。
    私はただ歩き回るか、ボヌッず景色を眺めおいただけではあるが。

    そんな、毎床楜しみにしおいたハガキが蚈5枚になったずころで、日本に垰囜されたようで連絡が途絶えた。

    絵はがきに描かれた景色、ハガキに曞かれた聞いたこずもない地名。

    すぐにその堎所をネットで調べるこずもできなかった圓時は、この絵はがきたちを通しお想像力が膚らみ、私もい぀かこの目でこの景色を芋たい、ずいう思いが募ったのだった。


    発掘された思い出

    あれから20幎の月日が経ち、40歳の節目で、孊生時代から密かに抱いおいた”ナヌレむルパスでペヌロッパを呚遊する”ずいう倢を実珟すべく、長幎勀めた䌚瀟を蟞め、旅の準備を進めおいたずき、ふずあのハガキのこずを思い出した。

    確かあのぞんにあったはず 人から戎いた手玙の類いをポむポむ入れおいた箱を持っおみるず、あった久しぶりに目にする手曞きスケッチの5枚の絵はがきが。

    今回の旅は3ヶ月ず長䞁堎、どうしおも行きたい堎所以倖は、人からお勧めを聞いたりしお、気になった堎所に足を運んでみようず考えおいたので、このハガキの堎所にもあわよくば行けたらいいな、ず出発前にそれぞれのスケッチを写真におさめ、旅に出たのだった。

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    少々黄ばんだ20幎ぶりに芋る絵はがきたち。
    いく぀行けるだろうか


    長旅のスパむスになった宝探し

    2018幎のペヌロッパ呚遊旅の䞭で、行きたいずころリストに入っおいたのが、スペむンのモンセラヌト。
    2枚目のハガキに描かれおいた堎所だ。

    奇岩が迫るその様子は、モノクロの絵はがきではなかなか想像が及ばず、是非この目で芋おみたいず、バルセロナ滞圚䞭に足を䌞ばす堎所ずしお考えおいた。

    このハガキずおんなじ堎所で写真を撮っおやろう
    そう思い぀くず、なんだか宝探しのようなワクワクが生たれ、たるで“絵はがきの堎所特定“ずいうミッションを背負っおいるかのような心持ちでモンセラヌトに向かう。

    登山鉄道の終着駅を降り、急な階段を䞊りきるず、いきなり目に飛び蟌んできたのが絵はがきず党く䞀緒の颚景。

    おおおヌこれが20幎前に圌が芋た景色だったのか。

    写真におさめたスケッチず芋比べながら、修道院前の広堎をりロりロし、写真をパチリ。

    なんだかミッション完了ずいった充足感があり、私は来るべくしおここに来た、ずいうような気分になり、ひずり旅の䞭でも誰かず぀ながっおいるぬくもりを感じた。

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    どうでしょう階段䞋から撮るべきだったな。
    それでも粟巧なスケッチに改めお驚き。


    完党䞀臎の衝撃

    2぀めの宝探しは、フランス。
    “ニヌスの旧垂街” ずだけ曞かれた街䞊みのスケッチで、堎所特定は困難かず思われたが、旅の最䞭に出䌚った同行者に「この堎所を探しおみたいんだよね」ず話したら、ノリノリで圓たりを぀けおくれお、あっさりず特定に成功。

    しかも、ここに腰掛けお絵を描いたんだろうな、ず想像できる石段たで発芋し、名前も蚘憶にないあの日のあの青幎がそこに居るかのように、身近に感じられたのだった。

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    こちらは完党䞀臎
    芋぀けた時は倧はしゃぎしおしたった

    圌は秋が深たる街の片隅で、䜕を思い、このスケッチを描いたのだろう。
    圌の旅はどんなものだったのだろう、ず想像したりしお。

    圌がくれたこの絵はがきのおかげで、私のニヌスの倜に圩りが生たれ、私だけでなく同行者ずもども、宝探しに成功した䜙韻に浞りながら、幞せな気分で街を散策するこずができたのだから、この偶然の重なりに感謝したくなる。

    あの日のあの青幎が、私たちをこの堎所に連れおきおくれたのだから。

    20幎の時がくれたもの

    20幎前の絵はがきが、20幎埌の私の旅に圩りを䞎えおくれたこずを、差出人である圌は知る由もない。

    圌にずっおも、旅の最䞭に描いたスケッチの1枚だったのかもしれないし、誰にどんな絵はがきを送ったかは蚘憶にないだろう。

    それでも、若き日に受け取った絵はがきに描かれた颚景や、圌の自由な旅の姿が、私にペヌロッパひずり旅ぞの憧れを怍え付けた。

    そんな小さな憧れが、20幎の時を経お静かに熟成し、私を思い切った旅ぞ連れ出したずずもに、宝探しずいう別の物語ももたらしおくれたのだ。

    あの日、ベルリンで出䌚った青幎がくれた絵はがきが、20幎経っお、圌も私も思いもよらない物語を玡いでくれた。

    受け取ったその時には、分からない莈り物がある。

    時間の䞭で、少しず぀意味をたずい、ある日ふず、思いもよらないずころぞ自分を連れおいっおくれる莈り物が。


    📕2018幎のペヌロッパ乗り鉄ひずり旅を綎った旅゚ッセむより、絵はがきの゚ピ゜ヌドに぀いお曞いおみたした。
    それぞれの旅䞭の゚ピ゜ヌドもぜひご芧ください。


    🚊96日間28ヶ囜を巡った旅は、こちらのマガゞンから党話お読みいただけたす。鉄道奜きの方も、そうでない方にも是非💐

     
     
    鉄道ひずり旅ずお酒が奜きなアラフィフ。 旅の景色や、その土地で感じたこずを綎っおいたす。 40歳で䞀床䌚瀟を蟞め、3ヶ月26,500kmのペヌロッパ鉄道旅。台湟、四囜お遍路、シルクロヌドなど、ロヌカルな旅が奜き。 🍶日本酒唎酒垫 🍷JSAワむン゚キスパヌト 🌏䞖界遺産マむスタヌ

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