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「この服、誰かとかぶったら嫌だな。」

    女性なら、一度はそんな気持ちになったことがあるのではないでしょうか。
    お気に入りの服を着て出かけた日。
    鏡の前では気分も上がり、「今日はこの服にして良かった」と思っていたのに、外出先で同じ服を着た人とすれ違う。
    誰も悪くありません。

    でも、少しだけ気まずくて、なんとなく恥ずかしい。
    そんな経験をされた方もいると思います。
    私は、その気持ちをできるだけなくしたい。
    だから、納品の前に一番時間をかける仕事があります。
    それが、売場のセットアップです。

    アルコンでは、病院売店、道の駅、コンビニ、日帰り温泉など、それぞれのお店へ洋服をお届けしています。

    一見すると同じような売場に見えるかもしれません。
    でも、私の頭の中では、すべて別のお店です。
    病院売店には、入院中や通院中のお客様、ご家族、お見舞いに来られる方がいます。

    道の駅には、旅行を楽しむ方や地元のお客様がいます。
    コンビニには、仕事帰りや買い物のついでに立ち寄る方がいます。
    日帰り温泉には、お風呂上がりの心地よい時間を過ごす方がいます。
    来店されるお客様が違えば、選ばれる洋服も違います。
    だから私は、「この場所には、どんな方が来るだろう。」と想像しながら、一枚一枚ラックに掛けています。

    ラック2本のお店なら、並べる洋服は約50枚。
    その約50枚を、できる限りすべて一点物になるようにセットアップします。
    同じデザインを何枚も並べることは、ほとんどありません。
    色や柄、デザインを変えながら、「自分だけのお気に入り」が見つかる売場を目指しています。

    効率だけを考えれば、同じ商品を並べた方が簡単です。
    でも、私はそうしたくありません。
    お客様が鏡の前で笑顔になり、
    「この服にして良かった。」
    「友達とかぶらなくて良かった。」
    そう思っていただけたら、それが一番うれしいからです。

    社長の仕事というと、会議や数字を見ることを想像されるかもしれません。
    もちろん、それも大切です。
    でも私にとっては、お客様の笑顔を思い浮かべながら売場をつくる時間も、同じくらい大切な仕事です。

    洋服を売りたいのではありません。
    その服を着て出かける日が、少しだけ楽しくなる。
    その人らしく、自信を持って過ごせる。
    そんな一着との出会いを届けたいのです。
    だから今日も私は、一枚一枚に想いを込めて、お店ごとに違う売場をつくっています。
    それが、アルコンが創業以来、大切にしてきた「売場づくり」のこだわりです。


     
     
     
    有限会社ALCON(アルコン)代表・菅原です。一つの商品には、一つの物語があります。病院売店・温泉・道の駅での出会いや商品開発の裏側、経営者としての挑戦を綴り、人と商品をつなぐ物語をお届けします。

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