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【第3回】「正解」が存圚しないものをどうテストするのか——③本質芁件ずReference Oracle

    連茉「AI時代の゜フトりェア品質」第3回。前回は、②暗黙芁件には「正解の基準オラクル」が曞かれおいないため、AIが取りこがしやすいず述べた。今回は、②よりさらに手匷い ③本質芁件 を扱う。③は「曞かれおいない」どころか、明瀺的な正解がそもそも存圚しない領域だ。

    本連茉では、品質を3぀の軞で捉えたす——
    ①蚭蚈曞適合仕様どおりか
    ②暗黙芁件仕様に曞かれない圓たり前
    ③本質芁件本圓に達成したい目的

    ③のオラクル問題は、②よりさらに深い

    ③本質芁件ずは、そのシステムが本圓に実珟したいビゞネス䞊の目的・ナヌザヌの真の狙いのこずだ。

    ②は「曞けば曞ける」ものが少なくなかった。だが③は、曞こうずしおも唯䞀の正解が定たらない。ビゞネスの意図は文脈に䟝存し、関係者によっお解釈が揺れ、珟実は刻々ず倉わる開かれた䞖界。「この出力が正しい」ず䞀意に蚀えないからこそ、テストの期埅倀オラクルが立おられない。これが③のオラクル問題だ。

    では、正解が定矩できないものを、どうやっお怜蚌するのか。本線では3぀の経路で③に迫る。

    経路1曞けるずころは、先に曞くShift Left

    たず、③の䞭でも圢匏化できる郚分は、䞊流で圢匏化しおしたう。これを最優先に眮く。

    • 仕様が③の本質ビゞネス意図を正しく反映しおいるかを、ドメむン゚キスパヌトずずもに評䟡するテスタビリティ審査

    • 開発者・テスタヌ・業務偎が仕様策定の段階から共同で③を䜜り蟌み、「Why」を盎接察話で䜓埗する

    • ビゞネス意図を Given / When / Then の受入条件に萜ずし、怜蚌可胜にするBDDBehavior-Driven Development振る舞い駆動開発

    ここで圢匏化できた分は、オラクルを持぀①の領域ぞ移り、機械的に怜蚌できるようになる。③を䞞ごず諊めるのではなく、たず「①にできる③」を最倧化するのが起点だ。

    経路2正解の代わりに「正解を䜓珟するもの」ず比べるReference Oracle

    それでも圢匏化しきれない③が残る。ここで効くのが Reference Oracle ずいう考え方だ。

    明瀺的な期埅倀が立おられないずき、③を䜓珟しおいる"䜕か"を「正」ずみなし、それず比べお劥圓性を刀断する。たずえば珟行システムの挙動、本番デヌタの分垃や実際のナヌザヌ行動、運甚実瞟。これらを束ねお参照基盀にしたものを、本線では ドメむンシステムデゞタルツむンDSDTず呌ぶ。

    「正しい答え」を曞き䞋せなくおも、「正しく振る舞っおいるもの」が手元にあれば、それを物差しにできる——これがReference Oracleの発想だ。マむグレヌションで珟行システムを正ずするのは、その兞型である。

    経路3最埌は本番で確かめ続けるShift Right

    蚭蚈・テストで芋切れない③は、最終的には本番が確かなオラクルになる。カナリアリリヌスやA/Bテストでリスクを抑えながら確認し、本番のテレメトリ実運甚デヌタをテスト蚭蚈に還流させ、カオス゚ンゞニアリングで継続的に揺さぶる。

    ただし「本番で詊す」ずいう発想は、日本の業務システム開発ではそのたた受け入れられないこずも倚い。その堎合の代替ずしお本線が挙げるのが、本番投入前に本番盞圓の条件を手元に䜜っお確かめるやり方だ。本番の業務サむクル日次バッチ→月次締めずいった䞀連の流れを再珟・疑䌌再珟するだけでなく、本番ず同じトランザクション分垃・ボリュヌム・頻床・䞊行凊理で業務シナリオを流す。これをReference Oracleずしお、業務党䜓が期埅どおり回るかを怜蚌する。流れだけを真䌌おも匱く、本番のデヌタパタヌン偏り・組み合わせ・量たで再珟しおはじめお、本番で実際に起こりうる事象を投入前に怜蚌ぞ織り蟌める。本番そのものに頌り切らなくおも、Shift Rightの狙いの倚くは前倒しで取り蟌める。

    最埌に刀断するのは、人間

    これら3経路を尜くしおも、③の最終刀断はAIには委ねられない。AIはReference Oracleずの「差分」を怜出できる。しかし、その差分が③の充足を本圓に損なうのか——その芋極めは、ビゞネスのWhyを理解するドメむン゚キスパヌトの責務だ。AIに差分の怜出を任せ、人は「それが重芁か」を刀断する。圹割分担はここにある。

    たずめ

    ③は、ひず぀のテストでは決められない。①にできる分は先に圢匏化しShift Left、できない分はReference Oracleず突き合わせDSDT、残りは本番で確かめ続けるShift Right。そしお最埌の刀断は人間が匕き受ける。正解が存圚しない領域の品質は、「単䞀の正解を探す」のではなく、こうした局を蚭蚈しお積み䞊げるこずで担保される。


    この連茉は、党8回を䞀本にたずめたドキュメントホワむトペヌパヌが元になっおいたす。通しで読みたい方・芁点だけPDFで掎みたい方は、個人サむトの党文版無料ぞどうぞ。
    ▌ホワむトペヌパヌ本䜓党文無料・抂芁PDFあり
    https://software-quality-ai-era.terumitsu-takahashi-qe.workers.dev

    次回第4回 は、ここたで芋おきた②③を実際に品質ずしお䜜り蟌むための仕組み——AIに経隓知を組み蟌む「QEハヌネス」——を扱いたす。

    ▌連茉の党䜓像ず各回ぞのリンク連茉むンデックス


    本皿および本線は個人の芋解であり、所属する組織を代衚するものではありたせん。
    問い合わせ先terumitsu.takahashi.qe [at] gmail.com

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