
公園のトイレが汚くて、娘がトイレを拒否した日のこと
娘が「やだ、くさい」と言った。
公園のトイレの前で、足を止めて、こっちを見た。その顔は本気だった。
近くに別のトイレはない。でも娘はもう限界に近い。「がんばって」と言いながら、半ば強引に連れて入った。娘はずっと口を手で覆っていた。
あのトイレ、いつからあの状態なんだろう。
改めて見ると、便器は黄ばんでいて、壁にはヒビが入っていた。清掃はされているのかもしれないけど、素材自体が限界を超えている感じがした。汚れというより、老いている。
交換したら高い。でも塗装だけでも、白く塗り直すだけでも、だいぶ違うんじゃないか。そう思った。
思いついたらとりあえず考えてしまうたちなので、ビジネスになるか検討してみた。
単価は1台1万円くらい。古い公園や神社のトイレをターゲットに。
すぐ詰まった。
公園のトイレは自治体管理で、修繕には業者登録と入札がいる。個人が「やります」と言っても、受け付けてもらえる窓口がない。単価も、専門塗料の材料費と手間を考えると薄い。範囲を広げて「トイレ全体をリフォーム」にすれば単価は上がるけど、今度は一人では回らない。
クラウドファンディングで資金を集めて自治体に無償提供する、という逆転の発想も考えた。でも時間とコストを考えると、自分がやる理由が見えなくなった。
結局、何もできなかった。
ただ、需要はある。確実に。
娘みたいに「使いたくない」と言う子供は、全国の公園にいる。付き添う親も困っている。お金がないから放置されている、というのはわかる。でもそれで誰も困っていないわけじゃない。
誰かがうまくやれる方法を、まだ思いついていないだけな気がしている。
もし「こういう仕組みがある」とか「自分がやってる」という人がいたら、教えてほしい。わりと本気で。