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【Park Beyond】宇宙1周よりも長いジェットコースターを作る

    遊園地経営ゲームであるPark Beyondで、観測可能な宇宙1周(直径約930億光年)よりも走行距離が長いジェットコースターを作ってみます。

    方針

    分岐路を使用して、分岐数に対して指数関数的に走行距離の伸びるコースターを作っていきます。

    n進数コースター

    まずnn分岐路の各分岐先に0からn−1n-1までの数値を割り振ります。
    例えば2分岐路の場合は、右に進むのが0、左が1のような形です。

    次にたくさんnn分岐路を並べて、その数値をnn進数の各ケタの値として考えます。
    上の2分岐の場合、分岐路の行き先が左右左と並んでいたら2進数の101つまり5を表すといった形です。

    そして、コースターが通過するごとにそのnn進数の値が1増加し、数値がカンストした時にゴールするような機構を作ります。

    例えば2分岐路を10個設置した時は、2102^{10}である10241024週した時に初めてゴールするようなコースターです。
    これを用いて走行距離を指数関数的に伸ばしていくのが本記事の方針です。

    Park Beyondでは2分岐路と3分岐路がありますが、本記事では基本的に3分岐を使います。(理由は後述)


    実際に作ってみる

    まずは簡単なものを作っていきます。

    仕組み

    まずはスクショを見てください。

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    3分岐4連コースター

    まずコースターがスタートしたら右下から登って4連する3分岐の分岐路に進みます。
    各分岐は初期値は一番下に進むように設定しており、コースター
    が1回通過するごとに行き先が下→中→上→下…の順に変化します。

    各分岐では上に進むと次の分岐路に進み、それ以外はスタートに戻るようにします。
    4連続で上の分岐路を進んだらゴールです。

    これは3進数を表していて各分岐がそのケタの数字になっています。
    行き先が下→0、中→1、上→2と置くと、周回するごとにこのカウントが1増えます。

    例えば、以下の状態の場合を見てみます。

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    赤矢印が分岐の行き先とすると
    それぞれの分岐の数字が左から1,0,2,0になっていて
    3進数の1020つまり33とコースターの周回数が一致する

    これは3進数の1020つまり33を表して、しかもこの数値は実際の周回数に一致します。

    実際に、まずは一番右の桁からコースターがスタートします。
    この時、コースターの通過で以下のように状態が変化します。

    • 行き先が下(0)の場合は通過すると次の行き先が中(1)に変化

    • 行き先が中(1)の場合は通過すると次の行き先が上(2)に変化

    • 行き先が上(2)の場合は通過すると次の行き先が下(0)に変化して次の桁に進みます。これは繰り上がりを表しています。

    これによって周回するごとに3進数が1ずつ増えます。
    よって周回数と3進数が一致することがわかります。

    これがカンストした時、つまり3進数の10000すなわち81回を超えたときにゴールするようになっています。

    これを繰り返して桁数を増やしていけば指数的に乗車時間が増えるということです。


    なぜ3分岐?

    なぜ3分岐を使うかというと、できるだけ少ないコストで周回数を伸ばそうと考えた時に、3分岐が最も効率よく周回数を稼ぐことができるからです。

    コストが分岐数に比例して大きくなるとします。
    コストをaaとし、分岐数をnnとした時、分岐の数はan\frac{a}{n}になります。
    つまり、周回数は

    nann^{\frac{a}{n}}

    となります。
    nnを実数だと思って実数関数f(x)f(x)を

    f(x)=xaxf(x) = x^{\frac{a}{x}}

    とおいたとき、この関数を微分すると以下のようになります。

    f′(x)=(xax)′=(ealog⁡xx)′=(alog⁡xx)′ealog⁡xx=(ax2−alog⁡xx2)ealog⁡xx=a1−log⁡xx2ealog⁡xx\begin{array}{cl} f'(x) & = (x^{\frac{a}{x}})'\\ & = (e^\frac{a\log x}{x})'\\ & = (\frac{a \log x}{x})'e^{\frac{a\log x}{x}}\\ & = (\frac{a}{x^2}-\frac{a\log x}{x^2})e^{\frac{a\log x}{x}}\\ & = a\frac{1 - \log x}{x^2}e^{\frac{a\log x}{x}} \end{array}

    よってf(x)f(x)の最大値はf′(x)=0f'(x)=0を満たす時、つまりx=ex=eのときにとります。

    今、xxは自然数なので、x=2x=2またはx=3x=3の時に最大値をとることがわかります。この2つを比較するためにf(2)f(2)とf(3)f(3)をそれぞれ6乗すると
    f(2)6=(2a2)6=8af(2)^6=(2^{\frac{a}{2}})^6=8^a、f(3)6=(3a3)6=9af(3)^6=(3^{\frac{a}{3}})^6=9^aであり、分岐数が1以上の場合、つまり2<a 2 < a を想定しているのでf(2)<f(3) f(2) < f(3) がいえます。

    よって3分岐を使うのが最適だということがわかります。
    (4分岐路以上の選択肢がある場合でも3分岐路が最効率です)


    宇宙の年齢を超えるコースター

    まずは乗車時間が宇宙の年齢(138億年)を超えるコースターを作ってみます。
    先ほどのコースターの分岐数を増やしていきます。

    実際に3分岐が35連するコースターを作ってみました。

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    35連3分岐コースター

    ゴールするまでの周回数は3353^{35}周、計算すると5.0×10165.0\times10^{16}で約5京周です。

    乗車時間を計算する

    まずは1週にかかる時間を計測します。
    Park Beyondでは実時間で30分を超えるコースターは客を乗せられない仕様なのでこれを利用して色々計測してみます。

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    乗車30分後(実時間)の様子
    周回カウントは3進数で1000つまり27
    走行距離30838m

    30分後の周回カウント数を見てみると上のように27週目の途中でした。
    計算しやすいように27=3327=3^3週とすると、ゴールするまでにこの30分をあと3323^{32}回繰り返す必要があります。
    そこから計算すると、ゴールするのに1.06×10111.06 \times 10^{11}つまり約1060億年かかります。
    宇宙の年齢が138億年と言われているので、その7倍以上の時間がかかります。
    ちなみに総走行距離は同じ平均速度で進むと仮定すると5.56×10165.56\times 10^{16}km、1光年が9.46×10129.46\times 10^{12}kmらしいので約5800光年を平均時速61kmで走り続けることになります。

    これで5800光年なら宇宙一周も可能だと思い、さらに延長してみました。

    観測可能な宇宙1周よりも長いコースター

    人類が観測可能な宇宙の直径は930億光年とされています。
    上のコースターを改造して、これを超える走行距離のコースターを目指して
    作っていきます。

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    50連3分岐コースター

    走行距離を計算する

    30分の時点で3進数カウントは200、つまり18周目でした。
    計算しやすいように18周つまり33/1.53^3/1.5とすると、あと1.5×3471.5 \times 3^{47}回、32kmを走る必要があります。
    計算すると1.35×10111.35 \times 10^{11}光年、すなわち約1350億光年です。
    宇宙の直径を930億光年だとすると、その約3.14倍が宇宙一周の距離なのでちょっと足りないみたいです。

    そこでもう1つ3分岐路を追加した51連コースターを作りました。

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    51連3分岐コースター
    周回数は3^51つまり約2.15𥝱周
    総走行距離は観測可能な宇宙1周越えの約4050億光年

    こちらも30分で18周目の途中であり、50連コースターの約3倍の走行距離の約4000億光年になります。
    観測可能な宇宙1周は約2920億光年なので、それを超えることができました。
    ちなみに乗車時間は30分で18周できたとしても6.83×10186.83 \times 10^{18}年
    つまり683京年、おおよそ宇宙の年齢の約5億倍かかります。

    まとめ

    乗車距離を指数関数的に伸ばすことで観測可能な宇宙1周を超えるコースターを作成してみました。

    続編


     
     

    nekoni

     
     
    一応、数学の博士号を持っています。 経営シミュレーションとローグライクが好き。

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