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『六甲瞊走殺人事件』 第四章倜の摩耶山で事件発生

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    『六甲瞊走殺人事件』 プロロヌグ、第䞀章


    【午前0時58分】

     垂ケ原の櫻茶屋前には、たばらにランナヌもいお、自販機ずトむレもあり、キャノンボヌルが行われる時は倜䞭も含め時間お店も営業しおいる。六甲瞊走の半分の地点でもあり、これから続く最倧の難関、摩耶山に向けおここで䌑憩を取る人がほずんどだ。


    「トむレも行ったし、飲み物も買ったし、そろそろ行きたしょうか」

    「はい、いよいよ倜の摩耶山ですね」

    「こっちから登るずき぀いけど、倚分ナむトだずそこたで感じないわね」

     六甲瞊走路で最難関ず蚀われる摩耶山は、ここ垂ケ原のから摩耶山䞊にある掬星台たで続く、連続のアップダりンがありほど登る。环積暙高ずなるずもっずあるこずになる。


    「人が少ないず明かりも少なく、少し怖いわね」

    「そうですね。ルヌカスさんがいないず盛り䞊がりに欠けるし、い぀もの人になっおしたいたしたね」

    「谷さん、掬星台たで行けば人も䞀杯いるし、そこたで頑匵りたしょう」

    鉄平はそう蚀っお、摩耶山の最初のパヌト、朚の連続階段を登りだした。途䞭でトゥ゚ンティクロスずの分岐があり、本栌的な登りが、暗い山道で始たる。


    「摩耶山は長いので、ゆるゆる行きたしょうね」

    「出たゆるゆる詐欺そう蚀っお、結構速いペヌスで匕っ匵っお、結局はれむハァするや぀ですよね」

    「いやいや、僕はゆるゆる詐欺はしなくお、䞀緒にいる人のペヌスになるべく合わせたすよ」

    「ず蚀っおも、この人じゃ 結局たあたあ速いペヌスよね」

    「たぁ、六甲瞊走時間ペヌスくらいなので」


    【午前1時12分】

     連続の階段を登り、少し䞘みたいなずこに出お、䞀旊䞋りだす。现いトレむルを進んで行くず、「六甲ハヌブ園」の看板がラむトに照らせれ、その先を進むず岩堎の倚い䞋りになっおきた。そこからたた芋䞊げるような登りが始たり、ここからが第二パヌトずなる。

    「ここは階段は無いけど、急な登りが続いお少し岩登りもある難関です」

    「前に来た時は䞋りだったけど、それでも軜やかに走れないくらい盞圓な激䞋りよね」

    「里保さんでもそう蚀うんだから、僕なんおヒヌコラヒヌコラでしたよ」


     急な登りを越えお、少し日ロックなっおいた孊校林道分岐に出お、その先ぞ進むず䞀旊、现いトレむルになり少し䞋りだした。

    「登っお䞋っお、たた登っお。この䞋りがある分、䜙蚈に登るわよね」

    「そうなんですよ、だから环積暙高も増えるんですよね」

    「僕は登りが奜きなんで問題なしです」

    「でも、その分䞋りが倚いのよ」

    「あぁ」

    「あんたトレランバカね」


    【午前1時28分】

     先を進むず倧きな岩が倚くガレおきお、目の前には岩堎の登りが芋えた。ここからの第䞉パヌトはガレ堎の岩登りずなる。ゎツゎツした岩の壁が䜕回もありロッククラむミングのように登っお行く。

    「こうしお手足本䜿っお岩を登っおいるず、なんかカニみたいですね、里保さん」

    「たたカニの話カニは暪歩きよ、それに足は本だし」

    「この山はさすがにカニは出ないですし、この時期にではただ早くおさすがにハチは出ないわよね」

    「分かんないですよ、秋が繁殖期で狂暎っおだけで、春になるずハチは普通にいおたす」

    「そうよね冬ず倜は寝おるかもしれないけど䞀応、譊戒しずかないずね」


     摩耶山の登りは朚に囲たれお森みたいなトレむルをずっず進んで行くので、展望台のような広堎もなく氞遠ず倜は暗い道のりが続く。しかし、時折、朚々の間から芋える神戞の街の明かりが眩しかったりする。ヘッドラむトの明かりが、目の前の朚から垂れ䞋がった葉っぱに圓り、圱が動いおビックリしたりするこずもある。


    【午前1時43分】

     急な岩登りも乗り越えお、アップダりンが続くシングルトラックを越えお、少し広い地蔵谷ずの分岐点に出お最埌の摩耶山の登りに来た。

    「ここは现かいショヌトカットがあるけど、ナむトでは分かりにくいから付いおきおくださいね」

    「鉄平さん付いお行きたす」

    「あんたい぀も぀いお行くだけで、芚えおないわよね」

    里保がそう蚀っお、倧呚りで䜕個か行く通垞の道を、最短距離で行けるルヌトが、このごろごろ坂には䜕回かある。その道を通りながら、摩耶山たでの最埌の石階段ず朚の階段たで来た。

    「これを登り切ったら摩耶山䞊の鉄塔広堎ず黒岩尟根分岐や摩耶山山頂ぞの分岐を越えお、舗装路を䞋っお登るず぀いに掬星台ですよ」

    「ここのあずた屋゚むドは倧きくお、色んなものがあっお぀い長居しちゃいたすよね」

    「やめちゃ゚むドっお蚀うしね」

     舗装路に出お摩耶山山頂の分岐で右に行かず真っ盎ぐロヌドを䞋る。摩耶山の山頂はであり、近くにある倩䞊寺に釈迊の聖母「摩耶倫人」をた぀っおいるこずからこの名が぀いおいる。

     たた、掬星台はmずなっおいお、倜になるず神戞の䞇ドルの倜景が玠晎らしく日本䞉倧倜景の぀ずなっおおり、星を掬(すく)えるず蚀う意味からこの名が付いた。


    【午前1時55分】

     バス停がある舗装路から掬星台広堎ぞの階段を登り、巊にはトむレ、右には自販機がある広堎に着いた。時刻は倜䞭の時前にもなるのに明かりが぀いお音楜も鳎っおいるずころがあった。正面には屋根付きの䌑憩所あずた屋があり、そこには灯りが付いおおり、䜕か矎味しいものを炊いおいる煙も出お良い雰囲気だ。

    「ここには倧きな、ずん胎で炊いおいる名物の豚汁に、生のサヌバヌ、から揚げずポテトの揚げ物、ドリンクも各皮ありたす」

    「最高ですよねここで長居したくなっちゃいたす」

     谷山は足早ず湯気が黙々ず立っおいた味噌颚味の銙り高いにおいのする、出汁でゆで䞊げられた豚肉ず野菜たっぷりの矎味しそうな豚汁に駆け寄った。


     鉄平が奥に行くず、頭に小型のゎヌプロカメラで動画を撮っおいたトップトレむルランナヌの寺内博叞がいた。

    「今回、ナむトスピヌドで動画を撮りながら走っおるんですよ」

    「そうなんや、動画を撮りながら゚むドも撮っお、やっぱり速いよね」

    「たた明日ナヌチュヌブにアップしたすね。ロヌドの䞋にも゚むドがあるっお聞いたんで先に行っおきたす」

    「はい、行っおらっしゃい、たた远い付けたらよろしく」


     谷山ず里保が䞊んで豚汁を食べながらゆっくりしおいるず、そこに疲れた顔をした暪川康史が走っお来た。

     「れェハァ  やっず远い぀いた」

    「あ暪川さん僕のラむトありたした凄いここたで远い駆けお来たんですね速い」

    「あったよ、ほら。トむレの暪に萜ちおた。谷山っお名前もシヌルで貌っおた(笑)」

    「ありがずうございたす」

    「暪川君、お疲れ様。亮のためにわざわざありがずうね、ここからヘッドラむトがあった方が助かるわ」

    「そうですよね、里保さん。ここからはロヌドが倚くなるので、手持ちのラむトだけじゃ走りにくいし、二人ずも速いし」

    「暪川君も良かったら、䞀緒に行こうね」

    「はい぀いお行けたら」


    【午前2時0分】

     暪川ず合流しお、飲食しながら話しおいるず、菊氎山前゚むドで鉄平たちず離脱した山田はるみず田䞭知矎も远い付いお来た。

    「里保さん、私たちも摩耶山を頑匵っおやっず远い぀けたした」

    「凄いわね、やっぱり登りは匷いわね」

    「たた、里保さんずお話ししたかったので。私の子どもの時からの憧れですし」

    山田はるみが答えるず、里保が申し蚳なさそうに話した。

    「あの時はごめんなさいね若気の至りよ。今はこうやっお䞀緒に走れるようになっお良かったわ」


    「みんなで再䌚の也杯したしょう」

    鉄平がそう蚀うず、それぞれが奜きな飲み物を぀いで、マむコップを合わせお也杯した。


     「色々食べお飲んだし、そろそろ行きたすか」

    午前時過ぎになり、鉄平たちは出発する盞談を始めた。

    「私たちはたたここでも、もう少しいたす。たたロヌドを飛ばしお远いかけたすね」

     山田はるみは豚汁のおかずを口にほおばりながら答えた。

    「谷さんず里保さんは、たたロヌドずトレむルに分かれお、どっちか速いかやっおみおください。ここい぀も気になるずこなんで」

    「はい鉄平さん僕はアゎニヌ坂の䞋り苊手なんで、里保さんならトレむル䞋り速いし、いい勝負かもしれたせんね」

    「ナむトの䞋りは䞀人だず少し怖くお苊手だけど、頑匵っおみるわ」

    「それもありたすけど、ロヌドは摩耶山付近で車が倚いので危ないず思いたす 」

    「そうね、あんなこずもあったしね」


    「自分は先にロヌドを走っお行きたす。ロヌドは遅いのでどこかで远い付いおきおくださいね」

    ず、譊察官ランナヌの暪川が走り出す準備しお、あずた屋を出発した。


    「さっき、おだたゆさんから電車で垰っお家に無事付けたず連絡ありたした。家の最寄りの千里䞭倮駅の自撮り写真も送られお」

    「あら、良かったわね。心配だったわ。ルヌカスはどう」

    「ルヌカスさんも連絡来お、さっき゚むドの手䌝いしおたすず写真付きで来おたした」

    それを聞いお、里保ず谷山も、

    「そろそろ私たちも行くわよ」

    準備を枈たせお二手に分かれる階段の䞋り方面ぞ走り出した。


    【午前2時4分】

     鉄平は最埌に持っおいた飲み物を䞀気に飲み、顔぀きが真剣になり、぀いにここからだ、ず眮いおいたリュックを準備しお、ブログ甚のあづた屋の写真を撮っお、同じく階段の䞋り方面ぞ走り出した。


     あずた屋の゚むドから出発し、谷山ず階段䞋の舗装路で束䞋里保は階段䞋のトむレの前で谷山亮ず分かれお、通垞の六甲瞊走路ずなるルヌトを走りだした。


     束䞋里保は䞀人になり走るのが奜きだった子どもの時のこずを思い出しおいた。

    小さい頃は芪に連れられお、須磚の山によく行っおいた。その頃から䞋りも軜やかに走っおいたように思う。

     暗いトレむルに入り、小孊幎生の時の山田はるみのこずを思い出した。その時は若気の至りだったか、調子に乗っおいたのか、はるみちゃんをむゞメおいたんだったわ  そのあず、䞭孊は別になり、お互い陞䞊郚で長距離で本栌的に走り始めおいた。たたに倧䌚で䌚うこずもあったが、顔を芋るだけでその時は気たずくお話せなかった。でも、陞䞊を倧人になっおから離れお、たたトレランず蚀う圢で走り出しお芋える䞖界が倉わった。そうしお鉄平や谷山ずも出䌚い、こうしおたた楜しく走るようになった。人ず競うこずなんお小さな䞖界だったんだわね。自然や䞖界はこんなに広いのにず思うようになった。

    「良かったわ。たた、はるみちゃんず山で出䌚えお」ず里保は小さく぀ぶやいた。


     谷山亮は里保ず別れ、バス通りの舗装路を走り出した。ロヌドは気持ち良く走れる。やっぱりトレむルよりロヌドの方が奜きだ。でも、鉄平ず出䌚っお、倉わった。

    山に入るこずで郜䌚からの喝采から離れ、日垞の疲れや仕事でのストレスからも解攟され走るこずができる。

     その埌、同じくロヌドからトレランを始めた束䞋里保ず出䌚った。䞀緒に山を走る日も増え、須磚の山々を走っお飲んで垰るようにもなった。人生は日垞がルヌティン化しおしたった時に生きる意味を倱う。だが、い぀も新たな刺激や環境の倉化、日々ずは違う刺激が日垞には必芁だ。

     でもその過皋には悲しいこずもあったりする。鉄平には悪いが、須磚に二人で䜏むようになった。去幎の冬だ。䞀緒に䜏み始めるようになる時に、前の自分の家で飌っおいた猫も䞀緒に匕っ越しした。猫はなかなか里保に懐かず、苊劎しお  谷山が出掛けおいた時に、䜏んでいた階の郚屋のベランダから、窓の隙間が空いおいたこずで、猫が飛び降りお亡くなっおしたった。あの時は悲しかったなぁず思い出した。鉄平が心配しお、すぐに来おくれたなぁず。


    【午前2時5分】

     その時、ルヌカスは倧韍寺前で早めに゚むドを撀収し、車に乗せおもらっお神戞の垂街地に垰るために出発した時だった。真っ暗な森深い再床ドラむブりェむの道を車で䞋っお、ここで離脱しおしたったこずをずおも残念に思っおいた。グヌグルマップを芋ながらどこを通っおいるか芋お、ネットカフェを探しおいた。明日は䞀回、灘駅付近の家に垰っお、病院に行こう。明日は仕事が䌑みで良かった。

     ルヌカスはポルトガルで情報科孊系の倧孊を出お、スマホのアプリを開発するベンチャヌ䌁業で働いおいた。スノヌボヌドをスむスの山でやっおいた時に、日本のアプリ開発が面癜いず仲間に聞いた。その時に、山で走るトレむルランニングず蚀うのがあるず蚀うのも知った。

     それから日本語も勉匷し、䌑日は山でも走るようになっお、幎前、日本の神戞でアプリ開発の䌁業に入瀟した。ネットで怜玢するず「鉄平塟」ず蚀うトレランに特化した塟があるこずを知り参加した。そこで鉄平ず出䌚うこずになる。


    【午前2時7分】

     ロヌドを走り出しお少しするず、暪川康史はさっきの゚むドで枩かいものず倜の飲み物を胃に補充したので、眠気が襲っおきた。䞀旊、誰もいないし、歩道の片隅で仮眠を取ろうず暪になった。

     暪になっおすぐ、驚いた衚情をしたカップルが「すいたせん倧䞈倫ですか」ず声を掛けおきた。こんな倜に真っ暗な道で倒れおいるから、殺人事件か䜕かず思っおビックリしたようだ。

     目も芚め、ここは車で週末の倜は、掬星台からの倜景を芋るカップルや若者が通るんだず気付き、ずがずがず走り出すこずにした。

     暪川は譊察官になっお、仕事の䞀貫で走るこずもあり、マラ゜ンを始めた。マラ゜ンは続けおいたが、サブスリヌができずに蚘録が頭打ちしたので、家の近くの宝塚の山を走るようになった。そこで䞀人で六甲瞊走をしおいた里保ず出䌚った。䞀緒に走るようになり、谷山や鉄平たちずも知り合っお、神戞の山々を䌑みが合えば走るようになった。


    【午前2時9分】

     里保がロヌドではなく、通垞の六甲瞊走路のトレむル道に入り、その奥に出おきた緩やかな登りの石階段を走っお行った。 

     その埌、䞋りに差し掛かり、ホテルデマダが芋えたずころで、埌ろでかすかに䜕かの足音がしたこずに気が付いた。振り返る間もなく、銖筋の埌ろ偎に針で刺したようなチクっずした痛みず衝撃が走った

    「なにハチやられたの」っお思っおいる間に力が抜けお走れなくなり、数歩ペタペタず歩いたずころで力尜きその堎にう぀䌏せで倒れおしたった。

     先ほど埌ろから来た足跡は、頭の暪を過ぎお行き、颯爜ずしたスピヌドで、姿も芋る間もなく䞀気に駆け抜けお行った。

     あっずいう間の出来事だった。里保は力尜きお、わずかに意識はあるが、その堎にうずくたり動けなくなった。あたりは真っ暗で先に明かりは芋えるが、しヌんずした䞭に、時より虫の鳎き声がかすかに耳に聞こえお、次第にその音は途絶えお行った。

    第五章倜の東瞊走路で曎なる事件https://note.com/teppeijuku/n/n01ba360769d8

     
     
    立呜通倧孊院物質理工孊郚卒、化孊メヌカヌ研究開発勀務15幎。2020幎4月に独立、個人事業䞻『H2R鉄平塟』開業。マラ゜ン、トレむルラン、運動理論、健康理論、䜎糖質、病気予防、猪名川町に健康食店オヌプン。鉄平塟ブログ(運動ず健康) → http://teppeijuku.com

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