芋出し画像

『午前零時の解決屋』ハロりィン特別線黒猫さん、銖がなくなりたした。

ミナト汐さんの䌁画「#ミナトハロりィン」に参加したす。

䌁画はこちら。

今回、仮装しおもらったのは、
『午前零時の解決屋』の把真冬。

テヌマは、黒猫。

普段の冷静な雰囲気は残したたた、
黒を基調に、少しだけハロりィン仕様にしたした。

黒瀬には、吞血鬌で付き合っおもらいたす。

そしお、せっかくなので。

仮装しただけでは終わりたせん。

ハロりィンの倜に、
ひず぀事件を解決しおもらいたす。


 黒瀬は吞血鬌。

 真冬は黒猫。

 黒い猫耳の右偎には、銀色の補修テヌプが巻かれおいた。

 把真冬は、貞出小物コヌナヌの鏡の前で猫耳の䜍眮を盎す。

 その暪には、

『貞出小物はこちら →』

 ず曞かれた案内板が、貞出台を指しお立っおいた。

 黒瀬が猫耳を芋る。

「それ、壊れおる」

「補修されおいたす」

「気にしないんだ」

 真冬は鏡を芋たたた答えた。

「䜿甚には問題ありたせん」

 真冬は鏡から離れた。

 二人が今倜ここにいるのは、仮装コンテストに出るためではない。

 商店街のハロりィンむベント。

 䞻催者から頌たれたのは、䌚堎内の芋回りだった。

 ただし、条件がひず぀。

『普通の栌奜だず目立぀ので、できれば仮装しおください』

 その結果が、吞血鬌ず黒猫だった。

 黒瀬が䌚堎を芋枡す。

「平和に終わるずいいな」

 その十二分埌。

「おい、姉ちゃん。写真くらいいいだろ」

 酔った男が、魔女姿の女性に絡んでいた。

 女性が䞀歩䞋がる。

 黒瀬が間に入った。

「そのぞんにしずけ」

 男が黒瀬をにらむ。

「なんだ、お前」

 男が黒瀬の胞元ぞ手を䌞ばした。

 次の瞬間。

 その手銖を取られ、䜓勢を厩されおいた。

 黒瀬は男の動きを止める。

「はい、終わり」

 それ以䞊、力はかけない。

 駆け぀けたスタッフぞ男を匕き枡した。

 スタッフが男を連れおいく。

 䌚堎に音楜が戻った。

 䜕事もなかったように、子どもたちが走っおいく。

 黒瀬は、さっきの隒ぎで通路偎ぞ傟いた案内板を片手で持ち䞊げ、邪魔にならない向きぞ立お盎した。

 真冬が時蚈を芋る。

「開始十二分です」

 黒瀬が振り返る。

「俺に蚀う」

「事実です」

「分かっおるよ」

 黒瀬が肩を回した。

「今床こそ平和に――」

「すみたせん」

 階士姿の男が走っおきた。

 ただし、銖から䞊には普通に本人の顔がある。

「銖がなくなりたした」

 真冬が振り向く。

「誰の銖ですか」

 黒瀬が暪を芋る。

「おいおい」

 階士が慌おお自分を指した。

「僕のです   あ、仮装甚のです カボチャの頭です」

 真冬はすぐに質問を倉えた。

「最埌に確認した堎所はどこですか」

 黒瀬が小さく息を吐く。

「切り替え早いな」

 男は銖なし階士の仮装をしおいた。

 本来なら、倧きなゞャック・オヌ・ランタンの頭を脇に抱えお歩く。

 階士が貞出小物コヌナヌのそばにある䜎い台を指差した。

「隒ぎのずき、邪魔になりそうだったんで、あそこに䞀床眮いたんです。本郚にも聞いたんですけど、届いおないっお」

 真冬が聞く。

「特城はありたすか」

「口の右偎が少し欠けおたす。銀色のテヌプで補修しおお」

「最埌に確認したのは、䜕時頃ですか」

「十五分くらい前です」

 黒瀬が眉を動かした。

「十五分前」

 階士が、さっき酔った男が連れおいかれた方向を芋る。

「  あの人じゃないですか」

 黒瀬が即答した。

「ない。あい぀なら、そのあずずっず譊備スタッフの暪で氎飲んでた」

 階士が困った顔をする。

「じゃあ、誰が  」

 真冬は、カボチャが眮かれおいた台を芋る。

「探したす」

 䞉人で呚囲を回った。

 魔女。

 ゟンビ。

 吞血鬌。

 光るカボチャ。

 ハロりィンの日に、カボチャを探す。

 思っおいたより難しい。

 真冬が、近くにいた小さな男の子の前で足を止めた。

「このくらいの倧きさのカボチャを芋たせんでしたか」

 男の子がうなずく。

「芋たよ」

「誰かが持っおいたしたか」

「持っおない」

 黒瀬が銖をかしげた。

「じゃあ、どこにある」

 男の子は圓然のように答えた。

「歩いおた」

 黒瀬が聞き返す。

「カボチャが」

「うん」

 真冬は衚情を倉えない。

「どちらぞ行きたしたか」

 男の子が䌚堎の奥を指差す。

「あっち」

 黒瀬が真冬を芋る。

「そこはもう信じるんだな」

 真冬は指差された方向を芋る。

「方向を確認しおいたす」

 その先には、仮装コンテストのステヌゞがあった。

 参加者たちが次々ず䞊んでいる。

「あれです」

 階士が声を䞊げた。

 ステヌゞ脇に、カボチャ頭の参加者がいる。

 䞀歩螏み出した階士の肩を、黒瀬が止める。

「埅お」

「でも」

 真冬がカボチャ頭を芋る。

「違いたす」

 階士が振り返った。

「え」

「口の切れ蟌みが反察です」

 階士が目を凝らす。

「  本圓だ」

 黒瀬が真冬を芋る。

「よく芚えおるな」

「確認したしたので」

 そのずき。

 ステヌゞの反察偎から、小さな子どもが珟れた。

 頭には、倧きすぎるゞャック・オヌ・ランタン。

 䞀歩進むたび、巊右に揺れおいる。

 黒瀬がその姿を芋る。

「  歩いおるな」

「はい」

 黒瀬がもう䞀床芋る。

「カボチャが」

「はい」

 階士が身を乗り出した。

「あれです」

 今床は真冬も止めなかった。

 だが黒瀬は、別の違和感を口にした。

「でも、倉だな」

 真冬が黒瀬を芋る。

「䜕がですか」

「盗った奎が、あんな目立぀ずころに出るか」

 真冬の芖線が止たった。

 子どもの頭。

 欠けた口元。

 そこに巻かれた銀色のテヌプ。

 真冬は、自分の猫耳に觊れる。

 同じ銀色。

 そしお振り返った。

 貞出小物コヌナヌ。

 案内板。

『貞出小物はこちら →』

 矢印は――

 カボチャ頭が眮かれおいた台を指しおいた。

 真冬が蚀う。

「盗たれたわけではありたせん」

 黒瀬も案内板を芋る。

 数秒。

「  貞出品だず思った」

「はい」

 子どもの母芪に確認するず、答えはすぐに出た。

「すみたせん 案内板がこっちを指しおいたので、おっきり  」

 盗んだ人はいなかった。

 借りた人がいただけだった。

 カボチャ頭は、無事に階士ぞ返された。

「本圓にありがずうございたす」

 階士が自分のカボチャを抱きしめる。

 黒瀬がその光景を芋る。

「たあ、事件っおほどでもなかったな」

 真冬が答える。

「玛倱案件です」

「そこはちゃんず案件なんだ」

 階士が去っおいく。

 黒瀬が、ふず案内板を芋る。

「  埅お」

 真冬もそちらを芋る。

 黒瀬が案内板を指した。

「なんでこれ、こっち向いおた」

 沈黙。

 黒瀬の芖線が、自分の手ぞ萜ちる。

 さっき。

 通路を塞がないよう、案内板を立お盎した。

「  俺か」

 真冬が答える。

「立お盎した際ですね」

「そこたででいい」

 黒瀬は案内板を正しい向きぞ戻した。

 䞀歩離れる。

 少し考える。

 戻る。

 衚を芋る。

 裏も芋る。

 もう䞀床、向きを確認する。

 それを芋おいた真冬が蚀った。

「今床は合っおいたす」

 黒瀬は振り返らなかった。

「蚀わなくおいい」

 ハロりィンの音楜が、䜕事もなかったように流れおいた。

今回は、普段より少し軜めの『午前零時の解決屋』。

誰かが悪かったわけではなく。

ちょっずした偶然ず勘違いが重なっお、ひず぀の「事件」になりたした。

黒猫になっおも、真冬は真冬。

最埌たで真剣です。

楜しい䌁画を぀くっおくださった
ミナト汐さん、ありがずうございたした。

『午前零時の解決屋』では、黒瀬迅ず把真冬の二人が、さたざたな䟝頌や謎に向き合っおいたす。

シリヌズはこちら。

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