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サりナの぀くりかた ―蚭備屋は、蚭備から考えない。―

    第䞀章 蚭備屋は、蚭備から考えない。


    サりナは、完成した日がゎヌルではありたせん。

    営業を始めた日から、本圓のサりナづくりが始たりたす。

    ここ数幎、「サりナを぀くりたい」ずいうご盞談をいただく機䌚が本圓に増えたした。

    ホテル。

    旅通。

    スヌパヌ銭湯。

    スポヌツゞム。

    プラむベヌトサりナ。

    䌁業の犏利厚生。

    サりナは、䞀過性のブヌムではなく、日本の文化ずしお着実に根付き始めおいたす。

    だからこそ、これからサりナを぀くる人に、䞀぀だけお䌝えしたいこずがありたす。

    サりナづくりは、蚭備遞びから始たりたせん。

    蚭備屋ずいう仕事をしおいるず、

    「おすすめのストヌブは䜕ですか。」

    「氎颚呂は䜕℃が人気ですか。」

    「断熱材は䜕を䜿えばいいですか。」

    そんな質問をよくいただきたす。

    もちろん、どれも倧切です。

    しかし、私はその前に、必ず考えるこずがありたす。

    「この堎所で、どんな時間を届けたいのだろう。」

    蚭備屋なのに、蚭備の話をしない。

    䞍思議に思われるかもしれたせん。

    私は20幎以䞊、枩济斜蚭やプヌル蚭備の蚭蚈・斜工・保守に携わり、党囜200斜蚭を超える珟堎に関わっおきたした。

    さらに、自らも党囜100斜蚭以䞊のサりナを巡り、お客様の立堎でも数え切れないほどサりナを䜓隓しおきたした。

    その䞭で、䞀぀の確信を持぀ようになりたした。

    蚭備は、お客様ぞ届けたい䜓隓を実珟するための手段です。

    だから私は、

    最初にストヌブを遞びたせん。

    最初に図面も描きたせん。

    最初に枩床も決めたせん。

    最初に思い浮かべるのは、

    その堎所で過ごす人の姿です。

    静かに深呌吞しおいる人。

    家族や友人ず笑い合っおいる人。

    仕事垰りに疲れを癒やしおいる人。

    その人たちが、

    サりナを出たずき、

    どんな衚情になっおいおほしいのか。

    そこから、サりナづくりは始たりたす。

    私がASP SAUNAを぀くるずきも、最初に決めたのは蚭備ではありたせんでした。

    忙しい毎日の䞭で、少し立ち止たり、深呌吞できる堎所。

    初めおサりナに入る人でも、

    「サりナっお気持ちいい。」

    そう感じおもらえる堎所。

    そんな時間を届けたいず思いたした。

    蚭備は、その時間を実珟するために遞ばれおいきたした。

    党囜のサりナを巡る䞭で、私はもう䞀぀気づいたこずがありたす。

    長く愛される斜蚭には、共通点がありたす。

    それは、豪華な蚭備ではありたせん。

    最新のストヌブでもありたせん。

    「この斜蚭は、䜕のために぀くられたのか。」

    その想いが、空間党䜓から䌝わっおくるこずです。

    そしお、その想いは蚭備だけでは生たれたせん。

    䞁寧な枅掃。

    行き届いたメンテナンス。

    枩かい接客。

    芋えないずころたで倧切にする姿勢。

    そのすべおが積み重なっお、

    「たた来たい。」

    ずいう䜓隓になりたす。

    本来、蚭備は䞻圹ではありたせん。

    䞻圹は、

    その堎所で過ごす人です。

    蚭備は、その人の時間を支えるためにありたす。

    だから私は、

    蚭備屋でありながら、

    蚭備から考えたせん。

    たず考えるのは、

    人です。

    オヌナヌの想いです。

    そこが決たれば、

    本圓に必芁な蚭備は自然ず芋えおきたす。

    この本では、

    ストヌブ。

    断熱。

    換気。

    氎颚呂。

    ろ過蚭備。

    保守管理。

    蚭備屋ずしお珟堎で積み重ねおきた経隓をお䌝えしたす。

    しかし、本圓に䌝えたいのは、

    蚭備の知識ではありたせん。

    「なぜ、その蚭備を遞ぶのか。」

    その考え方です。

    サりナは完成した日がゎヌルではありたせん。

    営業を始めた日から、本圓のサりナづくりが始たりたす。

    だからこそ、最初に考えるべきなのは蚭備ではありたせん。

    届けたい時間です。

    届けたい想いです。

    蚭備は、その想いを圢にするための道具です。

    だから私は、蚭備から考えない。

    ---

    第二章 サりナは、誰のために぀くるのか。


    サりナづくりで最初に決めるべきものは、ストヌブではありたせん。

    図面でもありたせん。

    たず決めるべきなのは、

    「誰に来おもらいたいのか。」

    です。

    私は最初の打ち合わせで、蚭備の話をほずんどしたせん。

    その代わりに、たくさん質問をしたす。

    「どんな人に来おほしいですか。」

    「その人は、䞀人で来たすか。それずも家族ですか。」

    「䜕歳くらいの人を想像しおいたすか。」

    「サりナだけが目的ですか。それずも、お颚呂や食事も楜しんでほしいですか。」

    「垰るずき、どんな気持ちになっおいおほしいですか。」

    オヌナヌの皆さんは、最初は少し驚かれたす。

    「蚭備屋なのに、そんなこずたで聞くのですか。」

    そう蚀われるこずも少なくありたせん。

    でも、私はこの時間が䞀番倧切だず思っおいたす。

    なぜなら、この答えが決たれば、蚭蚈の方向性が決たるからです。

    䟋えば、芳光客が非日垞を楜しむためのサりナず、地域の人が毎週通うサりナでは、求められるものはたったく違いたす。

    スポヌツゞムなら、運動埌のリカバリヌが目的かもしれたせん。

    ホテルなら、快適な睡眠に぀ながる䜓隓が求められるかもしれたせん。

    家族連れが倚い斜蚭なら、安党性や利甚しやすさが最優先になりたす。

    タヌゲットが違えば、

    サりナ宀の広さも、

    ベンチの高さも、

    ロりリュの方法も、

    照明も、

    氎颚呂も、

    倖気济も、

    すべお倉わりたす。

    だから私は、最初に蚭備を考えたせん。

    たず、

    「誰のために぀くるのか。」

    を考えたす。

    私自身、ASP SAUNAを蚈画するずきも同じでした。

    最初に考えたのは、

    「どんなストヌブを入れるか。」

    ではありたせん。

    「誰にサりナを奜きになっおほしいか。」

    でした。

    珟堎ぞ行くたびに感じおいたこずがありたす。

    サりナが奜きな人が増えれば、

    地域の枩济斜蚭ぞ足を運ぶ人も増える。

    斜蚭に掻気が生たれる。

    蚭備投資ができる斜蚭も増える。

    業界党䜓が、少しず぀元気になっおいく。

    だから私は、新しい斜蚭を䞀぀増やしたかったのではありたせん。

    サりナを奜きになる人を、䞀人でも増やしたかった。

    その想いが、ASP SAUNAの出発点でした。

    ASP SAUNAを蚈画する前、私はサりナに興味はあるものの、ただ利甚したこずがない人たちに話を聞きたした。

    するず、

    「入り方が分からない。」

    「サりナにはマナヌがあるず聞いお、この入り方で合っおいるのかなず少し怖い。」

    「呚りの人に迷惑をかけないか䞍安。」

    そんな声が少なくありたせんでした。

    そこで考えたのが、

    「倧切な人ず䞀緒なら、初めおでも安心しおサりナを楜しめるのではないか。」

    ずいうこずです。

    だからASP SAUNAは、貞切ずいう圢を遞びたした。

    家族ず。

    倫婊や恋人ず。

    友人ず。

    倧切な人ず䞀緒に、

    安心しおサりナを楜しめる堎所。

    そのコンセプトが決たったこずで、

    郚屋の広さも、

    動線も、

    蚭備も、

    䞀぀ず぀自然に決たっおいきたした。

    珟圚、私が携わっおいるプロゞェクトでも、最初に話し合うこずは倉わりたせん。

    「この斜蚭は、誰のための堎所なのか。」

    この問いから始たりたす。

    コンセプトが決たれば、蚭蚈の刀断に迷いがなくなりたす。

    逆に、ここが曖昧なたたでは、

    高枩がいいのか。

    高湿床がいいのか。

    セルフロりリュがいいのか。

    スタッフロりリュがいいのか。

    オヌトロりリュがいいのか。

    シングルの氎颚呂が必芁なのか。

    倖気济を重芖するのか。

    どれも正解がなくなっおしたいたす。

    コンセプトは、

    お客様の䜓隓を䞀぀の方向ぞ導くためにありたす。

    だから私は、最初に蚭備を遞びたせん。

    たず、人を知るこずから始めたす。

    その人は、

    どんな時間を求めおいるのか。

    どんな気持ちで垰っおほしいのか。

    その答えが決たったずき、

    サりナづくりは、ようやくスタヌトラむンに立ちたす。

    ---

    第䞉章 コンセプトが決たれば、蚭備は自然ず決たる。


    第二章では、「誰のために぀くるのか」を考えたした。

    では、その答えが決たったら、次は䜕をするのでしょうか。

    倚くの人は、ここでストヌブを遞び始めたす。

    しかし、私は違いたす。

    コンセプトが決たっおも、ただ蚭備は遞びたせん。

    たず考えるのは、

    「そのコンセプトを、どうすれば実珟できるのか。」

    ずいうこずです。

    䟋えば、

    「初めおサりナに入る人でも安心しお楜しめる斜蚭を぀くりたい。」

    ずいうコンセプトがあったずしたす。

    そのずき、

    100℃を超える高枩サりナが、本圓に最適でしょうか。

    シングルの氎颚呂が、本圓に必芁でしょうか。

    答えは、必ずしも「はい」ではありたせん。

    初めおサりナに入る人なら、

    無理なく入れる枩床。

    息苊しさを感じにくい湿床。

    自然に汗をかける熱の䌝わり方。

    入りやすい氎颚呂。

    迷わず移動できる動線。

    そうした蚭蚈の方が、

    「たた来たい。」

    ずいう䜓隓に぀ながるかもしれたせん。

    䞀方で、

    サりナ奜きが遠方から蚪れる斜蚭なら、

    力匷いロりリュ。

    熱の回り方。

    氎颚呂ずの枩床差。

    倖気济たでの流れ。

    ここでしか味わえない䜓隓。

    そうした魅力が求められるでしょう。

    同じサりナでも、

    目指す䜓隓が違えば、

    蚭蚈の答えも倉わりたす。

    だから私は、

    蚭備を䞀぀ひず぀別々に考えたせん。

    サりナの蚭蚈は、

    すべおが぀ながっおいたす。

    枩床が決たれば、

    必芁なストヌブの胜力が芋えおきたす。

    ストヌブが決たれば、

    断熱方法や壁・倩井の構成も倉わりたす。

    換気蚈画も倉わりたす。

    ロりリュの方法も倉わりたす。

    氎颚呂の枩床が決たれば、

    チラヌだけではなく、

    ろ過蚭備や埪環量たで倉わりたす。

    䞀぀の蚭備を倉えれば、

    他の蚭備にも圱響が生たれたす。

    だから蚭備ずは、

    郚品の集たりではありたせん。

    䞀぀の䜓隓を実珟するために、

    すべおが぀ながった仕組みです。

    私は蚭蚈ずは、

    蚭備を遞ぶ仕事ではないず思っおいたす。

    蚭備同士の関係を蚭蚈する仕事です。

    そしお、

    その䞭心にあるのは、

    い぀も人です。

    利甚者が、

    どこで熱さを感じるのか。

    どこで安心するのか。

    どこで深呌吞するのか。

    どこで、

    「たた来たい。」

    ず思うのか。

    その時間を思い描きながら、

    枩床を決め、

    湿床を決め、

    換気を決め、

    氎颚呂を決めおいきたす。

    蚭備は、

    䜓隓を実珟するための道具です。

    蚭蚈は、

    その道具を組み合わせ、

    䞀぀の䜓隓ぞず぀なげおいく仕事です。

    ここたで考え方が決たるず、

    蚭備遞びは、

    「䜕を入れるか。」

    ではなく、

    「䜕を実珟したいか。」

    ぞず倉わりたす。

    この考え方が決たれば、

    蚭備遞定に迷うこずは少なくなりたす。

    次章からは、

    いよいよ具䜓的な蚭蚈に぀いおお話ししたす。

    枩床は、なぜその数字なのか。

    湿床は、なぜそのバランスなのか。

    熱は、どのように人ぞ䌝わるのか。

    蚭備屋は、

    その䞀぀ひず぀を理論だけではなく、

    珟堎で積み重ねた経隓をもずに蚭蚈しおいたす。

    ---

    第四章 枩床は数字です。熱は䜓隓です。


    サりナの話になるず、

    「䜕℃ですか。」

    ずいう質問をよく受けたす。

    確かに枩床は倧切です。

    しかし、蚭備屋ずしお私が蚭蚈しおいるのは枩床ではありたせん。

    熱です。

    䟋えば、同じ90℃でも、

    「熱い」ず感じるサりナもあれば、

    「心地よい」ず感じるサりナもありたす。

    その違いを぀くるのは、

    枩床だけではありたせん。

    湿床。

    ベンチの高さ。

    ストヌブの皮類。

    ロりリュの方法。

    そしお、空気の流れ。

    これらが重なり合っお、

    初めお「熱」が生たれたす。

    珟堎では、

    「もっず熱くしおください。」

    ずいうご盞談をいただくこずがありたす。

    でも、本圓に必芁なのは枩床を䞊げるこずではない堎合が少なくありたせん。

    ロりリュの方法を芋盎す。

    ベンチの高さを調敎する。

    換気のバランスを敎える。

    そうした工倫だけで、

    䜓感は驚くほど倉わりたす。

    枩床蚈の数字は同じでも、

    お客様が感じる熱は、たったく違うものになるのです。

    だから私は、

    枩床だけを芋お蚭蚈するこずはありたせん。

    このサりナで、

    どんな熱を届けたいのか。

    その答えを考えながら蚭蚈したす。

    じんわりず身䜓の芯たで枩たる熱なのか。

    ロりリュで包み蟌たれるような熱なのか。

    短時間で力匷く汗を流せる熱なのか。

    熱にも個性がありたす。

    そしお、その個性こそが、

    その斜蚭だけの魅力になりたす。

    サりナは、

    高枩であるこずが䟡倀ではありたせん。

    䜎枩だから䟡倀が䜎いわけでもありたせん。

    その斜蚭が届けたい䜓隓に合った熱であるこず。

    それが䜕よりも倧切です。

    蚭備屋は、

    枩床を蚭蚈しおいるのではありたせん。

    人が心地よいず感じる熱を蚭蚈しおいたす。

    だから私は今日も、

    枩床蚈ではなく、

    お客様の衚情を思い浮かべながら、

    熱を蚭蚈しおいたす。

    ◇

    ▫蚭備屋の芖点

    同じ90℃でも、湿床やベンチの高さ、ストヌブの皮類、空気の流れによっお䜓感は倧きく倉わりたす。

    私たちは枩床を蚭蚈しおいるのではありたせん。

    どんな熱を届けたいのか。

    その䜓隓を蚭蚈しおいたす。

    ◇

    ▫蚭備屋メモ

    ・サりナ宀の枩床は、宀容積だけでなく、断熱性胜、䜿甚する朚材、換気蚈画によっお䜓感が倧きく倉わる。

    ・ストヌブは宀容積だけで遞定せず、目指す枩湿床バランスやロりリュの頻床たで考慮しお遞定する。

    ・ベンチ最䞊段は、倩井ずの距離を適切に確保するこずで、熱を効率よく感じられる。䞀般的には頭䞊に玄1.0〜1.2m皋床の空間を確保するこずが倚い。

    ・ロりリュは枩床を䞊げるためではなく、湿床を高め、䜓感枩床をコントロヌルするための仕組みである。

    ・サりナ宀は「䜕℃にするか」ではなく、「どんな熱を届けたいか」を基準に蚭蚈する。

    ◇

    ▫珟堎で孊んだこず

    「もっず熱くしおください。」

    珟堎でよくいただくご盞談です。

    でも実際には、蚭定枩床を5℃䞊げるより、ロりリュの方法や換気のバランスを芋盎した方が、お客様の満足床が倧きく向䞊するこずが少なくありたせん。

    数字は倉わらなくおも、

    䜓隓は倉えられる。

    私は珟堎で、そのこずを䜕床も教えられおきたした。

    蚭備屋は枩床蚈の数字を远いかけおいるのではありたせん。

    お客様が「気持ちいい」ず感じる熱を远いかけおいたす。

    ---

    第五章 換気は、熱を届ける蚭備です。


    サりナ宀の換気ずいうず、

    「空気を入れ替えるため。」

    そう思われる方がほずんどです。

    もちろん、それも間違いではありたせん。

    しかし蚭備屋ずしお私は、

    換気は、熱を届ける蚭備だず考えおいたす。

    サりナ宀では、

    ストヌブが熱を぀くりたす。

    でも、その熱は勝手にお客様ぞ届くわけではありたせん。

    空気が動くこずで、

    初めお熱が人ぞ届きたす。

    ぀たり、

    熱を運んでいるのは空気です。

    だから換気は、

    熱を逃がす蚭備ではなく、

    熱を届ける蚭備なのです。

    珟堎では、

    「枩床は高いのに、䜕ずなく気持ちよくない。」

    そんなご盞談をいただくこずがありたす。

    原因を調べるず、

    ストヌブではありたせん。

    換気でした。

    吞気ず排気の䜍眮。

    空気の流れ。

    熱の回り方。

    そのバランスが少し倉わるだけで、

    サりナの印象は驚くほど倉わりたす。

    逆に、

    枩床がそれほど高くなくおも、

    換気が敎っおいるサりナは、

    自然ず汗が流れたす。

    息苊しさもありたせん。

    長く入っおいられたす。

    それが、

    「気持ちいいサりナ」

    です。

    私は蚭蚈するずき、

    たず空気の流れを思い描きたす。

    熱は、

    どこから生たれるのか。

    どこを通っお、

    どこで身䜓を包み蟌むのか。

    そしお、

    どこから静かに抜けおいくのか。

    空気は芋えたせん。

    だからこそ、

    蚭蚈した通りに流れたずき、

    お客様は自然ず

    「このサりナは気持ちいい。」

    ず感じたす。

    蚭備屋が蚭蚈しおいるのは、

    空気ではありたせん。

    熱の流れです。

    換気は、

    サりナ宀の脇圹ではありたせん。

    熱を届けるための、

    ずおも倧切な䞻圹の䞀぀なのです。

    ◇

    ▫蚭備屋の芖点

    サりナ宀の換気は、空気を入れ替えるためだけにあるのではありたせん。

    熱を、人ぞ届けるためにありたす。

    だから私たちは、

    換気量だけでなく、

    空気がどのように流れるかたで蚭蚈しおいたす。

    ◇

    ▫蚭備屋メモ

    ・換気蚈画は、ストヌブ胜力や宀容積だけでなく、目指す枩湿床バランスを考慮しお蚭蚈する。

    ・吞気ず排気の䜍眮によっお、熱の回り方やロりリュ埌の蒞気の広がりは倧きく倉わる。

    ・空気の流れが匷すぎるず熱が逃げ、匱すぎるず息苊しさや枩床ムラの原因ずなる。

    ・換気は、絊気・排気の䜍眮、換気颚量、開口寞法を総合的に蚭蚈し、颚を感じにくく、熱が心地よく䌝わる空気の流れを぀くるこずが重芁である。

    ・換気は「空気を排出する蚭備」ではなく、「熱を運び、心地よい環境を぀くる蚭備」ず考える。

    ◇

    ▫珟堎で孊んだこず

    以前、ある珟堎で、

    「枩床は十分あるのに、䜕か物足りない。」

    ずいうご盞談を受けたした。

    ストヌブを亀換する前に、

    吞気ず排気の䜍眮を芋盎したずころ、

    お客様から

    「前より気持ちよく汗がかける。」

    ずいう声をいただきたした。

    蚭備を倧きく倉えなくおも、

    空気の流れを敎えるだけで、

    䜓隓は倧きく倉わりたす。

    私は珟堎で、

    熱を぀くるこず以䞊に、熱をどう届けるかが倧切だずいうこずを、䜕床も教えられおきたした。

    ---

    第六章 氎颚呂は、枩床ではありたせん。胜力です。


    「氎颚呂は䜕℃がおすすめですか。」

    サりナづくりで、最も倚くいただく質問の䞀぀です。

    確かに、氎枩はサりナ䜓隓を倧きく巊右したす。

    9℃のシングル。

    15℃前埌のスタンダヌドな氎颚呂。

    20℃前埌のゆっくり入れる氎颚呂。

    どれにも、それぞれの魅力がありたす。

    しかし蚭備屋ずしお私が最初に考えるのは、

    「営業䞭も、その枩床を維持できるのか。」

    ずいうこずです。

    オヌプン前に9℃たで冷えるこずず、

    営業終了たで9℃を維持できるこずは、

    たったく別の話です。

    営業が始たれば、

    次々ずお客様が入りたす。

    サりナで枩たった身䜓が氎颚呂ぞ入りたす。

    補絊氎も入りたす。

    真倏なら盎射日光や倖気枩の圱響も受けたす。

    その䞭で、

    蚭定した枩床を保ち続ける。

    それが蚭備屋の仕事です。

    だから私は、

    「䜕℃にするか。」

    ではなく、

    「どれだけの胜力が必芁か。」

    から考えたす。

    同じ玄2.6㎥の屋倖氎颚呂でも、

    盎射日光の有無。

    倖気枩。

    井氎か䞊氎か。

    補絊氎の方法。

    利甚人数。

    営業時間。

    これらの条件が倉われば、

    必芁な冷华胜力も倉わりたす。

    私たちは、

    济槜の倧きさだけで胜力を決めるこずはありたせん。

    䞀日の䜿われ方たで蚭蚈しお、初めお本圓に必芁な胜力が芋えおきたす。

    さらに、

    氎颚呂はチラヌだけで完成するものではありたせん。

    ろ過蚭備。

    埪環ポンプ。

    配管。

    補絊氎。

    排氎。

    そのすべおが適切に機胜しお初めお、

    安定した氎枩ず氎質が保たれたす。

    お客様は、

    チラヌの胜力を知りたせん。

    ろ過機の性胜も知りたせん。

    でも、

    「この氎颚呂は気持ちいい。」

    ずいうこずは身䜓で感じたす。

    蚭備屋が蚭蚈しおいるのは、

    冷たい氎ではありたせん。

    営業終了たで倉わらない、

    気持ちいい氎颚呂䜓隓です。

    それが、

    蚭備屋ずしお私が䞀番倧切にしおいる考え方です。

    ◇

    ▫蚭備屋の芖点

    氎颚呂は蚭定枩床で決たるものではありたせん。

    営業䞭、どれだけ安定しおその枩床を維持できるか。

    そこたで考えお初めお、本圓に良い氎颚呂になりたす。

    ◇

    ▫蚭備屋メモ

    ・チラヌは䞀般的に「○銬力」ず呌ばれるこずが倚いが、蚭備屋は**必芁冷华胜力kW**を算出し、その条件を満たす機皮を遞定する。

    ・必芁冷华胜力kWは、济槜容量だけでなく、利甚人数、営業時間、補絊氎枩、井氎・䞊氎の違い、屋内・屋倖の蚭眮環境などを総合的に考慮しお算出する。

    ・胜力蚈算は、営業開始時ではなく、ピヌク時間垯や営業終了たで目暙氎枩を維持できるこずを前提に行う。

    ・同じ济槜容量でも、盎射日光の有無や倖気枩、補絊氎の方法、利甚人数によっお必芁冷华胜力は倧きく倉わる。「前の斜蚭ず同じ胜力」ずいう考え方は珟堎では通甚しない。

    ・氎颚呂はチラヌだけで完成するものではない。ろ過蚭備・埪環蚭備・補絊氎・排氎たで含めお蚭蚈しお初めお、氎枩ず氎質を安定しお維持できる。

    ・蚭備屋が蚭蚈しおいるのは、「冷たい氎」ではない。営業終了たで倉わらない氎颚呂䜓隓である。

    ◇

    ▫珟堎で孊んだこず

    以前、

    「9℃蚭定なのに、思ったより冷たく感じない。」

    ずいうご盞談を受けたこずがありたした。

    原因はチラヌではありたせんでした。

    埪環量が䞍足し、

    济槜内で枩床ムラが生たれおいたのです。

    埪環を改善するず、

    蚭定枩床は倉わらないたた、

    䜓感は倧きく倉わりたした。

    その珟堎で改めお感じたこずがありたす。

    蚭備屋は、

    「䜕℃たで冷やせるか」を蚭蚈しおいるのではありたせん。

    営業終了たで、お客様が「気持ちいい」ず感じ続けられる䜓隓を蚭蚈しおいる。

    それが、蚭備屋の仕事だず私は考えおいたす。

    ---

    第䞃章 蚭備は、完成した日ではなく、10幎埌に評䟡される。


    サりナが完成するず、

    オヌナヌも斜工䌚瀟も、ほっずしたす。

    新しいストヌブ。

    朚の銙りが残るサりナ宀。

    透き通った氎颚呂。

    オヌプンの日は、倚くのお客様でにぎわいたす。

    でも、蚭備屋にずっおは、

    そこがゎヌルではありたせん。

    本圓の仕事は、

    営業が始たったその日から始たりたす。

    蚭備は、

    必ず劣化したす。

    ストヌブも、

    ポンプも、

    ボむラヌも、

    チラヌも、

    配管も、

    ろ過蚭備も、

    毎日少しず぀傷んでいきたす。

    それは故障ではありたせん。

    蚭備が働いおいる蚌拠です。

    だから私は、

    「壊れたら盎す。」

    だけでは足りないず思っおいたす。

    本圓に倧切なのは、

    壊れる前に気づくこず。

    䟋えば、

    サりナ宀が以前より枩たりにくくなった。

    ろ過噚の圧力が少し䞊がっおいる。

    ポンプの音が少し倉わった。

    流量が少し萜ちおきた。

    チラヌの運転時間が長くなっおいる。

    こうした小さな倉化は、

    蚭備が出しおいるサむンです。

    そのサむンに早く気づけば、

    倧きな故障を防ぐこずができたす。

    結果ずしお、

    営業を止めずに枈みたす。

    私はこれたで、倚くの枩济斜蚭で蚭備曎新に立ち䌚っおきたした。

    その䞭で感じるのは、

    長く愛される斜蚭ほど、

    蚭備を倧切に䜿っおいたす。

    定期的に点怜する。

    䞁寧に枅掃する。

    運転状況を蚘録する。

    異垞があれば早めに盞談する。

    どれも特別なこずではありたせん。

    でも、この積み重ねが、

    10幎埌、

    20幎埌に倧きな差になりたす。

    蚭備には寿呜がありたす。

    しかし、

    蚭備の寿呜は、

    日々の管理によっお倧きく倉わりたす。

    蚭備屋の圹割は、

    新しい蚭備を玍めるこずではありたせん。

    蚭備が長く働き続けられる環境を぀くるこずです。

    そしお、

    オヌナヌにも、

    スタッフにも、

    安心しお営業しおいただくこずです。

    私たちが守っおいるのは、

    機械ではありたせん。

    その斜蚭ぞ来おくださる、

    お客様の時間です。

    営業が止たれば、

    楜しみにしおいたお客様は入れたせん。

    スタッフも困りたす。

    オヌナヌも䞍安になりたす。

    だから蚭備屋は、

    蚭備ではなく、

    営業を守っおいたす。

    蚭備が完成した日よりも、

    10幎埌に、

    「この蚭備にしおよかった。」

    そう蚀っおいただけるこず。

    それが、

    蚭備屋ずしお䜕よりもうれしい蚀葉です。

    ◇

    ▫蚭備屋の芖点

    蚭備は、

    「壊れたら盎す」ものではありたせん。

    壊れる前に異垞ぞ気づき、

    営業を止めないこず。

    それが蚭備屋の本圓の仕事です。

    ◇

    ▫蚭備屋メモ

    ・蚭備は、定期点怜・枅掃・蚘録を継続するこずで寿呜を倧きく延ばすこずができる。

    ・ろ過噚の差圧、埪環流量、ポンプ音、電流倀、チラヌの運転時間など、小さな倉化を継続的に蚘録するこずで故障の予兆を把握しやすくなる。

    ・故障しおから修理する「事埌保党」よりも、故障を未然に防ぐ「予防保党」の方が、営業停止リスクず修繕費を倧きく抑えられる。

    ・消耗郚品は、故障しおから亀換するのではなく、䜿甚幎数や運転状況を螏たえた蚈画的な曎新が重芁である。

    ・蚭備は完成した瞬間ではなく、10幎埌も安定しお動き続けお初めお、その䟡倀が評䟡される。

    ◇

    ▫珟堎で孊んだこず

    「昚日たで普通に動いおいたのに。」

    蚭備の故障で、よく聞く蚀葉です。

    でも実際には、

    本圓に突然壊れる蚭備はほずんどありたせん。

    音。

    振動。

    圧力。

    流量。

    枩床。

    蚭備は必ず、小さなサむンを出しおいたす。

    そのサむンに気づけるかどうかで、

    営業を止めるか、

    止めずに枈むかが決たりたす。

    私は蚭備を修理する仕事ではありたせん。

    営業を止めないために、蚭備の声を聞く仕事。

    それが、蚭備屋ずいう仕事だず思っおいたす。

    ---

    第八章 蚭備屋は、未来を぀くる仕事。


    この本では、サりナの぀くり方に぀いおお話ししおきたした。

    誰のために぀くるのか。

    コンセプトをどう蚭蚈ぞ萜ずし蟌むのか。

    熱をどう蚭蚈するのか。

    熱をどう届けるのか。

    氎颚呂をどう維持するのか。

    そしお、営業を止めないための保守管理。

    どれも、サりナづくりには欠かせないものです。

    しかし、この本で本圓に䌝えたかったのは、蚭備の知識ではありたせん。

    蚭備屋の考え方です。

    蚭備屋ずいう仕事は、決しお目立぀仕事ではありたせん。

    お客様が機械宀ぞ入るこずはありたせん。

    ポンプを芋るこずもありたせん。

    ろ過蚭備を芋るこずもありたせん。

    チラヌを芋るこずもありたせん。

    それでも、その蚭備が止たれば、

    サりナは営業できたせん。

    氎颚呂も䜿えたせん。

    お客様ぞ、い぀もの時間を届けるこずもできたせん。

    だから蚭備屋は、

    機械を守っおいるのではありたせん。

    人が安心しお過ごせる時間を守っおいたす。

    私はこれたで、倚くの珟堎に立っおきたした。

    新しいサりナを぀くる珟堎。

    叀い蚭備を曎新する珟堎。

    故障した蚭備を埩旧する珟堎。

    その䞀぀ひず぀で感じおきたこずがありたす。

    蚭備の先には、

    必ず人がいるずいうこずです。

    オヌナヌがいお、

    スタッフがいお、

    その日を楜しみに来おくださるお客様がいたす。

    だから私は、

    蚭備だけを芋るこずはありたせん。

    この蚭備は、

    誰のためにあるのか。

    どんな時間を支えるのか。

    10幎埌も、

    20幎埌も、

    安心しお䜿い続けられるだろうか。

    その問いを、

    い぀も自分に投げかけおいたす。

    技術は進歩したす。

    蚭備も進化したす。

    新しいストヌブも生たれるでしょう。

    新しいチラヌも、

    新しい制埡も、

    新しい材料も出おくるでしょう。

    でも、

    どれだけ時代が倉わっおも、

    倉わらないものがありたす。

    それは、

    蚭備は、人のためにある。

    ずいうこずです。

    サりナは、

    人を敎える堎所です。

    その時間を支えるのが蚭備であり、

    その蚭備を支えるのが蚭備屋です。

    私は、この仕事に誇りを持っおいたす。

    これからも、

    䞀぀ひず぀の珟堎で考え続けたす。

    この蚭備は、

    本圓に人を幞せにできるだろうか。

    オヌナヌの想いを圢にできるだろうか。

    10幎埌も、

    20幎埌も、

    遞んでよかったず思っおいただけるだろうか。

    その問いに向き合いながら、

    私は今日も珟堎ぞ向かいたす。

    蚭備屋は、

    ストヌブを遞ぶ人ではありたせん。

    チラヌを遞ぶ人でもありたせん。

    ポンプを据え付ける人でもありたせん。

    人が笑顔になる時間を、蚭備で支える人です。

    蚭備は、人を幞せにするためにある。

    蚭備屋の仕事は、その時間を止めないこず。

    だから私は、

    今日も蚭備からではなく、

    人から考える。


    ---

    吉村 敏久

    ---

    #創䜜倧賞2026 #ビゞネス郚門

     
     
    元・蚺療攟射線技垫。理系知識ず蚭備技術を掻かし、ASP蚭備代衚ずしおサりナ・枩济・プヌル蚭備の蚭蚈・斜工・保守に埓事。ASP SAUNAも運営。5姉効の父。「蚭備は目立たなくおも、安心・安党・快適を支える」を信念に、サりナ蚭備や氎凊理の知芋をSNS・noteで発信䞭。

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