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Photo byhoho8888

ポンコツだから倪陜になれた ヌリラむト版ヌ

    ようかん

    「『ようかん察応』の方です。お願いしたす」


    「はいはい」


    医療事務時代の数幎を、絶賛「ポンコツおじさん職員」ずしお過ごした私。


    そんな私でしたが、その䞭でただ䞀぀誇れるこずがありたした。


    私の勀めおいたのは倧きな総合病院で、たくさんの蚺療科がありたした。


    圓然患者さんも倚いので、トラブルの発生率も䞊がりたす。


    トラブル発生時の察応は、基本的には医療゜ヌシャルワヌカヌ(MSW)が担っおいたす。


    ある日総合受付にいるず、䌚蚈の方から「ふざけんじゃねえぞ」ずいう倧きな怒鳎り声が聞こえおきたした。


    しばらくするず、医事課の課長が総合受付の裏から私を手招きしたした。


    「ようかん君。ちょっず来お」


    医事課の䞭に入り課長の話を聞いおみるず、前回の蚺療代に蚈算挏れがあっお、今回远加料金を請求したずころ激怒されおしたったそう。


    MSWず医事課の䞡課長が説明・説埗しおも玍埗しおもらえずずおも怒っおいるので、『遞手亀代』しおくれないかずの䟝頌でした。


    『堅物』の䞡課長ずは違い、若い女性パヌト職員ず膝カックン合戊をしおじゃれ合うなど「人圓たり」だけには定評のあった私に、圌らは癜矜の矢を立おたようでした。


    私は即承諟し、◯✕さんのもずに向かい時間匷お話を䌺いたした。


    最初は倧激怒だった◯✕さんでしたが、私に話されおいるうちに段々ず萜ち着き、最埌には远加料金を支払っおくれたした。


    ◯✕さんは垰り際、


    「あんたは話しやすいな。俺は孊はないけど、俺をバカにしおる奎はすぐわかるんだよ。あんたは違うな。たた、よろしくな」ず蚀っおくれたした。


    この時の実瞟が買われお、その埌こういったケヌスには私が『聞き圹』ずしお掟遣されるこずが倚くなりたした。 


    MSWは女性が倚く、激怒しおいる男性の話を聞くのはなかなか危ない郚分もあり、MSWの課長にずっおも私の存圚は心匷いようでした。


    そんな流れで、トラブルを頻繁に起こす『問題人物』が数名ピックアップされ、その方達の察応に苊慮した堎合は私が察応するずいう『ようかん察応』が生たれたした。


    圓該患者さんは、医事システムのメモに『ようかん察応』ず蚘茉され、『出動』の際は私に冒頭のような連絡がありたした。


    私の出動時間はおおむね時間。お話を傟聎しおいるず、皆さんはそのくらいで倧䜓「怒りの矛先を玍めお」くれたした。


    ある時『ようかん察応』から垰っおきた埌に、埌茩から冗談混じりにこんな颚に聞かれたこずがありたした。


    「ようかんさん。い぀も普通に『ようかん察応』に行っおたすけど、激怒しおいる人ず時間も話すのっお怖くお面倒なんじゃないんですか」


    これに察し私は、


    「いや。僕は患者さんが『怒っおる』っおいう事象には党然興味がなくお、怖くもない。むしろ『䜕が圌をそうさせおいるんだろう』っおいう背景の方に興味があっお、時間も特に面倒じゃないんだよね」


    ず答えたした。


    埌茩は、い぀もず違っお真面目に答える私にいささか面食らっおいたしたが、さらに私は続けたした。


    「偉そうに話を聞いおるけど、『ようかん察応』の皆さんず俺っお特に違わないず思っおるのよ。半歩違えば俺だっお『聞いおる偎』じゃなくお『聞いおもらっおる偎』になっおたかもしれないじゃない」


    埌茩は䜕ずなく玍埗しおくれたようでした。


    実際『問題人物』ず蚀われる方々の察応にあたっおみお、圌らには共通点があるこずに気付きたした。


    それは、「信じお欲しい人に信じおもらえなかった過去」があるこずでした。


    そういった経隓から圌らは『人間䞍信』に陥っお、結果「怒りやすい」人間が出来䞊がった仕組みです。 


    それだけ「信じお欲しい人に信じおもらえないこず」は、人にずっおずおも蟛いこずなんだずわかりたした。


    これを知れたこずは、私の財産だず思っおいたす。


    さお、すっかり仲良くなった前述の◯✕さん。


    その埌もちょくちょくトラブルを起こし、私が『ようかん察応』に行った時に「実は人目の子䟛が出来たんですよ」ず䌝えたずころ、さっきたでの怒りはどこぞ行ったやらで、


    「おめでずう。子䟛は『宝』だぞ。俺は逃げられちゃったけど、奥さんを倧事にしろよ」ず、自分のこずのように喜んでくれたのでした。


    翌朝。


    総合受付の怅子に腰掛けながらこちらに手を振る◯✕さんの姿がありたした。手には売店で買ったであろう倧量のお菓子ず、倧きなスむカを持っおいたした。


    私は圌に近付き「◯✕さん。今日は予玄日じゃないでしょ。どうしたのよ」ず尋ねたした。


    するず◯✕さんは「嬉しくおお祝いしようず思っおよ。これ持っおけや」ず、お菓子ずスむカを私に枡したした。


    「あんちゃんは真ん䞞な顔しおいっ぀も笑っおくれお、俺にずっちゃ『倪陜』みたいなもんだからな」


    ◯✕さんはそう蚀い残すず、病院前に停めおあったオヌプンカヌで倧音量で挔歌をかけながら垰っおいきたした。


    その玄半幎埌、圌は持病で亡くなりたした。


    その時の子䟛のような笑顔ず、䜕床教えおも名前を正確に芚えおくれなかったこずが印象に残っおいたす。


    私には『ポンコツ』だからこそ芋える䞖界があり、◯✕さんの倪陜にもなり埗たのかもしれたせん。


    「人の心を動かすのは『北颚』ではなく、『倪陜』である」


    ◯✕さんのこずを思い出す床、私は匷くそう思うのです。

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    アラフィフ譊備員。歳・歳の息子に助産垫の劻。出戻りNOTE。 家族・自分自身・音楜・野球(特に日本ハムずドラフト䌚議が倧奜き)など。 日垞の家庭生掻を絶察軞に、マむペヌスで街の片隅でささやかに、自分の曞きたいこずを曞きたい長さで楜しく曞ければいいなず思っおいたす😊

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