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猫が死んでから3年近く経った。

    飼い猫が死んではや3年。
    家はシーンと静まり返り、音が聞こえることはない。

    猫が座った後の椅子のぬくもりもなくなっていた。

    いま思い返せば飼い猫が死んだのは朝早くだった。

    少し前からから体の不調が続き、
    お医者様は先は短いといっていた。

    その日はおもむろに早く起き、
    飼い猫が動いているのを見て安心していた時だった。

    飼い猫のいる方向から、
    甲高い「ニャー」という声が聞こえた。
    そこには起きたばかりの母が
    猫がのぼろうとしていたのを助けてあげようとして、
    抱きかかえた時だった。

    猫が父の所に行こうとしていると思った母は、
    父の部屋にゆっくりと入れてあげ、
    最後の瞬間を見届けてあげるために、
    その場に私を呼んだ。

    私にとって、
    猫が亡くなるのを見るのは初めてだった。

    言葉が出なくて、つらかった。

    ただただ、その場で猫を見ていた。

    自分の部屋に戻ってから、はっとした。

    記憶が全部飛んだようで、
    急にいままでの飼い猫との思い出がフラッシュバックする。

    何か別の次元にいったようで、自分がその場にいないようで。

    ちょうど飼い猫が死んだとき、私の誕生月だった。
    誕生日の日は嬉しいのか、悲しいのかわからなかった。

    心が混ざるようで。

    家族とともに火葬場に行き、お別れをした。

    イスの飼い猫の座った後のぬくもりはいつのまにかなくなってしまった。

    今まで飼い猫が朝を呼んでくれなくなった。
    飼い猫を部屋に入れるためにドアを開ける必要性がなくなってしまった。

    もういないのか。
    心に少し、穴が開いたようだ。

    また、会いたいな。

    もし天国にいるのならば、
    他のネコとともにのんびり暮らしていてほしい。

    もし転生できたのなら、
    また私の家に戻ってきてほしい。

    孤独に生きるのはつらいよ。

    イス、開けとくからな。
    幸せに暮らしててね。

    #創作大賞2026 #エッセイ部門


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