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今食べないでいつ食べる?

〜国産かぼちゃは今が旬、かぼちゃに関する、ここだけのとっておきのお話をしますね!〜


皆さんこんにちは。
今日はかぼちゃのお話をしますね。今の時期、もう9月の末ですけれども、かぼちゃがすごく美味しいですよね。私の妻はかぼちゃが大好きで、本当にたくさん買ってきます。今が一番安くて、一番美味しいと言うので、私もおかげで毎日のように食べているのです。

でも、スーパーに行くと、かぼちゃは一年中いつでも買うことができますよね。実は、スーパーの棚を毎日眺めていると、かぼちゃというのは一年中途切れることなく並んでいるものなのです。

冬から春にかけては、遠く海を渡ってきたメキシコ産やニュージーランド産の「彼ら」が、日本の食卓をしっかりと支えてくれています。主夫として毎日料理をしていますと、それはそれで本当にありがたい存在なのですが、食べたときにどうしても「ねちねち」とした水分多めの食感になりがちなのが、少し不思議でした。

調べてみますと、そこには日本の食の歴史が作った、じつに面白い舞台裏がありました。

もともと、メキシコやニュージーランドの人たちが昔から食べていた「彼らの国本来のかぼちゃ」は、私たちがよく知る緑色のホクホクかぼちゃとは、まったくの別物でした。メキシコ本来のものは皮が白や薄いオレンジ色で、中身が水っぽく、主に種を炒って食べるような種類です。ニュージーランドに至っては、人間が食べる習慣すらほとんどなく、家畜の豚のえさにするくらいだったそうです。

そんな異国の地で、なぜ日本人に馴染み深い緑のかぼちゃが作られるようになったのでしょうか。
時計の針を1980年代へと巻き戻してみます。当時、日本の商社や種苗会社の先人たちが「日本の冬、国産がどうしても手に入らない時期にも、あの美味しいホクホクかぼちゃを食べたい!」と一念発起しました。彼らは日本で愛されていた「みやこ」や「えびす」といった優秀な品種の種を抱えて海を渡り、現地の農家さんに頭を下げて「日本向けに、この通りに育ててくれませんか」と、栽培技術ごと現地へ移植したのです。

つまり、いま冬のスーパーに並んでいる外国産かぼちゃは、あちらの国で育ってはいるものの、血統は100%「日本生まれのホクホク品種」です。日本人が食べるためだけに、遠い異国の広大な土地を借りて、現地の農家さんが一生懸命に育ててコンテナで送り返してくれている、いわば「里帰りかぼちゃ」だったわけです。

もし、現地での採れたてを、日本と同じようなベストなタイミングで食べることができれば、彼らだって日本のかぼちゃに負けないくらい、最高にホクホクして美味しいはずです。

けれど、そうはいかない理由があります。ここからは、かぼちゃだって人間とまったく同じ生き物なのだ、というお話になります。

遠い海外からやってくる彼らは、1ヶ月もの間、真っ暗な船のコンテナの中でゴトゴトと波に揺られ続けます。かぼちゃは収穫されたあとも呼吸をして生きていますから、その過酷な長旅を生き抜くために、自分の中にあるデンプン――つまり「ほくほく感の元」を、エネルギーとしてどんどん糖分や水分に変えて消費してしまいます。だから日本に着く頃には、かぼちゃ自身もすっかり疲れ切ってしまい、中身が水分たっぷりの「ねちねち」とした姿に変質してしまうというわけなのです。

一方で、まさに「今」という秋の季節にドッと出回る、北海道産をはじめとする国産かぼちゃは、まったく違うVIP待遇を受けています。
夏の終わりに収穫されたあと、近くの涼しくて風通しの良い倉庫で、2週間から1ヶ月ほどゆっくりとお昼寝をさせてもらえます。これはただ置いてあるのではなくて「追熟(ついじゅく)」といって、一番美味しくなるタイミングを人間が大切に管理してあげる時間です。水分が飛びすぎず、デンプンもしっかり残った、まさに「さあ、最高のホクホクになったぞ、売りに出すぞ」という満を持した状態で出荷され、我が家の台所へとやってきます。

船の旅でヘトヘトになって水分が多くなった外国産と、国内の倉庫で大切にお休みして、一番いい状態でGlobe(グローブ)のタジン鍋に飛び込んでくる国産。
そう考えてみますと、妻が「かぼちゃはやっぱり国産のほくほくじゃなきゃ!」と頑なにこだわるのは、ただのワガママでも贅沢でもありません。生き物としてのかぼちゃのドラマを、その鋭い舌で敏感に感じ取っているからこその、科学的にも100点満点の大正解なのだと、つくづく感心してしまうのです。

……あぁ、そうそう、日本のかぼちゃの種類を言い忘れていましたね。ひとくちに国産といっても、素晴らしい名前や特色を持った品種がたくさんあるのです。たとえば、日本の定番である「みやこ」や「えびす」。さらに、圧倒的なホクホク感で食のプロをも唸らせる「大浜みやこ」、皮が真っ黒で中身がぎゅっと詰まった「ブラックのジョー」、そしてその名の通り栗のように甘くて濃厚な「九重栗(くじゅうくり)」など、どれも個性的で美味しいものばかりです。

皆さんも、この時期の国産かぼちゃは本当に美味しくてお買い得ですから、ぜひたくさん食べてみてくださいね。

最後に我が家の食べ方をお話ししますね。Globe(グローブ)のタジン鍋でそうですね、10分ちょっとくらい蒸すでしょうか。その1分や2分の微妙な時間調整がすこぶる大切になってくるのです。私も妻も蒸す時は緊張します。というのも、ちょっとの時間でベタベタとなって、あのほくほくした感じが出なくなるからです。この微妙な時間調整こそが、我が家のかぼちゃ作りの鍵になるのです。

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