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チョイと訳

―― 5個100円の歪なピーマンが暴く、スーパーの利権と120歳現役の食の警告書

近頃はスーパーの綺麗な棚の前で、「健康」をお手軽に買い求めている若い方も多いようですね。

私は食品添加物を一切、体に入れません。スーパーでも野菜は買いません。
なぜなら、あそこに並ぶ「均一で、綺麗に整った形の野菜」は、流通の都合と人間のエゴが生み出した、命の死んだ記号に過ぎないと思っているからです。

妻は、常々私にこう言っています。
「スーパーの野菜って、不思議なほど腐らないのよね。長いこと冷蔵庫に入れていても見た目はピンピンしたままで、いつでも食べられそうに見える。だけど農家の野菜は違う。時間が経てば、ちゃんと悪くなっていく。それはね、野菜がしっかり呼吸をしていて、そこに本物の命が息づいている証拠なのよ」

どうしてスーパーの野菜が、いつまでもピンピンしているのか。……それは、言わなくても分かりますよね。

そんな中、120歳現役を目指す私の身体を、今、我が家の台所で特別に潤してくれている「本物の命」があります。それが、農家の軒先で見つけた、透明な袋に手書きのメモ用紙で「チョイと訳」とペタッと貼り付けてあった、あの5個入り100円のピーマンです。このエッセイは、自分自身に対する食の警告書(戒め)でもあるのです。

今は9月の中旬。

肉厚でピカピカ。
包丁で小さく切り分けて口に運ぶだけで、みるみる体が生き返るような気がします。
妻も私も、すっかりこのピーマンの虜になってしまいました。

普段は6個入りで150円。
それが、つい最近、特別に安くなっていて、5個入りで100円だったのです。

「チョイと訳」

そんな文字が書かれたメモ用紙が、透明の袋にペタッと貼り付けてありました。
どうしてこんなに安いのか、最初は見当もつきませんでした。
正式に言えば、Amazonのタイムセールのように大々的に宣伝されているわけでもない、素朴な手書きのメモです。
でも、少し考えただけで、これしかないなと気づいたのです。
「ちょっと形が、他のものと比べて歪なのかなぁ」って。
それも、どれくらい歪かと言うと、本当にほんのちょっぴり。
ほんのちょっと歪なだけで、こんなに安くしちゃうものかしら?

夜勤から帰ってきた妻に、さっそく聞いてみました。
「やっぱり、ちょっと歪なだけで『訳あり』になっちゃうのよね」
彼女も私と全く同じことを言っていました。
スーパーの棚に並ぶための「品格」とやらのせいで、このピカピカした奇跡の栄養の塊が、不当に弾かれているのです。

今は長雨が続いていて、このピーマンが我が家の唯一の頼りです。
明日も雨の予報だし、買いに行くことはできません。
明後日になったら、また2袋、あの農家へ絶対に買いに行きましょう。

スーパーと違って、農家にはこういう「奇跡の野菜」が当たり前のように売られているから面白いですよね。

灯台下暗し。
あなたのお近くにも、こんな素敵な野菜をこっそり売っている農家があるかもしれませんよ。

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