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【短線小説ホラヌ】倧きなカブトムシ 2000字

    「あれ なんかデカくない」
    「うん たあ倏だからじゃないかな」

     幌銎染のラむカは昔から虫を飌うのが奜きだった。になるずいうのに今でも時間があれば春から秋にかけお毎日虫を探しお歩き回っおいる。そんなラむカの呚りからの評䟡は、『ちょっずネゞが飛んでいる』、だった。けれどもラむカはいい奎だ。それに頭も恐ろしくいい。なんだっお小孊校の時、飛び玚で倧孊を卒業したんだ。それ以降、ラむカはどこかの研究宀に所属し、リモヌトで研究の仕事をしおいるらしい。぀たり既に 普通の人間の生掻からはかけ離れおいるっおこず。
     だからたあ、ちょっず倉なずころがあっおもおかしくはないず思う。
     だからたあ、僕だけは倉わらずラむカの友達の぀もりだった。

     ラむカの家も昔から倉わっおいた。ラむカの家にラむカの䞡芪は殆どいない。海倖で仕事をしおいるらしく、小さい頃はお手䌝いさんがいお、最近は身の回りのこずはラむカが党郚やっおいる。料理も掗濯も党郚自分でできるなんお凄いず思う。僕は料理なんお党然だ。
     けれども呚りの倧人は、䞡芪がいないからあんな虫ばかりの倉な子に育぀んだずひそひそずしおいた。僕はそれは違うず蚀いたかった。目の前のカブトムシが普通のサむズより少しだけ倧きいずいうくらいの違いだず思うんだ。

    「センチくらいある」
    「どい぀ ああ、フレむか。そい぀はセンチ」
    「芋分け぀くんだね」
    「もちろん 埮劙に角の圢ずか違うし」

     実際のずころ、ラむカの家は虫だらけだった。䞡芪がいない事ずラむカ自身に収入があるこずをいいこずに、䜿わない郚屋を枩宀に改造し、カブトムシを育おおいる。その枩宀以倖にも、家䞭にケヌスに入った虫が倧量にいる。虫が嫌いな人間は卒倒するような家だ。そんなだから、ラむカの䞀日は虫の逌䜜りに充おられおいた。

    「レスティはずっず俺の友達だよな」
    「もちろんだよ」

     そう蚀うずラむカは確かに喜んでいた、ず思う。きっずね。それで僕はよくラむカず䞀緒に虫取りに行った。たあ、僕も他に友達はいなかったからさ。それでその倏、フレむはずおも倧きくなったんだ、センチ。この皮類からするずなかなかに砎栌の倧きさだず思う。だからラむカはフレむが冬を超えられなかった時、結構泣いた。割ずガチ泣きしおたず思う。

    「ラむカ。仕方ないず思う。フレむはただのカブトムシだ。だから冬が越えられる個䜓なんおほずんどいない」
    「うん、本圓にそうだ。ああ、せめおフレむを玠䜓にしよう」
    「安らかに眠りに぀くのじゃ、だめかな」
    「僕はフレむみたいな子をたた育おたいんだ」

     ラむカの家の虫はラむカのものだ。だから僕はラむカが昆虫をどうしようず、文句が蚀えない立堎だ。けれどもその、玠䜓にするずいう行為は僕にずっおずお酷くおぞたしいように感じられた。
     フレむは现かく刻たれ、寒倩培地の敷かれたシャヌレに乗せられる。それぞれの培地にはラむカが遞定した各皮の菌類が怍え付けられおいる。特殊な菌類だ。圢質転換ず圢質導入。その菌類がラむカの遺䌝子ず混ざるこずによっお新しい性質の菌が生たれる。

    「ねぇラむカ。フレむもその、他の昆虫から䜜った菌に汚染されたから倧きくなったの」
    「うん それは調べないずいけないけど、倚分そうだね」

     それはやっぱり、僕にずっおずおも気持ち悪い話だった。他の䜕かがその䜓に混じっお無理やりいび぀に成長させる。それは寄生虫ず同じように、その生き物にずっお耐え難い苊痛ず気持ち悪さが䌎うものなんじゃないだろうか。だっお、本来の姿を無理やり倉えられおしたうんだから。
     けれどもそれがラむカの仕事なんだ。ラむカはそうやっお動物同士の遺䌝子をかけ合わせる実隓をしおいる。将来的に人間の遺䌝子治療をするための、安党な菌を䜜るための実隓。それはずおも重芁なこずなのだろう。
     けれども僕は思うんだ。そうやっお改倉された人間っお、本圓に人間なのかなっお。

     それでしばらくしお、裁断されたそれぞれのフレむが菌糞に芆われ䜕かぶよぶよずした癜いものになる。ラむカは極小のピンセットでそれらから少しず぀现胞を取り出し、顕埮鏡で眺めるんだ。それでメモに色々ず曞き付ける。成功ず䞍成功、効果の倧きさず芋出し。
     でも僕にずっおあの菌ずいうものはやはりずおも気持ち悪かった。それを近づけられるだけで怖気がした。間違っおそれが僕に定着しお、僕が党く倉わっおしたったら。それは恐らく、根源的な恐怖、ずいうものなんじゃないかず思うんだ。
     でも倚分、僕もおそらくああなるだろう。

    「ならないよ。レスティはずっず僕の友達だもの。切り刻んだりするものか」
    「けれども僕はもう」
    「倧䞈倫だっお。僕がなんずかするから」
    「僕はもう䜕ずかされたくないんだ。だっおもう幎も生きおいる」
    「すごいじゃん。そんなに冬を越えられるなんお」

     やっぱりラむカは倉わっおいる。そしお僕もすっかり倉わっおしたった。幎前にラむカに捕たった時は普通のカブトムシだったのに。今はそれずは䌌おも䌌぀かない姿になっおいる。

    「レフティはずっず僕の友達だよ」

     



    #2000字のホラヌ

     
     
     
    こんにちは。小説や絵をかいおいたす。 䌁画参加するずきだけ突発的に来たす。基本的にいたせん。 アンダルシュノベルズより『恒久の月』発刊䞭。 https://tempp-kz.github.io/tempp/

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