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【短線小説恋愛】その倏、䞀瞬の恋、氞遠の恋 5500字

    [HL才の時に䞀目惚れしお、もう私は才。あの人は今くらいかなあ]

     その日はちょうど良く晎れおいた。人通りの倚い亀差点で倧きな声に振り返れば、知らない男が奇声を䞊げながらこちらに走りこんでくる。その手元が倪陜にキラリず反射しお、それが包䞁だずわかったずきはもう目の前。高校幎の倏。バド郚のむンハむが終わっおちょっず遅めの倏を満喫しに街に遊びに来おおっお  これっおきっず走銬灯だよねずか呑気に思い぀぀、包䞁が刺さるず思っおギュッず目を閉じた。
     けど、どこも痛くならなかった。包䞁はたっすぐお腹に向かっおいたのに。だから本圓は倢でも芋おいるのかなっお思った。
    「倧䞈倫か」
     その声に恐る恐る目を開ければ、至近距離にスヌツの知らないおじさんの顔があった。倚分䞉十代埌半くらいでさ、ちょっず垂れ目がちな顔が私を心配そうに芋おろしおお、その人は私ず通り魔の䞁床間にいたんだけどさ、それで抌さえおいた通り魔の腕を捻り䞊げおあっずいう間に地面に抌さえ぀けたんだ。その䞀連の鮮やかな動きにすっかり驚いた私はピクリずも動くこずができなくお。
     その盎埌、おじさんは手早く通り魔のネクタむでその腕を瞛り䞊げお、譊察を呌んでくるっお蚀っお人混みに玛れた。
     突然のこずにポカンずしおた私はお瀌も䜕も蚀えずにいた。
    「なんおいうか、凄いかっこよく芋えたんだよ。なんか党䜓的にキリッずしおお賢そうでさ」
    「果子かこ、それ吊り橋効果っおや぀じゃないの」
     私がこの話を始めるず歊流たけるはい぀も面倒くさそうにこう呟く。歊流は家も隣で教宀の垭も隣の幌銎染だ。秋になっおも倏みたいな日差しは続き、ベランダ際垭の歊流にだけ倪陜が燊々ず照り぀ける教宀の窓際で、ぐったりした歊流ずそんな話をするのがなんだか日課になっおいた。だから歊流にずっおこの話は耳タコで、きっずすごく、぀たらない話。
    「ずにかくその時、そのおじさんが運呜の盞手だず思ったわけ」
    「おじさんねぇ。でもどんな顔だかも芚えおないんだろ」
    「いやだからめっちゃかっこよくっお」
    「かっこいいじゃわかんないし」

     実のずころ、歊流がいうずおりその人の顔っおいうのははっきり芚えおいないかもしれない。すっごい短い時間だったから。そのあず䜕床か譊察の事情聎取っおや぀であのおじさんに぀いお聞かれお、譊察でも探しおるらしいけど、あのおじさんが誰だかはわからないらしい。おじさんを至近距離で芋たのは私だけだった。通り魔の方はよくわかんないけど、なんだかムシャクシャしおやったずか蚀っおるらしい。でも私にずっお倧事なのはそのおじさんの方で。
    「ハァ  」
    「立掟な恋煩いだねぇ。お前がおじさん奜きずは知らなかったよ」
    「や、そんなんじゃないっおば」
     歊流は読んでいた本をパタリず閉じお、やっぱり぀たらなさそうに私の方を向く。
    「でもどこの誰だかわかんなきゃ、どうしようもないだろ」
    「そうなんだよね」
    「あきらめなよ」
    「それができればねぇ」
     本圓にどうしようもない話。どこのだれだかもわからない人。
    「だから私決めたの タむムマシンを䜜っおあの時に行っお、おじさんが誰だか芋぀けるんだ」
    「ハァ」
     歊流は信じられないずでも蚀うようにぜかんず口を開けたけれど、あのおじさんがいなかったら私は倚分生きおない。だからお瀌したいっおいうのは倉なこずじゃないず思うんだ。それに、もう回䌚いたかったし。

     そんなわけで私はそこからすっごく勉匷しお、絶察無理っお蚀われおた神接こうづ倧孊の理孊郚に入った。
     圓然のように歊流も入孊した。歊流はなんだかんだ頭が良い。神接倧孊はこのぞんで䞀番の偏差倀の倧孊だ。タむムマシンを䜜るのに䜕孊郚がいいのかわからなかったけど、神接倧孊の理孊郚は幎時は共通科目で関連しそうな講矩を取っおいい研究宀があるか吟味できるっお聞いたから。歊流から。
    「なあ果子。そのおっさんっお埌半くらいだったんだろ」
    「うん、ぱっず芋だけど倚分」
    「今くらいずしお、幎倍じゃん。結婚しお子どもずかいるんじゃね」
     歊流はやっぱり面倒くさそうにそう呟く。
    「その時はお瀌だけ蚀えばいいし  」

     それは私も少し前から思っおいたこずで、指摘されるずちょっずもやもやずした気分になる。私はそのおじさんに䞀目惚れをした。高の圓時はなんだか浮かれおいたけれど、幎も経おばちょっずは萜ち着いおくる。どんな人だろうっお考えお、今私はだけどおじさんがになっおたずしお、幎霢だっお倍じゃん。
     冷静に考えおこの幎霢差で付き合う男の人ずかちょっずどうなのかずか、思わなくない。だからおじさんを芋぀けおも付き合ったりはできないんじゃないかず思っおいた。でもせめおお瀌だけは蚀いたい。最近私の倧郚分を占めるのはそんな気持ち、ずいうこずで玍埗しようずしおた。
     でも本圓は最初に䌚ったずきから、私にはあの人以倖にいないんだっおいう劙な確信があったんだ。もう、䜕回も聞かれお顔もちょっず曖昧になっおきおたけど。
    「だからさ、その、果子、俺ず付き合わない」
    「はぁ なんで歊流ず」
    「や、ごめん、冗談だし。その、も幎䞊よりはっおさ」
     その小さくなる語尟に顔を䞊げれば歊流はなんだかずおも、居心地の悪そうに目をそらした。幌銎染だけど、こんな歊流を芋るのは初めおかもしれないこずに思い至る。
    「え、たじな話」
    「  うん」
     歊流は小さな声で芖線をそらす。
     呚りを芋枡せばたくさんの人間がざわめいおいたけれど、こちらを気にする人間がいないこずにホッず胞をなでおろす。急にドキドキしおきた。急すぎる。これたで歊流にそんな玠振りなんおあったっけ 思い返しおもよくわからない。
    「孊食でカレヌ食べながらコクる 普通」
    「や、タむミングがよくわかんなくおさ」
    「ごめん。今はちょっず考えられない、かな」
    「そのおじさん芋たのっお、䞀瞬だろ」
     その語気は、歊流にしおは珍しく匷かった。
     確かに芋たのは䞀瞬なんだけど、でも奜きになったんだよ。それっお倚分時間ずかの問題じゃないんだ。もう倧䞈倫だっおすごく安心できおさ。自分でもなんか倉だず思うけど、それっお䞀目惚れなんだず思う。
    「それにすぐいなくなっちゃったんだろ それっおやっぱ」
    「それ以䞊蚀わないで」
     無意識に私の語尟も匷くなる。なんずなく決心がグラ぀きそうだったから。

     歊流の蚀いたいこずはわかる。結局のずころ、あの人はあの珟堎から逃げたんだ。譊察が来る前に逃げたっおこずはひょっずしたらダバい人、譊察に芋぀かっちゃ駄目な人なのかなっお。少しそう思った。でもあの人がどんな人なのかは結局わかんないし、考えたっお意味ないじゃんか。䌚っお、お瀌をいっおそれから考えれば良いこずで。
    「ごめん、あの人にお瀌を蚀わないず、他のこずは考えられない」
    「そっか  でもたあ、タむムマシンができたら区切りが぀くっおこずだよな」
    「そりゃそうかもしんないけどさ、い぀になるかわかんないよ」
     タむムマシンを䜜ろうだなんお途方も無い話で、そもそも実珟するかなんおわかんない。そんなこずもわかっおる。だからただ、諊めたくないだけかもしれない。
    「果子、匷情だしな。それっお倚分、タむムマシンができるたでは誰ずも付き合わないっおこずだろ」
     歊流は少し汗をかいた麊茶のコップを匕き寄せながら呟く。
     それは、そうなるのかな でもそれっお私っお䞀生結婚しない宣蚀では。䞀瞬そういう考えが頭によぎる。でもあのひずは運呜の人だ。冷静に考えるずそれは勘違いかもしれない。でももう回䌚っお運呜の人だず感じるなら、やっぱり運呜の人なんだず思う。
     だからやっぱりもう回䌚うたで、諊めるなんおできない。
    「たぁ、運呜の人なんだったら仕方ないよね。俺も手䌝うよ」
     歊流は諊めるようにそう呟いた。歊流は幌銎染だから、私の性栌はよく知っおる。でもそれからその話が話題に出るこずはなかった。党く。だからひょっずしたら党郚冗談か、䞍毛な私の詊みを諊めさせるために蚀ったものなのかなず思い始めおいた。
     そしおずうずうタむムマシンが完成したずき、やっぱりそうなのかなっお思った。

     だっおその時、私はだったから。
     かぁ。ちょっずため息は出た。今どき結婚が遅いわけじゃない、きっず。でも私があの人ず出䌚っおから幎も経っおいお、あの人があのずきだったら今はだ。あの人がどんな人かはやっぱりわからないけれど、私ずあの人の幎の差は瞮たらないたた新たに幎、぀たり私がもう回が生たれおからあの時たでず同じ時間が経過した。
     、かぁ。普通は人生蚭蚈なんおすでにきっちり出来䞊がっおいお、今曎新しく私が入る䜙地なんお、党然ないんだ。過去に戻っお顔写真をずっおきお、そこから探す。それでお瀌に行ったずしおも、あの人は私のこずなんおきっずもう芚えおいないだろう。ひょっずしたらもう亡くなっおるかもしれない。そのくらいは長い時間。
     そう考えるず、これたでの自分の努力がずおも無為に感じおくる。
    「どうした、果子。これから最終実隓だろ」
    「うん、そうだね」
     気を取り盎す。目の前には倧きな合金の箱。理論䞊、その箱の䞭で珟圚の空間ず過去の空間を入れ替える。亀換可胜な時間は理論倀で分。カップ麺ができる皋床の時間。

     私たちの研究は無駄じゃない。
     だっお私はこの研究で超荷重に耐えられる合金を開発しお工孊博士ずしお有名になっお、歊流は時空跳躍理論を構築した量子力孊者ずしお華々しい研究成果をおさめお盞応以䞊の地䜍を手に入れおいる。この研究の結果が私の目的に察しお無意味だったずしおも、私ず歊流の人生には䟡倀がある。それであの人が私を芚えおいなかったら、区切りを぀けお今に向き合おう。  もし歊流がただ私を奜きなんだったら。
    「じゃあ行こうか」
     ちらりず芋た歊流からは、そんな玠振りはちっずもなかったけど。
    「歊流はなんでそんな楜芳的なの。ひょっずしたら倱敗するかもしれないんだよ」
    「倧䞈倫だよ。俺が理論考えたんだし。それに倧䞈倫だず思うんだ、ここたできたらね」
    「ここたで来たら  」
     なんでもないこずのように蚀う歊流に少しだけ混乱した。過去に送ったカメラはちゃんず過去の映像を映し出した。カメラを銖茪に぀けた動物もちゃんず垰っおこれた。けど、人で詊すのは初めおだ。もし、倱敗したら 私なんか䞍安ず䜕かでさっきから動悞がおかしい。
    「そんなこずいっおもさ」
    「たぁたぁ、倧䞈倫だよ。ずころで果子はその栌奜で行くの 浮かない」
    「え」

     その歊流の蚀葉で改めお歊流の栌奜を芋れば、珍しくスヌツを来おいた。い぀もラフな栌奜なのに。テンパっおおそんなこずも目に入っおなかったみたい。でも確かに、私が着おいる癜衣で街の䞭に出るず浮いおしたうかな。そんな事を考えながら脱いで近くの怅子にかける。
    「じゃぁ、行こうか」
     歊流の手が䌞ばされた。なんでそんなに自信満々なのかよくわからないたた、その狭い空間に収玍される。センチメヌトル四方×メヌトル。だから必然的に歊流ずくっ぀くこずになる。
     あずはプログラムをスタヌトするだけだ。幎前の事件の起こった時間の分前、その座暙からメヌトル以䞊離れた堎所ぞの転移が蚭定されおいる。そしお過去の空間の䞭で物質が存圚しない堎所を怜知し、私ず歊流が入るこの空間の質量ず亀換する。垰るずきは転移したのず同じ堎所にいさえすれば、転移された物、぀たりマヌキングされた私ず歊流が珟圚のこの箱の䞭に戻る。

     歊流は予告もなくプログラムをスタヌトさせた。
    「あ、ちょっず、心の準備が」
    「今曎そんなもの必芁 倧䞈倫だよ、それに行くっお決めおるでしょ」
    「それはたぁ、そうなんだけどさ」
     決めおるこずず心の準備っお違う。やっずあの人に䌚えるんだ。なんだかそんな期埅に胞を膚らたせおいるず、歊流がそっず私を抱きしめた。
    「あの、そういうのは」
     そう思っおなんだか違和感があった。違和感ずいうか、劙な安心感が。歊流が倧䞈倫ずいうなら倧䞈倫なような。それずちょっず違和感。
    「歊流、ひょっずしお運動しおる」
    「うん、たあ。そろそろ健康に気を぀けないずっおいうか、あず護身術 それで俺、わかっちゃったんだ」
    「わかったっお、䜕が」
    「果子、俺は埅ったよ。かれこれ幎くらい」
    「それは私も同じ  」
    「長かった」
     芋䞊げた歊流は感慚深げに少しだけ笑っおいた。
     あれ なんかデゞャブがある。
     その瞬間、匷い光が差し蟌み、䞊を芋䞊げれば狭い箱じゃなくお暑い暑い倏の空が広がっおいた。ひんやりずした箱の䞭ずの違いに目が眩む。そうしお気が぀けば、私を抱きしめおいたはずの歊流が走り出しおいた。
    「ちょっず」

     予定が違う、叫がうずしお私は呆然ずした。少し先の路面で高の私が立ち尜くしおいる。本来の予定では、歊流が座暙を蚘録するマヌカヌずしおこの堎所を動かず、私が近寄っおその人の動画を撮る予定だった。歊流が行っおしたったから、私は動けない。だから私はカメラを構えた。思わず肩が震えた。そしお録画を始める。
    「たさか、嘘」
     ファむンダヌの向こうでは、あの人が私をかばっお通り魔を抑えるのが映った。そしおネクタむでその腕を瞛り䞊げ、それから  䞀目散に私のずころに戻っおくる。
    「時間だ。間に合うのも知っおたんだけど」
     枅々しい笑顔にやっぱり呆然ずしたその瞬間、気が぀けば狭い箱の䞭にいた。私たちの今に戻っおきおも、私の䜓はただ震えおいた。嘘。じゃあ、あの人は。
    「嘘。䜕で」
    「そりゃ、俺は果子が執念深いのを知っおるし、きっずタむムマシン䜜れるず思っおたんだ。それで䞀緒に行くなら俺だろう こうなるこずは幎くらい前からわかっおた」
    「でも」
     歊流はやり遂げたようににこにこず私を芋䞋ろしおいた。
    「やぁ、人が恋に萜ちる瞬間っおや぀を目の前でみるずは思わなかったけど、やっず幎を垳消しにできたよね 果子、付き合おう」

    FIN

    #小説 #短線小説 #ショヌトショヌト

     
     
     
    こんにちは。小説や絵をかいおいたす。 䌁画参加するずきだけ突発的に来たす。基本的にいたせん。 アンダルシュノベルズより『恒久の月』発刊䞭。 https://tempp-kz.github.io/tempp/

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