メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bynoriaki_wada

無人島生活福袋/毎週ショートショートnote

    てみ

    この世に絶望しか持てない俺は
    ある日、懸賞で当たりを出した。それは
    『無人島生活福袋』という名前だった。

    「俺、無人島生活するよ」
    父母にそう言って俺は本土を離れ船で無人島に向かった。
    無人島は大きな木が1本あるだけの本当に何もない島だ。
    俺は早速荷物の中からキャンプ道具を出しテントを建てた。
    すると、ドローンが飛んできて、あるものが落とされて来た。
    すぐそばに落ちたそれは「福袋」と書いてある。
    「おっ!来たか。中身は何だ」
    福袋を開けてみた。
    歎異抄たんいしょうが一冊入っていた。
    「これが歎異抄か」
    新聞の広告で見た事があった。

    「無人島へ行くなら歎異抄を持て」
    そう広告に書かれてあった。

    俺は寝食も忘れ歎異抄を読み耽った。
    知らないうちに涙が溢れている。
    「俺に必要なものはこれだったんだ」
    俺は1本の木から本土に戻る船を作り本土に帰った。俺の人生は、無人島から変わった。もう絶望する事もなかった。いつも他人のせいにしている事に気づいた。あるべき姿になった俺に迷いは無かった。






     
     
     

    てみ

     
     
    書くことが好きです。映画感想文、読書感想文、短歌、小説、体験談、エッセイなど書いています。宮沢賢治、新美南吉の童話好きです。柳田國男の「遠野物語」は大好きです。初noteは、20240222です。

    あなたへのおすすめ